二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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え~すみません、一万文字超えてしまいました。
今回、鏡夜君にちょっとイラっとくるかもしれませんが、そこは我慢してください。愚痴は感想でおねがいします。

では第四十一話をどうぞ。


第四十一話 宴会と記者と酔っぱらいの女の子達

Side鏡夜

 

「よっと、危ない危ない」

 

「鏡夜・・・」

 

「鏡夜」

 

「お疲れ様です。お嬢様」

 

あの後、お嬢様達を抱き寄せて捕まえると、気絶してたとばかり思っていたお嬢様達は弱々しく話しかけてきた。

 

「うん、ごめんね。負けちゃった」

 

「ごめんなさいね」

 

「いえいえ、いいんですよ」

 

申し訳なさそうに言ってくるお嬢様達に、俺は笑顔で返した。そもそも、今回の異変は俺達が勝ってはダメなんだけどね。

 

「さてと、霊夢ちゃん、魔理沙ちゃん」

 

「何かしら?」

 

「何だぜ?」

 

なぜかは知らないが二人はこちらを警戒しながら言ってくる。もしかして、お嬢様を傷つけたから、俺がキレてるとでも思ってんのかね。

 

「何そんなに、警戒してるの?」

 

「それは、なんか鏡夜が怖い顔してるから」

 

霊夢ちゃんはなんか畏まったように言ってくる。いや、霊夢ちゃん、怖い顔って言うけど俺笑顔だよ? 何故怖い顔扱い?

 

「いやいや、笑顔じゃん」

 

「いや、その笑顔が怖いんだぜ」

 

「・・・なんかショック」

 

普通の表情が怖いと言われたことはあったけど、まさか笑顔まで怖いって言われるなんて・・・

 

「まあ、いいや。それより二人共、お腹すいてるでしょう?」

 

「え、なんで?」

 

俺は取り敢えず先ほどの言葉を聞き流しつつ質問した。俺の質問に二人は戸惑は何を言っているのだろうといった表情で戸惑っている。

 

「いや、この異変で疲れたでしょう?」

 

「そりゃあまあ、疲れてお腹は減ったけど・・・」

 

「お腹減ってるんだね。じゃあ、そこの窓から部屋に入って、料理用意しといたから」

 

「いやいや、なんで料理を用意してるの?」

 

「そりゃあまあ、異変を解決したら宴会じゃないの?」

 

そこまで言ったのに、霊夢ちゃんは未だにわけがわからないといった表情をしていた。いやね、この前紫ちゃんに聞いたんだけど、異変が終わったら宴会をするってことで、用意しといたんだけど・・・違うのかね?

 

「宴会!?」

 

俺は霊夢ちゃんの表情で違うのかと思っていたら、魔理沙ちゃんが目をキラキラさせて叫んだ。

 

「そうだけど?」

 

「それを速く言ってくれよ、鏡夜!」

 

魔理沙ちゃんはそう言うと、物凄いスピードで窓から部屋に入った。・・・なんか物凄いスピードで部屋に入ったけど、料理の方は大丈夫だろうか。

 

「ということで、霊夢ちゃんも行きなよ」

 

「でも・・・」

 

「う~ん、じゃあいいや。強制入場!」

 

「え?」

 

未だに渋る霊夢ちゃんに痺れを切らし、俺は時を止めた。そして―――

 

「咲夜ちゃん、カモン!」

 

「お呼びでしょうか」

 

すぐさま指パッチンして、咲夜ちゃんを呼び出す。

 

「霊夢ちゃんを、館の中に入れといて」

 

「わかりました」

 

咲夜ちゃんは止まっている霊夢ちゃんを担ぐと、館の中に連れて行った。よし、これで大丈夫! ん? 霊夢ちゃんの意思? そんなのものは関係ない!

 

咲夜ちゃんが館の中に入ったのを確認してから、俺は時を止めるのを解除した。

 

「よし、これでいいでしょう・・・さて、次は」

 

「「鏡夜」」

 

先程から抱きしめていたお嬢様達は、俺の顔を上目遣いで見てくる。俺はそんなお嬢様達を更にギュッと抱きしめた。ああ、やはりお嬢様達は美しくそして可憐で、可愛い。

 

そんな風に永遠と惚気そうになったが、俺はすぐさま頭を振って意識を戻した。

 

「どうしたの?」

 

「いえいえ、なんでもないですよ。お嬢様」

 

「そう・・・それにしても、疲れたわ」

 

「本当だよ~私も疲れちゃった」

 

よほど先ほどの戦いが疲れたのか、お嬢様達は、は~っとため息を吐いた。

 

「ということで、鏡夜。いいかしら」

 

ため息を吐いたレミリアお嬢様は、何故か顔を赤めながら言ってくる。俺はレミリアお嬢様の意図をすぐに理解し、笑顔で答えた。

 

「いいですよ」

 

「ありがとう」

 

「ありがとうね、鏡夜」

 

俺はそっとお嬢様達に首筋を近づける。そして、お嬢様達はゆっくりと俺の首筋に口を近づけ・・・

 

「「いただきます」」

 

首筋に噛み付いてきた。本来ならば痛いはずなのだが、そこは吸血鬼の力なのか、一切の痛みはない。・・・いや、愛の力で痛みはないのか?

 

「んく、ん」

 

「んく、む~」

 

そして、徐々に俺の首筋から血を吸っていく。普通、血が流れれば貧血やら何やらになるが、まあそこは能力でカバーしてるから問題はない。

 

「ん、ありがとう、鏡夜」

 

「ありがとね、美味しかったよ」

 

数分ほど血を呑んだお嬢様達の姿は、先ほどまであった擦り傷や妖力が回復していた。

 

「いえいえ、いいですよ」

 

笑顔を浮かべつつ、俺はお嬢様達の顔を見た。先程、血を飲んだせいか、お嬢様達の顔はいつも以上に可愛かった。

 

「さて、私達も行きましょう」

 

「そうですね・・・ですが、お嬢様。ひとつ言わせてください」

 

「何?」

 

「LOVE YOU NOW AND FOREVER(今もこれからもずっとあなたを愛している)」

 

俺は先程お嬢様達が使ったスペルカードの答えを返すと、お嬢様達は驚いた顔をし―――

 

「ええ勿論」

 

「私達も貴方のことを」

 

「「ずっと愛してる(わ)(よ)」」

 

お嬢様達はそっとキスしてきた。

 

 

 

「先に食べてたぜ、鏡夜!」

 

「お先にいただいてたわよ」

 

「いいよ」

 

部屋の中に戻ると、霊夢ちゃんと魔理沙ちゃん、他の皆が先に料理を食べていた。俺は部屋の中に戻ると、お嬢様達を床におろす。お嬢様達はすっごい名残惜しそうだったけど、まあ仕方がない。

 

「じゃあ、博麗の巫女霊夢、霧雨魔理沙、ゆっくりして言って頂戴」

 

「ええ」

 

「お言葉に甘えるぜ」

 

「鏡夜。蔵からワインを持ってきて頂戴」

 

「わかりました。咲夜ちゃんお嬢様を頼んだよ」

 

お嬢様達を椅子に座らせて、咲夜ちゃんに任せ、ワインを取りに蔵へと向かった。

 

蔵へと向かう途中、ふと窓から外を見ると、三人の女の子が中に入りたそうにしていた。

 

「ん? どうしたのだろうか?」

 

疑問に思った俺は窓から外に飛び出し、女の子の前に着地した。

 

「どうも、お嬢さん」

 

三人の姿を見ると、一人は金髪で黒い服を着ており、一人は水色の髪に氷でできたような羽を付けており、最後の女の子は緑色の髪に透明な翼をつけていた。

 

「だ、誰だお前!」

 

「私はここの執事だよ」

 

水色の子が驚きながら聞いてくるので、普通に返す。まあ、執事といえば大抵の人はわかると思っていたが、この女の子は違った。

 

「執事って、訳わかんないこと言うなよ!」

 

「え~」

 

まさかの執事が、訳わかんない言葉扱いだった。でも仕方ないか、この幻想郷じゃあ余りいなさそうだし、執事とか。

 

「ごめんね。簡単に言うなら、ここに住んでる人だよ」

 

「なあんだ、じゃあ最初からそういえよな」

 

「ごめんね」

 

水色の髪の女の子が納得したところで、俺は本題に移った。

 

「で、お嬢さん達、何してるの?」

 

「楽しそうな、宴会だな~と思いまして」

 

「そう?」

 

「そうだよー楽しそうだよー」

 

予想通り、この宴会に入りたかった女の子達だったらしい。

 

「じゃあ、入れてあげるよ」

 

「いいのか!?」

 

「いいよ」

 

「やった、入れるってよ」

 

俺が入れてあげる発言が嬉しかったのか、三人の女の子が腕を上げて嬉しそうに喜び始めた。

 

「ただし、一つ条件があります」

 

「な、何ですか?」

 

俺が指を立てて言うと、緑の髪の子がおずおずと聞いてきた。別にそんな怯えなくていいのに。

 

「お嬢さん達の名前を教えて?」

 

「そ、それだけですか?」

 

「そうだよ」

 

「なあんだ、じゃあ、あたいからいくぞ」

 

青い髪の女の子は、胸を張って自己紹介を始めた。

 

「あたいはチルノだ」

 

「私は大妖精です」

 

「ルーミアなのだー」

 

青い髪の子から順に、緑の子、金髪のこと順に自己紹介を始めた。

 

「そう、俺の名前は時成鏡夜だよ。よろしくね」

 

「よろしく!」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしくなのだー」

 

大妖精ちゃんは丁寧にお辞儀をするが、チルノちゃんは腕を腰に当て、ルーミアちゃんは立ったまま言ってきた。いや別にいいんだけどね。

 

「じゃあ、案内するから」

 

そう言って指笛を吹くと、窓からカロが降りてきた。

 

「よんだ~?」

 

「カロ、この三人を宴会場に案内してあげて」

 

「わかった~」

 

カロは三人の所に行き、自己紹介したあと、館の中に入っていった。

 

「じゃあな、鏡夜」

 

「ありがとうございます。鏡夜さん」

 

「ありがとうなのだー」

 

「どういたしまして。楽しんでいってね」

 

そして、三人を見送ったあと、酒を取りに蔵へと向かった。

 

 

 

Side文

 

「なんと! そんな事があったのですか!?」

 

「そうですよ、知らなかったんですか?」

 

今、私は部屋の片付けをしている所だったのですが、突然椛が飛び込んで来たのです! あっ、椛は白狼天狗で私の友達です。

 

そして、椛の口から異変があったとの事ではないですか。

 

「最近、引きこもってばっかでしたからね~・・・っと、そんな事している場合じゃないですね。椛、これから取材に行ってきますので、後は頼みましたよ」

 

「あ! ちょっと、文さん!」

 

私はすぐさま取材の準備をし、部屋から飛び出す。なんか椛が叫んでますが、まあ気にしないでいきましょう。

 

部屋から飛び出し、しばらく飛ぶと、大きな真っ赤な館が見えてきました。

 

「あれですかね。幸い、他の天狗もいませんし、突撃取材と行きましょうか!」

 

ぐっと翼に力を入れ、窓から館の中に突入する。もちろん、中にあった料理なんかは零したりしませんよ?

 

「あやや、こんにちは~!」

 

「誰!?」

 

中に入ると、何故か瞬時に、メイドにナイフを突きつけられてしまいました。

 

「あややややや!? お待ちを、決して怪しいものではないですよ」

 

必死で抵抗するも、メイドはナイフを一切避けようとしない。これは、困りましたね~

 

どうしようかと迷っていると、なんか見たこともない女の子が立ち上がり、メイドの前に手を出しました。

 

「咲夜、やめなさい」

 

「ですが・・・」

 

「それに、この人とは、後々なにかで関わりそうだからね」

 

「・・・わかりました」

 

メイドは女の子の言葉により、ゆっくりとナイフを下ろしました。あやややや~危なかったですね~

 

「ふ~ありがとうございます」

 

「で、貴方は何者?」

 

「あやや、これは申し遅れました。私、文々。新聞を書いております。射命丸文と言います。あ! これ、最近作った新聞です。どうぞ」

 

「あら、ありがとう」

 

女の子は私の新聞を受け取り、興味深そうに新聞を見始める。私はその間に、自分の取材道具を取り出す。

 

「で、本題なのですが。新聞に載せるために、取材をさせていただきたいのですが・・・」

 

「ん? いいわよ、面白そうだし」

 

「ありがとうございます。あ! できればここに居る全員に取材させていただきたいのですが・・・」

 

私は周りを見ながら言うと、周りの人は少し考えたあと、頷いた。

 

「そうですか! では、早速取材させていただきますね!」

 

そうして、私の取材は始まった。

 

 

 

「・・・成程、ありがとうございます」

 

「別にいいわよ」

 

一通り取材を終え、私は一息ついた。いや~いいネタが沢山採れました。これは、今回の新聞は頑張らないといけなですね。

 

「っと、もうこんな時間ですか」

 

取材を終え時計を見ると、すでに三十分が経っていた。え? 別に大丈夫だろ? 甘いですね~新聞は速さが命なんですよ。

 

「あら、まだ大丈夫ではなくて?」

 

「いえいえ、これから帰り、新聞を作らねばならいなので」

 

「そう・・・だったら、咲夜!」

 

「お呼びでしょうか」

 

女の子・・・レミリアさんでしたか、先程私にナイフを突きつけてきた女性の名を呼ぶと、突然レミリアさんの隣に現れました。

 

今思ったのですが、これも結構なスクープですよね。

 

「ええ、そこの料理をこの前作った箱に詰めてあげて」

 

「かしこまりました」

 

「あやや、いいですよ」

 

取材させて頂いた方の料理を貰っていくというのは、流石に傲慢だと思い遠慮した。

 

「遠慮しないでちょうだい」

 

「ですが・・・」

 

更に遠慮しようとしたが、レミリアさんは、は~っとため息をつき、こちらを見てきた。

 

「いいのよ。もし、遠慮してるのなら、交換ってことにしましょう」

 

「交換ですか?」

 

交換という言葉に首を傾げると、レミリアさんは頷いて続きを話し始めた。

 

「そう、交換。貴方がこれから作る新聞と、この料理を交換ってことでいいでしょう」

 

「それならば・・・ありがたくいただきます」

 

「そうして頂戴」

 

丁寧にお辞儀をすると、レミリアさんは笑顔で答えた。そして、数秒後、料理を詰め終えたのか、先ほどのメイドが中くらいの透明な箱に、料理を詰めて渡してきた。

 

「はい、これをどうぞ。それと先程はすみません」

 

メイドは透明な箱を渡すと、綺麗にお辞儀した。こちらにも非がある為、なんとも言えない感情だったので、私もすぐに頭を下げた。

 

「いえいえ、こちらこそすみませんでした。突然、家に入ってしまいまして」

 

そこまで言って、頭を上げると、メイド・・・いや、咲夜と目が合い、二人して笑った。

 

「それにしても、この箱、透明ですが壊れたりしませんか?」

 

透明な箱は多分ガラスで出来ている。確かガラスはちょっとした衝撃で壊れてしまうもののだったはず。大丈夫なのでしょうか?

 

咲夜は私の質問に笑顔になりながら答えてくれた。

 

「ええ、壊れませんよ。何故なら・・・」

 

壊れない言った所で、安心したが、咲夜の言った次の言葉で、私は驚いてしまった。

 

「鏡夜さん特製、絶対に壊れないようですから」

 

「今、なんと・・・」

 

鏡夜、その名前の人物を私は知っている。だが、その人物は死んでしまっている。だから、どうせ名前が似てるだけの、赤の他人だろうと思った。

 

しかし、もしかしたら生きているのかと思い、思わず聞き返してしまった。

 

「ん? ですから、鏡夜さん特製ですから、絶対に壊れないようですよ」

 

「そう・・・ですか」

 

再び鏡夜という名前を聞き、本当に彼が生きているのではないかと考えたが、その考えを頭を振って振り払った。

 

「で、では、私はそろそろ帰って新聞を作りますので」

 

「そう、またね文。新聞、楽しみに待ってますよ」

 

「はい、では!」

 

私は透明の箱を持ち、入ってきた窓から外へと飛び出した。

 

「いえ、まさか、ですが・・・」

 

館から飛び立ち、鏡夜の生きている可能性。そんな夢のようなことを考えながら飛んでいると、いつの間にか、自宅へと着いていた。

 

「ただいま」

 

「おかえりなさい、文さん。それにしてもなんで私に押し付けて行っちゃうんですか!」

 

「あはは、ごめんね。はいこれ、お土産」

 

部屋の片付けをしていた椛に透明の箱を渡すと、その箱に入っている料理を見て、尻尾を振り出した。

 

「うわ~なんですかこれ! 美味しそうです!」

 

「取材先で貰ったのよ。だから、二人で食べましょう?」

 

「はい! あっ今、お箸とお皿持ってきますね」

 

「うん、お願い」

 

椛は皿と箸を取りに台所に向かう。その間に、再び鏡夜という名前について考えていると―――

 

「文さん、文さん!」

 

「え、あ、ごめんね」

 

椛に肩を揺さぶられた。

 

「もう、怖い顔してましたよ~」

 

「あはは、ごめんね・ちょっと考えことしててね」

 

どうやら、顔に出てたことに気づかないくらいに考えに没頭していたらしい。椛は苦笑いしながら、そうですかといい、私の前に皿と箸を並べていく。

 

「じゃあ、食べましょうか」

 

「そうね」

 

「「いただきます」」

 

そして、透明な箱から料理を皿に分け、一口食べる。

 

「おお! 美味しいですね! 文さんは・・・って、文さん!?」

 

「え?」

 

「ちょっ、どうして泣いてるんですか?」

 

「泣いてる? 私が」

 

どうやら、私は泣いてしまっていたらしい。だが、それはそうだろう、なぜならこの料理は・・・鏡夜が作ってくれた料理の味、そのまんまだったのだから。

 

「ごんめんなさいね。ちょっと懐かしい味がしたもんだから」

 

「そうですか?」

 

「そうよ、ほら、食べましょう」

 

「はい・・・」

 

そうして私は、料理を一口づつ味わいながら食べた。

 

 

 

Side鏡夜

 

「さてっと、こんなものでいいかな」

 

俺は今、厨房にいた。何故いるんだって? それは、チルノちゃんの為に料理を作ってたんだ。チルノちゃんって多分、氷の妖精だろうから、暖かい料理は食べられないと思うんだ。だから、今厨房で冷たいスープを作ってたの。

 

「ん、こんなもんだね。よしじゃあ運びますか」

 

そんな感じで、スープを丁寧に持って、厨房を出る。厨房を出て、皆のいる部屋につき扉を開けると、チルノちゃんと魔理沙ちゃんが、何か言い争っていた。

 

「お、お前! あの時の!」

 

「おお、あんときの妖精か」

 

「問答無用! スペルカード勝負だ!」

 

「嫌だね。戦うって言ったけど、今はダメ」

 

「ふん! あたいが怖くなったんだな!」

 

「あ~うん、それでいいよ」

 

とまあ、こんな感じで言い争っていた。まあ、最終的には魔理沙ちゃんが苦笑いで諦めたけどね。

 

「ふふ~ん! やっぱり、あたいって最強ね!」

 

「チルノちゃん・・・すみません、魔理沙さん」

 

「うあ? ああ、別にいいよ」

 

チルノちゃんの行為に、大妖精ちゃんが謝るという光景を微笑ましく思いながら、俺は部屋の中へと入った。

 

「あ! 鏡夜!」

 

「おっと、どうしました、フランお嬢様?」

 

中に入ると、フランお嬢様が腹の当たりに抱きついてきた。危うくスープを零しそうになったけど、ギリギリスープは守れたよ。

 

「ねえ鏡夜、さっき取材されたんだけど」

 

「取材ですか・・・っと、はいチルノちゃん、これ冷たいスープだから、飲みやすいでしょう?」

 

フランお嬢様の言葉に、一人だけ思い当たる人物を考えながら、取り敢えず最初に持ってきた料理をチルノちゃんの前に置いた。

 

「おお! 美味しい!」

 

「それは良かった・・・で、フランお嬢様、取材されたのですか?」

 

「うん!」

 

フランお嬢様はとなりを歩き、俺はレミリアお嬢様の方へ向かいながら話をする。

 

「そうですか、で、その取材した記者の名前は?」

 

「う~ん確か、お姉様の読んでる新聞に書かれてるはずだけど」

 

「そうなのですか?」

 

そうして、レミリアお嬢様の前に着くと、レミリアお嬢様は一枚の新聞を読んでいた。

 

「レミリアお嬢様、ワインをお持ちしました」

 

「あら、ありがとう」

 

ワイングラスにそっとワインを入れ、レミリアお嬢様の隣に置く。

 

「で、レミリアお嬢様、取材されたとのことですが」

 

「そうよ。これ、その取材しに来た人が持ってきた新聞よ」

 

「少し見せてもらってもいいですか?」

 

「いいわよ」

 

「ありがとうごいます」

 

レミリアお嬢様は持っていた新聞を俺に渡してきた。俺はその新聞を受け取り、内容を見て苦笑いを浮かべた。

 

「文々。新聞・・・ですか」

 

文々。新聞、それは俺と文ちゃんが昔作っていた新聞だ。いや、正確には文ちゃんの作った新聞に俺が名前を付けただけなんだけど。

 

まあ、それは置いといて。この新聞があるってことは、文ちゃんはつい先ほどまで、この紅魔館にいたってことになる。なんとまあ、つくづく運がないな、文ちゃん。

 

「お嬢様、ありがとうございます」

 

「うん、別にいいわよ」

 

「それと、急なお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」

 

「何?」

 

「明日、一日だけお休みをいただきたいのですが」

 

「う~ん、夜には帰ってくるの?」

 

「はい、そのつもりですが」

 

「じゃあ、いいわよ」

 

「ありがとうございます」

 

とまあ、お休みを頂いた訳だが、これにはキチンと理由がある。それは、明日、文ちゃんに会ってこようと思うんだ。流石にちょっと変装していくけど。

 

なんで変装すんだよって? だって、恥ずかしいじゃん! 今まで、別れてたのに生きてますよ~って会うの!

 

まあ、そんなことで、明日文ちゃんに会ってこようと思うんだ。

 

「別にいいわよ・・・それよりも、鏡夜も飲まない?」

 

「いいのですか?」

 

「いいわよ」

 

「では、お言葉に甘えて」

 

もう一つワイングラスを取り出し、自分でワインをグラスに注ぐ。実は俺、酒にはかなり強い。理由としては、昔鬼たちに嫌というほど酒を飲まされたからね。

 

「んっ、く、ふ~やはり美味しいですね」

 

「そうね」

 

「そうだよね」

 

そんな風に三人で酒を飲んでいると、魔理沙ちゃんが料理を食べながら近づいてきた。

 

「なあ、鏡夜。それ何?」

 

「これ? お酒だよ」

 

「酒!?」

 

酒と言った瞬間、魔理沙ちゃんの瞳がキラキラと輝いた。

 

そういえば、今思い出したんだが、なんでもここ幻想郷の住人は大の酒好きらしい。

 

「鏡夜、それ~私達にもくれないか?」

 

「私は別にいいけど・・・お嬢様どうします?」

 

「別にいいわよ」

 

「そうか! おーい霊夢ーこっち来ーい!」

 

「どうしたの、魔理沙?」

 

魔理沙ちゃんは大声で霊夢ちゃんのことを呼ぶと、霊夢ちゃんは皿に料理を盛った状態で、こちらに向かってきた。

 

「霊夢、酒が飲めるってよ」

 

「お酒!?」

 

霊夢ちゃんも酒という単語を聞いた瞬間、目をキラキラさせた。

 

あ~ゴホン! ここで皆様に一つ、未成年のお酒の飲酒は犯罪です。お酒は二十歳になってから飲みましょう! ちなみに、幻想郷に酒への法律はにので大丈夫です。

 

「はい、これだよ」

 

「うわ~ありがとう」

 

ワイン瓶一本を霊夢ちゃんに渡すと、霊夢ちゃんは早速コルクを抜いて、グラスに注ぎ始めた。

 

「どうせなら、咲夜にも飲ませましょう・・・咲夜!」

 

「お呼びでしょうか?」

 

レミリアお嬢様が咲夜ちゃんの名前を呼ぶと、一瞬でレミリアお嬢様の隣に移動した。いや、時間を止めて移動したから、一瞬に見えただけなんだけどね。

 

「咲夜、貴方も飲みなさい」

 

「あの、お嬢様、私あまりお酒の方は・・・」

 

「いいから飲みなさい、どうなっても許すから」

 

「そうですか・・・じゃあ、いただきます」

 

そうして、霊夢ちゃんと魔理沙ちゃん、そして咲夜ちゃんも酒を飲み始めた。

 

 

 

「どうして、こうなった・・・」

 

「鏡夜~」

 

「鏡夜さ~ん」

 

俺は今二人の女の子に、両側から抱きつかれてる。お嬢様達だと思うか? 残念、正解は―――

 

「どうしたの、霊夢ちゃん、咲夜ちゃん」

 

霊夢ちゃんと咲夜ちゃんでした! なんかこの二人、酒飲んだらいきなり酔って抱きついてきたんだけど。

 

「う~んなんでもない~」

 

「そうですよ~」

 

二人は顔を真っ赤にして、更に両側から抱きついてくる。

 

「あの~お嬢様。どうすればいいでしょうか?」

 

「あ~うん、頑張って?」

 

「え~」

 

お嬢様達に助けを求めたが、お嬢様達はグッと親指を立てて、笑顔で答えた。魔理沙ちゃんにも助けてもらおうかと思ったが、肝心の魔理沙ちゃんがワイン瓶抱えて寝てるので助けを求められない。

 

他の皆は、何故か遠くから優しい視線で見てるから、助けてはくれないだろう。

 

「あ~二人共、そろそろ、遅いから。霊夢ちゃんは家に帰って、咲夜ちゃんも自分の部屋に戻ったらどうかな?」

 

そこまで言うと、二人は更に抱きついて、俺に上目遣いで、目をうるうるさせながら言ってきた。

 

「いやだ~! 今日は鏡夜と一緒にねるの~!」

 

「私も鏡夜さんと一緒に寝ます~!」

 

「あ~うん、どうすればいいですか?」

 

まさかの一緒に寝て宣言。もう俺はどうしていいかわからず、再びお嬢様達に尋ねると、名案でも思いついたかのように、手をポンっと叩いた。

 

「鏡夜、私とフラン、霊夢と咲夜で一緒に寝ましょう!」

 

「あ~ダメだこりゃ」

 

お嬢様達は酒に酔ってないと思ったが、どうやらお嬢様達も酒に酔っていたらしい。

 

「いいじゃない鏡夜~いつも寝てるんだから」

 

「まあ、そうですけど・・・はあ~わかりました。今日は一緒に寝ましょうね」

 

「「やった~!」」

 

酒に酔った二人は同時に、頬を俺に擦り付けてきた。

 

「じゃあ、カロ、美鈴。魔理沙ちゃんを適当な部屋に寝かせておいて」

 

「わかった~」

 

「わかった」

 

「じゃあ行こっか」

 

「「うん」」

 

若干二人が幼児退行してる気がするが、そんなことは気にせず寝室へと向かった。

 

 

 

「きょう~や~」

 

「どうしたの?」

 

「嬉しいな~って思ってね~!」

 

「そう、それは良かった」

 

現在、ベットに俺と霊夢ちゃんと、咲夜ちゃんの三人で寝ています。ちなみに、二人は俺の腕を枕替わりにしてる。お嬢様達? お嬢様達は―――

 

「鏡夜、あったか~い」

 

「そうね~」

 

俺の上に寝てます。お嬢様達は俺の上に乗ると、顔を胸に擦り付けてきた。

 

「鏡夜さ~ん」

 

「どうしたの?」

 

「私がこうしてられるのも、鏡夜さんのおかげだな~とおもいまして~」

 

「そうだったね」

 

まあ、そんな感じで数分ほど話していると、霊夢ちゃんと咲夜ちゃんがウトウトし始めた。

 

「ふあ~」

「ほら、霊夢ちゃん。眠いんだったら寝たら?」

 

先ほどまで一切寝ないだの言ってた霊夢ちゃんが、流石に睡魔に負けたのか、ゆっくりと首を縦に降った。

 

「うん、そろそろ寝る」

 

「そう、お休み霊夢ちゃん」

 

「お休み、鏡夜」

 

霊夢ちゃんはそう言うと、俺の頬にそっとキスをして眠った。

 

「鏡夜さ~ん」

 

「どうしたの?」

 

今度は反対から咲夜ちゃんの声がしたのでそちらを向くと、なんと咲夜ちゃんが俺の唇にキスしてきた。

 

「ん、おやすみなさい、鏡夜さん」

 

キスされたことに一瞬戸惑ったが、俺はすぐさま笑顔になって言った。

 

「おやすみ、咲夜ちゃん」

 

そうして、スヤスヤと眠った二人を眺めたあと、お嬢様達の方を見ると、頬を膨らましていた。

 

「む~鏡夜、私ともしてよ~」

 

「そうよ、鏡夜」

 

お嬢様達はそう言うと、ドンドン俺の顔に近づいてくる。俺は二人に腕を捕らえれているため動けない。まあ、動く必要はないけどね。

 

「ふふ、わかってますよ」

 

そして、ドンドン近づいてくるお嬢様達に、俺はキスした。いつものそっとのキスではなく・・・こっからは書けない。

 

とまあ、キスして微笑んだ。

 

「ふふ、お休み鏡夜」

 

「お休み、鏡夜」

 

「ええおやすみなさい。レミリア、フラン」

 

そうして、俺とお嬢様達は眠った。

 




最後の方、急ぎ過ぎてしまい申し訳ありません。

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