では、第三十一話をどうぞ
Side鏡夜
「ス~・・・ス~・・・」
「ムニャ・・・ムニャ・・・」
「寝てしまったか」
あの後、しばらくの間お嬢様達と話していたが、お嬢様達はいつの間にか寝てしまっていた。
「よっぽど疲れたのかな?」
お嬢様達の安心したような寝顔に、ふふっと笑ってから、俺はお嬢様達を起きないようにそっと抱き上げて部屋を出た。
「よいしょっと」
まず、レミリアお嬢様の部屋に行き、レミリアお嬢様をベットに寝かせる。
「おやすみ、レミリア」
微笑みながらそっと髪を撫でて、俺は部屋を出た。
「おやすみ・・・鏡・・・夜・・・ス~」
部屋を出た後、フランお嬢様を抱きかかえて図書館へと向かう。そのさい、フランお嬢様の腕が首に巻きついてきて、寝息が耳元で聞こえて興奮したのは内緒だよ?
「よっと」
「あら、どうしたの」
「まだ、起きていたのですか?」
図書館に入ると、蝋燭の光を頼りに、本を読んでいるパチュリー様がいた。
「ちょっとね」
「程々にしてくださいよ?」
「分かってるわ」
「う~ん」
「おっと」
俺とパチュリー様の声でフランお嬢様は唸るが、少し抱き寄せると笑顔になって寝息を立てた。
「すみません、先に寝かせてきます」
「ええ」
小声でパチュリー様と話した後、俺は図書館の奥にある地下室へと向かった。階段を降りて地下室に着くと、そっと扉を開けてベットに寝かせた。
「う~ん、あれ、鏡夜?」
「あらら、起きてしまいましたか」
ベットにフランお嬢様を寝かせると、フランお嬢様が起きてしまった。
「うん、何か温もりがなくなったから・・・」
「そうでしたか」
フランお嬢様は目を少しだけ開けて眠そうにしながら、微笑んで言ってきた。俺はフランお嬢様に笑顔を見せながらベットに座って優しく頭を撫でた。
「では、しばらくこうしてますよ」
「うん、ありがとう」
数分程頭を撫でていると、フランお嬢様は大きな欠伸をして、眠たそうに目を擦った。
「ふあ~」
「そろそろ、寝ますか?」
「うん、そうする。おやすみ、鏡夜」
「おやすみ、フラン」
俺はそっとフランお嬢様の額にキスしてから部屋を出た。
階段を上がって再び図書館に戻ると、パチュリー様は大きな欠伸をしていた。
「ふあ~」
「眠そうですね」
「っ! もう鏡夜、驚かさないで頂戴」
「これは失礼しました」
苦笑いしながら謝り、俺はパチュリー様とは向かいの椅子に座った。
「大丈夫ですか?」
「何が?」
「このロウソクの光だけでは見にくくないですか?」
ここの図書館は本が傷んでしまうため、ほとんど窓がない。その為、夜になってしまうとほとんど何も見えなくなってしまうのだ。そんな中、ロウソクの光だけで大丈夫なのか気になった為、聞いてみた。
「ああ、その事、確かに見づらいけど大丈夫よ」
それとちょっと目が疲れるけどね、っと言ってパチュリー様は笑顔になった。俺は何とかできないか考え、一つの考えが浮かんだ。
「少し待ってくださいね」
「?」
俺は一枚のガラスを取り出して六角形にカットしていく。そして、曲げる能力で空中に浮くように調節しながら重力を曲げる。
「これでよし」
「?」
まだ、わかってないパチュリー様を放っておいて、俺は魔力を六角形のガラスの中に貯めていく。
「はい出来ましたっと」
「わ~!」
指をパチンと鳴らすと、ガラスの中には淡いオレンジ色の炎が生まれた。
「どうですか?」
「ありがとう、丁度いいわ!」
「それは良かったです」
俺が何を作っていたかというと、簡単に言えばデスクライトだ。まあ、色々と考えた結果、これが一番良さそうだと思ったから作ったんだけど。
「でも、この炎熱くないわね」
パチュリー様は頭上にある炎に手を当てながら言う。
「そうですよ、それは光を放つだけの炎ですから」
「どう言う事?」
「つまり、曲げる能力で常識というか理なんかを螺曲げて、炎なのに熱を感じなくさせるというものにしたのです」
ここまで簡単に説明すると、パチュリー様は驚いた顔をしていた。まあ、実はこの説明にはかなり時間が掛かるんだけど、嫌でしょ?
「貴方いつの間に?」
「この前スペルカードを貰った時ですね」
「いつのまに・・・」
「ちなみに名前は
そこまで説明したあと、ガラスについての説明を始めた。
「さて、ではこれについて話を始めていいですか?」
「何かあるの?」
「ええ、まず、これはパチュリー様の丁度いい高さに自分で調整できます。調節の際は普通に手でできます」
「へ~」
「それと、消したいと思った時は、消えてといえば消えます」
「消えて」
パチュリー様が言うと、ガラスの中にある炎がふっと消えた。
「凄いわね」
「ちなみに、つけたい時はついてといえば付きます」
「ついて」
パチュリー様が今度はついてと言うと、炎はふわっとついた。
「それと」
「まだあるの!?」
「はい、光の調節ですが、それはガラスに手をつけて念じれば変わります」
そう言って、俺がガラスに手を付いて念じると、炎は小さくなった。
「わ~!」
「っと、こんな感じですかね」
「凄いわ! ありがとう、鏡夜」
「ふふ、どういたしまして・・・あ! それと、私特性なので、絶対壊れない仕様ですから」
パチュリー様の笑顔に内心よかったと思いながら、俺は椅子から立ち上がった。
「では、私もそろそろ寝ますね」
「ええ、今日はありがとうね」
「いえいえ、喜んでもらえてありがたいです」
俺はそのまま出口に向かうと、パチュリー様が服の袖を掴んで引き止めた。
「どうし・・・!?」
「ありがとう、鏡夜」
振り返ったと同時に、パチュリー様に笑顔でキスされた。俺は一瞬何をされたかわかず思考が停止したが、すぐに意識を戻した。
「・・・ふふ、どういたしまして・・・では、パチュリー様、おやすみなさい」
「おやすみ、鏡夜」
パチュリー様と別れたあと、明日に備えるため、すぐに寝た。
「・・・朝か」
目が覚め、時計を見て時間を確認すると朝の六時だった。ひとまずベットから降りて、いつもの執事服に着替えて門へ向かった。
「おはよう、美鈴、咲夜ちゃん」
「おはよう、鏡夜」
「おはようございます、鏡夜さん」
門の前に着くと、咲ちゃんと美鈴が体操をしていた。
「これから?」
「はい」
「内容わ?」
「紅魔館の周り五周を走ります」
「ほ~」
俺は凄いな~っと思っていると、咲夜ちゃんが行ってきますと言って走り出した。
「なあ、美鈴。一周どれくらいで戻ってくる?」
「大体五分かな」
「ほ~それは凄い」
そんな感じで美鈴と話していると、咲夜ちゃんが戻ってきた。
「ハッ、ハッ、ハッ」
「頑張れ~」
「はい!」
そうして咲夜ちゃんは5周走り終え、地面に座り込んだ。
「お疲れ様、はいこれ」
「ありがとう・・・ございます」
俺がそっと水の入ったボトルを差し出すと、息を切らしながら、ゆっくりと飲み始めた。ちなみに、ボトルはスキマから出した。
「ふ~で、鏡夜さん、戦闘の方はいつやるのですか?」
「あ~それは、朝ごはん食べたらね」
「はい!」
「じゃあ、私は朝ごはんお用意に向かうから」
「お願いね」
はいは~い、っと言いながら腕を振って、美鈴は紅魔館の中に入って行った。一方俺はというと、咲夜ちゃんの予定を考えていた。
「ふむ」
「どうしました?」
「ちょっと咲夜ちゃんに言わなかればいけないことがあった」
「何ですか?」
首を傾げる咲夜ちゃんを連れて、俺は庭にあるテーブルの椅子に隣同士に座った。
「咲夜ちゃん、例の能力を使いなさい」
「っ!?」
咲夜ちゃんは驚いたあと、俯いてしまった。
「・・・どうしてですか?」
俯きながら言ってくる咲夜ちゃんに、俺は両肘をテーブルに置いて、まっすぐと咲夜ちゃんを見て答えた。
「必要だから」
「ですが・・・」
「はあ~余計なこと考えてるでしょう?」
「!」
俺がため息混じりに言うと、咲夜ちゃんはガバっと顔を上げた。顔が上がった瞬間、俺はそっと頭の上に手を乗せた。
「あのね~どうせ、使ったら嫌われるとか思ってるんでしょう?」
「っ!」
俺の考えが図星だったのか、咲夜ちゃんは再び俯いた。俺ははあ~っとため息をついてから、そっと咲夜ちゃんの頭を撫でた。
「咲夜ちゃん、大丈夫だから。例え能力を使っても、誰も咲夜ちゃんを捨てたりしないから」
頭を撫でながら言うと、咲夜ちゃんはゆっくりと頭を上げた。若干涙目だったが。
「本当・・・ですか?」
「本当に大丈夫だから」
「分かりました、使います」
咲夜ちゃんは決心したのか、涙を拭って笑顔になった。
「嫌いにならないでくださいね」
「心配しなさんな・・・じゃあ、早速使ってみてくれる?」
「はい!」
笑顔で頷くと、ポケットから俺があげた懐中時計を取り出した。
「何故に懐中時計?」
「使うと楽なんです」
そう言うと、咲夜ちゃんは息をゆっくりと吸って目を閉じた。そして―――
「ふっ!」
「!」
咲夜ちゃんの目が開いた瞬間、時が止まった。俺はというと、時が止まったのは理解できたが、時が止まった世界では動けなかった。
「ふ~」
「お疲れ様」
いつの間にか、咲夜ちゃんは汗だくになってテーブルにつっぷしていた。咲夜ちゃんに一声掛けたあと、俺は頭の中で時の止め方を考えていた。
「成程ね~」
「どうしたのですか?」
「咲夜ちゃん、面白いものを見せてあげる」
「何・・・」
咲夜ちゃんが疑問を言う前に、俺は時を止めた。時を止めた俺は、咲夜ちゃんの肩にそっと手を置いて時を動かした。
「・・・です・・・って、あれ!?」
「後ろだよ」
目の前から居なくなったことに驚いている咲夜ちゃんに、後ろから声を掛けると、勢いよく後ろを振り返って目を丸くして驚いていた。
「一体どうやって・・・」
「ん? 時を止めて」
まあ、更に咲夜ちゃんは驚いた顔をして固まってしまった。
「どうして・・・」
「お~い、咲夜、鏡夜、ご飯だよ―――!」
咲夜ちゃんが話そうとした瞬間、美鈴の声によって遮られてしまった。俺はふふっと笑って咲夜ちゃんの頭を撫でた。
「よし、じゃあ、行こっか」
「あ、待ってください!」
Side咲夜
私は驚きました。他の言葉が思いつかないくらい、本当に驚きました。鏡夜さんに面白いものを見せてあげると言われた瞬間、既に私の肩に手を乗っけていたのですから。
鏡夜さんにどうやったか聞くと、平然と時を止めたと言ってきました。私は再び驚き、どうして使えるのか聞こうとしたら、美鈴さんの声によって遮られてしましました。
「よし、じゃあ、行こっか」
「あ、待ってください!」
鏡夜さんは私の頭を撫で、紅魔館に戻っていきました。私もすぐさま後を追って、紅魔館へと戻った。
「鏡夜さん、どうして使えたのですか?」
紅魔館の廊下で先ほどの疑問を聞くと、鏡夜さんは苦笑いしながら答えてくれた。
「時の止め方を理解しただけだよ」
「でも、理解しただけでは使えないのでわ?」
「まあ、そこは聞かないほうがいいよ。頭が混乱するし」
「はあ、分かりました」
そんな感じで話していると、いつの間にか食堂に付いてた。
「そういえば咲夜ちゃん、この食事が終わったら戦闘を教えるからね。覚悟していといて」
「はい!」
私は内心ワクワクしながら、返事を返した。
「さ~て、やろっか」
「はい! お願いします!」
何事もなく朝ごはんを食べ終えた私と鏡夜さんは、上下とも動きやすい格好で門の前に来ていた。
「さて、ではこれからの説明をします」
「はい!」
鏡夜さんはそう言うと、指を二本立てて話し始めた。
「まず、この修行は四年の計画です。そして、最初の二年は近接戦闘を教えます」
「近接戦闘ですか?」
「そう」
私は聞きなれない単語を聞いたため、聞き返してしまった。
「あの、近接戦闘とは何ですか?」
「それは、ほら、前に私が戦ったような感じ」
「ああ、あんな感じですか・・・って、無理ですよ!」
「いや、何もあそこまではいかなくていよ」
鏡夜さんは呆れつつ首を横に振ってから、再び話し始めた。
「で、二つ目が遠距離の戦いを教えます」
「遠距離ですか?」
「そう・・・意味はわかる?」
「何とか」
私は先ほどの近距離の言葉から、多分遠距離とは遠くからの戦いだと推測した。
「まあ、一応言っておくけど、遠距離とは遠くからの攻撃ね」
「良かった合ってました」
しかし、私はそこで、何故鏡夜さんが遠距離の戦いを教えるのか疑問に思った。
「ですが、どうして遠距離の攻撃を?」
「これから、スペルカードの対決に備えて」
「ああ、成程」
鏡夜さんの説明を聞いて、私は納得が言った。というか、鏡夜さんに言われるまですっかりスペルカードのことを忘れていた。
「さて、じゃあ何か質問ある?」
「ないです!」
私がハッキリと言うと、鏡夜さんは笑顔になって私の頭を撫でた。
「これから、辛い修行だけど大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
「そう」
そうして、鏡夜さんは私の頭から手を離すと、真剣な表情になった。
「では、これより十六夜咲夜の修行を開始する」
「はい!」
そして、地獄のような天国のような修行が始まった。
どうでしたでしょうか?
まあ、多分大半の事は何言ってるかわからないですよね。
批判、感想、疑問、アドバイス、お待ちしております。