気づいたらもうこんなに日にちが経っていたよ。
なんか、毎回謝るところか始まってごめんね。
つーことで、申し訳ない。
ついでに言うとバトルシーンも申し訳ない。
バトル苦手なんです。
そういう系書いてるけど。
俺は今まで一度も誰かに対して恐れを覚えた事はない。
それは前までいた世界、この世界に来てからの一週間を含めてもだ。
だから俺は今まで《恐怖》と言う感情を知らなかった。
だが、今日始めてそいつを知った気がする。
あの三人組に会ったとき。
俺は、始めて自分から後ろに下がった。
それは紛れもなく、俺があの三人に《恐怖》を抱いたからだ。
負ける気はしなかった。
それでも俺は説明できない嫌な何かを恐れて、身を引いた。
つまり、この二百階クラスの闘士は今まで俺が戦って来た奴らとは次元が違う事を示している。
感だが、これから行われる試合ケンカに常識は通用しないだろう。
だが、それがいい。
そのぐらいの相手じゃなければ、俺が本気で戦うことなど不可能だろう。
あの時の俺は確かに《恐怖》を感じた。
しかし、もう一つの感情も同時に感じていた。
《喜び》をだ。
ようやく本気を出せるかもしれない、と言うな。
グラサン野郎の時は、本気を出す前にこっちへ飛ばされたからな。
結局、何もできなかった。
その時の消化不良も含め、俺は今日それ等を発散するつもりだ。
「まさか、本当に今日戦えるとはな」
「驚くことじゃないはずだぜ。 さっきも言った通り、俺は今日でもいいと言ったんだからな」
「ふふ、本当に活きのいいガキだ」
薄気味悪い笑い声を出しながら、言う。
俺の最初の対戦相手は先ほどの三人の内の一人であるコマ野郎。
正直、あの三人の中じゃ一番戦いに不向きそうな奴だが、二百階クラスの闘士の力量を見るには丁度いい。
「せいぜい見せてくれよな。 あんたの本気を」
「フ、笑わすなよ」
試合開始の合図と共に、コマ野郎は懐から独楽をリングのあちこちにバラ撒いた。
独楽はすごい勢いで回転をしながら互をぶつけ、弾き飛ばし合っている。
「妙な曲芸だな。 それで、あんたは攻撃もせずにどうするつもりだ?。 まさかとは思うが、曲芸対決でもやろうってか?」
やや、挑発的に言ったがまたもコマ野郎は薄気味悪い笑いをするばかり。
俺は内心がっかりしながらも、さっさとこの茶番を終わらそうと一歩進もうと____。
その刹那、高速で何かが飛んできて俺の頬を傷つけた。
「なに!?」
《何か》が、飛んできた方を向くとそこには独楽が回っている以外に何の変わりもない。
いや、違う。
これはまさか。
「お前は既に、オレの手の平で踊っていたのさ」
コマ野郎が言い終わると同時に、独楽が一斉に俺を襲う。
「くっ!!」
俺は間一髪それ等をなんとか、かわしつつも一旦距離を取った。
なんだ、これは。
独楽が互いに弾きあって、攻撃してくるだと?
確かに常識が通用しないのは分かっていたことだが、流石にこれはありえない。
まるで独楽が意思でも持ったかのように、俺を攻撃するなど……。
「驚いたか。 これが俺の能力
なに、心配をするな。 運がよければ死にはしないだろう」
運がよければ死にはしないだろう。
これはつまり、あの独楽にはかなりの威力が備わっていることを示す。
「ほら、どうした。 逃げないと当たるぞ」
考えている間にも独楽の攻撃は続き、尚かつコマ野郎はどんどん独楽を増やしていく。
もはや避け続けるのも限界が来ていた。
俺はリングの端に追い込まれ、もはや逃げ場はなかった。
「終わりだ」
止めを我先へと刺そうと、独楽は一斉に俺に向かってくる。
逃げ道はない。
ここまで接近されてはリングの外に逃げるのも不可能。
完全に退路ない。
もう、回避は不可能だった。
俺はただ、迫ってくる独楽を眺めながら_____
「オラッ!!」
俺に当たるよりも先に全てを叩き落とした。
「な! 」
「思ったよりも大したことねぇな~。 お前の独楽攻撃」
「う、うるさい!! 黙れ!!」
独楽を破壊されて冷静さを失ったのか、コマ野郎は俺の安い挑発に乗って、案の定さらに独楽を投入した。
先ほどの倍近い数の独楽が俺めがけて飛んでくる。
が、俺はそれを難なく全部打ち砕いた。
「バカな! 《念》で強化した独楽を《纏》すら使えないガキに壊されるなど……」
「おい、もう終わりか?」
コマ野郎に先ほどの余裕等なくなっていた。
大量に流れ出ている汗がそれを証明している。
「手が尽きたんなら、もう用はねえ」
俺はコマ野郎の元へとゆっくりと歩いていった。
あの義足ではどうせ、大して動けないだろうしな。
急ぐ必要はない。
「く、来るな!」
俺との距離が一メートルに迫った瞬間、コマ野郎は自らを高速回転させて接近を拒ませる。
まだ、変な曲芸を残していたのか。
「独楽が全て破壊された今、オレに攻撃の手段はない。 だが、俺が回転し続ける限りお前も攻撃の手段はない!!」
自信満々に言い放つが、結局の所自らに攻撃手段がない以上、ただの悪あがきに過ぎない。
それに、こいつはそれ以前にひとつ見落としている。
「確かにお前のその技はすごい。 まさに、自らを独楽に模せる事により、全く相手を近づきさせねえ。 だがなぁ、その技には決定的な弱点がある。」
俺は十分な位置になるまで、コマ野郎に接近する。
一歩、二歩。
三歩目に到達した頃には、十分な位置に。
そして俺は腕にうなりをつけながら、
「それは、俺には意味がないってことだ!!」
思いっきり殴った。
俺の拳はコマ野郎の回転を中断させ、顔面へと吸い込まれるようにぶち当たった
「ぶへっ!!」
コマ野郎は、そのままはるか上空へと飛んでいき、観客席へと落下した。
その後、スタッフがすかさず落下地点へと向かい、コマ野郎の試合続行が可能か否かを確認したが、すぐに試合続行が不可能と判断され、俺に勝利が言い渡された。
今回の相手は、二百階クラスの力量を見るためのコテ調べのつもりだったが、意外に大したことはなかった。
敢えて大した事を挙げろ、と言われてもせいぜいあの曲芸ぐらいだろう。
あれだけは今でも技のトリックがわからねえ上に、攻撃もまるで鈍器で殴られてようなものだった。
そして気になることもある。
コマ野郎は戦いの最中に《念》と言う単語を使っていた。
あの単語は、グラサン野郎も確かつぶやいていた。
《念》とは、一体なんなんだ?
……まあ、いい。
今回は久しぶりにもともに戦えた。
それだけで良しとしよう。
□ □ □ □
サダソ、リールベルトside~
「バカな! ギドがやられただと!?」
信じられないような目をしながら、手無し野郎、サダソはテレビを見ていた。
彼が驚くのも無理は無い。
なぜなら目の前(直接ではないが)で絶対に負けるはずがないと思っていたギドが、あっさりと負けってしまったのだから。
「そう喚くな。 ギドは元々、俺達よりも非力だ。 それに加え、多数の独楽にオーラにもを与えていたんだ。 自分に使うオーラが少なくなっていてもおかしくはない。」
そう解説したのはイス野郎、リールベルトだ。
しかし、彼自身もギドが負けることは予測していなかった。
始めてこの階にたどり着いたものは、必ずここに居る闘士に《洗礼》を受ける。
それは彼らも同じで、それぞれが先人の闘士と戦い、体の一部を再生不能にまでさせられた。
だが、彼らはそれと引き換えにある物を授かった。
それは常人には見ることさえ叶わないもの。
それを使うことにより、彼らは常人から超人になった。
この階にいる者は、皆そういう奴らだ。
そんな者に普通の人間が、及ぶはずなどない。
はずだった_____。
(《念》の使い手が、常人に負けるなどまずありえない。 ギドのようにオーラ切れでも起こさない限り。
だが、それを踏まえても奴は危険だ。 奴は、《念》で強化した独楽を破壊している)
ギドはまだ能力に目覚めてから一年しか経っていない。
少々難しいが、独楽を破壊できなくもない。
それでも、それぐらいの力はあると頭に入れておくべきか。
「所で、明日の試合どっちが最初だっけか?」
「ああ、確かオレだ」
「そうか。 さっきはああ言ったが、十分に気をつけろよ」
「分かった。 一瞬でケリを付けさせてもらう。 それじゃあな」
サダソはそう言い、部屋を出て行った。
「明日の試合、勝つのはサダソだろう」
リールベルトはつぶやく。
そう考えるのは、サダソの能力が《念》の使えない相手に非常に有効かつ、メンバーの中では一番の攻撃力を持っていたからである。
下手すればコウとか言うガキは死ぬかもしれない。
だが____。
(やはり油断はできない。 一応、準備をしておこう)
リールベルトも、また静かに部屋を後にした。
ツッコミたいことは分かる。
なんで独楽破壊できんだ、おんどれりゃあー!!
ということですね?
後で、分かります。
多分。
追伸 実況、審判入れんの忘れてた。