ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

8 / 119
剣の世界

…えっ?

 

 今この人「キリト」って………でも、顔がキリトと違うし、キリトなら僕を見たらすぐ分かるだろうし……何より……僕は死んだから、キリトに会えるはずがない………

 

 ひ、人違い……だよね…。

 

キリト「……?ユージオ、どうかしたのか?」

 

ユージオ「えっ?あっ……いやなんでもないよ。友達に似た名前の人がいたから………」

 

キリト「…そうか………」

 

クライン「なあ、自己紹介も終わったし、早く狩り行こうぜ!!」

 

キリト「まあ待てよ。その前に武器を買わないと、狩りもできないだろ。」

 

クライン「おお、そうだな。」

 

キリト「二人は何を買う?俺は片手直剣だけど……」

 

クライン「うーん…じゃあ俺は片手曲剣だな。ちょっと刀に似てるしな!」

 

キリト「そうか。ユージオはどうする?」

 

ユージオ「………えっ?えっと………」

 

どうしよう…何のことかさっぱりだ……でも『剣』って言ってた……剣といえば真っ直ぐな剣しか触ったことないな……それに…………『青薔薇の剣』も片手直剣だったし………

 

ユージオ「……じゃあ、片手直剣にしようかな。」

 

キリト「そうか…わかった。いい武器屋がこの通りの端にあるから買いに行こう。」

 

クライン「おう!!」

 

ユージオ「わかったよ。」

 

 

 

             ………少年たち、移動中………

 

 

キリト「ほら、着いたぞ。この店だ。」

 

クライン「おおー!ここか!」

 

キリト「クラインは片手曲剣だから『リトルサーベル』だな。ユージオは俺と同じ片手直剣だし、『スモールソード」でいいか……まあ、一番安い初期装備だけどな。」

 

クライン「おお、買ってみるな!」

 

ユージオ「…………ええっと……?」

 

わ、訳がわからないよ……す、すもーるそーど?『ソード』の意味はたしか神聖語で剣だったけど、すもーるって?とりあえず、『ステイシアの窓』みたいなあれを出してみよう。

 

      リリーン!

 

ええっと……どうしたらいいのかな?

 

キリト「やり方がわからないのか?」

 

ユージオ「うん………」

 

キリト「分かった、教えてやるよ。まずはこうやって、店の商品に焦点を合わせて、オプションを出す。」

 

リリーン!

 

ユージオ「あっ、さっきのと違うのが出たね。」

 

キリト「それで、オプションの『購入』を選んで押したら、次は装備するの所を押すそうすれば…………」

 

リン!

チャリーン!

 

NPC店員『毎度‼︎また来てくれよな!』

 

ユージオ「おおー!これで買えたの?」

 

キリト「ああ、買えたさ。後は『装備する』の所を押せば良いんだ。」

 

ユージオ「分かった。えっと……」

 

リン!

シュワッ!

 

ユージオ「うわっ⁉︎ほ、本当だ…………」

 

キリト「よし、これで買えたな。後は、『ポーション』を買えば終わりだな。これを今の要領で5、6個買ってくれ。」

 

ユージオ「えっと…キリトの持ってる瓶?」

 

キリト「ああ、頼むぞ。……クライン!どうだ、買えたか?」

 

クライン「おおよ!買えたぜ!一番安い曲剣の『リトルサーベル』だ!」

 

キリト「ん、じゃあ、あとはポーションを買ったら、狩りに行こう。」

 

クライン・ユージオ「「おおー!」」

 

 

〜少年たち移動中〜

 

 

 

 

キリト「ここが俺のオススメの狩り場だ。」

 

クライン「おおー!スゲエリアルだな‼︎現実世界と見間違えちまうな……」

 

ユージオ「凄い綺麗だね………でも、動物なんて1匹も見当たらないよ……」

 

キリト「大丈夫だ。もうすぐポップすると思うし…」

 

シュワンッ!

 

キリト「おっ、噂をすれば……」

 

クライン「出たぞ!猪か!」

 

ユージオ「本当だ!猪がいるね。」

 

キリト「あいつは、『フレンジーボア」っていう猪のモンスターだ。強さは…………まあ、某ゲームでいうド○クエのスライ○よりほんのちょっと上のレベルだ。……ビギナーには良いぐらいの強さじゃないか?」

 

クライン「ふふーん!このクライン様なら、ス○イムぐらい瞬殺よ‼︎」

 

ふ、ふれんっ、ふれんじーぼあ?どら○え?○らいむ?意味のわからない言葉だらけだなぁ……全部神聖語だと思うけど………

 

キリト「まあ、例を見せるから、真似して見てくれ、『剣技』を。」

 

クライン「おう!」

 

ユージオ「……分かったよ………」

 

キリトは、『フレンジーボア』に向かって歩きながらユージオとクラインに説明し続けるキリト。

 

キリト「まず、剣技っていうのは、初動のモーションが大切なんだ。例えば、こんな風に……」

 

キリトは背中に装備された小振りの剣を鞘から引き抜いた。その時、5、6メートル先にいたフレンジーボアが急に目を紅く光らせて、キリトの方を向いて走ってきた。

 

ユージオ「!キリト、危ないよ!」

 

キリト「分かってるさ………!」

 

引き抜いた剣を左腰にためて、体勢を低くして狙いを定めている。薄く青い光に包まれる剣。迫るフレンジーボアの体当たり。

 

そして………

 

キリト「シッ‼︎」

 

ズバシュッ‼︎

 

そして、キリトはフレンジーボアの首辺りを剣で斬った。

 

『プギィィィイイ‼︎‼︎』

 

クライン「おおー‼︎」

 

あ、あれは………アインクラッド流剣術……水平斬り、「ホリゾンタル」‼︎

 

ユージオ「凄い………」

 

完璧だ………キリトにはいかなくとも、凄いな……

 

この人は………本当に『キリト』なのかな……?

 

キリト「こんな感じだ。」

 

クライン「すげえな‼︎うおおおっ‼︎俺も早く出来るようになりてえな‼︎」

 

ユージオ「………ねえ、キリト。『そーどすきる』ってこんなのもある?」

 

キリト「?」

 

クライン「お?」

 

ユージオ「ふぅ………」

 

キリトから教わった剣技………あの二年間を…僕は、忘れない。

 

腰の剣を鞘から引き抜いた。

 

右肩に剣を乗せ、前かがみになって腰を低く落とす………そして………

 

ユージオ「……跳ぶ‼︎」

 

キリト「………!」

 

身体が勝手に動く。そして、跳んだ。願った通りに。

 

ユージオ「セァア‼︎」

 

ザシュッ‼︎

 

『プギィィィッッ⁉︎』

 

パリィィィイン‼︎

 

見事、ユージオはフレンジーボアの首元に直撃。一瞬止まったと思うと、膨らみ、ポリゴン片となって四散した。

 

『ソニックリープ』

そう、アインクラッド流剣術、『音速の跳躍』だ。

 

クライン「…………うおおおお⁉︎マジかよ!ユージオ!お前、できたのかよ⁉︎」

 

キリト「……凄いな………!………本当にゲーム初めてか?ビギナーとは思えないな…………」

 

ユージオ「う、うん………『げーむ』は初めてだけど………」

 

あれ?怪しまれてる?

 

ユージオ「よく子供の頃にチャンバラごっこしてたし、剣も習ってたから………」

 

クライン「チャンバラごっこか!確かに子供の頃よくやってたなー!傘でやって窓ガラス割ったことあったわ!」

 

キリト「………クライン、やんちゃしすぎだろ………」

 

クライン「ははは……ま、んなことはいいよ。俺はソードスキルをやって見たいんだ!キリト、教えてくれ!」

 

キリト「ったく……分かった。今から教えるよ。」

 

クライン「おお!頼むぜ!」

 

ユージオ「……よろしくね。キリト。」

 

キリト「ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回『悪夢の再来』

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。