東方桃玉魔 〜ピンクの悪魔が跳ねる時、幻想郷は恐怖に慄く〜 作:糖分99%
作者「久しぶりにグラぶってみよ〜と思ったらコナンとコラボかよwグラブルほんと雑食だなwしかもちゃんと推理してるしグラぶってるしもうなんのゲームかわかんねぇなコレwwwと思ったらアズレンはグラーフシュペー追撃戦? シュペーが60周すると確定でもらえる? シュペーってどんな子……ってめちゃめちゃ可愛いやんけ! 何腕についた手甲! オーバードウェポンやんけいいぞもっとやれwあとよく見たら貧乳下乳とかもうダンケするしかないじゃないですかwww ……え? ゲゲゲ6期の猫娘何これネコにツンデレに八頭身にチョロインに四つん這いって属性盛りスギィ! ってルパンも今季あるのか! ってか二話目にしてルパンカッコよくねマジやばくね? 『魔法少女☆俺』ってなんだよ腐向け(?)アニメでこんな面白いと思ったの初めてだぞwww今季豊作スギィ!」
ビリー兄貴 in 天界「つまりはゲームとアニメに没頭していたと。だらしねぇな。そんな下劣な駄作者には俺のナウい息子♂で教育してやらねぇとな!」
作者「えっちょっ待っtアッ──♂」
悪は滅びた。
マルク。それは嘘に足がついて歩き回っているような、そんな存在。
しかしその存在は元は完全に“邪悪”ではなかった。
ポップスターを支配しようとした動機は“支配者になればなんでも許される、即ち悪戯し放題だから”というものであった。
特定の誰かを虐げるわけでもない。私腹を肥やそうとしたわけでもない。
ただ自らの悪戯心のまま、その悪戯心を満たすべく、かつてマルクは支配者になろうとした。
そう、つまり……ある意味彼は無邪気な子供であった。
全ては単なるお遊びでしかなかったのだ。
その悪戯心のまま行動した結果、太陽と月を仲違いさせ昼夜をめちゃくちゃにした彼を正当化するつもりはないし、その行為を許そうとは誰も思わないだろう。
だが、彼自身はポップスターを、カービィを嫌ってはいなかった。
なにせ、悪戯する相手が居てこその“悪戯”なのだから。
悪意を抱いたのはソウル化した時。そしてその悪意はカービィによって文字通り真っ二つにされたことにより霧散した。
そしてその時死んだと思われたマルクは、生きて居た。
長い時を宇宙を漂って過ごし、そしてポップスターに戻ってきた。
悪意の抜けた、元のマルクの姿に戻って。
では、幻想郷に現れたマルクは何者だったのか?
マルクの怨霊であることは間違いない。
いや、正確に言うならば、“あの時霧散したマルクソウルの悪意でできた生霊”である。
ドス黒いマルクソウルの思念そのものと言ってもいい。
つまりマルク……いやマルクと呼ばれる者は────あの時同時に二人存在していた。
「アハハハ! 遅いのサ!」
爪のある翼を広げ、マルクは靈異ソウル・オブ・ニルの頭上を飛び回り、タネを次々吐き出す。
そのタネは当たると同時に炸裂し、爆炎を撒き散らす。
そんなタネを次々吐き出すマルクはさながら爆撃機のようであった。
爆炎に包まれ、動きを止める靈異ソウル・オブ・ニル。
その表情はあいも変わらず無表情。
しかしながら動揺しているのは確か。
何せ、自らの駒として引き寄せた者が自らに牙を剥いているのだから。
そして、その動揺を見逃すはずがない。
マスターソードは肉を断ち。
無数の札は力を削ぎ落とし。
熱線は体を吹き飛ばし。
伸びる荊は絡みつき。
単調で、何度も繰り返された火力頼みの攻撃。
しかし、それは今になって効果を及ぼし始めていた。
再生が間に合っていないのだ。形こそ保ってはいるが、生命力は確かに削り取られている。
理由は単純。マルクの存在だ。
三人では今ひとつ一手欠けていたのが、マルクの参戦により遂に補われた。
かつて、カービィ世界のエンデ・ニルは四人の勇者によって封じられたという。
ならば、この幻想郷のエンデ・ニルを封じる勇者というのは────
靈異ソウル・オブ・ニルの霊夢によく似た顔が歪む。
そして大きく窪み、その中心に一つの目玉が浮き上がる。
「なるほど、それが本性ってわけか!」
「ふん、化け物には似合いの見た目ね。押し切るわよ!」
「ぽよ!」
「やってやるのサァ!」
靈異ソウル・オブ・ニルの目玉に光が集う。
収束した光は膨大な破壊の力に変換され、吐き出される。
その数四本の光条。視界を埋め尽くす破壊の光。
その破壊そのものを前にして、マルクが立ちはだかる。
「ブラックホール!」
そして体は縦に割れ、その断面から暗き穴……ブラックホールが露わになる。
四本の光条はそのブラックホールへと取り込まれてゆく。
その後ろでカービィはマスターソードを掲げる。
その行為に何かを察した霊夢と魔理沙はマスターソードへ向け力を解放する。
「夢想封印!」
「ファイナルスパーク!」
破邪の力と破壊の熱線。その二つはマスターソードへと集約し、一つとなる。
万能の剣、マスターソード。
博麗の巫女の奥義、夢想封印。
魔法使いの意地、ファイナルスパーク。
一体化した時、カービィの手元に残るのは名も無き最高の剣。
幻想郷と言う名の夢を破る者を打ち砕くための剣。
『ドリームキーパー』とでも言うべき剣。
四本の光条は全てブラックホールへと呑まれた。
残されたのは披露したマルクと靈異ソウル・オブ・ニル。
カービィはドリームキーパーを夢破る者へ叩きつけた。
幻想郷に生きとし生けるものの願いを遍く受け止めたその剣は────眩い光を放った。
●○●○●
どれだけそうしていたのだろう。
全員が瞼を開けた時、そこには心配そうにこちらを覗き込む幻想郷の住人の姿があった。
起きてみれば、既に鏡面の大地は無く、いつもの博麗神社の境内に投げ出されていた。
マルクは一足先に目覚め、影に潜って何処かへ行ってしまったらしい。
きっと、ポップスターへ悪戯しに戻ったのだろう。
そして境内にはもう一人、倒れていた者がいた。
それは────靈異ソウル・オブ・ニル。
霊夢によく似た姿で、ボロボロになって、仰向けになって、無表情のまま空を見上げていた。
でもその空虚な瞳からは……涙が流れていた。
「……幻想郷は全てを受け入れる。でも……居てはならない貴女を受け入れることはできない」
紫はそう“彼女”に告げた。
“彼女”はゆっくりと瞳を閉じた。
そして、その体はポロポロと崩れ始めた。
塵となって空に昇ってゆく。
受け入れられなかった“彼女”がこの
“彼女”の望みは叶えられぬままに。
だが、そんな“彼女”にも夢守る剣の力は働いていた。
塵が舞い上がる中、一際大きなものが舞い上がってゆく。
それは────紅白の蝶。
ふわりふわりと浮くように羽ばたきながら、幻想郷の空を舞い上がっていった。
「ああ……そう。甘かったのは私の方なのね。……幻想郷は全てを受け入れる。歓迎するわ、妖蝶の虚無の神よ」
妖蝶となった“彼女”は晴れて幻想郷の一員となった。
“彼女”の夢は守られた。
そしてここに、今まで全ての異変の終結が宣言される。
カービィ達が来た原因は全て解明され、黒幕は打ち倒され、力を失い、夢叶って妖蝶となった。
全ての因果はここで終わり、そして途絶えた。
そして、それからカービィ達が夢の中で幻想郷に来ることはなかった。