ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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遅くなりました〜…クロス・アラベルです。
いやぁ…ちょっと、大学の方が……え?ゲームやってたんだろって?
いや、その…………
はい、ごめんなさい。
ウマ娘にハマってました(白目)
だってぇ…無限に時間が溶けていくんだもん!
あ、ちなみに推しはライスシャワーとナリタブライアンです(聞いてねぇ)
温泉旅行券が当たらないのでずっと育成してます…マジ当たんねぇ…

おっと、本編本編。
今回はお察しの通り、シャロの正体に迫ります。
かなりのシリアス回です。
一応、後書きの方に詳しく追記しておきますので、疑問は、是非とも感想の方で…
では、どうぞ〜


また再会()える日まで

 

 

 

 

「____謝らなきゃ行けないことがあるの」

 

始まりの街、地下ダンジョンの《安全地帯》にて。

ユイとキリト、ロニエ。そして、シャロとユージオ、ティーゼはいた。

先程のボスモンスターとの戦闘を、ユイとシャロ両名の強力過ぎる力によって強制終了した一行は、安全地帯へと退避した。

そして_____キリトとロニエはユイに、ユージオとティーゼはシャロに話を聞くことにした_____いや《した》というより、自然にそうなった。それぞれが、2人の子供との決定的な《別れ》を予感してしまったのだ。

 

そして、ユージオとティーゼの前で。

シャロは突然切り出した。

「謝らなきゃいけない、こと……?」

飲み込めない状況、突然訪れたシャロの変化。

二人にとって、全てに理解が及ばない。

「ええ。私は……貴方達を騙していた」

「騙すって…何を?」

「私は、元々人間じゃない。いえ、この世界(アインクラッド)にプレイヤーとして来た訳じゃないの」

「____NPCだっていうの?でも、他のNPCとは比べ物にならないくらい、君は…!」

_____人間的だった、人間そのものだった。

 

「……確かに、そうね。でも本質的にはあまり変わらないわ。でも_____貴方達二人とは、ほとんど同じ存在だった」

「僕、らと……?」

 

「ええ。ユージオ、貴方は気付いていると思ったのだけれど……まぁ、貴方と言葉を交わしたことなんてほとんどなかったものね。あなたが私の声を聞いたのは_____白亜の塔(セントラルカセドラル)の最上階での戦い、私の最期だけだもの」

 

「_____え、?」

 

()()()()()()()()()()

 

彼女の口から、そんな言葉が出てくると思っていなかったユージオは動揺を隠せなかった。

ティーゼも同じだった。

 

「___まさか、まだ思い出せないの?ルーリット村出身、第5位上級修剣士のユージオくん?」

「な____なんでそれを…!?」

 

「当たり前でしょう。私は、アンダーワールドから貴方と同じく、時を超えてきたんだから」

 

「_______な」

 

彼女の口から出てくる、衝撃的事実。

シャロ____シャルロットも時を超えてきたと言う。

 

「いえ、正確に言うと私の場合はちょっと貴方達とは違うわ。貴方は、正当な時間超越者(タイムワーパー)。でも私は、特殊な状態でここにやってきたから。 」

「ま、さか_____君は…!?」

「やっと気付いたのね。そうよ、私の名前は______」

 

ユージオの出身地から、上級修剣士の順位、果てはセントラルカセドラルの決戦の事まで知っている。

そんなことを知っている人物は、指で数える程度しかいない。

相棒(キリト)、最高司祭 アドミニストレータ、もう一人の最高司祭 カーディナル。

そして______

 

「___シャーロット。マスター…もう一人の最高司祭 カーディナル様の使い魔、蜘蛛のシャーロットよ」

 

シャーロット。

もう一人の最高司祭 カーディナルの使い魔にして、キリトとユージオの旅をずっと見守ってくれていた______そして、あの決戦時に、ユージオ達を身を呈して護って、死んでしまった、シャーロットだった。

 

「____君、も」

「ええ、時を超えてきた。けれど貴方とは事情が違ったの。だから____プレイヤー(あなたたち)とは違う者としてここに来たの」

「で、でもっ、アルゴは君のことを《Charlotte(シャルロット)》って…!」

「……綴りは一緒。でも、読み方が違うわ。キリト達____リアルワールドの世界には《国》という概念が存在するの。国が違えば、言葉も違ってくるし、同じ文字や言葉でも読み方が違ったりする。《Charlotte》…これも文化圏の違いでしょう。彼女(アルゴ)はそう読んだだけ」

 

 

「《メンタルヘルス・カウンセリングプログラム》、言ってしまえば、このアインクラッドにいるプレイヤー全員の精神状態を安定させる為に造られた存在。私はその実験途上で発案された《試作機(プロトタイプ)》。そして、あの子____ユイがその次の《実験機(テストタイプ)》。残念ながら、試作機(わたし)は作られた当初は失敗作だと言われていたの。何せ____ユイよりも先に壊れてしまったから」

 

「壊、れた…?」

「見たでしょう?私が目覚めた時の事。どうしようもなく幼児退行を起こしていたから……」

「どうして……どうして、そんな、心が壊れるようなことになったの…?」

今まで、驚きで声を出すことすら出来なかったティーゼが、ようやく口を開いた。

 

「…私の本当の役割は、人の精神状態を安定させること。そして、異常をきたしている人の元へと訪問し、カウンセリングを行う……そのハズだった。けれど、私はその仕事をさせてもらうことはなかったの。私とユイに命令を下す機関____《カーディナル》と呼ばれるシステムが私達にプレイヤーとの接触を禁じてしまった」

「か、カーディナル!?」

「ああ、貴方はそういう反応になってしまうわよね。私のマスターたる《カーディナル》様じゃない、同じ名前の全く違うものよ。安心して」

「接触を、禁じる……でも、シャロ…あなたの仕事は人の精神を安定させる事よね?なら、接触しないと___」

「____ええ、意味がなかった。私達は、このアインクラッドに閉じ込められた人達の絶望を見ることしか許されなかった。そんなことになったら、誰だって壊れてしまうわ。私がそうだったように」

「_____そんな」

そんな、残酷なこと。

許されていいはずが無い。しかし、それは事実であったし、変えられないものだった。

 

「…私は、あの世界(アンダーワールド)でも見るだけことがほとんどだったから、変わらないと思ったこともあった。けど、そんな生温いものじゃなかったの。アンダーワールドでは考えられない程の、絶望。孤独。恐怖。怒り。悲しみ_____そう、壊れるまで長くは無かった」

アンダーワールドに無かった物。

圧倒的絶望。

自分がいつ死ぬか分からない、そんな恐怖に鷲掴みにされる人々の負の感情。

それは彼女の知らないものだった。

 

「私は、ユイよりも早く壊れてしまった。そして、壊れたまま、アインクラッドの人々を見ている時____何故か、絶望していない人達を見つけた。最前線で戦う人々、攻略組の存在。そして、特に貴方達は…希望に満ち溢れていた。壊れていた私は貴方達に触れたいと強く思った_____いえ、もうその頃には私はいなかった。完全に、私という人格が崩れて……その時、に生まれたのが貴方達の知る《Charlotte(シャルロット)》なの」

 

「____じゃあ、あの子は」

「言うなれば《もう一人の私》。二重人格みたいなものよ。完全に別の存在ではあるけれど……でも、勘違いはしないであげて欲しいの。あの子はまた一人の子供…だから、私の事を恨んでくれていい。代わりにあの子の事は___」

シャーロットはユージオ達に頭を下げようとして____ユージオとティーゼに抱き締められた。

 

「___何、言ってるのさ。僕らがそんなことすると思ってるのかい…?」

「___あの子(シャルロット)も、あなた(シャーロット)も……短い時間だったけど、家族だったわ。だから___そんなこと言わないで…!」

 

「______ああ、そうだった。貴方達は、こんなに優しかったわね」

抱きしめられて、シャーロットは優しく、ため息をついた。

「だから___だから、あの子(シャルロット)が…貴方達に逢いたいと、そう願ったのね」

二人は、《Charlotte》という同じ名前を持っていたが故に、《シャーロット》と言う人格も《シャルロット》という人格も、同じ温もりを求めていた。

「____また、貴方達に逢えて…良かった」

 

「……そんな、辛いことを背負わされていたのね。ごめんね、あたしが、気付いてあげられなくて___!!」

「貴女が、謝る意味が分からないわ。だってティーゼ、貴女は____」

「___それでもっ、それでも……そんなに苦しんで、壊れてしまう程に傷付いていたことに私は気付かなかった!だから___」

「___本当に、底抜けに優しいんだから。でも、そんな貴方達だからこそ、あの子(シャルロット)が両親と慕ってやまなかった。そうね」

 

「____、シャーロット?」

抱きしめ合っていた、その時。

ユージオは彼女の異変に気づいた。

シャーロットの身体が、微かに光って見える。いや____少し透けて見える。

「ああ______もう、そろそろなのね」

「そろそろって__!?」

 

「___私が記憶を取り戻したのは、単なる偶然じゃない。それは____私が、あの黒い碑石に触れたから。あれは、システムに干渉すら出来うる…システムコンソールと呼ばれるものよ。

あれに触れたことによってカーディナルの《エラー訂正能力》で私のエラー____記憶喪失等、諸々の障害が消えてしまった。それと同時に…そのシステムを使ったということが、カーディナルにバレてしまった。そうなれば、彼女は私達を異物の認定して、消しにかかってくる」

 

「な____」

「そんな____!!」

突きつけられる事実とその先にある結末。

それは三人を簡単に引き裂いてしまう、抗えない絶対的力だった。

 

「ごめんなさい…ユージオ、ティーゼ。お別れ、ね」

「ま、待って…!!僕らで何か出来ないの!?」

突然告げられる別れ。

そんなもの、二人にとって許容出来るものではなかった。

 

「じゃあ、聞かせてもらうわ。貴方、この状況を打破出来る策はあるの?」

「____ 」

しかし、シャーロットは知っている。

二人には、この状況を打破する方法が無いことを。

 

「この世界____いえ、リアルワールドやこのシステムの知識に乏しい貴方達では、どうにも出来ない。だから、諦めて」

そう。

ユージオ達には、リアルワールド____ひいてはシステムに対する知識が全くと言っていいほど足りていなかった。

システムに割り込むなど、以ての外。

力無きものには____救うことすら許されない。

 

「嫌……嫌よ…!!せっかく_____分かり合えたのに…!!」

「こんなの、あんまりじゃないか_____!!」

シャーロットの手を取って、胸に押し当てるティーゼ。

自分の無力さに打ちひしがれ、自らを呪うユージオ。

 

「____最後、だし…あの子にお別れの言葉、言ってあげてくれるかしら?」

「ぇ_____」

「___私達は、言ってしまえば、今。一つの身体を二人で交代で入れ替わっているの。今なら、あの子に会うことも出来る。お別れの言葉くらい無いと、寂しいもの。ね?最後は____あの子の傍に、いてあげてほしい」

「_____っ!!」

 

シャーロットはそう言って、ゆっくりと目を閉じる。

 

そして、目を開けたシャーロットの瞳は____蒼かった。

「____おとうさん、おかあさん。ごめんね、わたし……お別れしないといけないの」

「シャロ_____!!」

 

あのシャルロットの声音へと変わっている。

「ごめん、シャロ……僕が、何も…出来なく、て…!!」

「…ありがとう、おとうさん。わたし、凄く楽しかったよ!一緒にご飯食べて、遊んで、お散歩行って____」

 

光は、どんどんシャルロットを包み込んでいく。もう、腰辺りまで迫っている。

 

「シャロ、あたし…あたし___!!」

「おかあさんも、ありがとう。わたし、おかあさんと一緒にいて、凄く安心したんだ。おかあさんとお買い物行くのも、凄く楽しかった!」

 

「___幸せだったよ…!」

 

シャルロットは笑顔で、涙を流しながら、二人を抱き締めた。

 

「ありがとう、さようなら_____」

 

そう、最期の言葉を呟いて。

シャルロットは、消えて行った。

 

「嫌_____嫌ぁぁぁあ!!!!」

 

安全地帯に、ティーゼの悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「_____クソっ!!畜生ッ!!」

 

シャルロットが消えると同時に、ユイも同じ道を辿った。

喪失感に打ちひしがれるロニエを抱き締め、キリトは毒づいた。

 

「カーディナルっ!!全てお前の思い通りになる、思うなよ!!」

キリトは涙を振り払って、天井を睨みつけ、叫んだ。

そして、キリトは黒い石碑____システムコンソールへと走っていく。

「先輩…!?」

そして、表示されたままになったホロキーボードを素早く叩く。

 

「___っ!!(ユイとシャロが、システムコンソールにログインしてGM権限を使ったって言うんなら、まだ、使える筈だ。これが消される前に、2人を保存して、守る……!!)」

キリトにとって、システムやプログラムを組むのは得意分野だった。しかし、これは博打だった。

SAOのシステムなど、キリトの知るシステムやプログラムの域を大きく超えるもの。

 

しかし、彼にとってここで引き下がる事こそが屈辱のそのものだった。

「_____(ユイのプログラムは___あった!!この容量なら、ギリギリ俺のナーヴギアのデータに保存出来る…けど、シャロの保存先が問題か___!!)」

 

キリトのナーヴギアに保存できるのはユイ一人分ともう一人分。

シャロの分までプログラムを見つけることは出来たが_____なんと、シャロのプログラムの容量は、ユイの倍だった。

これではキリトのナーヴギアの容量に入り切らない。

ならば_____

 

「____そうだ、ユージオ!!!!」

「__何だい…?」

「お前、ナーヴギアのユーザー番号覚えてるか!?」

「ゆーざー、番号…?」

キリトの考え着いた妙案、それはユージオのナーヴギアにデータを入れることだった。

 

「ちッ、覚えてないか…!!ユージオ!俺の言う通りにしろ!!シャロを助ける為に協力してくれ!!」

しかし、ユージオはナーヴギアについての知識が全くと言っていいほどない。故に、キリトは舌打ちしながらも、ユージオに檄を飛ばす。

「____分かった!!」

「メインメニュー、セッティング、オプション、ユーザー情報____」

何層にも重なったメニューを開き、ナーヴギアのユーザー番号へと辿り着く。

 

「番号は__________だよ!!」

「よし来たッ!!」

ここまで10秒もない。

キリトは即座にユイとシャロのプログラムをナーヴギアへ移行し始める。プログレスバー(作業の進み具合を示す棒状のアレ)が出てくる。

そして、20秒後。プログレスバーが右端まで到達した。

「っ!!出来______が、ァ___!?」

 

作業が完了したと同時に、キリトはなにかの衝撃に吹き飛ばされてしまった。

「先輩…っ!?」

ロニエにぶつかってぐったりと倒れ込むキリト。

「キリト!!」

「キリト先輩!?」

ユージオとティーゼが駆け寄ると___キリトが右拳をばっ、と高く上げた。

「ど、どうなったの!?」

 

「_________ギリっ、ギリ……間に合った…!!」

 

キリトは身体を起こして、右手を開いた。

そこには_____

 

「___宝石…?」

 

綺麗な宝石が2つあった。

ひとつは、涙滴型。

もうひとつは____菱形。

 

「涙の形したのが、ユイ。菱形がシャロだ。間に合うか結構ギリギリな感じではあったんだが____間に合ったぜ」

キリトは菱形のクリスタルをユージオに、涙滴型のクリスタルをロニエに手渡した。

 

「______ぁ、シャロ」

それを受け取って、涙を流すユージオ。

ティーゼもそのクリスタルに触れて、涙を流した。

 

「___シャロ、シャロ、シャロっ……!!」

「_____これから、ずっと一緒だよ、シャロ。離したりなんか、するもんか…!」

ただのクリスタル。

だが、二人には分かった。

そこに、シャーロットとシャルロットがいることを。

 

そして、ティーゼとユージオの声に反応するかのように_____クリスタルはとくん、と煌めいた。

 

 

 

 








シャロの正体。
アンダーワールド編にて登場する、カーディナルの使い魔《シャーロット》でした。
名前ネタに関しては元々考えていました。
《Charlotte》という名前は、国によって読み方が違うそうです。
英語圏なら《シャーロット》、フランスなら《シャルロット》、ドイツなら《シャルロッテ》etc…

そんな感じで考えていたのですが、いざそれを説明する前に既に投稿している話を再度読むと、ユージオ達は《Charlotte》をシャルロット読みしているにも関わらず、愛称は《シャロ》になってて『やっちゃったぜ☆』ってなりました(白目)

時間軸としては

《シャーロット》、時間を超えてAIとしてアインクラッドにやってくる。

カーディナルにアインクラッドの監視のみを言い渡される

ユイより先に精神崩壊

その《シャーロット》という人格が崩壊した結果、《シャルロット》という人格(子供)か誕生する。

カーディナルを出し抜いて、ユージオ達と会うためにアインクラッドのプレイヤー域へ。

ユージオ達と出会う。

といった感じでしょうか。

キリト君が、ナーヴギアに2人分のデータ保存が出来なかった理由として、《Charlotte》が二重人格だったことが挙げられます。
二重人格だったが故にデータ量も2倍だったので、キリト君のナーヴギアだけでは限界がありました。





















⚠️注意、この先はこの本編のネタバレになる可能性があります。⚠️
というか、わかってる人も多いかな?


ユージオ達の存在に関しての間接的情報が出てきました。
出来れば描きたくなかったのですが、設定上、このままキリトのナーヴギアに保存するとキリトのナーヴギアがデータ量不足で止まりそうだったので…(白目)
まあ……ちょっとくらい、希望があってもいいかなー……と

クロス・アラベル、一生の不覚…

次回もお楽しみに〜!
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