ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
…えっ?
今この人「キリト」って………でも、顔がキリトと違うし、キリトなら僕を見たらすぐ分かるだろうし……何より……僕は死んだから、キリトに会えるはずがない………
ひ、人違い……だよね…。
キリト「……?ユージオ、どうかしたのか?」
ユージオ「えっ?あっ……いやなんでもないよ。友達に似た名前の人がいたから………」
キリト「…そうか………」
クライン「なあ、自己紹介も終わったし、早く狩り行こうぜ!!」
キリト「まあ待てよ。その前に武器を買わないと、狩りもできないだろ。」
クライン「おお、そうだな。」
キリト「二人は何を買う?俺は片手直剣だけど……」
クライン「うーん…じゃあ俺は片手曲剣だな。ちょっと刀に似てるしな!」
キリト「そうか。ユージオはどうする?」
ユージオ「………えっ?えっと………」
どうしよう…何のことかさっぱりだ……でも『剣』って言ってた……剣といえば真っ直ぐな剣しか触ったことないな……それに…………『青薔薇の剣』も片手直剣だったし………
ユージオ「……じゃあ、片手直剣にしようかな。」
キリト「そうか…わかった。いい武器屋がこの通りの端にあるから買いに行こう。」
クライン「おう!!」
ユージオ「わかったよ。」
………少年たち、移動中………
キリト「ほら、着いたぞ。この店だ。」
クライン「おおー!ここか!」
キリト「クラインは片手曲剣だから『リトルサーベル』だな。ユージオは俺と同じ片手直剣だし、『スモールソード」でいいか……まあ、一番安い初期装備だけどな。」
クライン「おお、買ってみるな!」
ユージオ「…………ええっと……?」
わ、訳がわからないよ……す、すもーるそーど?『ソード』の意味はたしか神聖語で剣だったけど、すもーるって?とりあえず、『ステイシアの窓』みたいなあれを出してみよう。
リリーン!
ええっと……どうしたらいいのかな?
キリト「やり方がわからないのか?」
ユージオ「うん………」
キリト「分かった、教えてやるよ。まずはこうやって、店の商品に焦点を合わせて、オプションを出す。」
リリーン!
ユージオ「あっ、さっきのと違うのが出たね。」
キリト「それで、オプションの『購入』を選んで押したら、次は装備するの所を押すそうすれば…………」
リン!
チャリーン!
NPC店員『毎度‼︎また来てくれよな!』
ユージオ「おおー!これで買えたの?」
キリト「ああ、買えたさ。後は『装備する』の所を押せば良いんだ。」
ユージオ「分かった。えっと……」
リン!
シュワッ!
ユージオ「うわっ⁉︎ほ、本当だ…………」
キリト「よし、これで買えたな。後は、『ポーション』を買えば終わりだな。これを今の要領で5、6個買ってくれ。」
ユージオ「えっと…キリトの持ってる瓶?」
キリト「ああ、頼むぞ。……クライン!どうだ、買えたか?」
クライン「おおよ!買えたぜ!一番安い曲剣の『リトルサーベル』だ!」
キリト「ん、じゃあ、あとはポーションを買ったら、狩りに行こう。」
クライン・ユージオ「「おおー!」」
〜少年たち移動中〜
キリト「ここが俺のオススメの狩り場だ。」
クライン「おおー!スゲエリアルだな‼︎現実世界と見間違えちまうな……」
ユージオ「凄い綺麗だね………でも、動物なんて1匹も見当たらないよ……」
キリト「大丈夫だ。もうすぐポップすると思うし…」
シュワンッ!
キリト「おっ、噂をすれば……」
クライン「出たぞ!猪か!」
ユージオ「本当だ!猪がいるね。」
キリト「あいつは、『フレンジーボア」っていう猪のモンスターだ。強さは…………まあ、某ゲームでいうド○クエのスライ○よりほんのちょっと上のレベルだ。……ビギナーには良いぐらいの強さじゃないか?」
クライン「ふふーん!このクライン様なら、ス○イムぐらい瞬殺よ‼︎」
ふ、ふれんっ、ふれんじーぼあ?どら○え?○らいむ?意味のわからない言葉だらけだなぁ……全部神聖語だと思うけど………
キリト「まあ、例を見せるから、真似して見てくれ、『剣技』を。」
クライン「おう!」
ユージオ「……分かったよ………」
キリトは、『フレンジーボア』に向かって歩きながらユージオとクラインに説明し続けるキリト。
キリト「まず、剣技っていうのは、初動のモーションが大切なんだ。例えば、こんな風に……」
キリトは背中に装備された小振りの剣を鞘から引き抜いた。その時、5、6メートル先にいたフレンジーボアが急に目を紅く光らせて、キリトの方を向いて走ってきた。
ユージオ「!キリト、危ないよ!」
キリト「分かってるさ………!」
引き抜いた剣を左腰にためて、体勢を低くして狙いを定めている。薄く青い光に包まれる剣。迫るフレンジーボアの体当たり。
そして………
キリト「シッ‼︎」
ズバシュッ‼︎
そして、キリトはフレンジーボアの首辺りを剣で斬った。
『プギィィィイイ‼︎‼︎』
クライン「おおー‼︎」
あ、あれは………アインクラッド流剣術……水平斬り、「ホリゾンタル」‼︎
ユージオ「凄い………」
完璧だ………キリトにはいかなくとも、凄いな……
この人は………本当に『キリト』なのかな……?
キリト「こんな感じだ。」
クライン「すげえな‼︎うおおおっ‼︎俺も早く出来るようになりてえな‼︎」
ユージオ「………ねえ、キリト。『そーどすきる』ってこんなのもある?」
キリト「?」
クライン「お?」
ユージオ「ふぅ………」
キリトから教わった剣技………あの二年間を…僕は、忘れない。
腰の剣を鞘から引き抜いた。
右肩に剣を乗せ、前かがみになって腰を低く落とす………そして………
ユージオ「……跳ぶ‼︎」
キリト「………!」
身体が勝手に動く。そして、跳んだ。願った通りに。
ユージオ「セァア‼︎」
ザシュッ‼︎
『プギィィィッッ⁉︎』
パリィィィイン‼︎
見事、ユージオはフレンジーボアの首元に直撃。一瞬止まったと思うと、膨らみ、ポリゴン片となって四散した。
『ソニックリープ』
そう、アインクラッド流剣術、『音速の跳躍』だ。
クライン「…………うおおおお⁉︎マジかよ!ユージオ!お前、できたのかよ⁉︎」
キリト「……凄いな………!………本当にゲーム初めてか?ビギナーとは思えないな…………」
ユージオ「う、うん………『げーむ』は初めてだけど………」
あれ?怪しまれてる?
ユージオ「よく子供の頃にチャンバラごっこしてたし、剣も習ってたから………」
クライン「チャンバラごっこか!確かに子供の頃よくやってたなー!傘でやって窓ガラス割ったことあったわ!」
キリト「………クライン、やんちゃしすぎだろ………」
クライン「ははは……ま、んなことはいいよ。俺はソードスキルをやって見たいんだ!キリト、教えてくれ!」
キリト「ったく……分かった。今から教えるよ。」
クライン「おお!頼むぜ!」
ユージオ「……よろしくね。キリト。」
キリト「ああ。」
次回『悪夢の再来』