それと、ゆっくりotaku様、多分キャラ崩壊が起きている可能性がございますので、おかしいところはおかしいと言ってください。善処はしているつもりですが。
では、第六十話をどうぞ
Side鏡夜(ダンディおじ様)
「っつつ、流石にこの体では答えますな……」
「ってぇ、なんで爆発が起きるんだよ」
老齢の私は、今、彼……闇崎幸助と共に元いた場所から数十km吹き飛ばされていた。
元いた場所を見ると、オリジナルがいたので、これはオリジナルの仕業なのでしょうな。
とりあえず、私は自らの服と、真っ白いオールバックの髪についたホコリやら土やらを払い落としていく。オリジナルは何を思って私の格好をこの様にしたのでしょうか。白髪オールバックに、更には白い顎髭とは、いやはや、これで狼にでも変身できれば、どこぞの吸血鬼の従者だよ、と言われてしまう……
なにやら、どこかの私もこのような愚痴を言ってるような気がしますが、それはまあ置いときましょうか。
「さて、よろしいですかな?」
「爺さんが相手か……」
彼は、どこか余裕そうな表情でそう呟くと、は~っとため息を漏らした。
「ホッホッホ、爺といえど舐めてかかれば……死にますぞ?」
「!?」
私の事を舐め腐っている坊主に対してちょっと凄みを聞かせて言うと、驚いた顔をした。
このような外見をしている私ですが、年齢に伴って劣ろいていくのではなく、実は青年の方の私より、妖力や力などが上なのですよね。これが年季というものでしょうか。
「あんた……何もんだよ」
「二千年程生きている、お前さんの先輩じゃよ。闇崎幸助くん」
「先輩、だと……?」
「そうじゃよ。この年になるまでの二千年ちょっと……あるいはそれ以上の年月。私は、君の限界を操る能力と類似する、限界を無くす能力と付き合っている」
「ま、まさか……」
「だからこその、先輩じゃよ」
私がそう言うと、坊主は先ほどまでの油断しきっていた表情を引き締めた。
全く、最初からそういう表情をしていれば良いものを。
「あんたの、名前は……」
「私? そうじゃのう。……時成鏡忌じゃ」
名前の元ネタは妖忌なのじゃが、無断で借りたことは別に許してくれるじゃろう。
「鏡忌か……よし、決めた! 油断しねぇ!」
坊主はその身を構える。
中々、様になってはいるが、やはり経験が少ないのか、隙が多すぎる。能力ばかりに頼っておったのか?
私は右手を後ろにして、左手を坊主に突き出し―――
「こい、坊主。戦いの年季ってもんをその体に覚えこましてやる」
そう言って、左手をクイクイッと動かして挑発する。
「炎符! スターダストフレア!」
坊主が叫んだ瞬間、星型の燃える炎を弾幕のように発射してきた。そして、その弾幕は、私を囲んでいく。
成程、確かに強力な魔力で作られてはいるが、まだ甘い。
「ぬるいの。我、呼ぶは癒しの水。破壊する水。激流を我が身に任せ、我の元へと現れよ」
その言葉と共に、私の周りには、まるで嵐の最中の濁流のように、茶色い水が吹き出した。
「な!?」
その水は、私の周りにある炎全てを消し去ると、綺麗な真水となって私をドーム状に囲んだ。
「何を驚いておる。属性魔法を使うのならば、相性の関係ぐらい知っておろう」
水は火に弱い。何故ならば、火は水を掛けられれば、消えてしまうからだ。蒸発もさせることは確かに可能じゃろうが、不純物の混ざりに混ざった、例えば泥のようなものが大量に入った水は、簡単には蒸発させれない。
確かに例外は存在する。例えば……
「なら!」
「だから、お主はぬるいのじゃよ」
「な!?」
坊主の手から、雷が槍のようになって私のドーム状に形成されている水に当たる。
水だから雷。それは、雷は水を通すという所から来ておるのじゃろうが、それは間違いじゃ。
水が雷を通す理由は、水の中にイオンがあるからじゃ。ならばもし、イオンを完璧に無くした水ならばどうなるか? 簡単じゃ。電気を運ぶものがないため、電気は通さない。
現実的にそのような純水を生成するのは不可能じゃが、この水は元々は私の妖力から作られているため可能じゃ。
「どうした、坊主? 顔が真っ青じゃぞ?」
「だてに二千年生きてるってわけじゃないんだな……なら!」
坊主は何かを呟くと、足に力を入れ、風を纏いながら突っ込んできた。
「これならどうだ!」
「ようやく気付いたか」
坊主が水のドームと当たると、水は巻き上げられ、水のドームは消え去った。そして坊主は、水が無くなったことにより、防御がなくなった私に向かって拳を振るってきた。
だが、まともに接近戦をやったことがないのか、坊主の拳は、見え見えで力任せのテレフォンパンチだった。それでも、威力とスピードはあるため、当たればただでは済まないが。
「確かにいい……が、まだまだじゃな」
「ガッ!?」
私は、坊主の拳を躱し、即座に伸びきった坊主の腕を掴み、腕を一回させて坊主を地面に叩きつけた。
そして、地面に叩きつけられて、苦悶と困惑の表情を見せる坊主の腹めがけて、かかと落としを放つ。が……
「っ! 凍符! 氷結結界!」
坊主のその言葉によって、かかと落としが坊主に当たる前に、何かに阻まれた。
……、まあ、それがどうした? って感じなのですが。
そのまま、再びかかとを振り上げて、振り下ろす。すると、何かに阻まれていて、坊主に直接ダメージを与えることはできないが、衝撃は流せないようで、地面に坊主が埋まった。
「……ちと、やりすぎてしまったかの?」
地面に完全に埋まった坊主を見ながら呟いく。
流石にちょっとやりすぎてしまった感があるのだが、大丈夫だろうか。
再び、坊主が埋まってる地面を見ると、そこにいたはずの坊主が消えていた。
「どこへ……」
「こっちだぜ、爺さん!」
「な!?」
いなくなった坊主を探していると、突然、背後から声が聞こえた。
多分、速さの限界や土の魔法でも使って背後に回ったのだろう。
急いで振り返ると、そこには土まみれになりながら、私の顔面に拳を放ってきている坊主がいた。先ほどの速度とは比べ物にならず、その速度は光速にでも匹敵しそうなほどだ。
「――――――!!!!!!」
「しゃあ! まずは一発!」
躱せなかった私は、モロにその拳を喰らい、声にならない声を上げながら吹き飛ぶ。
成程、能力の方は中々使えるようだ。だが、それでも、やはりまだ甘い。この空中の時点で追撃をしないとは。
そんなことを考えているうちに、地面へと叩きつけられた。拳が当たったせいか、鼻は曲がり、視界はグニャグニャとして頭がガンガンする。それでも、上体をゆっくりと上げつつ、私は坊主のことを見る。
「どうだ爺さん! まずは一発だぜ!」
したり顔でいう坊主に呆れながら、自らの頬を叩く。
よし、叩いた衝撃で、視界は安定した。頭の痛みは取れないが、これぐらいは別に大丈夫か。
ゆっくりと立ち上がり、坊主の事を見ると、坊主は余裕そうにこちらを見ていた。
「爺さん、フラフラじゃないか」
「何を言う。これぐらい、普通じゃ」
「無理すんなって」
全く、ドヤ顔で再び言いおって。この一分一秒で戦いが決まるかもしれないというのに。
「無理などしておらんよ。さあ、来い坊主。まだまだこれからじゃぞ」
再び、左手を腰に当てながら、坊主に向かって右手を突き出し、クイクイッと手を動こかして挑発すると、坊主はドヤ顔を消し去り、本気の表情になった。
「……全く、とんだ爺さんだぜ」
「伊達に長くは生きておらんよ」
笑を浮かべながらそう言うと、坊主はは~っと息を吐いた。
「爺さん、本気で行くぜ」
「だからさっきから言っておるだろう、来い……っと」
そう言った次の瞬間、坊主の体はその場から一瞬で消え、私の前に現れた。
光速のスピードなのだろうが、生憎とその程度のスピードは慣れているため、普通に認識はできる。認識は出来るだけであって、体は反応せんがな。……だが、それでも反応させる方法はある。
坊主の拳が当たる、一瞬にもみたないその刹那。私の体は、その坊主の拳が当たる瞬間、体が勝手に動き、坊主の拳をいなしていた。
「な!?」
「どうした?」
「そんなはずは……」
再び坊主は拳を振るうが、その拳すらも体が勝手にいなしていた。
「馬鹿な……」
「甘いの、もうちょいなのにの~」
「グ!?」
拳をいなした私は、今度は体が自動的に坊主のがら空きとなった脇腹に、右手で拳を放っていた。拳は綺麗に坊主の脇腹に当たると、坊主はその場から吹き飛んだ。
坊主はその拳をモロに喰らったが、硬さの限界でも操っていたのか思った以上に吹き飛ばなかったな。
坊主は空中で身を翻すと、空中に浮いた。
「爺さん……何した?」
「何、お前さんも知っておるだろう? 電気を使っての肉体操作」
電気での肉体操作。
色々の作品でやっていることだが、私の場合これは電気を肉体に流し、脳を通して筋肉に伝達する反射の速度を数十倍にしているのだ。それでも、通常の肉体では、光速にはついてはいけないだろうが、まあそこは経験と、この吸血鬼の肉体が補ってくれている。
「そんなことが……」
「まあ、通常やれば魔力はすっからかんになるが、この程度ならお前さんでもできるだろう?」
「く!」
坊主は空中に浮いたまま、私から遠ざかっていく。そして、色々な弾幕を放ってくる。
接近戦は不利だと悟ったか。だが、それでは戦いの中では生きていけない。
私はすぐさまその場を蹴って空中に跳び上がり、背中に付いてるコウモリのような翼を羽ばたかせた。
この翼、普段は小さいのだが、飛ぼうとすると大きくなり、日頃使っている妖力の翼みたいになる。その為、この翼で飛ぶときは、なんの違和感なく使える。
飛んでくる弾幕を躱しながら、坊主の所まで詰め寄ると、坊主は右手を突き出した。
「喰らえ! 闇符! ダークスパーク!」
「甘いわ!」
闇で出来たマスタースパークなものが飛んでくるが、私は曲げる能力を使い、そのダークスパークを曲げる。
突然曲がったことに驚いている坊主に、すぐさま頭の上からかかと落としを放つ。だが、坊主もただ受けるのではなく、両腕を頭の上でクロスして防ぐ。
そして、すぐさま私の足を両腕で押し返し、右足で脇腹を狙った蹴りを放ってくる。その蹴りを、躱さずに受け止める。
流石に、ダメージは大きく、全力で防いでもアバラが何本か逝ったが、そんなのは気にせず、掴んだ足の関節を外す。
「ぐ!」
苦悶の表情を浮かべる坊主だが、勢いよく上体を逸らして、頭突きをしてくる。
無茶な戦いをするもんじゃな。
全妖力を顔面に集中させて頭突きの威力を軽減させる。それでも、かなり痛いが。頭突きしてきた坊主に対して、今度は、掴んでいた足を離して、股間を蹴り上げる。
流石に、ここまでは固くしていないのか……下ネタではないぞ? 悶絶してしまった。
「ふん!」
蹴り上げた足を降ろし、前かがみになっている坊主に向かって、一回転してのかかと落としを後頭部に放つ。
そして、後頭部にかかと落としを喰らった坊主は、前転するようにその場で一回手した。だが、すぐさま態勢を整えると、坊主は私の顔面を掴んで、空中から地面に向かって全体重を掛けながら落ち始めた。
「うおおおおおおお!!!!!!!」
掴んでくる力は、万力のようにギリギリと私の頭蓋骨を破壊しようとしてくるが、私は空中から地に落ちるさなか、坊主の喉もとに右手で突きを放つ。
硬さをなくしていても、流石にこれもキツイのか、坊主は手を離した。その隙を狙って、坊主の腕を顔から外して、背後に周り、腕の関節を決めながら地面へと落ちた。
砂埃が上がり、地面には大きなクレーターができるが、すぐさま地面へと落ちた坊主から距離を取る。
「はあ、はあ、はあ……」
砂埃が収まり、クレーターのところを見ると、満身創痍の坊主が立っていた。
回復の限界と体力の限界を操ったのか、息は上がってはおらず、手足の傷も治ってはいるが、その表情は疲れきっていた。
「はあ、はあ、なんちゅう…爺さんだよ」
「年季が違うのじゃよ。年季が」
そう言った瞬間、坊主は詰め寄って、かかと落としを仕掛けてきた。
だが、私の体はそれに反応し、かかと落としを頭にくらった瞬間、かかと落としの衝撃を下に受け流し、その力を利用してその場で一回転する。そして、一回転した私は、今度はその勢いのまま、坊主の頭部にかかと落とし放つ。
勢いがあり、躱せなかったのか、坊主はそのかかと落としをモロに頭部に喰らい、地面へとめり込んだ。その際にクレーターが出来たが、それは気にしないでおこう。
「……あぁ、無理だわ……」
「なんじゃい、弱音か?」
地面へとめり込んだ坊主は、体を起こすと仰向けになって寝転んだ。
「弱音じゃない。もう俺の体が限界なんだよ」
「限界を操ればよかろう」
「操っても、もう限界なんだよ。それに、どうやら体も限界なようだしな」
そう言った坊主は、は~っと息を吐くと、白い光を放ち始めた。
「ほらな? あ~あ、くそ~勝ちたかったな」
「お主が勝とうなど、後千年は早いわ。出直してこい」
「そうする。だが、次会ったときは倒すぜ。爺さん」
「ホッホッホ、いつでも来い。そん時はまた、やってやる」
「……全く、恐ろしい爺さんだぜ」
坊主はそう言って、再び息を吐くと、白い光の粒子となって消えていった。
「……は~全く、疲れたわい」
私はその場に座り込むと、小さく息を吐いた。
さっきの坊主との戦いのせいで、アバラは数本逝ったし、頭は痛いし、血は内部で大量に出ているし、もう私の方も限界だった。
「全くの~もう少し、経験を積めば、もうちょっと良くなるだろうに」
なんとなく、坊主のいた方向を見ると、そこには男が一人倒れていた。多分憑依された人物だろう。
坊主のいた所を見た私は、視線を戻し、なんとなく空を見上げた。すると、そこには妖力の霧みたいなものが流れていた。
「もう、一人、役目を果たしたか。ならば、私もそろそろかの……」
そう呟いた私は、目を閉じて、風に乗るような感じで、意識を手放した。
「後は頼んだぞ、オリジナル」
キャラ崩壊、怒ってないことを祈ります。
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