仮面ライダー剣~The earthly World~   作:龍騎鯖威武

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第7話「精神と心の中で」

 

ガギィン!!

レンゲルが圧倒的に優勢だった。レンゲルラウザーを振り回し、スコーピオンに何度もぶつける。その攻撃に意図も容易くスコーピオンは怯み吹き飛ばされる。

イメージしたとおりの戦いだ。勝てない理由が見つからない。

だが…。

「どうしたよぉ!そんなモノかぁ!?」

思い通りに行き過ぎて気に入らない。少しでも抵抗してくれるとも考えていたが、そんな事が全く無いのだ。

「つまらないんだよ!!」

ドガアアアアアァッ!!!

「ギャアアアアァッ!?」

どこか、納得がいかない。もっとこの戦いに高揚感が欲しい。

そう考え始めたところで気づいた。

 

おれは…また戦いを求めている。

 

「くそ…駄目だ!!」

頭を振って、先の考えを必死に消そうとする。

だが、そうするたびに…

 

足りない。

楽しみたい。

戦いたい。

 

そんな言葉ばかりが頭をよぎる。

「落ち着け…こんな事を考えんな…!!」

なんとかその高揚感を抑えようと自分に言い聞かせる。だが、それが隙となり…。

ドガアアアァッ!

「うおおおおおぉ!?」

スコーピオンの爪によって胸を切りつけられ、地面を転がってしまう。

「この野郎ぉ…何すんだよ!!!!」

その事で頭に軽く血が昇る。そしてそれが忘れようとしていた高揚感を再びたぎらせてしまう結果となってしまう。

「ノゾムさん!!」

そこに、ギャレンが駆けつけた。ラウザーを構えて彼の援護に入ろうとする。

「大丈夫ですか!?」

「ギャレン…!ギャレン…!」

目の前に強い力を持っている存在が現れる。それが最後の引き金となった。

<SCREW><BLLIZARD>

「ノゾムさん!?」

<BLLIZARD GALE>

「うおおおおおおオオオオオオオオォ!!!」

雄叫びと共に、レンゲルの拳がギャレンの胸に突き立てられた。

「うわあああああああぁ!!」

その威力でギャレンは吹き飛び、変身が解除されてしまった。

強力な攻撃と不意打ちによって、本人の集中力の低下や戦闘経験の浅さにより変身時間が続かなかったのだ。

そして、ブリザードゲイルの吹雪の余波によってスコーピオンは氷付けになってしまう。

<STAB><RUSH>

「フンッ!!」

氷付けになったスコーピオンに止めを刺すため、レンゲルラウザーにラウズカードのエネルギーを込め、力の限り突き刺した。

ドスッ!!

「…!!?」

スコーピオンは悲鳴を上げることができない。氷付けのために声を出せず痛みだけを感じている。

そしてレンゲルがプロパーブランクを取り出すと、それをスコーピオンに突き刺した。

氷が融解しながら、スコーピオンはカードに吸収されていく。

そして、プロパーブランクはプライムベスタのカテゴリー8へと変化した。

「フン…」

そしてレンゲルは胸を押さえてうめいている銀之助を睨む。

「感謝するぞ、ギャレン。おかげで俺は再び、この世で動ける…!!」

声が変化した。ノゾムのすこし若々しい男の声から一転、低い男の声へと変貌する。

「そんな…ノゾムさん…アンデッドに…!?」

 

「俺の名はレンゲル。…最強の仮面ライダー!!!」

 

銀之助がレンゲルの元に向かえたのに、他の者達がその場にいけなかった理由。

それはタカハラ達にあった。

「あのレンゲルを仲間に迎えたいので、貴方達に邪魔をして欲しくないのですがね…」

「大人しく、ここで倒されるが良い」

彼らもアンデッドを封印できるシステムや力を備えていない。そこにレンゲルという特殊なライダーが現れた。これを利用しないては無いと言う訳だ。

彼らと遭遇する前に銀之助は別行動を取った事で、運よくレンゲルと遭遇できたのだ。

「こっちからしたら、ノゾムさんをおまえらなんかに利用させて溜まるか!」

「あの人を解き放つ。そこを退け!!」

<TURN-UP>

「変身!!」

青白いオリハルコンエレメントを潜り抜けて、剣斗はブレイドへと変身し、両隣にいた留美奈とチェルシーはそれぞれ攻撃態勢に移る。

最初に動き出したのはブレイドだ。

「おおおおおおおおおおおおおおぉっ!!」

ブレイラウザーを振りかざし、タカハラに斬りかかる。

それよりも早くタカハラはイーグルへと変貌し、右手にある鉤爪状の武器で防ぐ。

ガキイィッ!!

金属同士がぶつかり合う音が響く。

「やはり、その程度では私達には勝てない!!」

ドガアアアァッ!!

「ぐうぁっ!」

ブレイドのラウザーを弾いた隙を突き、彼の胸を斬りつける。

やはりイーグルのほうが優勢だ。

そして、留美奈とチェルシーはピーコックと対峙している。

「ハアアアァッ!!」

ピーコックの鋭利な羽の嵐が迫る。

「はっ!!」

しかし、チェルシーはそれを重力で地面に叩き落した。ピーコックは少しだけ驚く。

「ほう…能力者の力か…」

「余裕こいてんじゃねぇぞ!!」

留美奈がすぐに攻撃を仕掛ける。風を纏った小鳥丸を振り下ろすと、ピーコックはそれを右手で防ぐ。

だが…。

「…!?」

風の余波で、吹き飛ばされる。ダメージ自体は無いものの、意外にもこの戦いは留美奈たちが押している。

だが、ピーコックはそれで黙っているわけではない。

「人間ごときが…この俺をコケにしてくれるとは!!」

長い剣を構え、彼らに反撃を仕掛けていく。

 

それを離れた場所から見ていたのはシマノ。

「…チャンスは今しかないな」

そう呟き、レンゲル達の元へと向かった。

 

そしてその間も、ギャレンはレンゲルに痛めつけられていた。

「ムン!ウオオオォッ!!」

ガギン!ドガアアアァッ!!

「ぐっ!うわああああぁ!」

ギャレンは遠距離方のライダーだが、レンゲルが前に前にと向かってくるために距離を取れない。

結果的にギャレンの不利な状況となっているのだ。

「ノゾムさん…あなたは剣斗さんの師匠でしょう!?」

痛む肩を庇いながら必死に説得するギャレン。だが、レンゲルは全く変化が無い。

「言ったはずだ。俺の名はレンゲル、ノゾムではない」

<RUSH><BLLIZARD><POISON>

<BLLIZARD VENOM>

「オマエはここで消えるが良い。ブレイドとカリスも俺の獲物だ!!!」

毒と吹雪を纏ったレンゲルラウザーがギャレンを貫くために、猛スピードで向かってくる。

「くっ…!?」

ギャレンラウザーを使って抵抗を試みたが、右肩が痛むためにラウザーを持ち上げる事が叶わなかった。

「死ねェッ!!!」

絶体絶命。

 

そこに…。

 

 

ドッ!!!

 

 

突如として現れたタランチュラ・アンデッドがギャレンを庇い、ブリザードベノムの餌食となった。

「ウゥ…!」

「シマノさんっ!!!」

タランチュラは力なく地面に倒れ伏し、アンデッドバックルも封印を許すように開いた。

「カテゴリーKか…。都合が良い、貴様を封印してもっと強くなる!」

「…俺の負けだよ、カテゴリーA」

プロパーブランクをとりだし、タランチュラへ落とす。

緑色の光に包まれる中で…。

「銀之助君、もし俺が駄目だったら…そのときは頼む!!」

そう叫び、封印された。

「フン、馬鹿め。もう封印されたというのに…」

レンゲルの手には、カテゴリーK「エボリューションタランチュラ」が握られている。

完全に封印されてしまったのだ。

「ちょうど良い。カテゴリーKの力で止めを刺してやる」

カテゴリーKのラウズカードをレンゲルラウザーに近づけ…。

<EVOLUTION>

ラウズした。

 

その途端…。

 

「ヌウウゥッ!?」

レンゲルは黄金色に輝き、悶え苦しみ始める。

「まさか…カテゴリーKめ…これが狙い!?」

シマノはあえて封印されたのだ。それによってレンゲルの内側からカテゴリーAと直接対決をするのだ。

「おのれェ…邪魔をするなアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!!!」

 

 

 

夕焼けの空が広がる荒野。

日本では見かけない土地だ。おそらく外国なのだろう。

そこにノゾム、シマノ、スパイダーアンデッドの3人が立ち尽くしていた。

「ここが…君の闇なのだね」

「何…?」

「カテゴリーAは、君の記憶の中で最も暗い闇を抱えているここで、君の精神に干渉をかけていたんだ」

シマノの傍らには、小さな少年が銃を抱えて倒れていた。

血が流れており、呼吸をしていない事から生きてはいないだろう。

「過ぎた事さ」

「そう、過ぎた事。だが、その過ぎた事が君の心に闇を巣くわせていた」

彼が世界中を飛び回っていたのは、彼の親に理由があった。

父親は戦場カメラマンであり、妻と息子を良く連れて行っていた。もちろん危険には晒さず、いつも安全が確保できる場所に置いていった。

その場所でノゾムは、自分と同い年の少年と仲良くなった。だが、自分は何の関係も無いのに対し、少年は10歳で戦場に駆り立てられていたが、幼い二人にはそんな違いなど関係は無かった。

ある日、二人が安全地帯で会話を続けている最中、少年の敵軍の生き残りが現れ、その少年を撃ち殺してしまった。

 

ノゾムは目の前で人が死ぬ姿を初めて見た。

 

敵の兵はノゾムを見ても、武器を持っていない事から敵とはみなさず、そのまま去っていった。

ノゾムは幼い心にトラウマを持ってしまった。

 

「確かに苦しい過去だ。だが、それをちゃんと折り合いをつけないと…レンゲルは使いこなせない」

「あぁ、そうかい」

ノゾムが右手を翳すとレンゲルラウザーが現れる。

「でもな…」

それを振り回し…。

ドガアァッ!!!

地面に突き刺した。

 

その瞬間、景色はガラス細工のように粉々に砕け散る。

 

「…これは違うんだ!!」

そして創り出された、新たな景色。

ブレイドやギャレン、留美奈たちが戦っているというのに、自分はレンゲルバックルを握り締めて戦おうとはしない。

「ウウウゥッ!?」

スパイダーは、その変化に驚いている。

「兄貴分なのに頼りにならないってのは、結構つらいんだよな…。でもおまえを倒せば、もう足は引っ張らない!シマノさんよ、力貸してくれ!」

「…あぁ」

シマノはタランチュラへと変化し、ノゾムはレンゲルラウザーを構える。

 

 

 

そして…。

 

 

 

あれからレンゲルは立ち尽くしている。

ギャレンはそれを見つめ続けていた。

「ノゾムさん…」

ふと、レンゲルの右手の人差し指がピクリと動く。その手はレンゲルバックルへと伸び、閉じた。

オリハルコンエレメントが現れて、レンゲルの変身は解除されたため、ノゾムの姿に戻った。

彼が自分から変身を解除したのは初めてだ。

「もしかして…!」

 

 

 

「…復活!!!」

 

 

 

「セアアアアアアァッ!!」

ズバッ!

「がはあぁっ!」

ブレイドはイーグルに圧倒されている。

「剣斗!」

「貴様らの思い通りにはさせん!」

救助に向かいたいが、ピーコックに妨害される。

いくら優勢とはいえ、相手は上級アンデッド。彼らの実力では退ける事は出来ない。

イーグルの右手にある爪が、ブレイドを狙う。

「ブレイド…君は完全に邪魔をする者です。ここで…」

「くっ!?」

「死ぬが良い!!」

 

バン!!

 

「ウッ!?」

ふと、その切っ先が衝撃によって遮られた。

衝撃の方向を見やると…。

「剣斗さん!留美奈!チェルシーさん!」

ギャレンがラウザーを両手で構えて立っていた。痛む右腕を両手で使う事によって、何とか構えているのだ。

そして隣には…。

「真打ち…登場!」

レンゲルバックルとラウズカードをセットしながら笑う、ノゾムの姿。

「ノゾムさん!」

「なぁに心配するな。…見てろ!」

ベルトを装着し、構えて静かに腕を下ろす。

「…変身っ!!」

<OPEN-UP>

紫と金色の入り乱れるオリハルコンエレメントがノゾムの体をすり抜ける。

その姿は仮面ライダーレンゲルとなる。

しかし、それは今までのレンゲルではない。最初のころのような戦いを渇望するような粗暴さは見られず、ましてやカテゴリーAに支配された邪悪な気配もまるで無い。

真の仮面ライダーレンゲルだ。

「剣斗、立てよ。兄貴分のカッコいいトコロ、見せてやるからなぁっ!!!」

「…はい!」

レンゲルラウザーを振りかざし、イーグルとピーコックに攻撃を仕掛ける。

<STAB>

「うらああああああああああぁっ!!」

「その程度では…!」

イーグルがレンゲルラウザーを避け、反撃に出ようとするが…。

<THUNDER>

「はぁっ!!」

バリィッ!

「ウオォッ!?」

上空に浮くことでできた隙を突き、ブレイドがサンダーの力でイーグルを再び地面に叩き落とす。

「グウゥ…!」

「ふんっ!」

ドガアアアアアアァッ!!

「グガアアァッ!?」

ふらつきながら立ち上がったイーグルをレンゲルラウザーで突く。その衝撃で彼は地面を転がる。

 

さらにピーコックは…。

「ウオオオォッ!!」

羽の刃を駆使して、留美奈たちに攻撃を仕掛けるが…。

<SCORPE>

「たああぁっ!!」

ギャレンがスコープバットの力で命中精度を高め、それらを全て打ち落としていく。

その攻撃が止むと同時に…。

「「はぁっ!!」」

ドガアアァッ!!ズバァッ!!

留美奈とチェルシーが小鳥丸と拳を振りかざし、ピーコックに突きたてた。

「グウゥアアアァ!!」

たまらず彼は呻く。

「同時攻撃だ!!」

ブレイドの合図で、全員が攻撃態勢に入る。

<KICK><DROP><BITE>

更に留美奈とチェルシーも自身の能力を最大限に引き出し、走り始める。

「おおおおおおおおおぉっ!!」「たああああああああぁっ!!」「どらああああああああぁっ!!」

「はあぁっ!!」「せああああぁっ!!」

ドガアアアアアアアアアアァッ!!!!

「「ウアアアアアアアアアアアァッ!!!」」

上級アンデッドとは言えど、その攻撃には溜まらず吹き飛んだ。

彼らの体からは火花が散っており、攻撃の強大さを物語っている。

「ここは、引きましょう」「くそが…!!」

「待て!!」

しかし、ここで封印されるわけには行かないのか、2人は翼を広げ何処かへ飛び去った。

追いかけるも、その姿は見つからなかった。

 

 

 

戦いから戻ってきた5人をルリが留美奈の家で迎え、ノゾムが彼らにカテゴリーK「エボリューションタランチュラ」を見せた。

「これ…」

「シマノさんだ。おれに敢えて封印される事で、内側からカテゴリーAの闇を消し去ってくれた」

「そうですか…」

彼らは目を伏せる。

「あぁ、最後にこう言ってた」

 

 

 

スパイダーを倒し終えたとき、ノゾムにシマノは伝えた。

「ノゾム君、彼らに責任を感じたり、悲しむような事があれば、どうか自分を責めないで欲しいといってくれ。ここが…俺の在るべき場所、収まるべきところに収まっただけだ。残りの戦友達も俺と同じように、在るべき場所に返してやってくれ」

「…あぁ」

その言葉の後、ノゾムは意識を取り戻したのだ。

 

 

 

「おれ達に出来るのは、シマノさんの言葉を忘れずに精一杯戦うことだ。良いな?」

ノゾムの言葉に誰もが頷いた。

「さてと、剣斗。家は?」

「は?」

「おいおい、先輩が家無しなんて、そんな話は無いよな?」

剣斗は小さいながらアパートの一室を借りて一人暮らしをしている。ノゾムは基本的に世界中を旅しているため、住居を持っていない。

BOARD借り上げのマンションもあるが、離反している以上は利用でいない。

彼の予感は嫌な方向へ向かう。

「ちょっと待ってください!あの家は一人が限界です!」

「そう言うな!ケン坊・ノゾムンの仲だろ?」

「イヤですよ!絶対!」

剣斗はブルースペイダーに跨り、逃げた。

「バカめ、おまえの家は知ってるんだよ!」

彼が指を鳴らすと何処からかグリンクローバーが現れ、それに跨って追いかけた。

留美奈たちはその一部始終をあきれながらも微笑ましく見つめていた。

 

 

 

カリスはラウズカードの束を見つめる。

3、4、5、6、7、8、9、10、J、K。

11枚のカードがある。Aのカードは変身に使っており、Qは未だ封印していない。

「あと…1枚…」

 

 

 

 

 

 

続く…。

 

 

 

 

 

 

次回!

 

                   ラウズアブゾーバー…

 

新開発の強化システムだ

 

                   カテゴリーJは強い…!

 

人間とは…不思議ですね

 

 

 

第8話「可能性の力」

 

 

 

今、その力が全開する…!

 

 

 

 





キャスト

斬崎剣斗=仮面ライダーブレイド

浅葱留美奈

ルリ・サラサ

チェルシー・ローレック
五十鈴銀之助=仮面ライダーギャレン
雲間ノゾム=仮面ライダーレンゲル

シマノ=タランチュラアンデッド
イサカ=ピーコックアンデッド
タカハラ=イーグルアンデッド

???=仮面ライダーカリス


あとがき
遅れに遅れてやっと投稿です…(大汗)
なにぶん私情が…。マイペースで投稿していきます。
次回は強化の話になって行きますよ!
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