ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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プログレッシブ編 第一層 儚きあの日の記憶
鋼鉄の浮遊城


ある街で一人の少年が歩いている。

 

その街は、少年にとって来たこともない未開の地だ。

 

ヨーロッパの古き良き街をイメージ出来る。

 

たが、少年にとって摩訶不思議な経験だ。

 

何故なら、その街には少年以外、誰もいないのだから…………

 

 

???「…………あれ?ここ、何処?…………」

 

その少年は一人呟く。

 

???「……僕、死んだはずなのに…………」

 

そう、この少年は一度死んでいるのだ。生きているはずがない。だが、彼は生きている。そこに存在している。

 

???「誰か……誰かいませんかー!」

少年は大きな声で呼び掛けた。

 

……………

 

だが、返事はない。

 

???「………………とにかく、人がいそうな……広場とかを探そう。」

 

そして、少年は大きな広場にたどり着いた。

 

???「………ひろいなぁ…………」

 

この『始まりの街』の大広場。後もうすぐで悪夢のデスゲームが開始される。

 

そう、全ての始まり。

 

 

 

    ソードアート・オンライン

   『 Sword Art Online 』

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ユージオ「うーん…………ホントに誰もいないな…………」

 

おかしい。何かがおかしい。人の気配もないし、鳥の鳴き声さえしない……………

ユージオ「…………とりあえず誰かがいると信じて信号を送ろう。」

 

手を空に掲げ、大きな声で『神聖術』の式句を唱える。

 

ユージオ「………システムコール!ジェネレート・サーマル・エレメント!フライ・ストレート!ディスチャージ!!」

 

唱えると同時に、炎が空に打ち上げられる……………………

と、思っていた。

 

ユージオ「…………えっ?」

 

唱えたはずなのに…………炎が出ない!?

 

ユージオ「おかしい!なんで!?」

 

あの後、全種類の元素を試して見たけど、全部駄目だった。

 

ユージオ「『神聖術』が…………使えない……!?」

 

神聖術が使えないとなると、今は『青薔薇の剣』も持ってないし…………

 

ユージオ「………!まさか、『ステイシアの窓』も………!?」

 

右手を上から下に振ってみる。

 

リリーン!

 

ユージオ「………ホッ…………『ステイシアの窓』は出るみ…たい………だ?」

 

んん?何かいつもの『ステイシアの窓』と少し違うような…………

 

ユージオ「…………す、すてーたす?」

 

出てきた『ステイシアの窓』には、神聖語が書いてあった。

 

ユージオ「……………なんだろ…………これ…………」

 

『ステータス』と書かれたところに触れてみると………

 

リン!

 

ユージオ「?…………変わった?……………えっと…………ユージオ?これって僕の名前だ…………他にも書いてある………1000コル?………これってお金か何かかな?」

 

他にもいろんなことが書いてあった。

 

ユージオ「………………よし、状況を整理しよう。」

 

 

1.知らない街にいる

 

2.青薔薇の剣がない

 

3.神聖術が使えない

4.ステイシアの窓は開けるが、少し変わっている

 

ユージオ「……………どうなってるの?」

 

とても不思議だった。

 




次回『二度目の「はじめまして」』

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