動かせる機体は物資を運びながら、乗組員は基地にあった車両を使って外に出た。
「何……あれ?」
「万丈から話は聞いていたが……凄まじいな……」
未だ修復されていないマナタを抱えたクロムクロが地上に上がる。ムエッタはクロウに乗ることに。
部隊全員の眼前に現れたのは、先の戦闘で出会した宇宙怪獣よりも巨体な人型兵器。見上げるユリカと万丈。
「噂くらいは聞いたことはあるだろう艦長?」
「そりゃあ……宇宙軍にいれば。でも実物は始めてです」
200メートル級対宇宙怪獣用戦略決戦兵器、通称ガンバスターが数千体ものヘッドレスを数秒で全滅させて仁王立ちしていた。
ナデシコクルーや起動部隊の面々はトップ部隊に回収され、小型艇で手際よく衛星軌道上の超大型戦艦エルトリウムに乗艦する。
「ようこそ諸君。このエルトリウムの艦長であるタシロだ。」
「この度は救援感謝します。ミスマル・ユリカです」
一部士官が艦長についていく一方で騎士ユニコーンと銀仮面は戸惑っていた。
「なんだか場違いなところに来てしまったな」
「この艦、スペースコロニー並みのサイズですね……幾つの街が入るのだろう」
二人を見ていた剣之介と由希奈。
「あれは……ゆるキャラというやつか?」
「違うし、ゆるくないし……」
いきなり由希奈の肩を掴むムエッタ。
「な、なに?」
「由希奈。美味しいものが食べたいのだが」
ムエッタの瞳がキラキラしている。
「俺からも頼む」
剣之介は手を握ってきて懇願する。
「わ、わかったわよぅ」
その僅か数分後。
「人集まりすぎだから!」
由希奈の作る料理が食べられると聞いて撃沈されたナデシコの殆どのクルーと、ガンバスターのパイロット二名が参加した。
タカヤノリコとアマノカズミがトップ部隊の服のまま現れたので、剣之介が動揺を見せたものの、由希奈に引っ張られ。
「あんたも手伝いなさい。ホウメイさんもいるし、カレーなら出来るでしょ?」
「カレーか。久々だな……ここ暫くは拉麺ばかり作っていたからな」
ルリやナデシコのブリッジメンバーが剣之介の方に来て。
「拉麺ってまさか」
「うむ。テンカワから作り方を聞いてな。奴は歌い手殿の力で味覚を取り戻したのだが、調理場に立つ覚悟が未だ無いらしい」
「なによそれ?」
剣之介はじゃが芋と小さな刃物をミナトやルリに手渡しながら。
「一度捨てた夢を再び掴もうともがいておるのだ。他人が口出し出来るものでは無い」
その後、由希奈の声掛けにより手伝いも増えてカレーが手早く完成する。
興奮を抑えきれない剣之介とムエッタ。
「由希奈の料理をどれ程待ち望んだか……」
「流石は俺の嫁だ!でかした由希奈!」
「まだ嫁じゃないし!」
二人のイチャイチャ?を見て周囲が賑やかになる。
「結局、彼は来なかったわね」
「そうですね御姉様……」
ノリコとカズミは何故か騎士ユニコーンを見て、複雑な面持でいた。
一方エルトリウムはチューリップに入らないサイズのため、単独ワープで地球を目指す事になる。
「我々に協力し続けてくれると?」
「うむ。トップ部隊、というより銀河連邦宇宙軍の総意であり、万丈くんとも話し合った結果でな」
ユリカは僅かに首をかしげる。
確かにエフィドルグやフェストゥム、宇宙怪獣等の脅威が多いのは理解できるが。
「何か裏がありますよね?」
ハッキリとしたユリカの物言いに、笑ってしまうタシロ提督。
「我々は最も敵にしてはいけない人物を取り逃がしていてな。その男を説得して味方にしない限り世界に未来は無いとも言えるのだ。そして彼に近付く事と君達と行動を共にするのは敵対組織の討伐や目的の一致があるからだ」
思わず唾を飲むユリカ。
一個人、つまりその人間は宇宙怪獣云々よりも圧倒的に脅威と呼べる相手であり、危険な存在であると察する。
隣にいた万丈が補足し、教える。
「‘烈’の八卦ロボ、グレートゼオライマーの担い手……木原マサキという人物さ」
熱気バサラは相変わらず放浪の旅をしています。
ついに出てきた‘烈’の八卦ロボ、グレートゼオライマーの話題。スパロボをゲームで楽しんだ人は、この存在の大きさがわかるはず。
前回ナデシコが火星で撃沈されて、彼らは、エルトリウムというチート戦艦に乗り込み、身柄を保護してもらいました。
アキトの情報と、剣之介の合流など目的を果たして火星を離れることに。