頭の中で想像した鎮守府を、初めて小説に落とし込んでみました。
艦隊これくしょんはゲームを楽しむ程度の知識ですが、
私の表現する艦これで一人でもお楽しみ頂ければ幸いです。
艦娘。
女の子の外見に「艤装」と呼ばれる装備を身に纏い、水上を華麗に航行し、世界中の海域に出没する正体不明の敵「深海棲艦」から人類を守る存在。彼女ら艦娘は、各地域に存在する鎮守府に勤務し、同じく各地域に任命される提督らがその艦娘の指揮を取る。
指揮の内容や内部における運用などは、それぞれの鎮守府で多種多様なものとなっている。艦娘たちの性格や人格を重んじる提督もいれば、彼女らを武器や兵器としか捉えずに過酷な労働を強いる者も存在する程だ。
だが、どこの鎮守府も共通して艦隊を組めるだけの艦娘の人材が存在し、日々の任務を大なり小なり実行している。
深海棲艦から海域を奪還すべく艦娘を派遣し、その艦娘を運用するための資材を確保すべく遠征を指示し、時には練度向上を目指し他の鎮守府と演習を行う。
提督であり鎮守府の任務を遂行するには、艦娘という存在は必要不可欠なものである。
しかし、所属する艦娘の存在せず、提督のみが存在する鎮守府があったらどうだろう。
深海棲艦は今や、艦娘無しでは太刀打ちできない人類の脅威とされる存在。
艦娘がいなければ深海棲艦に手も足もでない。言うなれば、「役立たず」の鎮守府となるだろう。そんな鎮守府存在するはずがない。
…しかしながら、そのような鎮守府がたった一つ、確かに存在しているのだ。
正式に艦隊として登録される艦娘のいない、提督のみが着任している鎮守府。
深海棲艦に対抗する武力を持たない鎮守府が確かに存在しているのだ。
名を
先に説明した、「艦娘を持たぬ鎮守府」ということで他の鎮守府の話題になることが多い。
だが、その話題の内容は賛否両論である。
否定する側の人間の声を聴けば、
「変わり者のすむ粗末な鎮守府」
「深海棲艦と立ち向かう意思の無い愚か者」
「海軍の足手まとい」
…など、戦う戦力を持たぬ薄暮鎮守府に対して大体同じような苦言を吐く。
だが、それを、「艦娘を持たぬ鎮守府」の提督の人柄を知る人間はみな微笑んでこう話すのだという。
「あそこは、いや、あの人はあれで良いんだ」
また、不思議なことに、薄暮鎮守府に好印象を持つ提督以上に、同じくそれ知る艦娘たちもまた、薄暮鎮守府に絶対的な信頼を寄せている。
これより語るは、「艦娘を持たぬ鎮守府」に所属する、ある一人の提督の物語。
自らの艦娘を持たずとして、一握りの提督たちや、多くの艦娘から慕われる、そんな一人の老いた提督の物語である。
私の想像したオリジナルの鎮守府です。
モデルなど無く独自のもので申し訳ありません。