スーパーロボット大戦Re   作:jupi

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序章十五話-残してきた不安

 ガンジェネシスの強大すぎる力を目の当たりにして誰もが言葉を失うも、ナデシコは眼前にチューリップを捉えた。

 

「エルエルフさんは騎士ユニコーンさんを戦略兵器扱いするつもりですか?」

 

「少なくともそれだけの利用価値はある。それに必要ならば奴はお前らを守る為に躊躇はしない」

 

「彼の意見が第一です」

 

 エルエルフと真っ向から対立するユリカ。

 

「いいだろう。だが使いどころは気を付けなければいけない。何せカードは残り三枚しか無いのだからな」

 

 ふと、エルエルフをじっとみる総士に気付く伊奈帆。

 

「どうしました?」

 

「いや俺も人のことは言えた義理ではないが、エルエルフといったか。随分と頭が固そうな奴だと思ってな。友人の類いが少なそうだと見える」

 

 わざわざエルエルフの目の前で総士はバッサリ言う。

 

「友人か……。昔は居た。今はもう居ない」

 

「………」

 

「なんだ?まだ何か」

 

「いやすまない。俺の友も以前同じような台詞を言っていたなと」

 

 総士は今は亡きカノンを思い出し、エルエルフは時縞ハルトを思い出していた。

 

「遅くなってすみません」

 

 遅れて入室してきたのはキラ・ヤマト。

 

「お疲れ様です。この度は増援や援護諸諸ありがとうございます」

 

「やっぱり准将は凄いですね~」

 

 キラは恥ずかしそうに頬をかきながら。

 

「あの、自分は既にオーブを離れているので准将じゃなくて……今は只の」

 

「国防委員会のFAITHでしたね……あの、マークジーベンの件ですが」

 

 総士がキラに近付く。

 

「聞いてます。さっき解析終らせて来たので、後は作業だけで」

 

 ものの数分で行動したあたりは流石スーパーコーディネーターと言われるだけはある。

 思わず総士だけじゃなくその場に居たユリカ、伊奈帆、エルエルフまでもが開いた口が塞がらなくなった。

 

 

 一方、食堂では指南ショーコが歳場の近い由希奈達と顔を会わせて話をしていた。

 

「本当だって。このお菓子にバルサミコ酢とラー油とココアパウダーを浸けると、とてつもなく美味しいんだから!」

 

「え、えぇ?それは……」

 

 ショーコの提案にドン引きする韻子と真矢。

 

「誰か試しに食べてみてよ!」

 

 出会って間もないのに何てものを勧めるのだろうかと呆れながら離れて見ているソフィーが、茂澄でも呼ぼうかと考えていると食堂前をシンと一騎が流木野サキと連坊小路アキラを案内しながら歩いて来た。

 

「あ、ちょっと指南さんこんなとこいた!」

 

「ショーコちゃん一人で行かないで」

 

「いやぁごめんごめん。早く皆と仲良くなりたかったし、初めてのワープで緊張してて」

 

 話していると艦内が僅かに暗くなり、外窓から見える風景がきらびやかになる。

 

「わぁ!これがワープ空間!すっご~い」

 

 忙しなく歩き回るショーコに、先程の特製菓子を手にソフィーが近寄る。

 

「折角殿方が来られてるのですし、召し上がって頂いていかれてはと」

 

「あ、いいねぇ!ねえねえ、一騎くんとシンくん」

 

 二人がきょとんとしている隙に、由希奈とソフィーと真矢と韻子がこっそり退室する。

 

「お菓子だよ。口開けて」

 

「んぐっ……」

 

「……あ、あんたって人は……」

 

 ものの数秒でのエースが膝をつく形になる。

 

 

 話は作戦室に戻る。

 

「実は着艦して直ぐに連坊小路アキラさんに頼んでチューリップのハッキングをお願いしたのですが」

 

 キラはいくつものデータをモニターに出す。

 

「こんなあからさまな事があり得るのですか?」

 

 何のデータかを見てわからないメンバーは作戦室に居ない。

 

「無人の大形要塞に積まれた戦略級のエネルギー源が二つ。それが複数地球に向かっていた」

 

「このデータは数ヶ月前のもの。恐らくエネルギー源はアルドノアと枢石……導き出される結論は……」

 

「既に地球圏はエフィドルグの勢力が横行している状況下にあり、これだけの大事が公開されていなかった以上、情報を管理している筈の連邦にも疑惑の目を向けるべき……僕の左目もそう言っている……」

 

 伊奈帆は目を押さえながら、地球に残してきたアセイラムの身を按じた。

 

 無情にもワープは進行し、ナデシコは火星付近に到着することになる。

 




序章完結です。

次回から火星編に入ります。


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