二人の吸血鬼に恋した転生者   作:gbliht

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そんなタイトルで、割と今回出番がない龍君。次回はたっぷりあるから安心してね?
そんなわけで、今回は珍しい人? との絡みです。要注意やでえ。

では、第七十六話をどうぞ。


第七十六話 コラボだけど、あんまり出番がない龍君

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……死ぬかと思った」

「はい、お疲れちゃん、龍君」

 

龍君がスカイダイビングをすること四、五回。そろそろ飽きてきたので、他の二人を自分の中に戻し、龍君を地上に下ろしてあげた。

 

何度か空中を飛んで逃げようとしたが……そんなことはさせません。無理やり飛ぶ方向を捻じ曲げて、スキマに叩き落としてやりましたよ、ええ。

 

そんな簡単に逃げられると思ったら、大間違いだ!

 

「どうして、飛んだはずなのにスキマに落ちるの……」

 

「ハッハッハ、まだまだ甘いのだよ、龍君」

 

地面に四つん這いになり息を整えている龍君に向かって声を掛ける。

 

おお、悔しそうにこちらを見てるわ。いや~いい瞳だ。怖い怖い。これで、もうちょっと迫力があればなぁ……いや、迫力は十分か?

 

ま、とりあえず、そこら辺をこちらに来た記念として、鍛えてやりましょうかね。

 

「ほら、手」

 

「ありがとうございます」

 

右手を差し出すと、龍君は左手で俺の右手を握ってくる。

 

よし、第二のイタズラ実行!

 

「ほっ!」

 

「わっ! とと……何するんですか」

 

「おお、これは防げるか」

 

やったイタズラは、掴んだ手を思いっきり上に持ち上げ、龍君の体を宙で円を書くようにして振り回した。

 

すると、空中に飛んだ龍君は浮いている間に態勢を綺麗に立て直すと、地面に着地する。流石に、舐めすぎていたか。

 

「いや、ちょっとね……さて、龍君。遅くなったけど、ようこそ、こちらの紅魔館へ。歓迎するよ」

 

握っていた手に力を込め、軽く握手する。

 

「いて、いででててて!!」

 

まあ、俺にとっての軽くなんですがね?

 

 

 

「おーきろー。夕方ですよー」

 

龍君に第二の悪戯をしてから、寝ている全員を起にかかる。このまま眠らせておきたいのは山々なんですがね。

 

「……」

 

「おーい、龍君。咲夜ちゃんの寝顔に見惚れるな~」

 

龍君がさっきから異様に大人しいと思っていたら、咲夜ちゃんの寝顔に見惚れてましたよ。

そういうお年頃ですからね。仕方ないか。

 

咲夜ちゃんの寝顔に夢中になっている龍君に注意してから、カロを起にかかる。

 

このもふもふめ! 俺をこのもふもふの毛並みで誘惑してくるとはどういうことだ! けしからん、実にけしからん! 

 

なので、ちょっとだけ、カロのもふもふの毛並みを堪能してから起こすことにしよう。

 

「…………」

 

「グル……ガァ」

 

おお、このもふもふの毛並み! やはりカロの毛並みは一級品だ!

 

「グアーむ!」

 

「あ~お、噛まれた」

 

ガブッと一噛み。夢中で撫ですぎていたせいか、いつの間にかカロの口元近くを撫で回していたせいで噛まれてしまった。

 

甘噛みのせいか、あんまり痛みはないんだけど、なんていうかこう、くすぐったい。

 

舌が絡んでくる。……あ~お、思いっきり噛まれた。

 

血はででないけど、痛い。腕を引っこ抜こうにも、引っこ抜けない。どうしましょう。

 

「どうしましょう……って、あらま」

 

「ふわ~あ……んむ」

 

眠っていたまま俺の手を噛んでいたカロの姿が、眠っていながらもドンドン人の姿に戻っていく。

 

さて、俺の手を噛んだままのカロが、そのまま人に戻るとどうなるか? 簡単です。

 

「あむ……んちゅ、うあ」

 

「おお、くすぐったい」

 

人間ヴァージョン……つまり、人間の状態のカロが俺の指先を咥えてる。

 

もうね、艶めかしすぎます。ぶっちゃけエロいです。

 

なんで俺の指を舐めまわすの!? 寝てるんだよねえ!? まるで、あたかも起きてるかのように、俺の指を丁寧に舐め回してくるんだけど!?

 

音もエロいし、なんかカロの頬がほんのりと赤くなってるし、妙に艶かしい声も出してるし……ああ、エロい。

 

後ろを振り返って見れば、この光景を見て恥ずかしがっているのか、顔を赤らめてソッポ向いている。若いね~

 

ま、それは置いといて、この状況、なんとかしないと。どうしましょうかねえ。

 

「カ~ロ、起~きて」

 

「ううん」

 

指を咥えたまま、イヤイヤと首を振りながら否定してくるカロ。やべ、指がもげそう。

 

そもそも、なんで寝ながら俺の言ってる言葉がわかるんだよ。おかしいだろ、寝てるのに。

 

「カロ……起きてるだろ?」

 

「ッ!? ……」

 

ビクッ! とカロの体が一瞬震えたかと思うと、ヒア汗をダラダラと流しながらも、眠ったふりを続ける。

 

ハハ~ん、やっぱり、眠ったふりをしていたなコイツ。しゃーねえ、ちょっくらお仕置きが必要だな。

 

「よっと」

 

指を上手く引っこ抜き、すかさずカロの事をお姫様抱っこで持ち上げ……。

 

「昔から、眠ったお姫様はこうやって起こすのが常識なんだよな」

 

そっとカロの唇に向かってキスをした。

 

「ッ!?」

 

おお、おお、暴れてる。離れようと必死で手足をばたつかせてるよ。顔なんかも真っ赤にしちゃって、かっわいい。それにさっきまで寝たふりしてたくせに、今なんか目を大きく開けてるよ。

 

ふざけた調子で逃さないようにカロの後頭部を腕で抑え、逃げられないようにする。すると、とうとう諦めたのか、カロは全身の力を抜く。

 

あらら、もう抵抗は終わりなのかい。

 

なんて、油断して離れよとしたら、今度はカロが俺の後頭部を腕で押さえて逃げられないようにしてきた。

 

やばい。カロの奴、狙ってやがった! 瞳なんか、獣本来の鋭い目つきになってるし! ぜってえ、心の中で笑ってやがるよ!

 

カロの行動に、一瞬カロを抱えてる腕の力を抜いてしまった。その隙を着いて、両足を俺の腕から外して地面に着け、俺の後頭部を抑えたまま地面を蹴っ飛ばして、俺の方に飛んできた。

 

思いがけない行動につい後ろに倒れ込んでしまった俺は、後頭部を地面に打ち付け一瞬目を瞑ってしまうが、すぐに目を開けてカロの事を見る。

 

本来ならば、俺の目の前にカロの顔があるはずなのだが、カロの顔が俺の目の前に無い。

 

どこだと探してみれば、俺の倒れている胴体に跨って……って、おいおい! なんで鼻息荒くしながら上着を脱ごうとしてるんですか、カロさん!

 

「ちょ、ちょっと、カロ」

 

「んふふ~鏡夜が~最初に仕掛けてきたんだからね~」

 

ちょっと、ちょっと! 本格的にマズイ! 完全に発情期モードに入ってらっしゃる!

 

だって、カロの尻尾とか、ありえないくらい左右に振られてるし! 目とかトロンとしてるんだもの!

 

ほら、見ろよ龍君をよ! もう、あまりにアダルティな世界に突入しそうなせいで、目を手で覆ってるよ。若干指の隙間から覗いてるけど。

 

ああもう、誰か助けてくれ――――――!!

 

「ほら、カロ。龍君も見てることだしさ……ね?」

 

「え~龍君? ……本当~だ~」

 

「あ、ど、どうも」

 

カロの視線が龍君の方へ、あの惚けてトロンとした瞳が一時的に向く。そんな瞳を見た龍君は、若干緊張しながらも、カロに頭を下げる。

 

「どう~も~……ねえ、龍君」

 

「な、何でしょうか?」

 

「これ以上の鏡夜との行為を見たら~……殺すよ?」

 

「ヒッ!!」

 

……ハハ。やべ、怖すぎて笑えてきた。

 

やべえ、超やべえ! 怖い、怖いすぎるぞ、カロ! 今までに見たことない位怖いぞ! なんだよその殺気。恐怖しか感じねえよ!

 

もう、龍君ぶるって変な冷や汗かきはじめてるよ。結構な実力者ですよ、龍君だって。それなのに、それなのに! 龍君がブルってるんだよ?

 

どんだけ恐怖与えてんだよ、カロ。……あ、腰ぬけてる。

 

「さて~鏡夜~続きをしようか~」

 

「あ~お。カロさん、それはまた今度の機会というのは……」

 

「だ~め~」

 

「ですよね~」

 

さて、どうしましょうか? 

 

龍君はさっきのカロのせいで腰抜かして使い物にならないし、他の二人は未だに寝てるし、分身達と代わっても結局は俺だし……。

 

だ~れか~助けてくれ~

 

「それじゃあ鏡夜~……一緒に、堕ちよう」

 

「ちょっっっっっっと、まったああああああああああああああ!!」

 

「うお!?」

 

「誰~邪魔するのは~」

 

大きな叫び声のようなものが聞こえると同時に、俺の上に跨っていたカロが吹っ飛んだ。

 

だが、カロの跨っていた場所に、何か重い者が俺の腹を踏んづけてくる。これは……

 

「おい、文。早くよけてくれ!」

 

文だ。って事は、さっき突っ込んできたのは、文って事か。

 

「カロ! 一体兄さんに何をしようとしたの!?」

 

「うぐっ!」

 

「そんあことよりも~よくも邪魔してくれたね~」

 

俺の腹を踏んづけながら、カロに物申す文と、俺との行為を邪魔され、かな~り文に怒っているカロ。その二人が、火花が出るほどに、睨み合っている。

 

どうしよう。この二人止めないと。じゃないと、この辺一帯が、ボロボロになってしまう。

 

仕方ない!

 

「龍君、この二人を止める手伝いをしろ!」

 

「は、はい!」

 

流石にこの状況がやばいと察したのか、龍君は飛び起きる。

 

カロを龍君に任すのは、本気でカロに殺される可能性があるので、ここは文を任す。

 

「龍君、文は任せた!」

 

「へぶっ!」

 

腹の上に乗っかていた足を掴んで引っ張り、文が地面に顔面をぶつけるが、そんなことは気にせず、どっか適当な方向へぶん投げる。

 

「よろしく!」

 

「え、えええええええええ!?」

 

そして、咄嗟に俺も飛び起き、龍君の胸ぐらを掴み、文の飛んでいった方へぶん投げる。後、例の戦闘用フィールドのスペルカードも一緒に投げる。

 

これで、あっちは大丈夫。さて、残りは……。

 

「鏡夜~?」

 

「カロ。俺に勝ったら、好きなように俺をしていいぜ」

 

「いったね~?」

 

「ああ……久しぶりに、相手してやるよ。来な!」

 

スペルカードを空中に投げ、俺とカロは戦闘用のフィールドへと移る。

 

しかし、まあ、カロとは別れて以降、これが初めての戦いになるな。さて、どれだけ強くなったのか。

 

両手をズボンのポケットに入れ、俺の正面で戦闘ポーズをとりながら胸までさらけ出してるカロと対峙する。

 

格好いい感じだけど、出来れば胸は隠して欲しかったなあ。

 

「それじゃあ~……行くぞ、鏡夜ああああああ!! 私の愛を受け止めろおおおおおおおおおおおお!!」

 

「おっしゃあ、来いやあ! カロおおおおおお!!」

 

真っ向から言われて、若干恥ずかしいが、カロを真っ直ぐと見据えて思いっきりダッシュする。

 

さあ、楽しい楽しい戦いの始まりだ!

 




次回はふた組の戦闘からです。

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