ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
今回はオリジナルストーリーになります。ユージオ君中心のお話です。このお話は一応3話か、4話で完結させようと思ってます。
それでは、どうぞ〜
○
「あれ?」
それは、ユージオとティーゼが休暇を終え、攻略に復帰して3日後のこと。シャロが寝た後、ユージオがふとメインメニューを開いた時、ある通知が届いた。
《新しいスキル 【 】を取得する条件が揃いました》
「…新しいスキル?」
謎の通知。スキルを取得する条件が揃ったとの文面にユージオは首を傾げた。何せスキルを獲得出来るようなことはしていない。それに、スキルを取得した、では無い。《取得する
「……なんで空欄なんだろう」
そして、もうひとつ気がかりなのが、スキル名が空欄になっていること。これではそのスキルが戦闘に関するものなのか、料理スキルのような戦闘には関係の無いものなのかが分からない。
「どうしたの、ユージオ?」
「うーん……ちょっと待って、今可視化するよ」
ティーゼもユージオの異変に気付いたようで後ろからユージオを抱きしめながら聞いてきた。
「これ、どう思う?」
「…何これ?」
「だよねぇ…」
当たり前だが、ティーゼも分からない。
「一体何なんだろう…ん?」
呟きながらその文面をタッチすると、何か補足説明のようなものが出てきた。
《スキル取得には特定のクエストをクリアしてください》
「…クエスト、かぁ………」
特定のクエスト、と書いてある。が、そのクエストがどこで受けられるのかも書いていない。
「今日は一旦寝よう。これについては明日考えよっか」
「そうね、もう遅いし…」
二人はその日、スキル取得条件の通知については何も分からないまま、就寝した。
○
次の日。ユージオとティーゼはシリカにシャロの世話を頼み、問題の特定のクエストを探しに来た。
「特定、か……ただそれしか書いてないしね。どうしようもないかな」
「分かりにくいわよね。どのクエストが対象に入るのか全く分からないわ」
「うーん…」
「ユージオはどこが怪しいと思う?」
「ヒントがゼロだからね、怪しいとすら言えないよ」
このアインクラッドではこういう謎解き要素が入ってきた時、必ず最低限のヒントがある。が、今回はそれがない。
「どうしようかな…」
と、その時。
『あの…すみません』
「え?」
『旅の方ですか?』
ユージオは後ろから声をかけられた。
「えっと……はい」
このタイプの質問は大抵クエストNPCによるものだ。プレイヤーでは無い事を直感で判断したユージオが咄嗟に答える。
後ろにいたのは紅い髪のポニーテールの少女だった。
「どうしたかしましたか?」
『いえ、その……剣を腰に下げられていたので、ちょっと気になって』
「何か困り事ですか?」
『…頼みたい事があります』
モジモジと人差し指をちょんちょんしながら彼女は言った。
『…探しものがあって…私の剣なんですけど…』
このアインクラッドには様々なクエストがあるが、このタイプのクエストはよくある物でユージオも慣れている。だが、1つ気がかりなのは___NPCからクエストの受注を受けたこと。普通ならプレイヤーから何か質問をされない限り来ないのだが____稀にこう言うクエストもある。それは大抵迷宮区攻略に必須だったり、迷宮区のボスに関する情報が手に入るクエストである事が多い。しかも本当にそれを探すのが難しく、様々な条件をクリアしないとクエストを持ちかけられない。
だが、ここは50層。攻略が進められているのはもっと上の層だ。故にこのクエストがどれだけ特殊なのかが、クエストの受注方法によって分かる事もある。
「…分かりました。引き受けましょう」
『本当ですか!?』
少女が最後に言ったと同時にクエスト発生のマーク、「!」がカーソルに出る。
「はい、私達に任せて!」
『すみません、よろしくお願いいたします!』
その直後、ユージオの視界の左端にログが出てくる。
《スキル獲得クエストを受注しました》
《大切な愛剣を探せ!》
「大切な、愛剣…か」
こうして、ユージオの新スキル獲得の為のクエストが幕を開けた。