ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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お待たせしました!クロス・アラベルです!!
はい!タイトル通りになります!
二人のこれからに、幸あれ____!!
次回から朝露の少女回になる予定です。多分かなり文字数多くなりそう…
ではほんへをどうぞ〜d(˙꒳˙* )


___幸あれ

 

 

「_____なんて清々しい朝」

次の日。

キリトはベットで目覚めた。

「……ん…」

「…ダメだ、頬が緩む」

上半身を起こして右側のベッドを見ると、ロニエが眠っている。

昨日のプロポーズ。

キリトの計画にあったかっこいいプロポーズとはかけ離れたものだったけれど、ロニエは結婚を了承し、大成功。

そして______

「…いい雰囲気だったとは言え、な。あんまりだったか」

その後、2人は____(ry

これ以上語るのは無粋というものだ。押して察しよう。

「さて、今日は一旦血盟騎士団の本部へ行かないとな」

昨日の一件。

アスナが既にヒースクリフに伝えているとはいえ、本人たるキリトとロニエが行って事情を説明せねばなるまい。

そして、正式に騎士団から脱退申請をする。それがキリトの考えている事だった。流石にヒースクリフと言えど、あのような事件があれば首を縦に振らざるを得ないはずだ。何せこの一件はヒースクリフ、並びに血盟騎士団が彼という存在を暴ききれず、ましてやギルドの団員2人を失うはめになった。面目丸潰れである。およそプライドの高い血盟騎士団の幹部たちはこれを隠したがるだろう。誇り高き血盟騎士団に殺人鬼が紛れ込むなど、あってはならない。そう言いたいように。

 

あとは、攻略組への報告だ。結婚云々もそうだが、少し休暇をとりたいと、キリトは考えていた。

昨日の一件で、身も心も疲弊してしまった。SAOでパラメータとして表示されるものではなくとも、人間の心というのは簡単にすり減ってしまう。

何より_____キリトは、掴んだこの幸せに浸っていたかった。そうでないと、またいつか立ち止まってしまうから。

 

「…ぁ、先輩?」

と、ロニエが目を覚ました。

「ん、ごめん。起こしちゃったか?」

「いえ、もう朝でしょう?なら起きないと…」

「…いや、もうちょっとゆっくりしていいんだぜ?」

「朝寝坊はダメですよ、先輩。毎日決まった時間に起きないと、自堕落しちゃいます」

「うーん…いいんじゃないか?今日くらい自堕落したって」

「先輩、予定があるですよね?」

うっ、と詰まった。

「バレてるか。ちょっと血盟騎士団の本部にな」

「…脱退を?」

「ああ。ロニエは違うだろうけど、元より俺はギルドには向いてない。それに、ロニエだってあんなことがあったらいたくないって思うのは当然だろ?」

「そう、ですね」

「あとそれと…ちょっと休暇を取ろうと思って。ディアベル達に一応報告をしようと思ったんだ…………俺、ちょっと疲れちゃってさ」

「…確かに、疲れちゃいました」

「逐一休みつつとはいえ、結構疲労が溜まってたのかもな。無理に戦い続けても、いつかは折れてしまうから。今ぐらい、休もう」

「はい、賛成です」

「…じゃ、二度寝したいけど、起きますか。面倒なことはささっと済ませちゃおう」

「はい!」

2人はそう言っていつも通りの装備を身につけ、血盟騎士団の本部へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なんか、案外早く終わったな」

「そうですね。もうちょっと話があってもおかしくなかったですけど…」

「あっさり引き下がっていった。楽でいいんだけどさ。多分、アスナのお陰だろ。アスナ、結構ピリピリしてたし」

騎士団の本部に着いて5分後。2人はヒースクリフと再会した。

キリトの話を聞いたヒースクリフは純粋に謝罪し、脱退も快く受け入れてくれた。

『君達には謝っても許されないな、私は』

と、感情の見えないその顔が、申し訳なさに歪んでいた。

「攻略組への挨拶も済んだし…というか、なんで分かってたんだ…?俺、リズとネズハには言ってたけど、他の奴らには話してないぞ」

「…ある意味、凄い情報網ですよね…アルゴさん」

「やっぱりか。どうやったらアイツを出し抜けるんだよ……!」

そしてその後、攻略組の会議に挨拶と休暇を知らせようとしたら、攻略組全体にキリトとロニエの結婚が漏れていたらしく、皆に祝われた。

『まぁ、あんなセリフを言ったんだから…鈍感な僕でも分かるよ?』

ユージオにそう言われてキリトは自分の詰めの甘さにがっくりした。

因みにアルゴはユージオからの情報無しでキリトとロニエの結婚を当てたらしい。恐るべし情報屋。

「じゃあ、ちょっと寄り道して……目的地に行こう」

「目的地、ですか?」

「ああ。血盟騎士団の退団申請も攻略組への挨拶と休暇の知らせも、サブミッションでしかなかったんだ。今日のメインクエストは_____まぁ、着いてからのお楽しみってことで」

「…?」

「んじゃ…ロニエ、ちょっと此処で待っててくれ。そんなに時間はかからないと思うけど」

と、キリトは近くにあった武器屋へと駆け込んで行った。

 

 

 

 

「ごめん、お待たせ」

10分後、キリトは近くにあった武器屋から戻ってきた。

「いやぁ、なんだかんだ時間かかっちゃったな。ごめん、ロニエ」

「いえ、別にいいんですけど…」

「ん、何して来たのかって話だよな。ちょっとアイテムストレージの奥底で眠ってた骨董品の数々を売っぱらって来たんだ。おかげで目標金額に到達だ」

「目標金額、ですか?」

「ああ。じゃ、行こう」

キリトはロニエの手を取って、街の転移門へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、先輩。今日はどちらに向かうんですか?なんだか、宛もなく歩いているように見えるんですけど…」

「いや、宛はある。ただ、結構な過疎地…じゃない、田舎だからさ。この通り、森の中なんだ」

22層の森の中、2人は歩いていた。

22層はこのSAOの中でも特殊な層だ。何せ、モンスターが湧かない。まさに安全域(セーフティポイント)だ。

故に戦いを望まないプレイヤー達がこぞって移住したと言うが、ド田舎すぎるその土地に、飽きて始まりの街に戻るプレイヤーがほとんどだった。

が、それでもこの層に留まろうとしたプレイヤー達はいた。この自然豊かなフィールドに、現実世界を重ねて、ここに住むことに決めた者も少なくない。主に年齢層の高い人々だったが。

「この層、懐かしいですね。こんなモンスターが現れない層なんて初めてでしたから」

「ああ、何せボス戦直後でビクビクしてたからな。俺も驚いたよ」

2人の記憶にも残っている。

そして、キリトが向かっている目的地は______

「あ、そろそろだな。もうすぐ見えてくるよ」

「え_______?」

大きな湖。

その畔に建つ、一件のログハウス。

「さて、まだ誰も買ってないはずなんだけど…おっ、まだ売ってるな」

「先輩、これって…!」

キリトが小走りでそのログハウスの玄関の扉を見に行くと、そこには《NOW ON SALE》の看板が。

「ん、お察しの通り。やっぱりさ、結婚したら…家買うべきだろうと思って。まぁ、個人的にこのログハウスは金が貯まったら買おうと思ってはいたんだけど」

「…!!」

元よりキリトの浪費癖___怪しい性能の武器や防具、ロニエ曰く《骨董品》___により、キリトのアイテムストレージはガラクタによって圧迫されていた訳だが、それをこの度家を買うために一気に売り払う事を決意。予想以上に高性能なものがあったので少し売るか悩んだが、骨董品は一つ残らず売り払い、目標額を余裕を持って達成したのだ。

一応、家具代も用意してある。

「それに、さ。今までずっと宿暮らしだったろ?だから、なんて言うか…………帰る場所があるってやっぱり安心出来る。ロニエにも俺にも、帰る場所が必要だと思ったんだ」

「ぁ、先輩…!!」

「…さて、異論反論がなければこのログハウスを買おうと思うんだけど____どう?」

「_______勿論、喜んで…!!」

「よし、じゃあ買うぞ。俺の手持ちだけで充分足りる。家具は……後で買いに行くか」

「はい!」

こうして、このログハウスは晴れて2人の新居となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな感じですかね♪」

「おお……なんか、様になったなぁ」

 

ログハウスを購入して3時間後、ようやくログハウスの内装と家具の配置が完了した。

 

ログハウスを購入し、内装をじっくりと見たロニエは真剣に考えこみ、ログハウスにどんな家具を置くかを脳内会議で決め、そのログハウスの内装を頭に叩き込んで家具を買いに街へと出かけた。

それから、1時間をかけて選りすぐりの家具を購入しログハウスに戻ったロニエはまるで、ボス戦時と同じくらいに真剣な表情で一つ丁寧に家具を配置していった。そして、なんやかんやで1時間半かけて内装を仕上げた。

その間、キリトは全く口を挟まなかった。というより、自分自身のセンスなどたかが知れているため、ロニエに任せる方が明らかに良いだろうと考えてことではあったが。

ロニエに家具の配置について聞かれれば素直に思ったことを答え、時には2人で実際に家具を使うシュミレーションをしながら配置した。

 

「……やっぱり、ロニエのセンスに任せて正解だったな。俺じゃこうはならないぜ」

「そうですかね?」

「ああ。いや、テレビでもこんな良い家…と言うか内装は見たことないぞ、コレ…」

「てれび…?」

 

流石は女の子。

キリトではこうはならないだろう。

 

「_____凄い」

 

ロニエはベランダに出て外の景色を眺める。木々はベランダの正面になく、少し離れた湖へと下り坂になっている。

そこから見ればまさに、理想の新居と言える。アンダーワールドでも見たことの無い、穏やかで美しいその光景につぶやきが漏れる。

 

「ああ、ここが俺とロニエの新しい家だ。どうだ?」

「凄く、幸せです。こんな静かな所で、暮らせるなんて」

「…まぁ、今までは主街区の宿だったもんな。ちょっとうるさかったかもしれない。けど、ここなら静かに暮らせるさ。俺としても、変に野次馬が来られるのは困るし…ここは、知る人ぞ知る場所だからな。プレイヤーが住んでるのは湖の向こうの村だし、向こうからこっちは見えるだろうが、人が住んでるかどうかまでは分からないよ」

「……はい」

 

思わず、見とれてしまう程の穏やかな景色。今まで散々命をかけて戦い、街を行く、激動の1年半を過ごしてきたロニエにとって、新鮮なものだった。

 

「空気も綺麗、ですね」

「システム的には何も変わらないんだろうけど、こればかりは俺もそう思う。頭で理解してても、心はそうじゃないんだからさ____」

 

システムでは全てにおいて同じなのだろうが、やはり人間はそれ以外のもの____感覚的に感じるものを完全に排除することはできない。この仮想世界の中では数値化されない物も、人間の五感の中に確かに存在するのだ。

ボス戦時の圧倒的威圧感(プレッシャー)、ダンジョンに入った時の空気の違い、対プレイヤーとの決闘開始直前の張り詰めていく空間の流れ、そして_____殺意がぶつかりあった時の見えない空間の歪み。

人にしか感じえない、第六感的な物はある。

 

「……うん、素敵」

 

ロニエは、アンダーワールドにて整合騎士として戦った。それも半ばで途絶えてしまったが、ロニエにとってはこのアインクラッドでの1年半と同じかそれ以上に大忙しだった。整合騎士としての責務は、キリトへの届かぬ恋心を忘れるまではいかずとも、大きなものだった。

それに、家に帰れば弟達がいる。ロニエの結婚を言わずとも心の奥底で望む両親がいる。ある意味、ロニエにとって心身共に休まる場所はなかったと言えるだろう。

そんなロニエにとってこんなにも静かな時間は___珍しかった。

 

「……先輩」

「ん、どうした?」

「改めて、これから______その、つっ、妻として…よろしくお願いします…!!//////」

「_____あ、ああ!俺もその…お、夫として……よろしくなっ…!!/////」

 

こうして、2人の新たな生活が始まった。

キリトは『夫』として。

ロニエは『妻』として。

二人三脚で、歩み出すその道は___険しくも、2人にとってかけがえのない未来となる。

2人への祝福を。

そして、2人が歩むその人生に_______幸があらんことを。

 

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