ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
さて、戦いの幕開けでございます。
さて、今回はキリト目線とユージオ目線五分五分…と言った感じになってます。あと、戦いは2話続いて書きたいと思っています。書き始めたら、1万字を超えて、まさかの1万6000まで行ってました(白目)現在も最後の戦いを書いている途中ですが、10月の半ばには投稿出来ればなぁ…と考えております。
では、本編どうぞ〜
○
「____最強の聖騎士が一転、最凶のラストボスか。趣味が良いとはお世辞にも言えないぞ」
「私はこのシナリオを気に入っていたのだよ。盛り上がると思っていたのだが……たった
お世辞をどうも、とキリトが剣を鞘に収めながら言う。
ユージオは既に《血薔薇》を解除しており、HPゲージはほとんど減っていない。何せ、スキルを発動させたのはほんの数秒。ヒースクリフが抵抗するのなら徹底抗戦を病むなしと考えていたユージオにとっては僥倖だった。
「____なんとなくわかっていた。キリト君、ユージオ君。君達二人こそがこのアインクラッドにおける最大の不確定因子だとね。私も認めているのだよ。このSAOで、最後に私の前に立つのは______君達二人だと」
饒舌に語るヒースクリフ____
ケースの中で、クルクルと回り続ける実験用のモルモットを観察している____そんな風に、殆どの者達が感じた。
「私は確信していたとも…これはお世辞ではない。君の実力も加味しての話だ。
このアインクラッドの中で設定されている《ユニークスキル》十種……まぁ、一つ、
その中でもキリト君、君の《二刀流》はこのアインクラッドの中でも最速の反応速度をもつプレイヤーに与えられるものだ。候補は、3人程いたようだがね。そして、それこそが、魔王____ラストボスに対する《勇者》の役割を担うハズだった。」
このアインクラッドの創造者たる茅場晶彦の口から飛び出る真実の数々。
「…全く予想外だったのだよ。君達が私の正体を看破するなど……この予想外の展開というのも、ネットワークRPGの醍醐味と言うべきかな?」
楽しんでいる。
自らの正体を看破され、今やこの攻略組全員が敵に回っていると言うのに_____この状況を楽しむ余裕があるというのか。
その時、ヒースクリフの丁度後ろにいた1人のプレイヤーが立ち上がった。
紅白をベースにした鎧をまとった_____他でもない、ヒースクリフが率いてきた血盟騎士団の幹部の一人だった。
「貴、様____よくも、よくも…私達の忠誠を、希望を_______よくもォ!!」
彼らからすれば、1番信じていたリーダーに裏切られたのだ。
激怒するのも当然だが_____相手が悪かった。
「______!」
ヒースクリフが一瞬早く、左手を動かしメニューウィンドウらしき何かを展開し、凄まじいスピードで数回タップする。
すると、地を蹴り、空中で斧剣を振りかぶっていた男は不自然に動きを止めて地面に倒れた。
斧剣が地面に落ち、凄まじい金属音がボス部屋に響く。
そして、その直後。
「ぁ____先、輩」
「ロ、ロニエ!?」
キリトの後ろにいたロニエが力無く倒れこもうとしていた。
咄嗟にロニエを受け止めるキリト。
しかし____
「な____ぐ!?」
隣にいたユージオさえも倒れてしまった。
「ユージオ!?」
パッと周りを見ると、全員呻き声をあげながら不自然な格好で倒れている______キリトとヒースクリフを除いては。
ロニエのHPゲージに黄緑色の枠が点滅している。
麻痺状態だ。
「_____なんだ、正体バレたからって全員殺して隠蔽か?アンタにしちゃ随分と雑だな。表情に出ないだけで結構焦ってるのか?」
考えられるのは、証拠隠滅。
ここで全員殺してしまえば、『ヒースクリフ』が《茅場晶彦》だと知る人物はいなくなる。
単純だが、確実な手。
『死人に口なし』とは、まさにこの事だ。
「いや、そんな無粋な真似はしないさ。私もゲームクリエイターであり、非道なゲームマスターでもあるが____その実、人間であることには変わりないよ」
う
キリトの疑問に答える
「
ヒースクリフはそう言って、剣を盾にしまい込む。
「______だがその前に、キリト君、ユージオ君。君達二人には私の正体を看破した
「________!!」
ゲームマスターたる茅場晶彦が持ち出してきた、報酬。
このアインクラッドの支配者である彼にとって、システムに介入する事など容易い。そんな彼が持ち込もうとする《フェアな戦い》など、信用に足らない。
言い換えてしまえば、
『不確定因子たるお前達をここで確実に始末する』
と言っているようなものだった。
ロニエやアスナ達も同感だった。
信じられはしない。ここで乗ってしまえば、確実に殺される。
しかし。
キリトはそう考えつつも、彼の言っていることは本当の事だと理解出来た。
彼は、このアインクラッドを今までずっとフェアに進行されるよう、徹底してきた。彼の人間性からして、不正は有り得ない。
キリトは、考える。
他のみんなが何か言ってきているが、聞こえない。
頭の中にあるのは____漠然とした怒り。
約二千人。
それだけの人が犠牲になった。
電磁波によって、脳を焼き切って殺してきた彼が。
「巫山戯るなよ_____!!」
「先輩っ…!!」
意識が浮上する。
「だめっ……今は、引いてくだ…さいっ」
ロニエの静かな呼び掛けに、キリトはロニエに小さく、『ごめんな』と言って、地面に寝かせて立ち上がった。
「キリト___駄目だ!!行く、な…!!」
仰向けに倒れながらもキリトに向かって必死に手を伸ばすユージオ。
「______いいだろう、ここで決着つけてやる」
例えこれが罠だとしても、ここで剣を抜かねば______今まで傷付いてきた人達にどう顔を会わせろというのか。
「やめろ、キリト…!!」
「キリト…!!」
エギルとクラインが倒れながらも必死にキリトを止めようと出来る限り叫ぶ。
それは攻略組のみんなも同じだった。ディアベルも、ネズハも、ユウキも。
「アホ言うたぁアカンでキリトはん…ッ!!気持ちはよう分かる、けど今は引くべきやろがぁ……!!」
勿論、この男も黙っていない。親のように、キリトを叱りつける。
「……ありがとう、キバオウ。俺…アンタとは仲良くなれるか心配だったんだ。今じゃ、一緒に飯食いに行ったりする仲だもんな。人生わかんないもんだよ。アンタは_____こういう時、親みたいに叱ってくれたよな。凄く、嬉しかったよ」
「______こんな時に、なんでほんなこと言うんや…キリトはんっ…!!わしが聞きたかったのはそんな事…そんな、ことちゃう…!!」
キリトのいきなりの感謝の言葉に、キバオウは涙を流す。悔し涙か、嬉し涙か。それはキバオウ自身も分からなかった。
「ディアベル、アンタが居なきゃ……俺達はここまで来れなかったよ。バラバラの俺達をここまでまとめあげてくれた。ボス戦前には、深夜まで話し合って、作戦を決めてたよな。負けるつもりは無いけど____後は、よろしく頼む」
「______引き返す気は、無いんだな」
「ああ。ごめん」
「謝らないで、くれ。ただしやるなら______勝てよ」
「____おう」
ディアベルは、止めはしなかった。止める方法など、今の自身に無いことを知っていたから。
その握りしめた拳は______震えていた。
「ネズハ。今回のボス戦、サポートありがとな。ネズハのサポートが無かったらとっくにお陀仏だったよ、俺達。なぁ……1つ聞きたいんだ______今、ネズハは幸せか?」
キリトは、ネズハのことが心配だった。
第2層での詐欺事件、その加害者たる彼。人並み以上に罪悪感を感じ、自殺をしてもおかしくなかったネズハを_____キリトは案じていた。
確かに彼は、今もその罪悪感に苛まれているだろう。
けれど。
それでも。
彼が幸せだと、感じてくれているだろうか。それだけが気がかりだった。
「______ええ、ええっ!勿体ないくらいですっ」
その、言葉に。
「____なら、良かった。あの時、体張って助けた甲斐があったよ」
キリトは救われた。
「エギル。今まで剣士クラスのサポート、サンキューな。 知ってたんだ、お前んとこの店の儲けの殆んど全部、中層ゾーンのプレイヤー育成に注ぎ込んでいたこと」
「____お前…!」
「クライン_____俺、後悔してるんだ。
キリトは後悔していたのだ。
デスゲームの開始が宣言され、阿鼻叫喚となった始まりの街。
そこをいの一番に飛び出そうとしたキリトは、一緒にいたクラインとユージオに、次の町へ行こうと誘いをかけた。
しかし、クラインには友人がおり、彼らを置いていくことは出来ないと断った。
そのため、キリトはユージオと共に始まりの街を飛び出した。
その後、クラインにビーターとしての全知識を余すことなく教えたが_____それでも、キリトの中では、後悔が残っていたことは事実だった。
「何、言ってんだテメェ……!!謝ってんじゃねぇよ…謝んのは今じゃねぇだろォ………ちゃんと、
「____そうだな、約束するよ。帰ったら……一緒に飯食いに行くか」
微笑して、クラインにそう言ったキリト。
そして____ユージオへと向き直る。
「ユージオ______俺、本当はさ。人付き合い苦手でさ、
「_______キリ、ト」
包み隠さず吐露されたキリトの本心。ユージオは目頭が熱くなったが、それ以上にキリトを止めようと手を伸ばす。
「そんなこと、言わないでよ________」
手を伸ばす。けれど、届かない。
「_______ロニエ」
最後に。
愛する人の瞳を見た。
今にも泣きそうな顔で、キリトを見つめる彼女。
「先、輩……!!」
彼女もまた、キリトに手を伸ばす。
「_____ごめんな」
キリトはそう言って身を翻し、ヒースクリフへと向き直る。
「悪いが、頼みがある」
キリトは笑みを崩さないヒースクリフに向かって言った。
「何かね?」
「言っておくが負ける気は無い。やると決めた以上、絶対に勝つ。だが______もし、だ。もし……俺がお前に負けて死んだら_____暫くの間、ロニエが自殺出来ないように計らって欲しいんだ」
キリトの意外な頼みにヒースクリフは少し驚いた表情を見せて、直ぐに答えた。
「よかろう。では君が死んだ場合_____ロニエ君一人では辛いだろうからな。ユージオ君たちのホームがある32層の主街区から出られないように設定しておくとしよう」
「やめ、て………先輩!!そんなの私、嫌_________!!」
悲痛な叫び。
キリトにとって、愛した人が自分のあとを追って
ロニエには、生きていて欲しかった。
ロニエの叫びに____キリトは振り返ること無く、ヒースクリフに向かって歩みを進める。
ヒースクリフはメニューをいじって何かをしている。その直後、『Changed into mortal object』という表示が、ヒースクリフの頭上に現れる。
これで_____彼の絶対的システムの護り、《不死属性》は解除された。
ゲームマスターたる彼は、その気になればここにいる全員を無造作に殺すことも可能だ。だが、彼の性格故に、そんなことはしないだろう。このアインクラッドでの日々、長い間全てにおいて
二振りの剣は、もうキリトの手に。
ヒースクリフも盾から剣を引き抜き、戦闘態勢へ。
これは、デュエルでは無い。
これは純粋な命をかけた死闘。
高まる緊張感。
対プレイヤー戦における、独特なそれは_____今までにないほど高まっていく。
そして______その死闘は音もなく、火蓋が切って落とされた。
○
「________キリト…!!」
不味い。
このままではキリトは_____負けてしまう。
少なくとも、いい結末へは辿り着けない。
見てしまったんだ。
今と同じようにヒースクリフと戦い_______ダークリパルサーが刀身半ばから折れること。
そして________その隙をついたヒースクリフの一撃を、
全てがキリトの記憶通りに物事が進むかと言われれば、絶対ではない。
これはただの勘。
この1年半以上、キリトの記憶をヒントに走ってきた僕が感じてしまった焦燥感。
今、キリトがヒースクリフに勝つことは出来ない_______!!
剣筋がぶれて見える程に速い剣戟。
けれど、それはヒースクリフに届いていない。
キリトはこう考えているはず。
ヒースクリフはこの世界を作った張本人だと言う。
僕はまだ信じられないけど、それが本当なら、僕らが使うソードスキルも彼が作り出したということになる。
当然、キリトの《二刀流》も。
固定化されてしまったソードスキルは彼には通用しない。
故に、自分の力だけで______自身の技だけで圧倒しなければならない。
ソードスキルを封じられた状態での戦い。
それをキリトはほぼ互角にまで持ち越している。
しかし______一瞬の隙さえもヒースクリフは逃さない。
キリトの攻撃の隙をついての攻撃がキリトを襲う。
それをキリトは瞬間的に反応してのけた。
ヒースクリフの突き攻撃を二振りの剣で防ぎ、払って再び斬撃の嵐をお見舞する。
攻めの姿勢を崩さないキリト。
けれど。
彼の守りを突破するのは至難の業だ。
僕は
それに、キリトとヒースクリフの戦いは二回目。手の内は全て見せている。キリトの本気の速さも、戦い方も。
ヒースクリフにとって、ソードスキルは既知のものであり、ユニークスキルである《二刀流》の全てのソードスキルを熟知している。ならば、今この時。圧倒的に不利なのは、キリトなんだ。
そう。
それを承知で、彼はヒースクリフの誘いに乗ったんだ。
キリトたちの目的はこのアインクラッドから脱出し、
この1年半以上もの間、家族と離ればなれになった彼らにとって、これは千載一遇のチャンス。
けれど______これではあまりにも。
一瞬垣間見えた、ヒースクリフの冷ややかな目。
真鍮色の双眸に底知れない何かを感じる。
デュエルの時にみせた人間らしさが完全に抜けきっている。
仮にも。
二千人もの人がこの世界で死んでいる。
自身の作った世界で人が死んでいるというのに。
彼は、何故正気を保てているのか。
僕だったら___________耐えきれず、死んでしまうかもしれない。
キリトが正面切って斬り結んでいる彼は_______そう言った意味では、充分に《怪物》と呼んでもいいのかもしれない。
キリトの表情に、焦りが見え始めた。
不味い。
早く、立ち上がらなければ。
多分、キリトの記憶通り、キリトは負けてしまう。
最後の一撃を守ったのは記憶ではアスナだったが、今もそうなるとは限らない。ならば_____
「僕が、行かなくて______誰が行く、んだ」
立て。
立ち上がれ。
早く。
早く______!!
「うおおおおおおおおおおおッ!!」
直後、キリトの咆哮がボス部屋に轟く。
剣と剣がぶつかり合う衝撃音が、更にヒートアップする。
時間が無い。
立ち上がって、キリトの元へ走るだけでいい。
盾になるだけでいいんだ。
キリトを、守らなければ________
その時、アインクラッドで何度聞いたか分からない、ソードスキルの立ち上がる独特な音が聞こえた。
早まったか______!!
ソードスキルがヒースクリフの盾に撃ち込まれる。
「______ッ!!」
声にならない叫びと共に繰り出される剣技。超高速の連撃がヒースクリフを襲う。
しかし。
________全て、読まれている。
完全にヒースクリフはその剣技の軌道を読んでいた。
全てが盾にによって防がれていく。
二刀流を披露した時に見せた《スターバースト・ストリーム》よりも遥かに連撃数が多いはずのその技を全て丁寧に捌き、一撃一撃を防いでいく。
_____嵌められたんだ。
痛感した。
焦りを、恐怖を隠そうと躍起になって、剣を振るっても勝てる戦いにさえ勝てない。
恐怖を乗り越えるというのは、難し過ぎる。
僕でさえ、対モンスター戦やボス戦では、恐怖を感じてしまう。
しかも、相手はこの世界の創造主。
そして________今まで間接的にも、約二千人を殺してきた殺人鬼。
キリトでさえ、恐怖を感じざるを得なかった。
その恐怖に煽られ、使ってはならない《ソードスキル》を使ってしまった。
これは、ある種の罠だったんだ。
ヒースクリフからすれば、キリトにソードスキルを使わせてしまえば、技後硬直中に攻撃出来る。
軌道は、全て知っている。
故に______彼の勝利条件は、
早く、立て。
早く。
早く早く早く早く_____!!
ここで立たなきゃ、誰がキリトを守るんだ…!!
両腕に力を入れる。
けれど、麻痺しているせいで身体の自由が聞かない。
何かが砕ける音がした。
「_______っ!!」
記憶で見た通りの結末。
キリトの剣は折れ、技後硬直を強いられる。
その間に、ヒースクリフがとどめを____
アスナには出来たんだ、僕だって、やって見せろよ!!
立て。
立て______!!
その時。
見知った影が、キリトの元へと駆けて行った。
○
「_______さらばだ、キリト君」
冷たく告げられる別れの言葉。
振り下ろされる刃。
動こうとしない身体。
俺は、こんなにも弱かったのか。
最期に。
望みがあるとするなら_____
______ロニエ、君だけは生きてくれ。
俺はロニエを残して逝くことの罪悪感に押しつぶされそうになりながら、目の前に迫る死を直視する。
その時だった。
誰かに突き飛ばされたのは。
「_____!?」
「なっ_____!?」
驚きの声は他ならぬ、ヒースクリフのものだった。
技後硬直にあった為、避ける事も抵抗することも出来ず、倒れ込んでしまった。
そして、何かが斬られる音。
「_____何、が」
突き飛ばしながらも一緒に倒れ込んできたのは_______ロニエだった。
「___________」
時が、止まる。
状況を把握出来ない。理解が届かない。
何故?
何故、麻痺状態である筈のロニエがここにいるのか。
キリトに斬られた感覚はない。
ならば_____
「_____せん、ぱい」
うつ伏せに倒れるロニエ、その肩口から腰にかけて赤い斬り口が。
紅い、血のエフェクトを散らしながら。
その
「____ロニエ」
「ロニエ、ロニエ……ロニエロニエロニエ!!!!!!」
急いで抱き上げる。
その体は未だに麻痺に犯されていた。
減り続けるHPゲージの隣にも、麻痺状態のマークがついている。
彼女は_____システムの力に抗って、キリトを命からがら助けたというのか。
「やめろ_____止まれ。止まれ!!止まってくれ……!!」
キリトの悲鳴が響く。
しかし、ロニエのHPゲージは残酷にもどんどん減って行き______
ピタリ、と。
レッドゾーンギリギリで止まった。
「ロニエ!!」
後数秒止まるのが遅ければ、確実に死んでいた。
これは_____ボス戦勝利直後、ロニエがキリトに回復を促し、一緒に回復していたのが功を奏した。
「___先輩…生きてます、か?」
「ああ、生きてるよ____俺も、ロニエも…!!」
「良かった………頑張って、無理したかいが、ありました」
「……ありがとう、ロニエ。ありがとう________!!」
優しく抱きしめる。
もう、傷付けさせないと。
もう、負けないと、誓うように。
「_____これは、驚いた。今この状況で麻痺状態を脱する手段は存在しなかったんだが…ロニエ君の様子を見るに、麻痺状態のままで君を守ったようだ。RPGの……このデスゲームの物語にはピッタリのシナリオだ」
大袈裟に両手を広げてそう言い放つヒースクリフ。
「こんなことが起きようとは……私としてもこういうサプライズは、嬉しいね」
「_______」
「…さて、どうするのかな?キリト君。要らぬ…とは言わないが、邪魔が入ってしまった。まだ、勝負を続けるかい?」
「______ああ。例え、お前に勝つ手段が無くても……ロニエが示してくれたこの勇気を、無駄に出来るか」
「いい台詞だ…諦めていないようで嬉しいよ。君がここで壊れていたら、私が即刻殺していたかもしれない」
「___そうかよ」
ロニエを優しく寝かせ、落ちていた
「では_____第2ラウンドと行こうか」
そして________再び、激突する。
今回は、原作でアスナさんが死んでしまっていたこのシチュエーションが前回の
ボス戦直後、普通なら安心しきる所ですが、彼女は気を抜かなかったようです。流石は長女、しっかり者だね!