二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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正直、口調がわからないので、ちょいとおかしく感じることがあるかもしれません。

では、第四十四話をどうぞ。


第四十四話 人里の教師

Side鏡夜

 

さて、天狗の里から帰ってきてから数日が経った。まあ、その間に何かあったかと聞かれれば何もなかった。そんなある日のこと、俺は一通の手紙を文から渡された。なんでも、人里のある人が文に頼み、俺に渡すように頼んだらしい。

 

「なんだろうか?」

 

そんな手紙を貰い、一人自室に戻り手紙を開けてみる。中を覗くと、一枚の和紙に達筆な字で文章が書かれていた。

 

「え~と、なになに・・・」

 

『初めまして、時成鏡夜殿。私は人里で寺子屋をやっている者です。さて、今回鏡夜殿に手紙を送ったのは折言っての頼みがあるのです。もしよろしければ、寺子屋の子供たちに鏡夜殿の昔話などを話していただきたいのです。時間に余裕などがあれば、いつでもいいので寺子屋の方にお越し下さい』

 

と、そんな感じで丁寧な文章が書かれていた。俺は文章を読み終えると、袋の中にしまい、懐の中にしまった。

 

「ま、時間もあるし、少し行ってみますか」

 

時刻は、丁度昼をすぎた頃。一通りの仕事も終わり、後は夕食作りしか残っていない。夕食までは後五時間以上あるし、ついでにあいつのことも聞けるかもしれないので、俺は人里へと向かうことにした。

 

 

 

「ガル?」

 

「よ、カロ」

 

「す~す~」

 

門の前に着くと、カロが狼の状態で門の前に寝っ転がっていた。そして、カロの胴体の部分には、美鈴が頭を置いて、幸せそうな顔で居眠りしていた。

 

「カロ、ちょいと人里に行ってくるね」

 

「ガル!」

 

「じゃ、行ってくるよ」

 

カロが頷いたのを確認した後、俺は足に力を入れて森の中へと走り出した。

 

 

 

「ん?」

 

森の中を走っていると、少しだけ寒気を感じた。多分、チルノちゃんのせいだろうなと思いながら走っていると、突然目の前に三本の氷柱が飛んできた。

 

「やっぱり」

 

俺は走る速度を一切緩めず、その三本の氷柱に向かって、逆にスピードをあげて突っ込む。そして、あと少しで氷柱が俺の顔面へと当たりそうになる瞬間、俺は手を顔の前で振ってその三本の氷柱を弾き落とした。

 

「なにいい!?」

 

「チ、チルノちゃん」

 

氷柱を落とすと、目の前の木陰から、大ちゃんとチルノちゃんが飛び出してきた。

 

「この! 待て、人間!」

 

「人間って、あの人は鏡夜さんだよ。チルノちゃん」

 

大ちゃんはチルノちゃんにツッコミを入れてる隙に、俺は二人の上を大きく孤を描くように跳んだ。

 

「悪いけど、これから用事があるんだ。遊ぶのはまた今度ね」

 

「あ、この!」

 

チルノちゃんは悔しそうな顔をすると、再び氷柱を発射してきた。先ほどの三本とは違い、今度は十本程放ってきた。

 

スピード、威力とも先ほどとは違うが、俺はそれでも構わず手で氷柱を払う。氷柱はパリンと甲高い音が鳴ると、粉々になって砕け散った。

 

「じゃあね~」

 

そうして、空中から地面に向かって手を着き、一旦腕を曲げた後、腕を伸ばし、前方へと大きく飛んで再び走り出した。

 

 

 

「よっ、到着っと」

 

あの後、数秒で人里へと着いた。とりあえず、住所などの情報がないので、この間行った茶屋へと向かった。

 

「いらっしゃい・・・って、旦那ですかい」

 

「や、久しぶり」

 

店の中へ入ると、この店の主人が出迎えてくれた。

「団子三本頂戴」

 

「へい、かしこまりました」

 

とりあえず団子を注文し、席へと向かう。席に向かうと、一人の女性が団子を食べていた。なんとなく、この人と縁がありそうだと思い、その女性の目の前の椅子へと向かった。

 

女性の姿は、青のメッシュが入った銀髪、青色の上下一体になっている服、下はスカートだ。そして、頭の上には不思議な帽子を乗せていた。

 

「ここ、いいかな?」

 

「ん? ああ、別に構わないぞ」

 

女性は団子を食べる手を止めて、答えてくれた。

 

「ありがとう」

 

感謝の言葉をいいつつ、席へと座る。席に座り、女性の方を見ると、団子を全て食べて、湯呑でお茶を飲んでいた。

 

「・・・・・・ふ~」

 

お茶を飲み終えた女性は一息つくと、こちらを興味深そうに見てきた。

 

「どうしたのですか?」

 

「いや、なに、珍しい服装だと思ってな」

 

「ああこの服装? この服装は、この外の世界の服装なんだ」

 

「ほう。ということは、最近ここに幻想入りしたのか?」

 

「そうだよ」

 

「成程、どうりで見ない顔だと思った」

 

女性は再びお茶を飲むと、唐突に口を開いた。

 

「上白沢慧音だ」

 

「ん?」

 

「私の名前だ。まだ、自己紹介いていなかっただろ?」

 

「ああ、そういうこと。私は時成鏡夜、よろしく」

 

「よろしく、鏡夜・・・・・・ん? 鏡夜?」

 

女性は手を出してきたので、俺はその手を掴んで握手する。そして、女性・・・慧音は俺の名前を呼ぶと、首を捻っていた。

 

「どうしたの?」

 

「いや、ちょっとな・・・」

 

「ふ~ん」

 

そうして、握手した手を離すと、慧音は立ち上がった。

 

「さて、私はこれから仕事があるのでな、失礼させてもらう」

 

「そう、仕事頑張ってね」

 

「ああ、ではな」

 

慧音は店の主人を呼んで、代金を支払ったあと店を出て行った。慧音が店を出た後、店の主人が団子を持ってきた。

 

「旦那、団子でごぜえやす」

 

「ありがとう。でさあ、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

「なんでございやしょうか?」

 

「この里のさ、寺子屋の場所を教えてくれない?」

 

「寺子屋ですか? 寺子屋でしたら、この店を出て、左に真っ直ぐ行ったところにありますぜ」

 

「そうなんだ、ありがとう」

 

「いえいえ」

 

ふむ、この店を出て左ね。実は先ほどいた慧音も、この店を出て左に曲がっているのだが、まあ関係ないだろうな。

 

店の主人は一礼して、店の奥へと引っ込んでいった。俺はというと、団子を一本とって一口食べた。

 

「うん、うまいな」

 

 

 

「ありがとうございやした。またの来店を待ってやす」

 

団子を全部食べたあと、代金を店の主人に渡し、主人に言われた通りに店を出て左へまっすぐ進んでいた。

 

「このへんかな~」

 

ブラブラと歩いていると、ちょっと先にある建物から数名の子供の声が聞こえてきた。

 

「ここか?」

 

その建物の前に立ち入口を見ると、寺子屋という看板が掛けられていた。俺はその看板を見たあと、入口の扉を二回ほど叩いた。

 

「す~みませ~ん」

 

「ん? 客か? 皆少し静かにしているように」

 

扉を叩いたあと、中から女性の声が聞こえた。その声にさっき聞いたことあるな~と思っていると、扉が開いた。扉が開いたその向こうには―――

 

「はーい、どちら様って・・・あれ?」

 

「やっぱり・・・」

 

そう、そこには先ほど茶屋で団子を食べていた、上白沢慧音がいた。

 

 

 

「まさか、貴方があの時成鏡夜だったとわ」

 

「いやいや、自己紹介の時に気づきましょうよ」

 

「ただの同姓同名かと思ってな・・・」

 

あの後、寺子屋の授業を自習にして、奥の教師用の部屋みたいなところに案内された。

 

「で、今回はどうしてこの寺子屋に?」

 

「いや、手紙が来たから、来たんだけど」

 

そう言って、俺は懐か文から貰った手紙を見せる。すると、慧音は驚いた顔でその手紙を見ていた。

 

「どうしましたか?」

 

「いや、まさか本当に来てくれるとは思はなくてな」

 

「そんな、あなたは私をどんな人だと思っているのですか?」

 

「体長5m、体重五百キロ、その姿はあまりにも醜悪で、大妖怪すらも恐れさせる人物で、その声を聞けば一瞬で気絶し、鬼と素手で殴り合ったり、天狗のスピードを余裕で超えたり・・・」

 

「はい、待った!」

 

な~んか聞いたあと嫌な予感がしたが、予想通りここまでも稗田の伝承が広まっていた。

 

「どうした?」

 

「あのさあ、もうちょっとその伝承を疑いましょうよ」

 

「すまないな」

 

そこまで話したところで、俺はため息を吐きつつも本題へと移った。

 

「で、手紙にあったけど、昔話って何を話せばいいの?」

 

「あ、その事なんだが、なんでもいいんだが」

 

「なんでもって言われてもな・・・」

 

慧音に昔話はなんでもいいと言われたが、正直言って俺の昔話はどれもバイオレンス過ぎる。唯一平和なのは天狗の里ぐらいしかない。

 

俺は昔話でも軽いものはないかな~と考えていると、慧音が話しかけてきた。

 

「その、やはり話してはくれないか?」

 

「ん・・・ああ、いや、話すのは別にいいんだけど、私の昔話はどれもちょっと刺激的だからね。どれを話そうかと思って」

 

「・・・なんるべくあまり刺激的なのは選ばいないでくれるとありがたいのだが」

 

「う~ん」

 

まあ、結局考えた末、天狗の里のことでも話すことにした。

 

「ふむ、じゃあ天狗の里のことでいいかな?」

 

「ああ、お願いするよ」

 

「じゃあ、行きましょうか」

 

そうして、先ほどの教室に戻る。子供たちは自習ということ、遊んでいる子もいたが、俺と慧音が入るとおとなしく席に座った。

 

「さて、皆。今日はこれからお話を聞いてもらう」

 

「お話ですか?」

 

「慧音せんせー話ってなんですかー?」

 

「それは、この人から話してもらうから、私もわからない」

 

慧音はそう言うと、俺に目で自己紹介を頼むと言ってきた。

 

「皆、初めまして。私は時成鏡夜」

 

俺が自己紹介すると、子供たちがざわめきだした。そして、一人の女の子が手を上げて立ち上がった。

 

「あの~もしかして、時成鏡夜ってあの伝承の?」

 

「そうだよ」

 

「嘘つけ!」

 

女の子の言葉に返事を返すと、一人の男の子が立ち上がって、指をさしてきた。

 

「時成鏡夜ってのはな! 体長五・・・」

 

「あ~キミ、その伝承は間違いだから」

 

「じゃあ、お前が本物の時成鏡夜っていう証拠はあるのかよ!」

 

やけに食いかかってくる男の子に若干困っていると、慧音がそっと耳打ちしてきた。

 

「すまない、鏡夜殿。彼はあの伝承を信じきってしまっているのだ」

 

「成程ね」

 

俺は慧音の言葉に苦笑いしながら、男の子を見る。若干男の子の瞳には少しの希望と、かなりの疑いの色になっていた。

 

「ああキミ、名前は?」

 

「・・・バク」

 

「バク君か・・・バク君、あいにく私は私が時成鏡夜だという証拠がない。だけど、このあとに話す話で、難しいだろうが私が本物かどうか見分けてくれ」

 

「・・・・・・・」

 

男の子・・・バクは無言のまま席に座った。

 

「ふむ、じゃあ話すよ。あれは、なん百年前かな・・・」

 

そして、俺は天狗の里のことについて昔話風に話し始めた。

 

 

 

「・・・はい、おしまい」

 

話すこと一時間くらいかな。色々とまあ省いたけど、一通り天狗の里のことについて話した。途中から寝る子もいるかなと思ったが誰一人寝ることなく、真剣に俺の話しを聞いてくれた。途中から慧音も真剣に聞いてたし。

 

とまあ、話しが終わり、慧音の方を向くと、慧音はハッとした感じで頭を振った。

 

「っと、皆、有意義な話が聞けたな。鏡夜殿に拍手」

 

パチパチと子供たちが拍手してくる。若干照れくささがあったが、まあ悪い気分ではなかった。

 

「さて、じゃあ皆、今日はこれでおしまい」

 

「起立」

 

「「「「さようなら」」」」

 

「さようなら」

 

で、子供たちが教室から出て帰る中、一人だけ教室に残っている子がいた。バク君だ。

 

「・・・・・・・・」

 

バク君は立ち上がると、無言で俺の方に歩いてきた。

 

「どうだった?」

 

「・・・・・・・」

 

笑顔で聞くがバク君は無言で唯俺のことを見てくる。

 

「バ・・・」

 

「俺は・・・」

 

もう一度俺が聞こうとすると、バク君が口を開いた。

 

「俺は、あんたをまだあの時成鏡夜だとは信じられない」

 

バク君はそう言うと、教室から走り去ってしまった。

 

「は~認められなかったか」

 

「すまないな、鏡夜」

 

慧音は申し訳なさそうに言ってくるが、俺は笑顔で首を振った。

 

「いや、いいさ。それよりも慧音」

 

「どうした?」

 

「二つほど聞きたいんだけど、いいかな?」

 

「別に構わないが」

 

「ありがとう、じゃあ一つ目。今日のこの話にはどんな目的が?」

 

慧音の顔を真っ直ぐ見ながら言うと、慧音は顎に拳を当ててうなりだした。

 

「う~ん目的か」

 

「もしかして、ないとか?」

 

「いや、あるにはあるのだが・・・」

 

「ん?」

 

妙に煮え切らない慧音に首を捻ると、慧音はため息を吐いて話し始めた。

 

「今回の話しの目的は、子供たちに人生の先輩による有意義な話を聞せようという目的と・・・」

 

「と?」

 

「私が単に会って見たかったという目的が・・・」

 

「へ~」

 

慧音は苦笑いを浮かべると、右手で頭の後ろを掻いてアハハと笑った。

 

「まあ、いいや。これで、伝承の疑いも晴れただろうし」

 

呟くように言って、俺は二つ目の質問へと移った。

 

「じゃあ、二つ目の質問。稗田家の住所知ってる?」

 

「稗田? 阿求のことか?」

 

「いやわからんけど、多分そうだたと思う」

 

どうやら、今代の稗田は阿求というらしいな。さて、どうしてこの質問をしたかというと、伝承を修正させるためだ。

 

流石にこのままあの伝承をのさぼらせとくのも嫌だしな。

 

「ふむ、では私が案内しよう」

 

「いいの?」

 

「ああ、この後仕事もないし、私も暇だからな。少し待っててくれ」

 

慧音はそう言うと、奥の部屋に引っ込んでしまった。そして、しばらくすると、特に外見に変化はないが、戻ってきた。

 

「では、行こうか」

 

「ああ、頼むよ慧音」

 

「うむ、任された」

 

そして、俺と慧音は寺子屋をあとにして、稗田の住む家へと向かった。

 

 




さて、次回は稗田さんですよ~

誤字、感想、脱字、アドバイス、批判、お待ちしております
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