ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
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『この天幕は自由に使ってくれ。私は少し、食事を済ませてくる。他の天幕には料理天幕や風呂天幕がある。それらも自由に使ってくれ。』
一騒ぎあった後、ここにある施設のことを寝具を持ってきたキズメルさんが教えてくれました。
「えっ?お風呂、あるんですか?」
思わず敬語で聞き返すアスナさん。
『ああ。そなたらも行くと良い。』
「それじゃあ、みんなでお風呂に入りましょう!」
「あ、良いですね!疲れも取りたいですし…」
「一風呂入りましょう!」
「あー!いいね、お風呂!ボクもSAOに来てからお風呂入ってないな…」
「私も、お風呂があるなんて知らなかったデス!」
『私は先に食事を済ませて後から行きます。』
「……じゃあ、俺たちも行くか?ユージオ。」
「うん、久しぶりにお風呂にはいっておきたいしね。」
と、皆さんでお風呂に入ることに。パーシーさんはご飯を先に済ませて後から来るそうです。
「それじゃ、行きましょう!早く!」
アスナさんが珍しく、上機嫌になっています。アスナさんに私達もついて行きます。
そして、野営地の風呂天幕に来ました。が、入り口を見た途端に全員が動きを完全に止めました。
一つのほかと比べてもかなり大きめに作られている風呂天幕。そこには、入り口が一つしかありません。
「………入り口が、一つしかないわ…」
「……こんよ……ゴホンッ……」
アスナさんの呟きにキリト先輩がなにかを答えようとしますが、寸前でわざとらしく咳をしてやめました。
「……ど、どうしますか?」
「ンー……」
「……やっぱり、交代で入るしかない……ですね。」
「……んじゃあ、俺達先に飯食って来るよ。な、ユージオ。」
「うん、そうだね。」
ティーゼの提案により交代で入ろうとした時、キリト先輩とユージオ先輩が清々しいほどに早口で宣言しました。
が、その動きを女子全員で止めます。
「……このままだと、NPCが入って来るかもしれないじゃない。」
「は、はい。」
「だから、ユージオ先輩……みっ見張りをお願いしますっ!」
「「…………わ、分かりましたっ!」」
アスナさんの説得とティーゼの上目遣い気味の懇願により、キリト先輩とユージオ先輩に見張りを頼むことに成功しました。
「それじゃあ、先に入らせてもらうよ!キリト、ユージオ!」
二人に断りを入れて私達は風呂天幕に入りました。
○○○○○○○○○○○○○○○
「ふぅ……気持ちいいですねぇ…」
思わず出てしまう声。温かいお湯が疲れた私の体をほぐします。
「へー!結構広いんだね!」
「私の家のお風呂より3倍くらい大きいデス!」
素っ裸で天幕内を眺めるユウキちゃんとナギちゃん。
「そうね……あの農家のお風呂より4倍くらいはありそう。」
髪をお団子のようにまとめて体を洗うアスナさん。
「唯一、この時間がリラックス出来るぅ〜」
お風呂の中で四肢を浮かべるティーゼ。
「みんなでお風呂に入ることが初めてですからね…」
私も目をつぶり、身体を弛緩させます。
「………なんで、私だけ……」
「どうしましたカ?」
ティーゼのなにやら羨ましそうな目線を感じ、不思議そうに聞くナギちゃん。
「………だって、む、胸が……」
そういうと、ティーゼはここにいるみんなへ順々に目線を送ります。
正確には、みんなの胸をです。
ナギちゃんは私達の中で一番年上なのか、私達にはない……いつもは分からない、大人っぽい体つきをしてます。結構背も高いし…
アスナさんは流石、アンダーワールドで創造神ステイシアに選ばれたお人だと思わせるような……いわゆる、出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでる……そんな理想の体です。
アンダーワールドの時もティーゼはこのことで悩んでいた時期がありました。たしかに、ティーゼは小振りかも知れないけど、そんな気にすることも無いような…
そして、ユウキちゃんを見ると、
「……ユウキちゃん、一緒に頑張ろう!」(´;ω;`)
と力なく、そう言いました。
「?」
ユウキちゃんはなにもわかっていないようだけど…
「ティーゼ…変わらないね……」
と、呟いたその瞬間。
「……さい」
「へ?」
「うるさーいっ‼︎」
「え、ちょ……ひゃっ⁉︎」
叫びながら飛びついて来ました。
「もー!なんなのよその言い方!まるであたしが成長してないみたいじゃ無いっ!」
「ちょ、てぃ、てぃーぜ…揉まない……で、んんッ……!」
ガンッゴンッ!
「このぉー‼︎ソレちょっと寄越せぇ‼︎」
「な、何してるの?ティーゼちゃん!」
「いくらお湯の中とはいえ、暴れると怪我するかも知れませんヨ!」
「なにやってるのー?楽しそうだし、ボクも入れて!」
ティーゼとユウキちゃんが私の胸を揉み、アスナさんとナギちゃんが二人を止めにかかるという、色々混沌な状況が出来上がりました。
その時、天幕の外から声が聞こえました。
『ア、アノ………スミマセン…ヨロシイデショウカ』
『……キズメルサントパーシーサンガハイルケド、イイカナ?』
……何故そんなに片言なの?
「……いいけれど……」
『では、入るぞ……なんだ、随分と仲がいいんだな。』
『失礼します……随分と楽しそうですね』
キズメルさんとパーシーさんが入ってきて私達を見るなりそう言いました。
「二人とも、もう食事終わったんですカ?」
『ええ。やはり、周りの目が厳しかったので……早めに済ませてきました。』
『まあ、仕方がないといえば仕方がない。本来敵であるはずの森エルフが目の前にいるのだからな。お前の態度で少しずつ変わっていくだろう。』
『だといいのですが…』
「とにかく、二人とも入りなよ!気持ちいいよ!」
『ああ、そうさせてもらう。』
そう言って二人は鎧の留め具に手で触れました。直後、シュワン!という音を立てて鎧が解除されました。そして、続いて薄い服を脱ぎました。
「……お、大っきい……」σ(^_^;)
「……すごい、デスネ…」(;`・o・´)
「二人ともすごい……」(・ω・`)
「わぁ……脱帽だねっ!」ビシッ!d(^▽^o)
「……っ⁉︎」Σ(゚д゚lll)ザバッ!
エルフのお二人は私たちの誰よりも、胸が大きい……あ…
とあることに気がついて横を見ると
「……」(´;ω;`)ウウッ
「……」
ティーゼが静かに泣いていました。ご、ごめん……
そのあと、ティーゼを慰めるのに10分もかかりました。
○○○○○○○○○○○○○○○
少女たちは知らない。約2名の男子が天幕の外で悶え苦しんでいたことを。
※ティーゼの件は自分の中の設定です。
次回《大蜘蛛討伐》