ソードアート・オンライン ──月夜の黒猫──   作:夕凪楓

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投稿が空きまして、お待たせです。

物語的には寄り道なので、若干の手抜き感……。






Ep.94 幸せのひと時

 

 

 

 

 《ヒドゥンバイソンの肉》

 

 

 この《浮遊城アインクラッド》でも滅多にお目にかかれるものじゃないレアな食材、所謂《S級食材》である。

 ストレアがアキトにご馳走様しようと持って来た巨大な肉は、現在女性陣の手によって数多の料理に作り替えられている。

 リズベットは青椒肉絲(チンジャオロースー)、シリカは肉じゃが、シノンはローストビーフ。

 どれも肉の味を引き出していて、とても美味だとアキトは既に幾分か満足していた。平均よりも少食なアキトだが、どれも美味しくて何度も箸を伸ばしており、既に自身の料理を作り終えたリズベットとシリカ、シノンは盛り付けようのお皿を運びつつ微笑ましく笑った。

 審査員として料理を頬張っていたアキトだが、既に審査用として添えられた分の料理は食べ切っており、クラインとエギル──特にクラインの視線から逃げつつ、現在は次の料理を待っている状態だった。

 

 

 「どれも見てるだけなんて耐えらんねーよ!」

 

 「あと四人か……まだまだだな」

 

 「ちくしょー!おいアキト、羨まし過ぎんだろ!」

 

 「ご、ごめんね……」

 

 

 エギルとクラインの会話に巻き込まれ、思わず謝るアキト。しかし、SAOの料理はすぐに出来るので、問題なのはアキトの食べる速度である。

 クラインの早くしろとの最速に、アキトは堪らず溜め息を吐いた。

 

 

 「しかし、肉ってだけで色んな料理が出て来たな」

 

 「料理スキルを持ってない奴もいるってのに、どれも揃って美味そうでいけねぇ、俺もう我慢出来ねぇよ……」

 

 

 エギルが厨房を眺めながらそう呟く。クラインは料理を眺めて目を細めていた。

 そんなエギルとクラインから視線を外し、アキトは再びテーブル上の料理の数々を見つめた。

 どれもS級の肉というのを抜きにして良い味を出していた。アスナの監修の元、当然と言えば当然なのだろうが、料理が上手だと、偏見ではあるのかもしれないが女の子らしさを感じた。

 

 

 「アキト君……」

 

 

 すると、漸く次の足音が厨房から飛び出す。クライン共々振り返ると、そこにはいつもの元気な雰囲気が消えた、リーファの落ち込んだ姿だった。

 トレイに乗せられたのは大きめの丼だった。湯気が白く飛んでいるが、その中でもリーファの落ちこむ表情は目に見えて分かりやすかった。

 

 

 「え、ど、どうしたの……?」

 

 「う……それが、アスナさんに手伝って貰って、途中までは上手くいってたんだけど……盛り付けたら、なんか美味しそうじゃなくなっちゃって。はい……これ……」

 

 

 弱々しい声で置かれたトレイの上には、何やらぐちゃっとしたものが丼の上に盛ってあり、一見すると何なのか分からないものだった。

 先程まで目を爛々としていたクラインも、思わず我に返り困惑しながらもまじまじとリーファの作った料理を見ていた。

 エギルや他のメンバーさえもが訝しげな目でそれを見ていて、必死にそれが何なのかを考えていた。

 

 

 

 

 しかし────

 

 

 

 

 「これ……牛丼?」

 

 

 当のアキトはその限りでなく、目の前の料理を見てすぐさまリーファにそう尋ねた。周りもそれを聞いて今一度料理を見る。するとどうだろう、言われて見て初めてそれが牛丼だと認識出来た。

 作ったリーファですら驚いており、目を丸くしてアキトを見る。

 

 

 「っ……そ、そう。なんで、分かったの?」

 

 「いや、なんでと言われると分かんないけど……」

 

 

 リーファの質問に対する答えが見付からない。しかし何故か、それがすぐに牛丼だと分かった。

 彼女の料理を見たのなんて、一度や二度しかない。その時の料理がおでんみたいなポテフ、というちょっと見た目で判断するには難しいものだったのは覚えているのだが、それならば尚更目の前のものが牛丼だと一発で判断するのは難しいだろう。

 アキトはその問いに答えられる程のものを用意しておらず、しかしそのままその手に箸を持った。

 

 

 「食べても良い?」

 

 「……大丈夫?」

 

 「え……何が?」

 

 「だって、美味しそうじゃないし……」

 

 

 困惑した表情でこちらを伺うリーファ。見た目の所為で美味しいイメージが湧かないのだろう。最初は美味しいものを作ろうとみんなで料理を楽しんでいるようだったのに、今では自分の作ったものに自信をすっかり失くしており、かなり落ち込んでいるようだ。

 いつも元気なイメージがあったリーファのそんな表情は、アキトとしても見たくないものだった。

 

 

 「味はアスナのお墨付きなんでしょ?なら大丈夫だよ」

 

 「でも……」

 

 

 アスナが完全監修している。それは分かっているリーファだったが、どうせなら良い見た目のものを食べさせてあげたかったのだ。

 これは、キリトに料理を振る舞えなかったリーファの精一杯のリベンジで、美味しいものを是非、自身の兄の面影を持ち、かつ兄の親友であるアキトに食べて欲しかったのだ。

 俯くリーファのそんな感情が、周りを伝染する。彼女がどうして料理を頑張っていたのか、その理由をなんとなく垣間見たからだ。

 

 

 

 

 ────だが、そうして周りの空気が沈みかけた時だった。

 

 

 

 

 「『────それに、折角スグが作ってくれたものなんだし』」

 

 

 

 

 「っ……!?」

 

 「え……?」

 

 「なっ……!?」

 

 

 突如、アキトの声が誰かと重なった。その場にいたメンバー全員の視線が、一気にアキトへと集中する。

 リズベット、シリカ、クライン、エギル、そしてリーファ。各々が瞳を揺らし、驚愕を隠せずにただその少年を見つめた。

 

 

 今の声、そして、リーファの呼び方。

 それは確かに────

 

 

 「お、兄ちゃん……?」

 

 

 リーファがポツリと、震える声でそう呼ぶ。誰もが、次に彼が発するであろう言葉を待ち受けた。

 

 

 ────しかし、アキトはキョトンとした表情でリーファを見て、首を傾げた。

 まるで、何事も無かったかのように。

 

 

 「ん?どうしたの、リーファ?」

 

 「っ……ぇ、ぁ……」

 

 

 そこには、いつもと変わらないアキトの姿があった。リーファは、思わず言葉に詰まる。

 今まさに、目の前に自身の会いたかった兄、キリトその人が現れた気がした。けれど呼んでみれば、変わらず自分の良く知るアキトがいて。

 

 

 「ね、ねぇ……今の」

 

 「ああ……」

 

 

 しかし、その場にいたリズベット達も動揺を隠せずに心を揺らがせる。今のは、間違いなくキリトだったのでは、と。

 アキトの中にキリトがいる。まるで嘘みたいな話だったそれは、段々と現実味を帯び始めていた。キリトを良く知る人達は、ただそれに驚きを隠せない。

 

 当のアキトはまるで何食わぬ顔をしていて、まるで今のが気の所為だったのではと思わせられる。

 彼は変わらず牛丼を見つめて、やがて両手を合わせた。

 

 

 「じゃあ、いただきます」

 

 「あっ……」

 

 

 沈黙を破り、アキトは牛丼にありつく。肉を熱々のご飯と合わせて頬張り、もぐもぐと口を動かす。

 リーファは途端小さく声を漏らし、アキトのその姿に兄を重ねて、僅かに頬が染まる。

 そんな兄に似た彼の口から出た言葉は、称賛のものだった。

 

 

 「うんっ、美味しい!」

 

 「ほ、ほんと!?」

 

 「タレが肉に合ってるし、ご飯と合わせるとやっぱり美味しいね。牛丼も久しぶりだな」

 

 

 何よりかき込んで食べるのが美味しい。アキト自体牛丼は好きなのだが、チェーン店に行くような事は少なかった。家庭的かと言われれば微妙だし、食べる機会は多くなかったのだ。

 SAOに閉じ込められてからはそもそも美味しいものにありつける事も少ない。だからこそ極めた料理スキルだったのだが、あまり使う事も無かった。

 今目の前に牛丼があるだけで、何処か現実への憧れを思い出した気がした。

 

 

 「……ねぇ、アキト君」

 

 「何?」

 

 「あ、いや……ううん、何でもない……」

 

 

 リーファは、アキトを見て口を開きかけたが、すぐに力無く口を閉じた。周りにいたリズベット達も、まるで幻のように一瞬だけその影を見せたキリトの姿に対して、特に何も言わなかった。いや、言えなかったという方が正しいかもしれない。気の所為だった可能性もある。何より、この場で料理を楽しむアキトに気を遣っていた。

 

 

 「……ホントに何でもないの?」

 

 「うん。普通に食べれるみたいで良かったなぁって思っただけ」

 

 「そっか、ありがとね」

 

 「えへへ」

 

 

 リーファは照れたように笑う。

 妖精のような綺麗で可愛らしいその仕草に、アキトは彼女らしさを感じた。

 この牛丼も、見た目こそ優れているとは言えないがとても美味で、少し不器用ながら優しさを持つリーファを体現しているみたいだった。

 

 

 

 

 「そっかそっか〜。見た目が変でも、味が美味しいなら合格だよね」

 

 

 

 

 そんな声と同時に厨房から飛び出たのはストレアだった。一同我に返って振り返る。

 シノンが受け皿を持って彼女の後に続いているのたが、何やら複雑な表情をしていた。アキトはそれを不思議に思いつつ、ストレアが持って来た料理に視線を動かす。

 

 

 

 

 ────しかし。

 

 

 

 

 「ストレアは何を……作って……くれた……!?」

 

 

 

 

 ストレアが持って来たものを見て、身体が固まる。その場にいた誰もが息を呑む音が聞こえる。S級食材を羨ましそうに見ていたギャラリーでさえも、ストレアが手にした『何か』を見て思わず後退りしていた。

 

 

 「なんか……あたしよりも凄い見た目……」

 

 

 誰も言わなかった事を、リーファが口走る。

 みんなして、テーブルに置かれたその料理なのか何なのか分からないものに視線を集める。

 ボウルにステーキ程に切られた肉が何枚も詰め込まれ、血に近い色の液体に浸かっている。その肉の周り、ボウルの縁には紫色のものや青色のもの、緑色のものと、色んな意味であまりお目にかかれない葉物野菜的な何かが敷き詰められている。

 

 もはや何をイメージして作ったのかすら分からず、一同背筋が凍った。

 

 

 「……す、ストレア様。あの、料理名は……?」

 

 「えっとね……分かんない!食べて食べてー!」

 

 「分かんないって、アンタ……そもそも料理……食べ物なの……?」

 

 

 震え声で呟くリズベット。その疑問は誰もが考えているものだった。

 だがアキトだけは、ストレアを悲しませまいと、自身の持つ常識全てを捨て去り、必死に自身の記憶とストレアの言動から目の前の料理に関する記憶を呼び起こす。

 

 

(分かんない……ワカンナイ?“和寒菜炒(ワカンナイ)”?そんな料理あったかな……?)

 

 

 半ば現実逃避気味の思考。これは本当に食べてもらう事を目的としたものかのかとまじまじ見てしまう。しかし、湯気も立っているし、熱々なのだろう。冷めるうちに食べ────訂正。湯気ではなく瘴気だった。それも赤紫色の。

 未知の恐怖に困惑し、その瞳を揺らしていると、ストレアがアキトのすぐ隣りに腰掛け、アキトの箸を奪った。そして、自身の料理をそれで掴み、アキトの口元へと運んだ。

 

 

 「ちょっと見た目は悪いけど、味は大丈夫!はいアキト、あーん!」

 

 「へ、いや、あの……むぐっ……」

 

 

 アキトが何かを言う前に、ストレアの料理が無理矢理口を割って侵入した。そのままどんどん口内に入っていき、ストレアの差し出した肉がまるまるアキトの口に収まっていった。

 

 

 「あ、アキト君……?」

 

 

 リーファが恐る恐るアキトの様子を伺う。リズベット達も、沈黙を保ちながら神妙な顔持ちでアキトを見やった。一体、どんな味がするのだろうか────?

 

 そうしてアキトがストレアの料理を噛み締め、飲み込んだところで、漸くアキトが口を開いた。

 

 

 「……美味しい」

 

 「やった!でしょでしょ?」

 

 

 ストレアが嬉しそうに両手で小さくガッツポーズを作る。周りもアキトの反応に驚いたのか目を丸くしていた。

 まさか、その見た目で美味しいだなんて。リズベットが慌ててアキトに近寄った。

 

 

 「ちょ、ちょっとアキト、ホントに?」

 

 「うん、本当に美味しい……!見た目に反して兎に角美味しいんだ。びっくりだよ……けどもっと食べたいのに、その見た目の所為で箸が伸びないこのジレンマ、なんだこれ、凄いな……!」

 

 

 アキトの反応が一々大きくて、周りも唖然としていた。

 何ていう食べ物なのだろう。食文化に一石を投じる、まさに一種の革命だった。

 

 

 「凄い褒められてる!」

 

 「褒めてるのかな……それ……」

 

 

 アキトの反応にストレアは大満足だったが、他のメンバーは未だ信じられない様子だった。

 しかし、後にリズベット達は思い知る。ストレアの作ったこの料理の凄まじい美味しさに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はい、アキト君。お待たせ」

 

 

 暫くして、アスナが厨房からやって来た。既に料理を作り終えたシリカ、リズベット、リーファ、シノン、ストレアと、クラインとエギルは席に付いており、後はアキトの全料理の審査を待つのみとなっていた。

 アキトとしてはどれも甲乙付け難い程に美味しかった為、競争なんてしなくても良いんじゃないだろうかと思っているのだが、そうすると空気が冷めてしまうのではないかという不安から何も言えずにいる。

 そんな中、アスナが持って来た料理はこれまたレベルの高いものだった。

 

 

 「コトレッタ……ミラノ風カツレツだよ。付け合せのサラダとトマトソースを作ってたら遅くなっちゃったけど」

 

 「これはまた……すげえな」

 

 

 クラインの言葉を耳に、流れるように料理を見る。そうしてアキトの目の前に置かれた審査用の小さな小皿に乗せられた料理に、思わずその目が眩んだ。

 黄金色のカツレツに緑のサラダ、赤いトマトソースと目にも鮮やかで、第一印象から既に美味しいのが伝わった。箸でカツレツを掴めば、衣がカリッとしているであろう事が簡単に想像出来る。

 アキトはトマトソースがついたカツを口元へ持っていき、その口を開く。

 

 

 「……えと、じゃあ、いただきます」

 

 「う、うん……どうぞ」

 

 

 ────しかし、アスナのその声音を聞いてアキトはカツレツからアスナへと視線を移動した。

 

 いきなり視線を向けられた事でアスナはギョッとしているようだったが、胸に片手を当てており、まるで心臓の音を確かめるような仕草を取っていた。

 まるでアスナらしくない。アキトはそんな彼女を不思議そうに見上げる。

 見た感じ、頬も僅かだが赤く見えて────

 

 

 「……どうしたの」

 

 「え、え……?な、何……?」

 

 「いや、不安そうに見えたから。料理スキル完全習得してるんだし、味は間違いないと思うけど……」

 

 「っ……べ、別に緊張なんてしてないわよっ。ほら、早く」

 

 「あ、うん……」

 

 

 アスナに捲し立てられ、流されるようにカツレツを口に入れる。

 いや明らかに緊張してない?とアキトは脳内でのみそう呟いた。心配しなくとも不味いなんて事は無いだろうし、味見だってしたはずだ。余程の事が無ければ美味しくないはずがない。

 すると、すぐさま肉汁が溢れてアキトの目が見開く。やはり想像通り衣はカリッとした食感で仕上がっており、さっぱりとした付け合わせのサラダの爽やかさも加わって肉の味が引き立てられている。

 控えめに言って────

 

 

 「凄く、美味しいよ。こう……色々表現したいんだけど、言葉が出て来ないくらいには」

 

 「そ、そうかな」

 

 「このトマトソースも濃過ぎない感じで丁度良いし、俺は好きだな。サラダの味付けもあっさりしてて美味しい」

 

 「ほ、褒め過ぎだよ、アキト君。ふふっ、ありがと」

 

 

 アスナは謙虚な姿勢を保とうとしてはいるようだが、アキトの称賛の言葉に満更でも無さそうで、顔を赤くして頬を緩めていた。

 そんな彼女の表情に、リズベット達は呆然として見つめていた。彼女のその表情は、まるでキリトに見せる時のそれとよく似ていて、以前の彼女とはまるで違って見えたから。

 

 

 

 

 「最後は……ユイちゃんか」

 

 

 殆どの料理を審査し、漸く最後の一人となった。

 ユイが最後の最後まで出て来ない事に、アキトも少なからず不思議に思っていたのだ。かなり長い事厨房から出て来てないので、もしかしたら失敗したか、それともそんなに時間がかかる料理なのかと心配さえしていた。

 周りも似たような事を考えていたのだが、するとアスナがクスリと笑った。

 

 

 「ユイちゃんは大トリなんだ。最後に食べた方が、アキト君も印象に残りやすいでしょ?」

 

 「なるほど……ユイちゃんやるわね」

 

 

 リズベットは納得したように笑っては、アキトを見てニヤニヤし始める。アキトは訳が分からず首を傾げていたが、その他のメンバーは理解していた。

 要は、最後の最後にアキトに食べて欲しいというユイの考えなのだろう。最初に食べたもの程印象は薄くなるし、食べた料理の味が上書きされてしまうし、後に料理が続いていれば、アキトは急いで料理を食べなければならない。ゆっくり味わって食べてもらい、かつ印象を強く残させるには最後、アキトに自身の料理を食べてもらうのが一番なのだ。

 ユイ自身そこまで深く考えていた訳ではなく、最後に食べて欲しい、それだけだった。

 だが結果として、その印象を強くするのは間違いないだろう。

 

 アスナがユイを迎えに言っている間、アキトはテーブルに並んでいた料理の数々を見ていた。どれも美味しかったし、やはり一番というのは選べない。みんなが一生懸命作ったものに順位を付けるのは、やはり何かが違う気がしたから。

 

 

 

 

 「アキトさん!」

 

 

 「っ……ユイちゃん」

 

 

 

 そうしていると、背後からの元気な声がして、ゆっくりとその首を回す。

 

 そこには、トレイに小皿を乗せて笑う、ユイの姿があった。

 

 緊張してるのかユイの足取りが覚束無い。顔も少なからず強張っており、これから自分の料理がどう評価されるのか、その恐怖と期待が見て取れた。

 

 

 

 

 ────そして、アキトの目の前に置かれたその料理を見て、アキトはその目を見開いた。

 

 

 

 

 「ハンバーグです!食べてみて下さいっ!」

 

 

 

 

 ハンバーグ。肉料理の“定番”で、ユイが作った料理。普通のものより一回りも二回りもサイズの小さいハンバーグが、数個綺麗に乗せられていた。

 最後の最後で登場した事で、思わず目を見張る。そういえばこれだけ料理があったのにハンバーグは出てなかったな、と気付く。

 そんな隣りで、ユイが心配そうにアキトを見つめる。そんな彼女に笑いかけ、目の前の小さなハンバーグを箸で摘んだ。

 

 

 「一口サイズで可愛いね。食べやすくて丁度良いや」

 

 「それは、手がちっちゃくて……でも数はいっぱいありますよ!」

 

 「じゃあ、いただくね」

 

 「は、はいっ!」

 

 

 ユイが両手を胸の前でギュッと抑える。まるで何かを懇願するようだ。とても愛くるしくて、アキトは思わず笑ってしまう。

 周りに見守られる中、アキトは小さなユイの手のひらサイズのハンバーグを頬張り、噛み締める。その度に肉汁が溢れ、アキトは目を丸くした。

 

 

 「……うんっ、美味しいよユイちゃん。文句無しだよ」

 

 

 アキトのその一言で、ユイはその頬を綻ばせ、ぱあっと顔を明るくする。赤らめた頬のまま、嬉しそうに笑った。

 

 

 「本当ですか!良かったです!ママにも沢山手伝って貰って……」

 

 「アスナは料理が上手だし、ユイちゃんもきっと上手になるよ」

 

 「……またお料理作ったら、食べてくれますか?」

 

 「勿論、また頂くよ」

 

 

 えへへ、と照れたように笑うユイの頭を撫でる。

 嬉しそうに目を細める彼女に、アキトもつられて笑みを零した。

 

 

 「良かったね、ユイちゃん」

 

 「はい!」

 

 

 アスナがユイと同じ目線まで身を屈め、顔を見合わせて笑う。

 やがて、さて、と呟いて立ち上がり、厨房へと視線を向けた。

 

 

 「それじゃあ、みんなで食べましょうか。残りの食器を持ってくるわね」

 

 「あ、アタシも手伝います!」

 

 「大丈夫、あと少しだから。シリカちゃんも座ってて」

 

 

 シリカにそう促してアスナは厨房へと向かう。その背中をアキトが見つめていると、ハンバーグの審査からずっと隣りに立っていたユイがソワソワしている事に視線が向かう。

 

 

 「……ユイちゃん?」

 

 

 気になって、声をかける。それに周りも反応し、ユイに視線が集中し始めた。

 ユイは何か言いたそうに下を向いていたが、やがて顔を上げるとアキトを真っ直ぐに見た。

 

 

 「……アキトさんは、明日《ホロウ・エリア》に行かれるんですよね」

 

 「……うん」

 

 

 予想外の話に、アキトの表情が曇る。

 周りもこれから真剣な話をするのかと眉を顰め、S級食材を眺めていた他のギャラリーも、何やらただならぬ雰囲気にチラチラと視線を送っていた。

 

 

 「ママと、ですか……?」

 

 「え……?」

 

 

 しかし、ユイから紡がれた言葉にアキトは口をポカンと開ける。だが、すぐにその質問の意図に気付き、表情を変える。

 恐らく、一人で行くのかどうかが気になったのだろう。アキトは仲間を大切に思うが故にソロが多い。しかし、今回の事件は幾ら危険だとしても一人ではリスクが大き過ぎる。

 《ホロウ・エリア》の特性から連れて行けるプレイヤーも限られており、その中で最も優秀なのは、アスナだったからだ。

 ユイはアキトに、一人で行く事をやめて欲しいと、頼って欲しいと、そう言っているのかもしれない。

 アキトは小さく笑うと、彼女のその問い掛けに頷く事で肯定した。

 

 

 「……そうだね。時間も少ないし、アスナに頼る事になると思う。迷惑かけるかもしれないけど、彼女がいると心強いしね」

 

 

 アキトは厨房でお皿を重ねているアスナを見る。嬉しそうなその表情を可愛らしく思いながら想いを馳せた。

 キリトがいなくなってから、何度も後悔を繰り返し、悩み、苦しんだ少女。自分の我儘の結果、生きる道を選択した彼女。そんな彼女が、頼って欲しいと言ってくれた。

 それがどうにも嬉しくて。でも、頼り方を知らなくて。

 シノンやクラインにも、仲間の在り方を教えて貰った。仲間は守るだけじゃない。頼り、頼られる存在なのだと。

 

 

 だから────

 

 

 

 

 「……羨ましいです」

 

 「……え?」

 

 

 ポツリと、小さな声でユイがそう呟いた。

 それはアキトにしっかりと聞こえていて、しかし思わず聞き返してしまった。ユイも、自分の言った事に気付いて一瞬慌てたが、やがて小さく息を吐くと、苦笑しながら口を開いた。

 

 

 「あ……い、いえ……私はその、こうしてママのお料理のお手伝いとか、ちょっとした情報提供とか、そういった事でしかアキトさんのお役には立てませんから……」

 

 「ユイちゃん……」

 

 

 ユイは誤魔化すように笑う。

 彼女は今までずっと、そして今でも変わらず、アキトの役に立ちたいと思っている。攻略において何も出来ない自分を、彼女だけが変わらず悔やんでいたのだ。

 ユイはきゅっとスカートの裾を掴んで俯いていたが、やがてまた顔を上げ、こちらの様子を伺うようにして切り出した。

 

 

 「で、ですがその、せめて……私がお手伝いをする事で、明日ママが頑張れるなら……それは、アキトさんのお手伝いを私もした、という事に……なり、ませんか……?」

 

 

 ────その一言を聞いた者全てが、固まった。

 

 

 彼女のその何処までも健気な姿勢に、男性一同は崩れ落ちた。

 この天使のような可愛らしい容姿を持つユイが、たった一人の少年の目の前で顔を赤くしてそう告げているのだ、尊過ぎて死ねた。

 もはやアキトに対する嫉妬すら浮かばず、ユイのその考え方に垣間見得る優しさと尊さに、それを聞いていたこの店の男性プレイヤー一同は召されていた。

 かく言うアキトも、そんな健気なユイの姿勢と言葉に苦笑しつつも、目を見開いていた。

 

 

(ど、何処まで出来た娘なんだ、この子は……キリトには勿体無いよ……)

 

 

『な、なんでだよっ、そんな事無いだろっ!』

 

 

 親友の声が聞こえた気がするが、無視しつつユイを見る。

 それを聞いていたリズ達も手を口元に抑えて感動していた。クラインやエギルはマジマジとアキトを見上げては目を細めている。

 困惑していたアキトだったが、ユイのその言葉を聞いた後、やがて軽く口元を緩ませて、ユイの自然に合わせて告げた。

 

 

 「ユイちゃん。料理も情報も、生きる上で必要な事だよ。ぶっちゃけて言えば攻略なんて危ないだけで、ゲームクリアの為にはやらなきゃいけない事だけど、生きる上で必要かって言われたら、特になくても生活に支障が出るわけじゃないし。けど食事や知識は当然必要でしょ?」

 

 「そう、でしょうか……」

 

 「そうだよ。それに、《ホロウ・エリア》の謎はユイちゃんがいてくれたから分かったんだし。フィリアが助かったのも、今こうして俺がここにいるのも、ユイちゃんのおかげだよ。君がいてくれたから、ここまで頑張れたんだ。いつもありがとね」

 

 

 実際、本当にユイには感謝しかなかった。

 フィリアが悩んでいた理由や、ゲームの事細かなシステムやバグ、スキルやアイテムの説明など、彼女がいてくれた恩恵は大きい。

 何より、彼女がここで自分達の帰りを待ってくれている。それがアキトにとって、とても大切な事だったのだ。

 そんなユイに感謝こそすれ、役立たずだなんて思えるはずがない。彼女がいなければ、今の自分はない。

 

 

 

 

 「っ……ぁ、アキトさん……」

 

 

 

 

 ────しかし、アキトの目の前には、予想外にも赤面して固まったユイがいた。

 口元を震わせ、胸元の両手を行き場も決めずに漂わせ、身体は何故か震えていた。瞳には心做しか涙が溜まっていた。

 アキトは思わずガタリと席を揺らす。ユイのその変化に慌てふためく。

 

 

 「……しまった」

 

 

 顔を真っ赤に染めるユイを前に、アキトはやってしまったとばかりにウロウロとする。ユイがこうなる事は予想出来ていたはずなのに、素直に感謝をし過ぎた。

 そんな彼を、一同はジト目で見ていた。

 

 

 「あ、アキトさん……」

 

 「きゅるぅ……」

 

 「……罪な男ね」

 

 「まったくよ、キリトと良い勝負だわ」

 

 「へ、へぇ……お兄ちゃんもあんな感じだったんだ……」

 

 

 女性陣が一斉にアキトを視線で突き刺していた。傍から見れば幼女を泣かせたようにしか見えない天然スケコマシを許すまじ、キリトと行動が似ている事もあり、その苛立ちを助長した。

 

 

 

 

 ────この後、戻って来たアスナに散々怒られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ●○●○

 

 

 「よし!そんじゃ早速みんなで食べようぜ!こっちは早く食べたくてさっきからウズウズしてるんだからよっ!」

 

 

 全員が席に着き、料理がテーブルに並ぶ。漸く食べられる事になったS級食材を前に、クラインの目は輝いていた。

 女性陣とアキトは、そんなクラインの分かりやすい表情に笑みを浮かべつつ、各々料理を自身の受け皿に乗せ、自身の前に置いた。

 

 

 「俺もだアキト!早く食べようぜ!」

 

 

 エギルが自分の皿に大量の料理を乗せ、ジョッキを片手に掴んでこちらを見ていた。

 各々、自分の食べるものは盛り終え、全員がこちらを見ていた。どうやら切り出して欲しいらしい。

 アキトは苦笑しながらも、やがて意を決して口を開いた。

 

 

 「それじゃ、いただきます」

 

 

『『『いただきまーす!!』』』

 

 

 「いただきまーす!!よっしゃーっ!一生分の肉を食うぜー!」

 

 

 みんなで挨拶したのも束の間、クラインが高速で料理を口へと書き込んでいく。散々待たされた事によるストレスが一気に解放したかのようで、その料理の美味さに頬を緩ませては、間断無く頬張っていく。

 その獣っぷりに女性陣とアキトは目を丸くして見ており、エギルは笑いながらそれに続いた。

 

 

 「がっつくんじゃねーぞ!しっかり味わえよ!」

 

 「そうは言っても……んぐ……むしゃ……高級食材なんだから、もぐ……もぐ……止まらねぇよ」

 

 「そんなに焦らなくても、まだ沢山あるのに……」

 

 「も、物凄い食欲です……」

 

 

 アキトの両隣りで暴食を続けるクラインとエギルを見て、アスナとシリカは苦笑いを隠せない。

 そんな彼らを頬杖を付きながら見ていたシノンだったが、やがてフッと微笑し、目を細めた。

 

 

 「でも、こうやって自分の作ったものを食べてもらうのは、悪くないわね」

 

 「そうそう、あたしが鍛冶屋をやっているのも、相手に喜んで貰いたいからだしね」

 

 

 リズベットがそう言って料理を頬張る。

 リーファは周りの食欲に気圧されながらも、笑って声を上げる。

 

 

 「み、みなさーん、お代わりもありますからね」

 

 「私達も早く食べないと、自分の分が無くなってしまいそうです!」

 

 「アタシのも、どんどん食べてねー!」

 

 

 ユイとストレアもそれぞれ料理に手を付け始め、その空間は笑顔に包まれた。同じものをみんなで共有し分かち合い、会話を挟みながら料理を楽しむ彼らは、本当に幸せそうに見えた。

 アキトは何処か感動すら覚えながら、その料理に手を伸ばし、同じように笑う。

 

 

 「……」

 

 

 

 ────失くしたくない。

 

 

 

 

 いつの日か、同じ事を想って、そして失ったものがあった。

 ここへ初めて来た時は、もうそんな空間は手に入らないと思っていた。大切な場所は、あの場所だけなのだと思っていた。

 なのに、また大切なものが出来てしまった。

 

 今度こそ、絶対に。

 

 そんな感情が、彼らを見て浮き彫りになっていた。

 彼らを見ていると、それだけで、黒猫団のみんなが重なって見えて。また、同じ未来を辿るのではないかと、そんな不安が頭を過ぎる。

 

 

 

 

 「……そうだ、アキト君っ」

 

 「っ……」

 

 

 感傷に浸っていると、向かいの席からアスナの呼ぶ声がする。ハッと我に返って見れば、彼女がアキトを見て微笑んでいた。周りもつられてアスナとアキトを見やり、何だ何だと訝しげな表情を浮かべる。

 

 

 「な、何?」

 

 「材料、まだ余ってるよ?」

 

 「え?」

 

 

 アキトは、突拍子も無い彼女のその発言に目が点になる。手にしていた箸は空に静止し、呆然とアスナを見ていた。

 周りも、どういう事だとアスナの発言に首を傾げていたが、やがて納得したように目を見開いた。

 

 

 「……あっ!そういやアンタ、料理スキル持ってんじゃない!」

 

 「確か、完全習得してるんですよね?」

 

 

 リズベットとシリカが同時にこちらを見やり、煌々とした瞳を向ける。それに気圧されつつ、アキトは小さくコクリと頷いた。

 

 

 「う、うん……一応は……」

 

 「えー!ホント!? アタシ、アキトの料理食べてみたいなー!」

 

 

 アキトの肯定にストレアが立ち上がり、手を上に挙げて提案した。それにみんなが賛同の意を示すように、視線を一斉にアキトに集めた。

 

 

 「私もアキトさんの料理食べたいです!」

 

 「あたしも!」

 

 「そうね。私達も作ったんだし、アンタも何か作ったら?」

 

 「……」

 

 

 ユイ、リーファ、シノンに続けてそう言われ、アキトは思わずアスナを見る。彼女はニコニコと笑っては、その中に悪戯気な表情が垣間見えた。

 完全に確信犯。

 もしかして、今さっき自分が過去を思い出していた事に気が付いて、気を遣ってくれたのだろうか。

 そう思うと、悪い気がして。

 

 

 ────アキトは、小さく笑った。

 

 

 「……じゃあ、何か作ろっか。と言っても、最近碌にやってないから、あんまり期待はしないでね」

 

 

 ゆっくり立ち上がって、厨房へと身体を向けた。

 わあっ、と彼らが歓喜し、待ってましたと声を上げる。煽てるのが得意だな、と笑いつつ、アキトは厨房へと急ぐ。

 

 

 彼らの期待の眼差しが、今は心地良い。

 

 

 「……さて、何を作ろうか。カレーかビーフシチュー……」

 

 

 アキトは再び小さく笑うと、白銀の包丁を取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────因みに出来上がったアキトの料理を食べたメンバー──特に女性陣は、女として負けた気がしたという。

 

 

 




キリト 「お粗末!(松岡ボイス)」

アキト 「キリトストップ」






①審査の結果


リズ 「さあ、それじゃアキト、そろそろ決めて貰おうかしら」

アキト 「えっ」

ストレア 「アキトは誰の料理が一番だった?」

アキト 「……えと」


『『『…………』』』


アキト 「……その、どれも美味しかったし、決められない……です……ゴメンなさい……」


『『『…………はぁ』』』


アキト 「なんでっ!?」Σ(゜ω゜)







②将来は


ユイ 「アキトさんっ、またお料理作ったら食べてくれますか?」

アキト 「勿論だよ。ユイちゃんのハンバーグ美味しかったし、料理の才能あると思うよ」

ユイ 「そ、そんな……大袈裟ですよ」

アキト 「大袈裟なんかじゃないって。ユイちゃんは将来、良いお嫁さんになりそうだよ」

ユイ 「……ですか?

アキト 「……え?」

ユイ 「だ、誰のお嫁さん、に、なれますか……?」(///_///)

アキト 「へ?あ、えと……だ、誰かな……」

シリカ 「うわぁ……」

リズ 「……ホンットにこの男は……」

シノン 「見境無いのね」

リーファ 「無自覚なのがタチ悪いよね……」


アキト (な、なんかみんなの視線が痛い……)


























【謝罪】


最近、妄想してた今作のifストーリーであるALO編のプロローグを書き上げてしまった……(白目)
SAOゲーム版《ロスト・ソング》編をベースにした本作品のifストーリーなのですが……。


私夕凪楓、本作の投稿を蔑ろにして、遂に妄想を文字起こししてしまいました。


タイトルは
《ソードアート・オンライン ──歌姫と白猫──》


《主人公プロフィール》

ユキ : 逢沢(あいざわ)(たくみ)

誕生日 : 2008年 2月29日


《──歌姫と白猫──》編のオリジナル主人公。
アキトの現実世界での妹に当たる存在だが、血縁関係は一切無く、元々は同級生。小学校からの付き合いだが、距離感は微妙。
《ALO》では猫妖精(ケットシー)アバターを使用し、見た目が全身白銀で覆われている事から《白猫》の異名でALOに知れ渡っている。因みにアバターネームの由来は、以前飼っていた白猫の名前である。
使用する武器は固定せず、相手に合わせて戦い方を変える器用さを待ち合わせており、時間をかけて相手の行動を分析する戦い方を得意としている。
相手の動きを一度見ただけで、その動きは完全に記憶し、そして自身の動きに取り入れる高度な模倣技術を持っており、その応用で予知に近い攻撃予測を行う事が出来る。その戦術は、彼女自身の見た目と能力が相まって、後にシステム外スキル《戦術模倣(コピーキャット)》としてその名を知られる様になる。

現在判明中のOSSは、『Ep.if 好敵手の条件』で使用した《フェアリィ・ダンス》。ALO九種族存在する妖精のそれぞれのメインカラーで彩った九色九連撃の全属性付与ソードスキルである。

ALOでの容姿は《白猫》の二つ名が示すように、白銀の長髪ストレートに白い猫耳と尻尾、装備するローブ系の装備も白を基調としており、主武装は刀と片手用直剣である。
現実世界では黒髪の長髪ストレートで、端正な容姿。一見するとクールで冷徹に見えるが、実際は快活な性格。何事にも冷めたような態度に見えてその反面、内には情熱を秘めており、ALOに関してはゲームであっても常に本気で取り組んでいる。真面目でひたむき、努力家で、周りから持て囃されても決して驕らない。周りから羨望と、それ以上に嫉妬の対象となる程の容姿にも関わらず好感の的である。
だが、こと恋愛事に関しては鈍感な部分があり、その容姿から好意を寄せられる事が多いが本人は全くといって良いほど気が付いておらず、他人からの好意に対しての鈍さはキリトと同等。



そんな彼女と、SAO帰還者であるキリト達との出会いから紡がれる、オリジナル展開を織り交ぜたifストーリーです。
今作終わる前にプロローグを書き終えてしまった……!


因みにタイトルだけならSAO全ゲーム決めてるというキチガイ振り。


そんなん書く前に本編終わらせろ?
その通りですすみません(土下座)



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