出航前に全クルーが乗艦完了の点呼をとるため格納庫に集まっていた頃、いきなり未確認のスーパーロボットが勝手に入ってくる。
思わず全員が臨戦態勢を取ろうとしたものの、すぐに機体から少女が降りてくる。
「超南極とリカンツ・シーベリー。銀仮面様に身も心も貞操も捧げるため、ナデシコに協力します!」
押し掛け女房のような押し掛けパイロットが勝手に乗艦し、その態度がユリカに気に入られて採用されてしまう事になる。
誰もが呆気に取られている中、腹を抱えて笑うウリバタケ、笑いを堪える騎士ユニコーン、膝を着いて項垂れる銀仮面の姿があった。
そしていよいよ出航。
オーブ側が用意してくれたマスドライバー。
彼らを見送るオーブの代表カガリとアークエンジェルのクルー達。
野次馬の中にはペンギン帝国の姿も。
「……ユリカさん?」
「あ、ごめんねルリちゃん」
マスドライバーで上昇しナデシコの艦主角が90°に近くなった頃、突如ユリカが涙を流す。
「ちょっと、新婚旅行の事思い出しちゃって……」
「……早く捕まえに行きましょう……」
そんな会話がブリッジであった頃、銀仮面の私室に集まっていた界塚小隊。
艦が上昇中のため、三人とも座って話す。
「銀仮面。頼まれていた買い物だ」
「あ、あぁありがとう」
ポーカーフェイスの伊奈帆はいつも通りだとしても、韻子が目を背けてニヤニヤしているのが気になる。
「なんだこれは!」
日用品の至るところにハートマーク。下着類や、コップまで一々。
「ふ、ふざけているのか界塚伊奈帆……」
「まだ終わりじゃない」
暇潰しにと頼んだ本の中身が酷かった。人格強制プログラム本、SM調教本、面白い男になるための本等々。
「頭の硬い君のことだ。鞭で叩かれたりなんて経験無いだろう?」
調教本をヒラヒラさせながら言う。
「勝手に決めつけるな」
「……え」
「あ、いや……」
一瞬微妙な空気になるも伊奈帆が左目で銀仮面の事を観察し、深く追及しなかった。
「だいたい、女子とこんな本を買ってくるなんて恥ずかしくないのか」
聞いてみて、伊奈帆がこんなチョイスをするとは考えられなかった。恐らく網文や他の乗員の遊び心だろう。
「君こそ皆が居ないのを良いことに年下の女の子と仲良くなったりなんて、アセイラム姫に対する忠義はどうした?」
喧嘩になりそうでならない変なピリピリ感を二人で出していると、銀仮面は諦めて溜め息をつく。
「あぁ、もう。わかった。黙って使うよ」
「え、本を?」
「……日用品の方だ」
重力の束縛から抜けて、ナデシコは衛生軌道上に入る。
「全機緊急発進準備!」
突然ユリカが声をあげて艦内放送を大音量で流す。
宇宙怪獣と呼ばれる巨大な存在と、フェストゥムが姿を現していた。
「ナデシコはこれより最大戦速でチューリップに向かいます。全機体でそのフォローを。ただしディストーションフィールドから出ないで下さい!」
パイロット達が大慌てで発進する中、一騎と総士が足を止める。
「……フェストゥムか……」
「どうする総士」
「ここで宇宙怪獣と戦って勝ち目があるとは思えない。だがフェストゥムを放っておくわけにもいかない」
「……フェストゥムだけなら俺達で引き付けられる。ここは火星に行かず、戦闘後に島へ戻るか。」
真矢が総士と一騎の前に現れる。
「俺からミスマル艦長に掛け合う。ファフナー隊は一度離脱すると」
「あたし達が囮になればナデシコはチューリップに行きやすくなるし、やろう」
一部、pixivとは違う文面があります。
あり得ないくらいシン・アスカのデスティニーガンダムを自然にファフナー隊へ組み込みすぎて意味不明な流れになってました。
なんでデスティニーまでファフナー隊と離脱させようと考えたのか?
そもそもファフナー隊仲間になって間もないのに、離脱?
大丈夫。
それは無いから。
それと、伊奈帆とスレイン(銀仮面)は回りのおふざけで次第に仲良くなります。