ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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こんにちは!クロス・アラベルです!
やっと①が終わった……なんか、上手くまとまりませんでしたが…
それでは、どうぞ!


懐かしき学園生活①下

 

私達はその上級修剣士二人に連れられて鍛錬場に行ったの。

 

「えっと……ほ、本当によろしいでしょうか…?」

 

「ああ、審判はこいつがやってくれるし、この時間帯なら鍛錬してる奴もいないし好都合だ」

 

「ちょ、勝手に決めつけるなよ!」

 

「でも、やってくれるだろ?その赤毛の子にまかせるのもあれだろ」

 

「……分かったよ。これ、貸し一つだぞ」

 

「……今度、新しいソードス……じゃない、秘奥義を教えてやろう」

 

「本当かい⁉︎じゃあ、楽しみにしているよ」

 

「……チョロいな、お前は」ボソッ

 

「なんか言ったかい?」

 

「イエ、ナニモ」

 

なんだか、二人の会話を聞いてると本当にお笑いを見てるみたいだったの。

 

「……あ、あの…」

 

「ん、ごめんごめん。じゃあ、やろうか」

 

「はい…」

 

それで私と黒髪の上級修剣士は木剣をとって相対して、構えたんだけど…

 

「……君、先に言っておきたいんだけど」

 

「はっ、はい!」

 

「……これは演舞じゃないぞ?」

 

「……?」

 

その時、相手がそう言って来たの。意味がわからなかったから反応出来なかったんだけど…

 

「……それでは立ち合い、開始!」

 

その声で私はいつも通り、この修剣学院でやってきた立ち合いをしようとしたの。そしたら、

 

「____ 」

 

 

その人、もう目の前にまで迫ってきててね、焦って剣を振ろうとしたんだけど、木剣を弾き飛ばされちゃったの。

 

「…な、何が……」

 

「……言っただろう?……これは、演舞じゃないって」

 

「………⁉︎」

 

「……本気で来い。型の美しさなんかじゃ、勝てやしない相手が何人もいるんだぞ。この広い人界ではな」

 

「……ど、どういう…?」

 

「……今持っているのはただの木剣だ。だが、いざとなった時_____例えば…戦争が起こったら、お前は手に持つ剣を振るえるか?」

 

「_______ 」

 

「……敵はなんの躊躇もなくお前の喉を掻き切ってくるぞ。どうだ?」

 

「……そ、そんな…」

 

「…ああ、無理だろうな。普通の人間なら無理だ。俺だってそうだ」

 

「……」

 

「…だったら、()()()()()()()()()()()()()()なら…どうだ?」

 

「……‼︎」

 

「……両親、兄弟、姉妹、友達……そして、愛する人。俺は……そのためなら、戦える。変な偽善の為なんかじゃない。その人たちの為……何より、自分の為に」

 

「……っ!」

 

「……君なら、どうだ?」

 

「……戦えます。いえ、戦ってみせます‼︎」

 

「…なら、続きをしようか。今の君なら、いい試合が出来そうだしな」

 

木剣を拾ってまた、相対して構えたら、緊張感が軽くなったみたいだった。そして、私は私の持っている技全てを出し切って戦ったの。

 

でも、結果は惨敗。本当にありえないほど強かった。まあ、今も変わらないと思うけど……

 

「…負けた…」

 

「ん、いい太刀筋だったぜ。これは将来に期待だそうだ」

 

「ロニエ、おつかれ」

 

「うん……負けちゃった」

 

「おい、お前やりすぎじゃないか?最初のなんか、見ててヒヤヒヤしたよ」

 

「そうか?まあ、でも楽しかったな」

 

その上級修剣士は笑ってもう一人と話してたの。汗もほとんどかいてないし、息も上がってなかった。こっちは汗かいて肩で息してたのにだよ?

 

「…ああ、そうだ。あの事故の事だけど、俺怒ってなんかいないからな?じゃあ、まだ会おうぜ」

 

そう言って二人は去って行ったの。

 

「……すごい強かったわね」

 

「うん。私もあんな風に強くなれたらなぁ…」

 

 

 

 

それから3日後に私たち序列で12位以内に入っててね、上級修剣士の傍付き剣士になることになったの。

 

「ロニエ、あんた誰傍付きだった?」

 

「えっと、キリトって言う人」

 

「えっ⁉︎本当?」

 

「うん。多分、あれだよね?この学院で唯一平民出の上級修剣士…」

 

「うん。私も奇跡的にあんたと一緒の部屋のユージオって人だったわ。この人も確か平民出だったって…」

 

「……それに噂色々あるよね…」

 

「前主席上級修剣士と引き分けたとか、例に見ない連続剣技が使えるとか…」

 

私たちはその噂の上級修剣士の部屋に行ったんだけど……

 

「……あ、あそこじゃない?」

 

「そうみたいだね」

 

いよいよ部屋の前まで来て、さあ、訪ねようと思ったその時、中から声が聞こえて来たの。喧嘩してるような声が。

 

『おい!待てよキリト‼︎また逃げる気か⁉︎』

 

『うるせえ!ただ俺は跳ね鹿亭の蜂蜜パイを買おうと…』

 

『嘘つけ!もうすぐ傍付き剣士の子が来るから逃げようとしてるくせに!』

 

『べっ、別に逃げようだなんて…』

 

『じゃあなんで扉の前にいるんだよ!』

 

『………』

 

『………』

 

『あばよ、とっつぁん〜‼︎』

 

『させるかぁ‼︎』

 

ややあって、扉が勢いよく開いてその噂の二人が盛大にこけながら出て来たの。

 

「ぐはぁッ⁉︎」

 

「うわぁっ⁉︎」

 

「「きゃっ⁉︎」」

 

「つつつ………おい!お前、早くどけよユージオ!」

 

「駄目だね!傍付きの子達が来るまで拘束しておくよ‼︎」

 

「HA☆NA☆SE‼︎」

 

「断る‼︎」

 

「あ、あの〜……」

 

「「ん?」」

 

私が声をかけたらやっと私達に気づいたみたいで、見上げて来たんだ。

 

「あ、君たちは……」

 

「こないだの……」

 

「そ、その件ではご迷惑をおかけしました!」

 

「あたしたち、傍付き剣士としてきました!」

 

その時初めて3日前の人たちだって私たちも気づいたの。

 

「……おい、来たぞ。どけよ」

 

「…分かってるってば………ごめんね?こんな情けない姿を見せちゃって…それで君たちが、僕らの傍付き剣士でいいのかな?」

 

「はい!私はキリト上級修剣士殿の傍付き剣士を務めさせてもらうことになりました、ロニエ・アラベル初等練士です!」

 

「同じく、ユージオ上級修剣士殿の傍付き剣士を務めさせてもらうことになりました、ティーゼ・シュトリーネンです!」

 

「……改めまして、僕はユージオ。よろしくね、二人とも」

 

「同じく、キリトだ。よろしくな」

 

「「はい!」」

 

これが私達とキリト先輩達が出会ったお話だよ。

 

 

 

 

 

「へぇ……そんなことがあったんだ!」

 

「うん。すごい印象的な出会いだったけど……」

 

「ほんと、忘れられないわよね」

 

「あははは!」

 

「あ、もうこんな時間だ。もうそろそろ帰るね?ユウキ」

 

「そうね。早く寝ないと明日ちゃんと起きられないかもしれないわね」

 

「そっか……じゃ、また明日!」

 

 




次のおまけ回はいつになるか分かりませんが……
次回は本編のプログレッシブが一旦終わります。そして、その次からアインクラッド編(2巻の話)が始まる予定です!

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