ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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お待たせ致しました!クロス・アラベルです!
今回でシリカ編終了になります。言っておきましょう。ロニエキャラ崩壊してます。怖いです。怖いです(大事なことなので2回言いました
最近気づいたのですが、ソードアート・オンラインの公式10周年のホームページに作中年表があったので見たのですが、シリカ編の前に色々とお話があるみたいですね……もしかしたら最新話より前のお話をまた書くかもしれません…紛らわしいかもしれません、ごめんなさいm(_ _)m
それでは、どうぞ!


許されない殺人(こと)

 

 

次の日、ユージオ達はキリト達より少し早く起きて宿の前で待機していた。

「キリト先輩はなんと?」

「9時から思い出の丘を目指して出発するって。多分お昼には帰って来れそうだよ、彼ら以外にキリト達を狙ってる人がいなければの話だけど」

昨日、キリトと連絡を取り行く時間を聞き、ユージオ達はそれに合わせて誰も尾行してこないかを見ると言ったのだがキリトは

『大丈夫だ。アルゴの情報によると奴らのレベルは50を超えるか超えないからしいから、何人来ようと俺一人で十分だよ。レベル差もあるし、ユージオ達は奴らが出てきて、俺が合図したら出てきてくれ。多分奴らはプネウマの花をゲットした後……モンスターの出現するフィールドから街へ入る直前を狙ってくると思う。だからあまり手は出さないでくれ』

との事だ。確かにそれはユージオも理解出来たが、それで大丈夫なのだろうかと心配にもなったりする。もちろんキリトが負けるとは思っていない。だが、無意識に心配もしていた。

ユージオが見たのはキリトの過去であって今現在に起こると決まったことでは無い。

確かにキリトのレベルは過去よりも高いが、ロニエは不安を抑えられないようだ。

ユージオ達が集まって数分後にキリトと少女__シリカは宿から出てきて、転移門へと向かった。

「じゃあ僕らも行こう。転移、フローリア!」

キリト達が転移門でフローリアに向かったのを確認し、ユージオ達は5分後に転移門でフローリアへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで待とう。多分キリト達は思い出の丘に向けて出発した筈だからね。思い出の丘でプネウマの花をゲット出来たらキリトから連絡が来るはずだから……」

「わかりました。それまでどうします?」

「レベリングでも行きたいところだけど…流石にそれをすると時間がかかっちゃうし」

「……私は、ここで待ってます」

「そうだね。あまり目立たないように暇を潰そう。もしかするともう彼らが来ている可能性もある」

「じゃあ、ユージオ先輩は、ティーゼと2人でいてあげてください」

「え?」

「ロニエ!?」

「ここはカップルがデートスポットとしてよく来るところです。3人でいるのも変ですし、お二人の方が似合ってますしね」

ティーゼが顔を赤くしながらパニくるのもお構い無しにロニエは爆弾発言をした。

「……っ!?」

「……///////」

「ティーゼといる方が自然でいいですよ?変に思われないでしょう。私は適当に暇を潰しますから…」

「……っじゃあ、この安全区域から出ないようにしようか。キリトから連絡が来たらこの噴水前に集まろう。すぐロニエにもメッセージを送るから」

「分かりました。それではまた後で…」

ロニエはそう言って花畑の方へ行ってしまった。

「……」

「……心配なんだろうね。」

「ええ。ロニエってば、キリト先輩の事になるとああなっちゃうようになりましたね。ここに来てから…」

ユージオの言葉にティーゼは顔を赤くしながらも答える。

「まあ、心配することも無いさ。キリトのことだから彼らに襲われても死ぬことは無いだろうしね」

「『バトルヒーリングスキル』……ですよね」

少し不機嫌になりながらキリト達が持つスキルをティーゼが言った。

「うん、レベルは相手の方が俄然低いから、十分あのスキルの自動回復がダメージの総量を上回る。そうなればキリトを殺すのは無理だよ。たとえダメージ毒を使っても麻痺毒を使って抑えてもね」

「先輩達はおかしいですよ。あんな危険なスキルの熟練度上げ……わざとモンスターからの攻撃を受けるなんて!」

頬を膨らませながら怒るティーゼ。

「とは言っても君だってスキルは持ってるでしょ?」

「先輩達程熟練度は高くありません。って言うか、何なんですか熟練度700超えって……あんなの到底出来ません!」

冷や汗をかくユージオを叱りつけるようにティーゼは声を荒らげながら言う。

「スキル自体が特殊だからね。そうするしかないんだし…」

「今度から控えてくださいね?」

「……善処するよ」

「そういう所、キリト先輩に似てますよねぇ」

「えー?」

「似て欲しくないところが似てきてるって気づきました、この頃」

「そう、かな?」

「1年半もお傍にいれば自然に分かりますよ」

はぁ、とティーゼは嘆息した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後、それは来た。

「キリトがプネウマの花をみつけたみたいだよ」

「分かりました。ロニエにメッセ送りますね」

「頼んだよ」

『プネウマの花を無事に発見した。もうすぐ帰路に着くから準備よろしくな、ユージオ』

問題なくキリトとシリカは例のアイテムを手に入れたようだ。本番はここから____

「メッセ送りました」

「ありがとう、あとはロニエが来るのを待って…」

「さあ行きましょう」

「え!?いつ来たのロニエ!?メッセは今さっき送ったってティーゼが…」

ユージオがロニエがいつの間にかティーゼの隣にいて驚いた。もちろんそれにティーゼも気づけてなかったようでティーゼもびっくりしている。

「頃合かなと思ってきてみたら、案の定って感じです」

「そ、そうなんだ…」

女の勘、というのは恐ろしくも的中率が高いのだということをこの時ユージオは改めて痛感した。

「じゃあ行こう。」

ユージオ達は《タイタンズハンド》がキリトを襲うであろう場所に全速で向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事は既に起こっていた。

「下がってて」

「でも、1人じゃ危ないですよ!」

「大丈夫。俺の事なら心配しなくていいよ。」

「……キリトさん!」

ユージオ達がキリトの記憶から予想した遭遇場所まで行くと、もうキリトとシリカは《タイタンズハンド》のオレンジプレイヤー達に襲われていた。

「彼らだ。作戦通り行くよ。今飛び出すのはタイミングが悪い…キリトが彼らに斬りつけられて、ダメージがほとんどない事が相手に知られてから行こう」

「分かりました」

「……はい」

ユージオは2人に指示したが、やはりロニエは爆発寸前と言ったところで、剣の柄を握りしめている。

やがてキリトは無抵抗のまま《タイタンズハンド》のメンバーに斬りつけられていく。やはりユージオ達もロニエと同じく黒い感情に支配されそうになるもそれを押さえ込み、耐える。

『何なんだよ、こいつ!いくら斬ってもダメージが入らねえじゃねえか!?』

「……俺のレベルは91。ヒットポイントの総量は18900。バトルヒーリングスキルによる自動回復が10秒で800ポイントだ。あんたらが何時間攻撃しようと俺を殺すことは出来ないよ」

『そんなのありかよ!!』

「ありなんだよ。たかが数字が増えるだけで無茶な差がつく……これがレベル制MMOゲームの理不尽性なんだよ。」

そう、キリトが《タイタンズハンド》のメンバーの一人に言い返した直後、ユージオ達は動いた。

「さて、そろそろお縄についてもらおうか」

「何を……!!」

「そこまでだよ」

「!?」

「君たちがやっていた事は全て裏が取れてる。調べたところによると今まで殺してきたプレイヤーの数は28人。そのうち小規模ギルドが2つ、ギルドに入っていないプレイヤーが14人……らしいね?」

「どっ、どこでそんな情報を!?」

「色々情報に精通してる人が知り合いにいてね」

「なんなんだい!アンタらは!?」

「教える義理もないよ。言っておくけど、転移結晶で逃げようだなんて考えない事だね。君が転移結晶を使おうとした瞬間、僕らはあなたの腕を斬り落とす。」

「ッ!?」

「あと、僕らはキリトと同じくらいのレベルだから、僕らを突破して逃げるなんて出来ないから」

「……クソっ!言っとくけどね、グリーンのあたしを傷付けたらあんたがオレンジに…!」

「オレンジになったって、たかが2、3日だよ。僕らがそれを聞いて躊躇するとでも?」

ユージオが《タイタンズハンド》のリーダーであるロザリアを追い詰めるように言う。

「…今すぐ武器を捨てて投降しなさい。そうすれば命は取りません」

ティーゼが最終勧告を行う。こういう所でアンダーワールドで整合騎士だった経験が生かされているようで、迫力がある。

「……嫌だと言ったら?」

ロザリアが挑発するように言って来た。するとロニエが剣を抜く。

「貴方の首を斬り落とします」

「____!?」

心に迫ったその言葉はタイタンズハンドのメンバーだけでなく、ユージオやキリト達でさえ縮み上がらせた。

「これは遊びなんですよね?相手が本当に死ぬのか分からないし、犯罪になる訳ないんですから、別に気にしなくていいですよね?」

「……それはっ…」

「貴女がさっき言った言葉ですよ?」

「やっ、止めてっ……!?」

「それを貴方達は、他のプレイヤーだけでなくキリト先輩にまで……!!」

「ひぃっ!?」

「もう貴方達は死ぬことを恐れることはありませんよ。黒鉄宮の牢獄に入って、安全に生きるんですから」

「嫌っ、そんなの嫌!!」

「貴女達が殺した人達は死の恐怖味わって死んだんですよ。貴方達はその人達に比べれば痛くも痒くもありませんよ。良かったですね」

「ロニエ!!」

冷たいロニエの言葉にキリトは危機感を感じ、このままでは彼らを殺してしまうかもしれないと思い、ロニエを止めた。

「__キリト、先輩」

「お前が手を汚すような相手じゃない。止めてくれ」

「_______すいません、先輩」

「いや、いいよ。思いとどまってくれたなら」

その場がロニエの威圧に騒然とした。やはり、整合騎士だったからか何か逆らえないものを感じ取ってしまった。それとも、キリトへの想いがあったからか_____

「あんたらには黒鉄宮の牢屋に飛んでもらう。言っておくが、抵抗するなよ」

キリトがそう言って回廊結晶を作動させ、タイタンズハンドのメンバーをその中へ入るように言う。

「シリカ。こっちへ」

「………は、はい」

よろけながらもシリカはキリト達のそばにいき、そのまま安心したのか、ぺたりと座り込む。

「大丈夫よ。もう怖くないから」

ティーゼがシリカの肩を掴み、優しい声で諭す。

後ろでロザリアが反抗的な態度をとっているようだが、キリトに投げ飛ばされて黒鉄宮の牢屋へ飛ばされた。

「…ありがとう、ございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、シリカは無事に使い魔であるピナを蘇らせた。

こうなった経緯や説明もシリカにちゃんとした所、シリカは

「私なんかを助けて頂いて本当にありがとうございました!」

と言ったそうだ。

ピナが帰ってきたおかげか、シリカに笑顔が戻り、ユージオ達も安心して攻略に戻っていった。

そして、キリトはロニエに理由もなく怒られ、ロニエの言うことをなんでも3つ聞くことを約束させられたという。理不尽である。

シリカはロニエとティーゼとよく会うようになり、仲良くなるのは、後の話だ。

 

 

 

 


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