ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
今回は、毒蜘蛛の洞窟に行くまでのお話です。そして、内容薄いです。次のお話はちゃんと毒蜘蛛討伐しますからッ⁉︎
そ、それでは、どうぞ…
☆
エルフの戦争に巻き込まれた僕らは次の日、司令官に言われて毒蜘蛛討伐に出向いた。パーティメンバーが七人にキズメルとパーシーを加えると九人で二つのパーティにしなければ収まらないことがわかった。けれど、パーティを分けてしまうと、クエストの進行に支障がないか、わからなかったがいざ分けてみると全くそんなことはなく、キリト、ロニエ、アスナ、キズメルのキリト班と僕、ティーゼ、ナギ、ユウキ、パーシーのユージオ班に分かれてクエストを進めることになった。
「さて、ダークエルフの司令官さんに言われて蜘蛛退治に来てみたけど……」
「…どこを探せばいいんでしょうか?」
鬱蒼と木が生い茂る森の中、僕らはそこにいた。
「俺は洞窟の正確な位置を知ってるけど……まあ、ネタバレは面白くないよな。」
「その考え、効率悪いわよ。今は楽しむような状況じゃないでしょ?」
「……まあ、どちらにせよ…すぐ分かると思うぞ。」
「どうしてですか?」
「このクエストを受けるとこの森の中での蜘蛛型モンスターの
ティーゼの質問にキリトがわかりやすく答えてくれる。
「このクエストって確か、毒蜘蛛討伐でしたよね……ということは、その蜘蛛が出現した…やって来た方向を進めば必然的に毒蜘蛛の巣に辿り着けるってことですか?」
「流石ロニエ、ご名答。と言うことでじゃんじゃん倒していこうー」
「蜘蛛………蜂もそうですけど、虫が多いですねぇ……あたし、虫はいいけど、蜘蛛はなぁ……」
「ジャン↑ジャン↑行きまショウ!」
「斬りまくるぞー!」
と、ティーゼが小さく呟き、ナギとユウキが息巻く。すると、後ろで静かにしていたエルフの騎士、キズメルとパーシーが反応した。
『すまないが、そう談笑をしている暇は無いようだ。』
『前方から二体、蜘蛛が来ています。戦闘準備をして下さい』
「えっ、来てるの?」
「私達の索敵スキルには反応が無いですけど……」
「まあ、そこはエルフパワーじゃないか?」
僕らの索敵スキルには反応が無いものの、しっかりとモンスターが来ているようで、その10秒後にモンスターが現れた。
『キシャアアアアア‼︎』
『ギジャアアッ‼︎』
キリトのことだ、右のモンスターと戦うって言いそうだな。
「二体か……右は俺達がやるから…」
「左だろう?分かってるよ!」
「ああ、行くぞ!」
「「了解(です)!」」
『分かった!』
「僕等も負けてられないよ!行こう!」
「はい!」
「「おー‼︎」」
『そうですね。やってやりましょう!』
こうして僕等は初めての蜘蛛型モンスターとの戦闘に入った。
○○○○○○○○○○
それから10分後、僕等は蜘蛛の来た方向を進み続けている。10分前の戦闘からは蜘蛛型モンスターばかりと遭遇して、およそ7回程戦闘をこなした。
「……」
「なんだかさっきから蜘蛛ばっかりでバリエーションに欠けるわね…」
「なんか、蜘蛛が嫌になって来た……あたし、帰ろっかな……」
「ティーゼ、同感だけど帰るのは駄目だからね。」
「んー……確かに飽きて来たってのはボクも理解出来るけど…」
「でも、レベリングになってますカラ。気にしないで行きまショウ!」
「……やっぱり、慣れないのは慣れないね…アンダーワールドにはこんなやつ見たこと……あ、あるっけ?」
確か、セントラルカセドラルでの戦いでシャーロットって言うカーディナルさんの使い魔がいて……その使い魔も蜘蛛だったっけ?
「……キリト、どうしたのさ。さっきから黙ってるけど…」
「……んあ?」
「確かに…どうしたんですか?」
『キリトよ、悩み事があるなら話して見たらどうだ?』
『黙っているだけでは伝わりませんよ、キリト。』
「え、えっと……」
珍しくキリトが黙っているので聞いてみると、口籠もりながら答えた。
「んと………み、皆さん、よくあんなデカイ蜘蛛と戦えるなぁ……と。女子はこういうのは無理だと思ってたんだけど……」
「はあ⁉︎そんなことなの?そんなの、慣れよ、慣れ。それにこんな蜘蛛相手に怯んでたら、これから先やっていけないわよ!」
「確かにアスナさんのいう通りですね……」
「ボクはそういうのは慣れてるからさ!大丈夫!」
「妖怪を退治する巫女というのも、いいじゃないですカ!私は悪くないと思いマス!」
「確かに気持ち悪いし、怖いですけど……(ユージオ先輩がいてくれるなら大丈夫です)////」
アスナ、ロニエ、ユウキ、ナギ、ティーゼの順で答えていった。
ティーゼ、最後の方に何か言ったようだけど、まあいいか。
『私は慣れている。何度も戦ってきたからな。』
『私もです。これくらいで根をあげていれば、騎士など務めていません。』
「……みんな、強いな。」
「まあ、心強いね。」
○○○○○○○○○○
「お、洞窟発見だな。」
あれから十分後。僕達は無事に蜘蛛の洞窟に辿り着いた。
「うわ……蜘蛛の巣だらけだね。」
「まあ、毒蜘蛛の住処だからって言うのは分かってますけど……」
「……はっきり言って、入りたくないわ……」
「それには同感ね、ティーゼちゃん。」
「……帰りましょうカ。」
「気にしない気にしない!」
女子の面々はあまり進んで入りたくないみたいだ。
『ここが毒蜘蛛の住処のようですね。』
『準備が出来ているのなら出発するが、どうだ?』
キズメルが僕とキリトに聞いてきた。
「行けるよね?」
「ああ。解毒ポーションは一回も使ってないし、全員手持ちに三個、ストレージに17個ずつ持ってるからな。あとは……キズメル、パーシー。解毒ポーションっていくつ持ってる?」
『私達か?いくつか持っているが、使うことはないだろう。私にはこれがある。』
『ええ、私もです。』
そう言って、2人は右手を上げて見せてきた。そこには透明な宝石のついた指輪があった。パーシーは白縁、キズメルは黒縁だ。
「それは?」
『これは、エンジュ騎士団の近衛騎士に叙任された折、剣と共に女王陛下より賜ったものだ。五分に一度、異常状態の回復のまじないが使えるのだ。』
『私も同じです。』
「すっ………………」
「へぇ………凄いね!」
2人の話が本当だとすると、例え、毒を受けたとしても五分経ってしまえば、自然回復するということになる。もう、解毒ポーション要らないんじゃ……
ちなみにキリトは、『この世のものとは思えない!』というような驚いた顔をしている。
『そんな顔をされても、これを譲る訳にはいきません。第一、この指輪は、私達カレス・オーの民の血に僅かながら残る魔力をまじないの源泉としている為、貴方達人族には使えませんよ、恐らくですが。』
「……いや、俺は欲しい訳じゃないんだ!キズメルとパーシーが解毒の準備があるかを聞いただけだって!」
「嘘付け。顔に書いてあったぞ、キリト。」
「そうよね。君も男なんだから女の子に指輪をねだるなんて屑みたいな真似はしないわよね?」
「んなことするかっ………待て、その言い方だと逆は許されるみたいな………」
とアスナの氷点下の視線を浴びて、キリトが反論すると、
「「そんなことをする訳ないでしょ⁉︎」」
アスナとロニエが少し顔を赤くしながら言い返した。
何でロニエが答えたんだろ……
「ウワー、キリトサイテー(棒読み)」
「「キリト(センパイ)ッテ、ソンナヒトダッタンデスネー(棒読み)」」
「棒読みッ、めちゃくちゃ悪意を含んだ棒読みッ‼︎やめろぉ⁉︎俺はそんなこと考えてない!おぉい⁉︎聞いてんのかぁ⁉︎」
これからがクエストの本番だというのに、このグダグダさ。
大丈夫かな…?
「……じゃ、毒蜘蛛の巣窟攻略へレッツゴー…」
そして、最後にキリトのやる気のなさげな声が洞窟の中に木霊した。
次回『毒蜘蛛退治はお早めに』
次に投稿するのは、番外編となっております、『あの日、あの時、あの場所で。②』です。
次回も楽しみに‼︎