ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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大変お待たせしました!
リアルの事情で引越し準備に結構手間取って………あと、シャロの世話係を誰にしようかかなり悩んでました。
今回はユージオとティーゼが攻略組に戻り、シャロのお世話係を決めるだけになります。はい。
では、どうぞ!



復帰

 

 

 

ユージオとティーゼが休暇をとってから十日後。

2人はシャロを連れて攻略会議にやって来た。シャロは2人には両手を繋がれて歩いている。時々2人に持ち上げられて嬉しそうだ。

シャロを家に1人置いていくのは2人には出来ず、連れてきてしまったが……

「どうしよう…シャロの事、色々考えなきゃいけないのに…」

「うぅん………2人で交互に1日見る、とかかな。1人にするのは無理だし、かと言って攻略に参加しないのもね…」

2人は今の攻略組のトップクラスの実力の持ち主。最前線の戦いでは欠かせない存在だ。それを2人自身も理解しているが故、悩ましいのだ。

攻略会議の約束の場所。62層の主街区、《ナウラ》の広場に集合になっている。

 

「おかあさん、きょうはどこいくの?」

「今日はね…お母さんとお父さんのお友達に会いに行くの。お父さんは1番高いところで頑張るヒーローなのよ」

「ひーろー!?おとうさんすごい!」

「ひ、ヒーローか…あながち間違いじゃないかもしれないけど言い過ぎじゃないかな、ティーゼ…?」

「事実そうでしょ?」

「おとうさんかっこいい!」

「……まあ確かに、満更でもないかも」

ユージオはティーゼの言葉に苦笑いで否定するも、シャロに褒められて思わず嬉しくなった。

「……あれ?一応時間より早く来てるんだけど…みんな来てるね」

「何故か、休暇の報告の時と被るわね…」

「…考えないでおこう」

キリトに言われていた時間より30分も早くに来たのだが、意外にも多くのメンバーが集まっている。

アルゴにまた情報を漏らされているんじゃないだろうかとユージオは考えかけたが、流石にないだろうと考えるのをやめた。

「お、噂をすれば」

最初に気付いたのはキリト。十日前と変わらぬ真っ黒コーデの姿に何か安心感を覚えながらユージオも声をかける。

「やあ。久しぶり、キリト」

「ああ。2人とも新婚生活は楽しめたか?」

「まあね」

「お陰様で」

「おはようございます、ユージオ先輩、ティーゼ」

「ロニエもおはよう」

「ロニエ、久し振り!」

「うん!後で色々聞かせてね♪」

「……まあ、話せる範囲でよ?」

いつも通りの4人。久しぶりに揃う面子にユージオは思わず頬が緩む。

「おはよう、2人とも。本当に10日間だけで良かったのかい?もっと楽しんでもいいと思うのだが…」

「大丈夫だよ、ディアベル。休みすぎると体がなまっちゃうからね」

「そない遠慮せんでもよかったんやで?わしらもユージオはんが抜けただけで崩れるようなとこちゃうんやし…」

「だがしかし、貴重な戦力であることは変わりないだろう?キバオウさん。彼らも自覚してくれているからこそ戻ってきてくれた。ありがとう、まだ余韻に浸っていたいだろうに…」

「あはは……」

ディアベルとキバオウ、リンドも挨拶に来た。現攻略組の中でもいわゆる幹部職についている3人。ディアベルが団長で、他2人が副団長と言ったところか。

「今は戻ってきてくれたことを素直に喜ぼう。それじゃあ、早速攻略会議を……ん?ユージオ、その子は……?」

と、そこでディアベルがティーゼの後ろに隠れていたシャロを見つけた。

攻略組の面々がユージオとティーゼに挨拶する中、ディアベルの言葉で全員がシャロに注目する。

「あー……えっと、これは、その……」

ユージオが説明しようとした時、ロニエが顔を赤くし口をぱくぱくさせながら言った。

「……ま、まさか…!」

特大の爆弾発言を。

 

「で、()()()()()()()()()()……!?」

 

まさに、核爆弾レベルの威力。たった一言、たった文字にして10文字。

普通はありえない______たった十日間のあいだに子供が出来て成長し9歳程に成長するなど不可能な_____事なのに、二人を見ていると、何故か有り得る気がする……ただそれだけで。

ただ何となく思ったことを口にしただけのロニエの言葉に、

「「「キャアアアアアアアアアアアア!!!」」」

女子を嬉しさと驚きのあまり大興奮し黄色い悲鳴を上げさせ、

「「「「「「な、何ィィィィィィィィィィィィィィィィイ!?」」」」」」

男陣営に驚きと落胆(先を越されあまつさえ子供も出来たという敗北感)による悲鳴を上げさせるには十分な威力があった。

ユージオは思考停止し、ティーゼは顔を真っ赤にして頭が爆発する。シャロは突然の事に驚いてティーゼの後ろに引っ込んだ。

「ちっ、違っ………////////」

「_____っ、ちょっと待ってよ!?なんでそうなるのさ!?/////」

「確かに……結婚して休暇をとった後に子供が2人にできる……当たり前よね…///」

「お、おめでとうございます!//////」

「ユーの字ィィィィィィィィィィ!!!先越されただけじゃなく子供まで作ってくるたァ、いい度胸してんなァァァァ!!!?」

「ぐはっ!?」

「なんや、ユージオはん…そういうことやったんなら言うてぇや!!よっしゃ!!今日は祭りやァ!!」

「ま、待っ…」

止まらない攻略組という名の野次馬。

「……なぁ、ちょっと水を差すようで悪いんだけどさ…」

と、1人冷静にキリトが引き攣った顔で言う。

「……言っとくけど、アインクラッド(ここ)じゃ、子供なんて出来ないだろ…?」

「「「「「「………あ」」」」」」

たった一言でうるさかった場がシーン、と静まる。

当たり前である。このアインクラッドでは子供など生まれない。誰もが知っている事の筈が、その場の空気に飲まれていたようだ。

「……あ、ありがとう…キリト」

「いや……まあ、な…」

「じゃあ、ちょっと説明するよ。みんなの意見を聞かせて欲しいんだ」

みんなが冷静になった所でシャロについてユージオは説明しだした。

 

 

「……バグ、エラー…どっちかだろ」

「やっぱりそう思うよね」

「今までバグなんてなかなか出てこなかったけど無いって訳じゃないからな。鉱脈バグとか、色々出てたし…」

「その鉱脈バグは、その後に直ぐ修正が入ったんでしょ?キリト君」

「ああ。今は様子見するしかないだろ……まあ、そんな難しく考えすぎない方がいいぞ?」

「……うん。ありがとね、キリト」

キリトも、アルゴと同じようにバグかエラーによる一時的な物だという結論に至った。

「それやと…その子は記憶喪失っちゅうことになるんやな。アインクラッドじゃ初めて聞くけど、ない訳では無いわな」

「親を無くしたショックで記憶を心の奥底に閉じ込めてしまったか、本当に記憶が無くなっているのか…謎は尽きないね」

「ほやな……始まりの街に専用の施設を作るべきかもなぁ…じゃあ、今夜あたり早速取り掛かろか」

「孤児院のようなものをか?キバオウさん」

「そや。まだわしらが把握出来てないだけで他にもこういう子がおる筈や。ならわしらが動かな誰が動くんや?」

「……人員に関しても少し議論するべきだろうな」

シャロが来た事で具体的に浮かぶこのアインクラッドでの問題。ユージオ達のいなかったアインクラッドよりは犠牲者は少ないものの、やはりいない訳では無い。その中には家族や友達、知人を失って1人になってしまった子供も少なからずいる。その為に本腰を上げて攻略組幹部達が立ち上がった。

「まあ、そこら辺はおいおい始まりの街で議論するとして…問題はその子の世話を誰がするかだ」

「うん、それなんだけど…」

「やはり、ティーゼさんに見てもらうのはどうだろう?母親は子供にとって重要だ。戦力が減るのは痛いが、それが妥当だと思うんだ」

本題であるシャロの世話、やはりディアベルはティーゼに見てもらうことが1番いいのではないかと提案してきた。

「うん、やっぱりそうだよね。一気に二人減るのは無理だからティーゼだけに…」

「それだとティーゼが置いていかれることになるぞ?ここは交代制にするべきじゃないか?」

キリトの反論にディアベルも唸る。

「…そうだね。しかし……」

「親代わりである二人だけではな……他の人にも慣れてもらわなきゃいけない。攻略組……から誰かを当番制にして世話を見るか…?」

「それが1番いいかな……僕もどうしようか迷ってたからさ」

交代制や誰か始まりの街から世話係を依頼するか…そんな議論が交わされる中1人の女の子が名乗りを上げた。

 

『ではその世話役、私がやらせて貰えないでしょうか?』

 

「あれ?シリカ!?どうしてここに…」

シリカだ。

「こっそりティーゼさんから聞いていたのでちょうどいいかなぁ、と!」

どうやらティーゼが知っている友達にメッセージを送り、誰かしてくれないか聞いていたようだ。

「大丈夫なの?中層域とは言え、レベル上げとか…」

「安心してください!私だってあれから結構頑張ってレベリングしたんですかよ!今じゃ50層あたりのモンスターなら1人で対処できるくらいです!」

『キャウ!』

ピナを蘇生したあの日から、彼女はキリトたちに追いつけるようにとレベリングに励み、攻略組には及ばずとも中層域は既に突破しているようだ。《竜使いシリカ》の2つ名は伊達ではない。ピナもシリカの頭の上で自信ありげに鳴く。

「なのでユージオ。ここはシリカちゃんに任せましょう」

「うん、そうだね……でも毎日はシャロも辛いだろうから、1週間に3日くらいでどうだろう。どうかな、シリカ?」

「はい!任せてください!同じ子供として、わかる事もあるかもしれませんし……っていうか、こういうことやってみたかったんですよねぇ……!」

トントン拍子で決まっていくシャロの世話係。

「おかあさん、このひとだぁれ?」

「このお姉ちゃんはシリカさんよ。これからおとうさんとおかあさんがいない間、シャロと一緒にいてくれるのよ?」

「……しぃか?」

「えへへ、ちょっと呼びにくいかな?じゃあ好きな呼び方でいいよ!」

「あっ、そんなこと言ったら…」

 

「…しぃか……しぃか……………しぃかねぇ?」

 

「っっっっっっっ__________」

シャロに上目遣いでシリカ姉と呼ばれて即座に胸を抑えるシリカ。そのまま倒れ込んでしまった。

「シリカ、しっかりしてくださイ!トウトイのは分かりますが、これに耐えねば世話役なんて出来ませんヨ!?」

「…心臓止まりますよこんなのぉ……!」

「止まるんじゃねえゾ……!」

ティーゼの思った通り、シャロの純粋過ぎるその心に胸打たれ、シリカは力尽きてしまった(白目)

ナギはいつも通りだ。平常運転である。

「えっと……じゃあ、シリカ。今日からだと教えることが教えられないし、明日から任せるよ。シャロのこと、頼むね。いい子だから悪さなんかしないと思うけど、結構活発な子だから…目を離さないであげてくれると嬉しい」

「あ、はい!お任せ下さい。責任をもって面倒を見させてもらいますね!」

こうして、ユージオとティーゼが攻略へ行っている間のシャロのお世話係がシリカに決まった。

後々、子供の面倒を見る大変さを知るシリカであった。

 

 

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