ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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また1ヶ月も空いてしまいました(´・ω・`)
どうもクロス・アラベルです。
もう今年が終わってしまう……その前に投稿できて良かったです。はい( ᷇࿀ ᷆ ს )
2話連続投稿です。これで圏内殺人事件も解決です。
そして、今回は少しだけ戦闘描写があります。そして、キリトとロニエが滅茶苦茶強くなってます。
下手な文章になってたり、誤字もあるとは思いますが、どうぞよろしくです!
それでは、どうぞ〜


笑う棺桶(ラフィンコフィン)

 

 

 

 

ドドッドドッドドッ

 

強く地を蹴る振動が体中を駆け巡る。

キリトとロニエはとある乗り物の上にいた。

「先輩っ、先輩って騎乗スキルなんて持ってましたっけ!?」

「持ってないっ……!!ロニエ、あんまり喋るな!舌噛み切るかもしれないぞ!!」

そう。馬である。

このアインクラッドにはアイテムとしてストレージに入る騎乗生物(マウント)及びプレイヤーが個人で持てる騎乗生物がいない。だが、例外として、街や村にある牧場などの牛や馬を借りることはできる。主に牛はストレージに入り切らないアイテムを持たせて歩いたりするのが多い。だが、馬はほとんど借りられることは無い。非常に高い騎乗スキルを要求されるからだ。そんなスキルの練度をあげようとするのはよっぽどの暇人か、趣味人である。なので攻略組にも馬をなりこなせる人物はいない。(因みにこの世界で舌を噛み切ることが出来るかはキリトも知らない)キリトとロニエも例外ではない。なので勿論_____

「「~~~~~~~っ!?」」

酷い運転の様である。今にも振り落とされんとしている。キリトは手網を掴み前屈みになり、ロニエはキリトの腰にがっとりと抱き着いている。

シュミット達3人がいるグリセルダの墓までどれくらいあるかは分からないが、今は索敵スキルを全開にしてプレイヤー反応を探る。こんなレベリングとしても探索としてもあまりメリットのないこのフィールドではシュミット達以外のプレイヤーはまず居ないと考えていい。いるとしたらシュミット達か、グリムロックか______情報を流されて来てしまった殺人鬼(レッド)か。

と、その時、キリトの索敵スキルに何かが引っかかった。

「……!前方80メートル先にプレイヤー反応が、6つ!!遠くにもう1つあるが……」

おおよそ、6つの内3つはシュミット達。あとの3人は一体誰なのか。

「俺の嫌な予感が当たらないといいんだけど…なっ……!」

3()()。キリトは非常に嫌な予感に襲われた。

そして、離れた所にいる1人はおおよそグリムロックだろう。キリトは彼をアスナに任せた。

あと11秒で、シュミット達の所に着く。着いた瞬間にレッドとの戦闘になる可能性がある。

「……!!」

馬に落とされそうになりながらもキリトは剣の柄を握る。

「行くぞ、ロニエ……!!」

「___はいっ!!」

「_____4、3、2、1____ここだ!!」

その瞬間2人は馬から飛び降りようとした。が、馬は到着した直後後ろ足だけで立ち上がったため2人して勢いよく後ろに尻もちを着いた。

「痛てぇ!!?」

「きゃっ!?」

馬はその場に留まり、少し怒ったような表情でキリトを見下ろした。

「ギリギリセーフ……で、いいよな?あと少しでも遅れてたら、目も当てられない惨状になってただろうしな。」

キリトとロニエは立ち上がり馬の尻をぽんと叩き、レンタル状態だった馬は即座に元の牧場へと駆け足で帰っていった。

そして、キリトたちの前にいるのは、シュミットとヨルコ、そして、カインズだ。だが、3人は怯えた表情でキリト達を見ている。何故なら_____

 

「よう、PoH。久し振りだな。まだその趣味悪い格好してんのかよ」

「……お前には言われたくねぇな」

彼の有名なレッドプレイヤーの集まり、レッドギルドの幹部である毒ダガー使い《ジョニー・ブラック》、針剣(エストック)使い《赤眼のザザ》。そして、そのボスである中華包丁のような形をした魔剣級の大型ダガー《友切包丁(メイトチョッパー)》を使い、何十人とプレイヤーを殺してきた殺人鬼にして、レッドギルド《笑う棺桶(ラフィンコフィン)》を作り上げた張本人_______PoHが自分たちの命を狙っているからだ。

2人がそう言葉を交わした直後______

 

「「シッ____!!!」」

____火蓋は切られた。

閃くキリトの片手直剣とPoHの友切包丁と鋭い呼吸。金属同士が恐るべき速さでぶつかり合い散る火花。

キリトとPoH(ふたり)に遅れて動き出すザザとジョニー・ブラック。だが、もう眼前に剣は閃いていた。

「「!?」」

咄嗟に避けて左右に別れるザザとジョニー。2人に刃を振るっていたのはロニエだった。

キリトに負けず劣らずの剣技を持ってレッドプレイヤーのトップ2、3を即座に追い詰める。

「ちぃッ!!」

「__クッ!!」

「____フッ!!」

二人同時に反撃しようと獲物を握る。だが、ロニエはザザを抑えるべく《スラント》を発動させる。

防いだザザだが、完全に弾き返された。ザザのエストックは細く軽い。そのためロニエの片手直剣ならば押し切ることは容易だ。

「俺の事を忘れんなッッ!!」

「___!!」

ジョニーの投げナイフにロニエは即座に反応し技後硬直終了した瞬間に剣で弾き、ターゲットをジョニーに変える。

「うッッ!?」

ジョニーのナイフの弱点、それは完全に間合いに入らないと攻撃が届かないこと。ロニエはそれを的確に把握し、それを利用する。

気を付けるべきはジョニーの投げナイフ。それにさえ気を配れば()()()()

そして、とうとうロニエの剣の一撃がジョニーの右肩に入る。

「がァッ!?」

ジョニーが思わず声を漏らし、後ろへ倒れ込む。

「____!!」

「___ッ!!」

トドメをさせぬと言わんばかりにザザがエストックで突きをロニエにお見舞する。ロニエはそれを防ぎ、再びザザへの攻撃を開始した。

2()()1()。不利な筈のその状況を、ロニエは覆してみせた。

そのロニエの実力に、2人は畏怖した。

 

ソードスキルを使わない、剣戟。

それをキリトとPoHは繰り広げていた。ソードスキルを使えば技後硬直が課される。それはこの殺し合いでは絶対に避けるべき事。それを理解している2人は通常攻撃のみで戦闘を続ける。

切磋琢磨出来る友(ユージオ)》と並び戦ってきたキリトには前の世界線とは一線を画した戦闘技術があった。

殺しを本業とし、並々ならぬ技術を持つPoHであってもキリトには攻めきれなかった。

「ッッ!!!!(_____コイツ、やはり違う…!他の奴らとは、一味……いや、そんなものでは言い現せねぇぜ…!!俺が……防戦を強いられてるってのかよっ!?)」

故に、防戦。PoHは防ぐことしかしていない。攻めようものならキリトの一撃が頬を掠る。

PoHが対等に戦えていたのは初めのあの一撃だけであった。

Holy shit(ふざけやがって)!!!!」

思わずPoHが後ろへ下がる。キリトはそれに追撃せず、剣を中段に構えPoHを睨みつける。

同時にロニエもキリトの元へ駆けつけキリトと同じように剣を構える。

「……チッ」

人数差をものともしない強さ。それが2人にはあった。

「……っ(確かに戦いじゃあキツいかも知れねぇが……こちらには人質が……人質……まさか!?)」

PoHは気づいた。ついさっきまで足元にいた人質が、いないことに。

「……それも計算のうちだった……そう言いたいのか?」

PoHが人質として使おうかと思っていた、シュミット達はキリトとロニエの後ろにいた。

戦闘に夢中で気付かなかったが、2人は戦闘に乗じてこの人質の位置も把握し最終的にPoH達を人質から遠ざけることを目標にしていたのだ。

「……」

「さて、俺達の目的は達成された。お前ら……ここからだぜ?」

「「「ッッ!!」」」

「2対3とはいえ、負ける気は無い」

「いや、こっちは3人だ。さっきはコイツらが急な戦闘で不意をつかれちまったが……勝てねえ訳じゃねぇ。3対2だ。勝機は充分こっちにあるぜ?」

キリトの脅しにPoHが負けじと言い返すが、その言葉をキリト以外のものによって否定された。

 

 

 

『いや、3対2じゃない。3対4だ、PoH』

 

 

 

キリトたちの背後から声がした。

キリトたちもまったく気づかなかったので急いで振り向くと、そこには_____

 

「……ここまで来るのに半年か。ホント、時間かかったっスよ」

フードを被った知らないプレイヤーと片手槍を手にしたベルが立っていた。

「ベル…!?」

「お久し振りです、キリトさん。まさかと思っていたんですが…ここまで来てたなんて思ってませんでしたよ」

「どうして、ここに…?」

「説明は後程。この状況についてはもう完全に理解してるっス」

「……なら、心強い」

「まさか…!?《スズラン》か……!?」

《スズラン》。殺人ギルドである《笑う棺桶(ラフィンコフィン)》に対抗すべく30人程で結成された、オレンジプレイヤー及びレッドプレイヤー狩りを目的としたギルドである。これまで80人以上のオレンジ、レッドプレイヤーを捕え、黒鉄宮の監獄に飛ばしてきた。まさに、プロの殺人者殺し(アサシンキラー)である。そのギルドの団長こそがベルだ。

 

「…………お前か」

ベルは元々PoHに半ば洗脳されて操られていたが、今となってはその彼を黒鉄宮の牢獄に入れる為に全てを捧げることを選んだ。彼にとってもPoHは因縁の相手だった。

「また会ったな、PoH。今ここで決着をつけてしまいたい…だが、こっちは戦闘ができる人数が限られてる」

「……」

ベルの言葉を聞き終わる前にPoH達3人が再び各々の武器を構え出す。

「安心しろ。すぐ俺達には増援が来る。攻略組の選りすぐりの40人に、俺たちのギルドから10人だ。お前ら、たった3人で勝てると思うなよ?」

が、次のベルの言葉に3人はその手を止めた。攻略組40人と殺人者殺し(アサシンキラー)10人。どう見ても分が悪い。今でもそうなのに、増援が来られるなぞ、彼らにとっては最悪の事態だ。それを察したであろうPoHはすぐさま判断を下した。

「……SUCK(くそったれ)

PoHのその言葉に部下の2人は武器を納め、PoHと共にキリトが来た方向へと歩き出した。

「黒の剣士。お前だけは、いつか地面に這わせてやる。大事なお仲間の血の海で、ゴロゴロと無様に転げさせてやるから、期待しとけよ」

立ち去っていくPoH達。どちらも不意打ちを警戒していたが、それが起こることはなかった。だが、3人のうち1人____赤眼のザザが、キリトに言った。

「……格好、つけやがって………次、は……俺が、馬で追い回してやる…からな」

「練習しとけよ。結構見た目よりも難しいからな」

と、言葉を交わして3人は薄く霧が立ち込める丘を、降りて行った。

 

 

 

 

「……ふぅ…危なかった…」

3人の姿が見えなくなった直後、キリトは無意識のうちに安堵の溜息をついた。

例えキリトとロニエと言えど、不意打ちに近いあの戦い方が出なければ彼らを封殺することは出来なかった。人間、突然のことには冷静に判断して対処するのは難しい。それを突いた戦いだった。ベルの助太刀はとてもタイミングがよかった。

「……ありがとう、ベル。本当に助かったよ。それにしても、俺達が援軍を呼んでることを知ってたなんてな」

「いえ、俺もキリトさんに呼ばれて集まっていた攻略組の皆さんについさっき聞いたんです。一応この層の主街区にうちのギルドのメンバーがいます。まあ、10人もいないッスけどね」

「……やっぱりベルのもブラフだったか。流石《スズラン》ギルドリーダーだな。お見逸れしたよ」

「こればかりはアイツらと渡り合うのに最低限必要でしたから……自分が連絡入れとくッス」

「頼んだ」

ベルがキリトの代わりに街で待つ13人の攻略組と3人の《スズラン》メンバーへとメッセージを送ろうとメインメニューを開く中、キリトがロニエに渡された解毒薬を飲んで麻痺から回復したシュミットとカインズとヨルコに声をかけた。

「やあ、久しぶりだな。ヨルコさん。それに……初めましてと言うべきかな、カインズさん」

「お二人共、本当にごめんなさい全て終わったら包み隠さず話すつもりだったんです。信じてもらえるかは……その、分からないですけど…」

「信じてもらえるかどうかは、今のヨルコさん達の表情とか、声でわかるよ。ま、あとはご飯を奢ってもらえれば充分かな。あ、怪しいラーメンとか、何が入ってるかわかんないたこ焼きとか、無しだと嬉しいなぁ」

「先輩、そこは奢ってもらわなくとも信じましょうよ…」

キリトに申し訳なさそうに謝るヨルコ。それにキリトはカラカラと笑った。

「……いえ、初めましてではないですよ。キリトさん。あの時、一瞬目が合いましたし」

「あの時か。鎧破壊と同時に転移する寸前だったっけ?」

「ええ。この人ならこのカラクリを見抜かれてしまうかも……そう、思ってしまいました」

「謙遜し過ぎですよ、カインズさん。私達もこのカラクリに騙されちゃった訳ですし…」

カインズが黒いローブを脱ぎながら言った。ロニエも笑顔で答える。

「助けてくれてありがとう……だけど、キリトさん。なんで分かったんだよ…あの3人が襲ってくるって」

麻痺毒から回復し、立ち上がるシュミットが衝撃が冷めやらないままに、キリトに疑問を投げかけた。

「いや、PoHが来るだなんて思って無かったさ。確かに、レッドが来てる可能性は確かにあったからこうして来た訳だけど…」

そして、キリトはシュミットの疑問に答えるべく、自分が考えたその推理を事細かに話した。

 

 

 

 

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