―――開演の時、来たる。
※交錯特異点D・・・の始まる前、行動分岐がある。
眠れずにいた主人公が作家サーヴァントの書斎を訪れ、土産として持ち帰ってきた戯曲と合わせて上下巻が揃っていたこと。
これにより、別の交錯特異点への道が開く。
-星摘みの終わりなき夜-
『スタァライト』、それは悲劇で終わる物語。
親友の記憶を取り戻す、その為に訪れた星摘みの塔には、犯した罪業に囚われた六柱の女神達がいた。
遙か空の星へ手を伸ばした少女は彼女と永遠の別れをする事になる。
それは、舞台の上で繰り返される輪廻――
星は人の夢、星摘みは人の掴んだ結果。
分不相応な夢を掴もうとすることは、罪なのか?
「約束を抱えた少女」と「ヒトに恋した天魔の娘」による共演劇が幕を開ける。
「今日はこのクラスに転校生と体験入学生が来ます!――一人目は神楽ひかりさん、イギリスの演劇学校からの転校生よ」
「・・・よろしく、お願いします」
「もう一人は坂上珠洲香さん、この学校に興味を持って体験入学を希望してくれたのよ」
「すずかでーす、よろしくぅ!」
「華恋はさぁ、恋ってしないの?」
「こ、恋?!舞台にかかりっきりで考えもしなかったよ!」
「えー、勿体ないよ!花のJKだよ?!」
「すっごい新鮮!歌も踊りもアタシの生前よりずっと進化してるしね!――じゃ、本題いこっか」
* * * *
「舞台に舞い散る花一輪。天と地と人に恋した舞姫ここにあり!聖翔女学院99期体験入学生、坂上珠洲香!この花吹雪、見届けて!!」
「道を譲って貰うわよ、私の目的は天道真矢ただ一人!」
「そう簡単に通すと思う?」
「ひかり、華恋、明日予定空いてる?会わせたい人が居るんだ」
『??』
「何も知らないくせに、好き勝手言わないで!私の再演に貴女は――必要ない!」
「・・・・・・ダメだよ、奈々。未来と結末は誰にでも訪れる。時間を否定しちゃいけない――!!」
「命は奪わない、けど命より大切と思っているものを奪われる聖杯戦争かよ?!」
「よ、華恋」
「―――君?」
「鈴鹿の付き添いできた。行くんだろ、友達を助けに」
「―うん」
「あーもうマスターまだるっこしいし!ここは舞台少女流の応援でしょ!役者は揃った、アタシ達は観客!ならさ!」
「分かった分かった!じゃあ、俺たち二人からはこう言わせて貰うぜ―――」