前半から後半最初辺りまでがシリアスで、後半本番からギャぐ一辺倒です。
注:今作のSAOシステムは大部分作者に都合のいい設定に改変してあります。予めご了承のうえでお読みください。その点に関しての苦情は受け付けておりませんのであしからず。
【You got the Last Attack!】
倒されたボスが死に、エフェクトと共に消え去ると、空中に勝利を告げる文字が浮かび上がってファンファーレが響きわたる。
ゲームではおなじみのそれらに併せて勝ち鬨と生還を祝う声が周囲で上がり、さっきまで死闘が行われていたボス部屋は途端に戦勝ムード一色に染まる。
みんなが肩を抱き合って喜びを噛みしめてる中、ボクだけは輪の中に入れず入ろうともせず、ただただ部屋の中央に浮かぶ勝利を示す文字を見つめ続けていた。
「ーー結局、ボクには何もできなかったなぁ・・・」
無力感に苛まれつつ自嘲気味に呟いた言葉は、幸いにも誰かに聞かれることはなかった。
あの後、ボクの放った一刀は結果として大した効果を及ぼすことが出来なかった。
キリトが食らいそうだった一撃は防げたけど、非力なボクの力じゃその後が続かない。当然のようにパワー不足から追いつめられたボク達だけど、体勢を立て直したエギルさんたちのお陰で回復する事ができ、最後に止めを刺したのは言うまでもなくキリト。だって攻撃力が一番高いもん。
エギルさんの重斧も高威力だけど、彼自身のレベルが半端だからね。現段階だと止めを刺すのには向いていない。プレイヤースキルも中途半端みたいだし、今後に期待かな。
なのでボクが果たした役割は何かというと・・・なんにも出来てない。役立たずだ。
ボス攻略に参加している一般人の一人、主人公にも勇者にも程遠い普通の参加者メンバーの一人が偶然「ユウキ」と言うアバター名の少女剣士キャラだった。ただそれだけの存在感しか示せなかったんだ。
でも仕方ない。
転生しただけでチートがなければこんなモノなんだとボクは思う。
仮に誰かを救えても、その人のその後がどうなるかなんて分からない。戦いで死ななかったとしても、生きて帰って翌日朝起きたら死んでいたなんて事もあるかもしれない。死ななかったモブキャラが勇者に代わって魔王を討つ可能性だってあるかもしれない。
しれないしれない。人の数だけ未来はあって、未来の数の数十倍から数万倍くらい可能性の選択肢が鼠算的に増えていく。人に無限の可能性は無いと思うけど、人が集まって形成された人間社会には無限の選択肢があるんだとボクは思ってる。
ーーだからまぁ、ボクみたいな平凡な転生者が活躍できない世界があっても不思議じゃない。元が平凡な凡人なのに、スペック上がったくらいで英雄になれるはずないしね。うん、こんなもんこんなもん。
・・・それに多分、まだ終わってはいないだろうしね・・・。
「お疲れさん、見事な剣技だった。
コングラチエーション。この勝利はアンタらの物だ」
エギルさんの言葉に背後のみんなが拍手と声援を送っているのが聞こえた。多分キリトに捧げているんだと思う。お祝いしたい気持ちもキリトに感謝してる気持ちも嘘じゃないんだと思うけど、でもそれは“嘘じゃないだけ”だ。今心の中で思っていること、今自分の中にあるもの全部じゃない。
何かで誤魔化そうとする心は些細なことで綻びが生じる。そして今この場に居るメンバーの中には、綻びが生じるだけの隙間がある。
さっきの戦闘で致命的過ぎる隙間が出来てしまっていた――。
「なんでや!!」
一括する叫び声がみんなの視線を釘付けにする中、声の主キバオウさんが座り込んでキリトを睨みつけながら涙声と涙目で訴える。
「なんでディアベルはんを見殺しにしたんや・・・!
そうやろが! 自分はボスの使う技、知っとったやないか! 最初からあの情報を伝えておけば、ディアベルはんは死なずに済んだんや!」
キバオウさんの告げた一言だけで、その場の空気は一気にキリト賛美からキリト否定に傾いてしまう。・・・ように見えるんだろうね、端から見てたらの話だけど。
「きっとアイツ、元ベータテスターだ! だからボスの攻撃パターンも全部知ってたんだ! 知ってて隠してたんだ!
他にも居るんだろ! ベータテスター共、出てこいよ!」
誰かが言って、次々に不安が感染していく。軽いパンデミック、情動伝染による集団ヒステリー状態だ。こうなったらもう、誰にも止められない。
「おい、お前・・・」「あなたね・・・」
言いがかりに等しい相手の言い分に今までずっと我慢してたらしいエギルさんとアスナが前へと出掛かるけど、それをボクは右手で制して声を出して止めもする。
「ダメだよ二人とも。今は行っちゃダメだ」
「なんでよ! あの人の言ってること無茶苦茶なんだから、言って聞かせて分からせてあげなきゃダメじゃないの!」
「その通りだぜお嬢ちゃん。ああいう手合いには言っても聞かない奴が多いが、そん時には一発ぶん殴ってやりゃあ大抵の場合ーー」
「無駄だよ。やっても言っても何の意味もない。
だってみんな、分かり切ってることなんだから。言われたところで何も感じないし感じるはずがない。分かっていても我慢できないから、誰かにぶつけて誤魔化したいんだよ。
彼らが非難してるのはキリトじゃない。ベータテスターでもない。どうしようもなく死が訪れるボス戦を、後99回繰り返さないとリアルには生きて帰れない過酷な現実そのものなんだよ」
ボクの言葉に二人は絶句して声を失う。
そうさ、分かり切ってた事じゃないか。それを承知でボク達は第“1階層”のボスでしかない敵に挑んだんだ。その結果、“たった一人の死”でクリアできたけど、その死はボクたちの心に堪えがたい不安と猜疑を植え付けてしまったんだ。
つまりーーこんなに怖い思いを、あと99回も繰り返さないと生きては帰してもらえない。
今までの一ヶ月で緊張がほぐれて、でもレベル的にかなり厳しい戦いを強いられてきた彼らにとって、一ヶ月という時間はたいして長くない。むしろ短いのかもしれないね。それだけ必死で生き抜かないと、生きて帰ってこれるか分からないレベルなんだから。
だからこそ今、今この時になって初めて彼らは未来を直視した。これから始まる戦いが長くて険しい、生還率超低めの大冒険であることを、誰かがどうにかしてくれるかもと言う願望を信じてたら救われるよりも先に死んでしまうんだって、自分たちを救って導こうとしたディアベルさんの死で思い知った。思い知らされた。
その結果、この場にいる誰もが自分の“今後”を思って怖くなった。この世界で初めて“自分の未来について”考えて、恐怖で怖くなって錯乱しかけた。
だから“理由”が欲しくなった。自分たちが生きて帰れない理由を。そいつらのせいにして不安をぶつけたい。不満をぶつけたい。理不尽に抗しきれない自分の無力さを否定する為にも、倒すべき弱者が欲しい。
みんなにとっての“敵”が、今のみんなには必要不可欠になってしまっていた。
「だから今はなに言っても通じない。聞こえていても届いていない。怖さから逃げたいだけの逃走であって、キリトやベータテスターを相手に戦いを挑んで攻撃してるわけじゃないから、戦闘自体が成立しない。切っても切っても無駄撃ちになるだけだよ」
「そんな・・・! それじゃあまるでーー!」
「うん、スケープゴートだ。彼らが求めているのは犯人であって、事件の真相じゃない。犯人を断罪することで殺人事件を終息させたいだけなんだ。
だから今のアスナの言葉は彼らに決して届くことはない。今はまだ、絶対に届かない・・・」
これが遊びではないけれども、ゲームでしかない世界の限界。人が生きていくのに必要な物が少なすぎるから、社会性が身につかない。原始人みたいに0から文明を構築していく必要がある。ゲーム世界にプレイヤーたちの住むプレイヤー社会を構築しないと、「万人の万人に対する闘争」が始まってしまう。
はじめてリアルに“死”を意識したボクたちは、今になってようやくデスゲーム《ソードアート・オンライン》の住人になったのだと、なってしまったんだと自覚した。
生きるためには、生きて帰るためには、人の死すらも踏み越えて行かなくちゃいけない現実が目前にあるのだと自覚させられてしまったんだ・・・・・・。
「これで・・・良かったんだよな」
アインクラッド第二階層主街区《ウルバス》に続くゲートを抜け、改めて自分が一人に“戻った”ことを実感しながら、俺は最近癖になりつつある独り言をつぶやいていた。
ソロプレイで身につきやすい癖が独り言なのだが、ここ数日の間は騒がしいのが二人もいたせいでご無沙汰していたが、再び一人で広大なアインクラッドの世界を歩んでいる内にぶり返したらしい。
詳細は省くが、あの後も一悶着あり、結局俺は一人になる道を選んだ。
只のベータテスターなんかじゃない。千人のテスターの中で最も高い層まで上り、最も多くの知識を貯め込んだ《ベータテスター》でありながら《チーター》でもある、《ビーター》と言う最低最悪のベータテスターとして。
「・・・別にいいさ、後悔はしていない。あの時、ディアベルの意志を殺さないためにはこうするしか他に道はなかったんだ。だから俺はーー」
「いやいや、普通気付くから。あれが演技で大嘘だってことくらい、分からないベータテストプレイヤーは千人の中にほんの少しだから。
ーーって言うか、本当にあれで誤魔化せると思っていたの?
・・・うわ~、マジ引くわー・・・」
「・・・・・・」
ここ最近で聞き慣れたとはいえ、それでも時折ムカっ腹が立つのを抑えられない俺が僅かに、だが確かに存在していた。
「ユウキ・・・仮にビーターが嘘だったとしても、俺が今現在最強装備で身を固めた剣士なのは紛れもない事実だぞ? 試してみるか? おまえの剣で」
「ちょっ!? なんでボクが相手だと、みんな扱い悪くなるのさ!? もう少し優しくしてよっ! ボクだってこれでも女の子なんだからね!?」
「・・・ネトゲにネカマは付き物だよな?」
「ヒドすぎる! ネットリテラシーの欠片もない!
これが通常のMMOだったらBANされてもおかしくなかったね。デスゲームで良かったじゃん! ベータテスターでチーターなビーター・キリト君♪」
「・・・・・・」
俺はとりあえず剣を鞘に収めると無言でユウキに近付いて、その頭に拳骨を落としてやった。
「なにをするー!」
「人の気にしてることを言う悪い子には、お仕置きが必要だ」
頭頂部を抑え、涙目で上目遣いに抗議してくるユウキを一蹴すると俺は大きく息を吐き、バカの思惑に乗ってやる形で気分を切り替えた。
まったく・・・気を使うんだったらもう少し、やりようがあるだろうに・・・。
「ーーで? なんで俺のビーター宣言が大嘘だって分かったんだ?
結構分かりづらい、急造のその場凌ぎとしては中々のモンだったと自画自賛しているところなんだけど?」
「いやいやないない、それはない。
だってSAOの転移門は一度誰かが開けてゲートを開通したら誰だって自由に出入り可能。それこそレベル1の超初心者だって現時点で最上階までひとっ跳び。
他の誰にも到達できなかった層まで登った《最初の一人》にしか成れないのが、SAOの仕様なんだよね~。情報の独占とかマジ無理無理です」
「・・・・・・・・・」
ソ・ウ・デ・シ・タ。ワ・ス・レ・テ・マ・シ・タ。
イベントボスとは異なりSAOのフロアボスは倒すと二度と復活しない、二番煎じも出てこない、ある意味究極のレアモンスターだ。高性能なユニーク品をドロップするような奴になると、殆どユニークモンスターと呼んでいいほどの希少性を誇っている。
当然、そのデザイン性やディテールの細やかさは他のモブを圧倒して余りある。そんな作り手たちの愛が込められた芸術品をーーひいては金と人員を割きまくって作った赤字覚悟のオーダーメイド品を倒されただけで終わらせるのを運営も、茅場晶彦でさえもが許すはずもなく、ボス討伐終了後しばらくしてからイベント等で小出しにボスの情報を伝説という形でプレイヤー達に提供される。
そうすることで物語に深みを持たせ、世界観の構築に一役買わせているのだ。
まぁつまり、なにが言いたいのかと言いますとーー
「誰かが倒したボスモンスターの情報は、ベータテスターなら誰だって手に入るんだよね! ディアベルさんも持ってたみたいだし!
でも流石に個人で攻略情報を攻略本みたいにして残してる人は情報屋の人たちだけだから、ネズミ印のガイドブックが超大事なことは変わりないけどね!
そう! キリトが先ほど分かる人には分かる、分かってしまいまくるドヤ顔演技が三文芝居だったのと同じくらいに変えようがない事実なのさ!」
「やめてくれぇぇぇぇぇっ!!!!!」
バカ!バカ!俺のバカ! 何であんなに格好つけちゃったんだよ! いい恥曝しじゃないか!
ああ・・・俺は他のベータテスター達になんて思われてるんだろうか? いや、そもそもあの場にはほぼ確実に元ベータテスター達が数人はいたはずで、彼らはあの喧噪の中、格好付けて去っていった俺をどんな顔して見送っていたんだ・・・?
「・・・・・・いっそ、このまま死んでしまおうか・・・・・・?」
「いや~、それは困るなぁー。うん、超困る。
ボクとしてはキリトに絶対死んで欲しくないんだよね。
理由はほら・・・あれだよあれ。ーー言わなくても、分かるでしょ?」
「・・・ユウキ?」
なにやらモジモジしながら顔を赤くして、上目遣いで俺を見上げてくる彼女に思わずドキリとしてしまいながら、続きの言葉を待っていると。
「だってキリトとボクってさ・・・まだパーティー登録したままじゃない?
この状態でキリトが死ぬとボクのステータス欄に撃墜マークっぽい仲間を殺された証が・・・」
「最低だなお前! もう少し優しく慰めろよ! 傷ついてるんだからさぁ!
男のハートは時にガラス製で出来ているんだぞ!?」
「勝てば官軍!負ければ賊軍!死ねばリアルでも即死だぁ!」
「シャレにならない! 本当にそれはシャレにならないから!
頼むから、たまには自制してくれ! お願いしますユウキさん!」
疲れきった心と身体で相手をしたくない奴トップ10に殿堂入りしそうな勢いとテンションのユウキは、明朗快活を絵に描いたような笑顔と足取りで「さぁ、盛り上がってきたところで街へと散策に出かけよー!」と拳を振り上げ気勢を上げると、真っ直ぐ適当な方向へ向かって歩き出した。
あまりのことに一瞬、ボウッとしたまま硬直し、我に返るとあわててユウキの後を追う。
「お、おい! ちょっと待て!
お前まさか、俺と一緒に街巡りをするつもりじゃないだろうな!?」
「え? そのつもりだけど、それがどうかしたの?」
「アホか!」
ああもう、本当にこいつは・・・! 変なところで賢いくせに、変なところでとんでもなくバカになる!
「いいか、よく聞け。俺はビーターだ。他のプレイヤーから忌み嫌われる、知っている情報を提供しようとしない最強剣士のチートプレイヤーなんだ。ベータテスターなチーターなんだよ」
「うん、知ってるよ。さっき作った、そういう設定なんだよね?」
「設定言うな! その通りだから、反論できないじゃないか!
・・・まぁ、とにかくだな。俺は犯罪者予備軍で、街に入ったら即座に隠れ家確保しないと危ないの。命狙われるかもしれないの。
そこのところ、もう少し考慮してもらえませんユウキさん? このままだと俺、明日の朝には冷たい身体になって、病院のベッドで安らかな眠りにつかされてるかもしれないんだけど?」
「大丈夫!なんとかなるよ!絶対大丈夫だよ!」
「・・・根拠は?」
「カードキャプターで聞いた、魔法の言葉!」
「アニメじゃないか!」
「レリーズ!」
「自分から話し振ってきてるんだから、俺の話も聞けぇー!」
ほんっとうに疲れるな、こいつの相手は! コボルトロードの時よりも精神的疲労は遙かに大きいぞ! 魔法が使えるRPGだったらMP(精神力)0になって、役立たずなお荷物になってるところだぞ俺!
「大体なんで俺に付いてきたがる!
俺とパーティー組んで良いことなんて、一つも無いぞ?」
「え? あるじゃん立派なのが。
元ベータテスターで一流のSAOマニアのキリトに付いてけば、安くて高性能な武器防具が売られてる武具屋さんが見つけ放題! 一生ついて行きますキリト様!」
「最低だ! 人として最低なだけじゃなく、プレイヤーとしても最低だ!
お前にはネットゲーマーとしての誇りやプライドの持ち合わせは無いというのか!?」
「生き残るためならば・・・敢えてボクは汚辱と汚名に満ちた生涯を受け入れよう!
ーーと言うわけで、案内よろしくねキリト君♪」
「可愛く言っても許さない!」
喧々囂々。今の俺が置かれている状況をついつい忘れてしまうほど騒ぎまくって一息付いた頃。
俺はなんか忘れてるような気がして、気になったのでユウキにも訊いてみる事にした。
「ーーなぁユウキ。俺たちなにか、大切な物を忘れていないか?」
「え? しばらく帰れないからクリーム一杯手に入れるために、雌牛をいっぱい種付けしておけば良かったとか?」
「違う!そうじゃない! ・・・いや、クリーム自体は確かに惜しいと思っているけど、そうじゃない。違うんだユウキ。お前の信じる俺を信じろ!」
「いや、ボクあんまりキリトのこと信頼してないんだけど・・・。
剣士としてはともかく人間的にはなんか根暗そうで、ボクの趣味とはあんまり・・・うん。ごめんなさい」
「なぜに俺が告白を断られているかのようなシチュエーションに!?
だから違うって!そうじゃないんだって!
なんかこう・・・白銀の魔王様が走ってきて、一突きで俺たちを殺し尽くしてしまいそうな、そんな予感と悪寒が・・・」
「はぁ? なに言ってんの? そんな魔王がいるなら、最上階の紅玉宮でボクたちプレイヤー全員を待ちかまえているーー」
ひゅんっ、ーードスッ!!
ーー風が吹き、一陣の死神が走り、ユウキの髪の毛数本と、俺の耳元に微かなダメージエフェクトの尾を引きながら、それは猛スピードで走り抜け猛スピードで持ち主の手元に帰って行った。
タラリ、と。頬を一筋の冷や汗が流れ落ちて行く。
俺たち二人の表情と動きがフリーズし、いやな悪寒に全身を支配される。
機械油の切れたブリキ人形のように、ぎこちなく振り向いた俺たちの目の前にーー魔王がいた。
「ーー二人とも。パーティーメンバーの私を置いて行って、すっごく楽しそうな会話してるじゃない。私も混ぜてもらって良いかな?
ただその前に、軽く準備運動しようよ。私はジョキングが好きかな。
私のリニアーでお尻を突かれたら失格、突かれるまで逃げ続けられたらあなた達の勝ち。
当然、失格した人には罰ゲームとして、お仕置きが待ってまーす♪」
「「ぎゃああああああぁぁぁぁぁっ!!!!???」」
アインクラッド第二層主街区《ウルバス》。
哀愁を帯びたオーボエが主旋律を奏でている、静かで良い街。
そこに到着したばかりの俺たちパーティーが最初にやったこと。
それはーー怒り狂う魔王様から必死に逃げ延びるための鬼ごっこだった。
アルゴ「キー坊! お前も走るカ!?(別件にて逃亡中)」
キリト「知るかっ! むしろ止めろ!(巻き込まれただけの原作主人公)」
ユウキ「うわーん! ごめんなさーい!(全力で涙目)」
アスナ「ほらほら♪ 早く逃げなきゃツンツンよ?(クスクス)」
ヒーさん「第二階層、最初のイベント発生はまだだろうか・・・(ソワソワ)」
つづく