ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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お待たせ致しました!
クロス・アラベルです!
今回でオリジナルストーリーは終わりになります。そして、次回からは原作の1巻、あのお話に入ると思われます。ようやく…ここまで来ましたか(*'ω')-з
皆さん、いくつかの感想ありがとうございます。先日貰った感想の中で、メインストーリーが一段落したら《殺人鬼編》のキリロニBADENDを書いて欲しい、と感想を頂きました。残念ながら、1度そう言う要望を聞いてしまうと、じゃあこれも、ではこれも……という風にキリがないと思うので、BADENDは書かないつもりです。ですが、現在、番外編的なお話を書いております(単発の《別れ》とは別に)。それが、その……BADENDと言うか、そんな感じのお話なので、そっちをまたおいおい投稿出来ればなぁ、と思います。
さて、では本編へ。
どうぞ〜


氷の刃(アルマス)》と_____

 

 

山奥の洞窟。

巨大な氷柱が聳え、至る所に氷の岩がひしめき合う中、それはあった。

「____これって、まさか__」

『うん。私がこの山で倒した、古代龍。ここじゃ腐らないから凍ったままなんだ』

古代龍の骸だった。そして、その奥にあるのは___

『私が渡したいのは、これ』

「……鉱石?」

「いや、氷にも見えないことは無いけど…」

『多分どっちもだと思う。そこらにある氷とも違うし、レアな鉱石でもない。多分、特殊なものだと思う』

レイラ曰く、龍を倒した後に見つけたのだという。

「もしかして、龍はこれを守ってたのかしら…?」

「龍は昔から財宝なんかを守るためにいるって聞いたことがあるよ。実際、僕の故郷でも白竜がその役割を担ってたし…」

『これを使って剣を作るといいよ。多分良い剣が出来ると思う』

「……いいの?」

『うん。私は使うことないし、こんなお宝をこの山に眠らせておくのもね。だから、君が使って。誰よりも、私に勝った……君が』

「分かった。ありがとう、レイラ」

『ううん、私こそありがとうね。嬉しかった、こんな戦いができて』

薄かった彼女の体。もう下半身が見えなくなっている。ついに限界を迎えたようだ。

『さようなら、ユージオ、ティーゼ。すっごく楽しかったよ。本当にありがとう。頑張ってね!』

「…うん、こっちこそありがとう。元気で」

「レイラさん、ありがとう。どうか、元気で」

『__うん、ありがとう!!さよなら______』

レイラは最期に、今までで最っ高の笑顔でこの世を去った。

彼女は確かにNPCだ。これはプログラムによって作られた物でしかないのかもしれない。だが、2人にとってレイラは1人の少女だった。ここには天国も地獄もない。

けど、彼女はきっと__________

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ……私に剣を、ねぇ…」

リズベット武具店にて。

ユージオは早速早いうちにリズベットの元へと来ていた。

「素材もあるんだ。結構良さげなものなんだけど」

「…うわ、なにこれ……確かにこれは中々の代物ね…わかったわ。私が受け持ちましょう!せっかくだから工房にも入りなさいよ。そんなに時間かかるもんじゃないし」

「ありがと、リズ」

「いいってことよ。友達の頼みだもの………さーて…どうなる事やら…」

 

 

 

 

 

通常、武器を作る時間はそこまで長くない。5分もなしに制作が可能だ。そして、武器の制作では槌を打つ回数によって武器のグレードがだいたい決まってくる。回数が多いほど良い武器が出来上がる。

しかし、ユージオの武器が出来上がったのは、10分後であった。

 

「ッ、ッ、ッ、っ……!!」

槌で打つこと、回数にして283回。ようやく剣が光だし、形状を変え出す。回数から見て通常の武器の比では無い。

固唾を飛んで見守っていたユージオとティーゼもその光景に息を飲む。やはり何度この光景を見ても綺麗なものだ。

リズも流石にここまでの回数を叩いたことがないせいか、汗びっしょりだ。

薄い青の光が工房を染め上げ、ようやく剣が出来上がると思った、その時。

 

熱を帯びていたはずの剣が_____

 

 

ピシィッ__

 

_______凍る

 

 

「えっ、ええええええええええ!!!??」

「えええええええええ!!?」

剣を打っていた筈のリズベットまで驚いて腰を抜かしそうになる。間一髪でユージオたちの元まで後ずさる。

その現象は剣だけにとどまらず、工房全体を凍てつかせていく。

「なっ、何なのよこれぇ!?」

1番の被害者であるリズは顔を青くしながら悲鳴をあげた。

 

その現象は3人の元へ届く、寸前で、それは止まった。

「「「………」」」

そして、それは一気に砕け散った。

破砕音と共に床に落ちる大量の氷と、氷柱。

その中央には_____

氷のように半透明な一振の剣があった。

 

「こんな事…起こるものなの?」

「し、知らないわよ…私だってこんなの初めてなんだから!!」

 

華奢な剣だった。

ロングソードの範囲に入るだろうが、刀身が細い。

それはまるで青薔薇の剣を彷彿とさせるものだった。

 

「……えっと…《アルマス》だって。筋力要求値は……72ぃ!?なのこれほんとに片手剣なわけぇ!?」

「……ステータスに関していえば、今まで見たどの剣よりも、良いね。筋力要求値は、ギリギリ達成してるけど…」

「アンタこれ持てるの!?片手剣の中じゃいっちばん重いんじゃない!?」

「アルマス、か…」

《アルマス》。

それがユージオの新しい剣だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その帰り際。32層の主街区を通って帰宅しようとしていた2人は、思わぬ人物と出会った。

「ユージオさん!」

「?」

「お久しぶりです。攻略会議以来ですね」

「ネズハ!どうしたんだい?こんなところで…」

「素材集めですよ。うちでは基本的に素材はこっちで用意してますから」

ネズハである。

 

第2層攻略時に武器強化詐欺を行ってギルド《レジェンドブレイブス》にその武器を横流しや他の店に売却する事でギルドメンバーを攻略組に押し上げた。が、その詐欺の手法はキリトによって暴かれ、彼は詐欺から足を洗い、鍛治スキルを捨て、特殊武器《チャクラム》をキリトから受け取った。その後第2層ボス攻略時にピンチに陥った攻略組をチャクラムを使って形勢逆転へと導いた。ボス戦終了後、ギルド《レジェンドブレイブス》全員で詐欺の全貌を自白し、謝罪し、ディアベルやキリト達の采配で事なきを得た。

それ以降、彼ら《レジェンドブレイブス》は攻略組から脱退し、詐欺を受けた被害者達に賠償金を支払うことを約束した。

それから彼らは4層を除く25層までは前線へ出てくることは無かった。

そして、25層ボス攻略時に彼らは再び攻略組に姿を現し、ボス戦で苦戦していた攻略組を支援した。《レジェンドブレイブス》の助太刀とネズハのチャクラムによる陽動によって攻略組は形勢を立て直し、ギリギリの所を犠牲者無しで突破することが出来た。その功績が称えられ、無事ギルド《レジェンドブレイブス》は攻略組復帰を果たしたのである。今では彼は攻略組きっての実力者であり、唯一のチャクラム使いだ。ボス戦におけるタゲの移動や弱点露出等を担当している。

そして、現在は______

 

「店、上手くいってる?」

「はい!お陰様で、大繁盛です!」

彼は、また鍛治スキルを用いた防具鍛冶屋を攻略組の許しを得てオープンした。

それから半年が経つ。彼の店には武器はないが、高性能な防具が数多く揃えられている。彼自身、武器を打つことにトラウマを持ってしまった。故に彼は武器ではなく、人を守る防具を作ることを選んだ。

攻略組御用達、かなりアインクラッドでも有名で、『一流の防具を欲するならば彼の元へ行け』と言われるほどである。

「ユージオさん達はどちらに行かれてたんですか?」

「少し、新しい武器を打ってもらったとこなんだ」

「新しい武器を?」

「うん。そうだ、君に見てほしいんだ。剣の銘なんだけど…」

「剣の銘ですか?」

「うん。あんまり聞いたことの無い言葉だったから」

「ネズハさんなら分かるかもしれないわね」

「うーん……英語が独断得意という訳でもないんですが…」

「それがね、《アルマス》って言うんだ」

「え!?アルマスですか!」

「う、うん。何か知ってる?」

「もちろん!シャルルマーニュ伝説って知ってますか?」

「しゃ、シャルル…何?」

「シャルルマーニュですよ!うちのギルドのオルランドもその伝説に登場する騎士の1人なんです。書かれた時代によって作品に出てくるメンバーも違ってきたりするんですが、有名な騎士だと…ローラン……あ、オルランドのことですね。他にもアストルフォなんかも有名です。そのユージオさんの《アルマス》はそのシャルルマーニュ…カール大帝とも言われてた王様に従えたっていう十二勇士の中の一人、ランスの大司教であるチュルパンが愛剣として使っていたっていう名剣ですね。ローランの歌ではこう語られていた筈です。《氷の刃》アルマスとか、《玉散るばかりの氷の刃》アルマス……だいたいそういう風に呼ばれていますよ。けど、氷の刃とは言ってもただの比喩らしくて、ホントは氷の如く研ぎ澄まされた鋭い剣っていう意味だそうです。他にも十二勇士の中では色んな逸話が残っていて………」

彼の口から普段からは考えられないほど饒舌に喋るネズハ。やはり彼もギルド《レジェンドブレイブス》のメンバー。この手の伝説や物語は大好きらしい。

「す、ストップ!ネズハ!それくらいで充分わかったよ」

「あ……すいません、つい夢中になっちゃいましたね。こういう話、大好きで……」

「ありがとね、ネズハ」

思わぬ情報がネズハから手に入った。伝説上の物語に出てくる人物の名剣らしい。

その後ネズハに剣を見てもらった所、《氷の刃》と呼ばれていたので、もしかするとこのアインクラッドでは言葉通りに《氷の刃》としての側面が出ていてしまったのではないか、とのことだ。

ネズハの推測は、正しかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

「おとーさん、おかーさんおかえり!!」

「ただいま、シャロ!」

走ってくるシャロを受け止めて抱っこするユージオ。

「ただいま、シャロ。いい子にしてたかしら?」

「うん!」

「何の問題もなしですよ、ティーゼさん。いい子でした」

世話役のシリカが笑顔で出迎える。

「どうでした?何かを探しに行くって聞いてましたけど…」

「無事見つかったよ。新しい剣も手に入ったし…」

と、その時、とある通知が来た。

 

 

《新スキル《青薔薇》を獲得しました》

 

 

「________ 」

新スキルがようやく、開放された。

その名は《青薔薇》。

そして、このスキルが後に。

 

このアインクラッドでキリトの過去になかった波乱を巻き起こすのだが_____

 

 

ユージオは知る由もない。

 

 

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