「座れる場所あるかね~」
アッシュはブレイドと一緒に混雑する食堂で空席を探していた。
時間がまずかったのか、なかなか空席が見つからない。
「お。ここ空いてるじゃーん」
どうやらブレイドが空いてる席を見つけたようだがそこには既に先客がいた。
「よーアーネスト」
片手を挙げてアッシュはアーネストに挨拶するが、人を殺せる出力の睨みをくらった。それから彼女は物言うことなく皿と口との間をフォークで往復していた。
いつも会ったら睨まれるな、とアッシュが思っていると。
「あっ!おーい!」
ブレイドが離れた場所にいる生徒に声をかけていた。おそらく、彼らが以前ブレイドが言っていた四人の友達、クレア、イェシカ、クレイド、カシムなのだろう。ブレイドが手を振りながらこっち空いてるぞー、とアピールしているが、首をぷるぷる横にふって返される。『ノー』ということだろう。現に四人とも全然こっちによってこないのである。
そこでアッシュは良く知る顔を見つけた。
「おーい!フロウ!こっち来いよ!」
近くにいた少女にアッシュは声をかけた。
「あら、兄さん」
そう、アッシュの妹のフロウである。
「一緒に食わねぇか?」
「私もそうしたいのですが、今日は友人と昼食を食べることになっているので…」
「あぁそうか…」
心底残念そうである。
「また今度一緒に食べましょう?」
「あぁ!そうしよう!!」
フロウがそう言うと途端に元気になった。
「では」
「おう!」
フロウと別れてからブレイド、アーネストと一緒に昼食をとっていると、突然ブレイドが聞いてきた。
「なーなー、何で皆ここ空いてるのに誰も来ないんだ?」
そう。このテーブルだけ人が居ないのである。
「あーそれはな「私が皆に怖がられているのよ」…だそうだ」
「え?怖がられてんの?おまえ?」
アーネストがようやく会話に応じてくれたのが嬉しいのかブレイドは顔を輝かせて席をひとつ横に移動して彼女の真正面に座った。
「このテーブルは私の専用のようなものね」
「何で?」
「アーネストは周りの人に厳しいから、皆怖がって近寄れないんだよ」
「…あなた、本人がいる前でよくそんなこと言えるわね」
「だって事実だしな~」
そう言って紅茶を啜るアッシュ。
それを見てアーネストはため息をひとつついて、ブレイドに向き直った。
「あれ。……取り消すから」
「え?何か言ったか?」
「だから―!」
一瞬語尾を荒げたアーネストだが、すぐに声を抑えてもう一度言い直した。
「だから……。あれ。取り消すって言ったのよ。」
「あれってなんだ?」
「だから―!」
同じことを繰り返していることに気付いたのか、アーネストは顔を赤らめながら、言い直した。
「あなたを……、裏口入学って―!そういったことよ!」
抑え気味にしていても、つい声が高くなっていた。
「……言ったけ?」
ブレイドは首を傾げていた。どうやら記憶に無いらしい。
「なんですって!?なに!なんなの!あなた!私がこんなに気にしてたのに!覚えてもいないですって!?」
今度は全く抑えずに、声を荒げた。
「さーて、そろそろ行くかな…」
そう呟いて、アッシュはその場を後にした。
アッシュは喧騒止まない食堂を出たあと、一人学長室に訪れた。
「おーす、来たぞー」
学長室のドアを開けると…。
「良くきたな!アッシュ!!」
そう叫んで飛んでくる中年一人。
「うるせぇ」
ゴッ!!
そんな音がなるほどの力で飛んできた中年を殴り飛ばした。
「ぐお!?」
執務机に飛ばされる。
「何をするのだ!!愛する父の包容を受けぬとは!?」
(うるせー)
この男の名はギルガメッシュ・ソウルメーカー。この国の国王でアッシュとフロウの義理の父親である。
昔、妹フロウと共に戦場に迷いこんだ際に拾われ、それから養子として育ててくれた恩人であるのだが…。
国王は重度の親バカなのである。これがとてつもなくウザイ。まぁそれも含めてもここまで育ててくれた父である。
「悪かったよ。それで?用件は?」
「うむ。こんどの実技で実戦形式の訓練をやる予定なのだが、アッシュ君も出なさい」
「あ?何で?」
「君とフロウの積み重ねた功夫(クンフー)を見たいと思ってね」
「はー…。どーせブレイド絡みだろ?」
「それもあるが、私は君たちの活躍が見たいというのが本音だ」
「ヘイヘイ…。わかったやれば良いんだろ?」
「うむ。楽しみにしてるぞ」
「へいよー」
そう言って学長室を後にした。
あれ?おかしいな主人公なのに途中空気だったな…………。
次は戦闘入れます。妹フロウの絡みも入れます。