ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
遅くなってしまいました。リアルの方が結構忙しくなってきていてまして……
さあ、今回は皆さんお待ちかね、月夜の黒猫団の皆さんの登場です!この月夜の黒猫団編はまだ3、4話ほど続く予定ですので、楽しみにしておいてください!今回は短めです。
では、どうぞ!
◇
「それでは、我らが《月夜の黒猫団》に乾杯!………んでもって、命の恩人、キリトさん達に、乾杯‼︎」
『『乾杯‼︎』』
「か、乾杯…」
「乾杯!」
「か、かんぱーい!」
「かんぱーい!」
11階層の主街区《タフト》のとある酒場。そこで総勢五人パーティのメンバーと四人のプレイヤーが各々の飲み物が入ったグラスを持って、五人パーティの一人、ソード使いのダッカーが乾杯の音頭をとった。
「本当にありがとう!助かったぜ!」
「キリトさん達がきてなかったらと思うとなぁ……」
「本当に感謝だな!」
「ありがとう……本当にありがとう。凄い怖かったから…助けにきてくれた時、凄く嬉しかった……!」
「い、いや…俺達はたまたまあそこにいただけだからな…あんまり気にしないでくれ…」
そのパーティメンバーの各々が感謝の意を伝える中、キリトは一人コミュ症を発症させて、戸惑っていた。そこにすかさずユージオがフォローにはいる。
「でも、本当に良かったよ。間に合って…」
「そうですね、ユージオ先輩!」
「あの……失礼だとは思うんですけど、皆さん、レベルの方は幾つぐらいで…?」
「……敬語は止めにしよう、ケイタ。ここはデスゲームの中とはいえ、ゲームはゲームだ、敬語なんて必要ない。で、レベルだっけ……えっと……」
おお、コミュ症のキリトが結構知らない人に喋りかけられたね、そうユージオは思ったが、また話が止まった。おおよそ、本当のレベルをいうか否かで迷っているのだろうと思ったユージオは、キリトの代わりにレベルを公表する。
「僕とキリトが45、ロニエが44、ティーゼが43だったかな?」
「す、凄い……!まさか、皆さん……いや、キリト達は、攻略組なのか……?」
「うん、一応ね」
「……もうちょっとで追いつくのに…」
「ま、まあまあ、ティーゼ…」
するとケイタ達月夜の黒猫団メンバーは驚き、感嘆の声を漏らす。ユージオの横でティーゼがロニエに向かって口を尖らせ、悔しそうに呟いた。
「凄いな……でもさ、なんで最前線にいる攻略組のメンバーがここに…?」
「……キリトの剣の強化アイテムを取りに来たんだ。ここでしか取れないものだったからね」
ユージオは槍使いのササマルからの意外な鋭い質問にユージオは驚きながらも答えた。
だが、ユージオ達がここに来た理由はそれだけではない。
『
「…なあ、キリト、ユージオ。少し頼みがあるんだ」
「なんだ?」
「?」
「俺達を指導してくれないかな?まだ俺たちレベルは20そこそこでさ、あんまり強くないし、技術面でもあまりいいとは思えないんだ。だから……ギルドに入ってくれとは言わない。指導してくれるだけでいいんだ。特にこいつなんだけど……サチって言うんだけど、見ての通り
リーダーのケイタがメンバーの一人、サチと呼ぶ少女を前に出して話す。
「何よ、人を味噌っかすみたいに…」
「盾に隠れてりゃいいんだって!」
「…いきなり前衛なんて、おっかないよ…」
「大丈夫だよ、サチ!」
その言葉を聞いてユージオは少し不安になった。
先程のモンスターとの戦いで彼女は敵が目の前にいるのに、目を瞑る傾向があった。そんな彼女に
「……分かった。やっては見るけど、その途中経過で俺達が無理だと判断したらサチの前衛への転向は中止になるけど……いいか?」
これがキリトなりの妥協案なのだろう。ユージオは反対する気は無かったし、ロニエ達もそのはずだ。
「ああ!本当にしてくれるのか⁉︎」
「ああ。断る理由もないしな」
「……まあ、指導の方は明日からにしよう」
「やったな!」
「本当にありがとう!」
「助かるよ!」
「よっしゃ!こうなったら今夜は無礼講だっ!じゃんじゃん飲むぞ‼︎」
「飲み過ぎるなよダッカー!酔わないとはいえ飲み過ぎは明日に差し支えるかもしれないんだからな!」
「分かってるって!さあ、飲もうぜ〜!」
その後、月夜の黒猫団のメンバーとキリト達はかなり遅い時間まで宴会をして、寝るときには四時を回っており、次の日の指導は翌日に延期になったのはご愛嬌だ。
そして、この2日後から月夜の黒猫団に対するキリト達の指導が始まるのだった。
次回《努力は実ると信じて》