ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】   作:George Gregory

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※注意
本話は私の独自解釈強めのキャラの心情描写、並びに私の独特の文章構成が強めになっております。
少々違和感を覚える部分・解りづらい部分があるかもしれません。
”あぁ、合わないな”と思った人は、ブラウザバック推奨です。


Infinite Stratos

「昨日の列車の暴走事故、犯人は、アナタッスか?」

「うん、そうだよッ!!」

 

 余りに堂々たる自白。それが既に、彼女の人物像を雄弁に物語っていた。

ずっと、考えていた。この数週間、Infinite Stratosというものを調べていく内に浮上した、とある疑問。

“当時、未だ10代前半の少女が、未完成ながら驚異的な性能を誇る発明品を、明らかに兵器としか捉えられない形で世間に公開したのは、何故か?”

 

「理由を、伺っても?」

「君たちなら、来てくれると思ったからッ!!」

 

 白騎士事件に彼女が何らかの形で関わっているのは、考えるまでもない。何せ、彼女が唯一の開発者なのだから。

 本当に、彼女の故郷である島国が同時多発テロの標的になった可能性もゼロではないが、限りなく白に近いグレー、と言って良いだろう。こう考えた方がしっくり来るのだ。“白騎士事件はDr.シノノノがISの性能を世間に知らしめる為の自作自演(マッチポンプ)であった”と。

 そして、それが今のやり取りで確信に変わった。よもや、と思っていたが、正解であって欲しくなかった。

 

「幾ら探しても見つからないんだもん。だったら、君たちの方から来てもらうしかないと思ったんだッ!!」

「つまり、我々の所在をつきとめるためだけに、ワザワザあんな事件を起こしたッスか?」

「モンド・グロッソの時のいっくんの救出劇を見て思ったんだッ!! “あぁ、本物のヒーローだ”ってッ!! だったらきっと、ううん、間違いなく来てくれるってッ!! そしたら、やっぱり君たちは来てくれたッ!! 私の仕掛けたプログラムなんてあっさり解いたばかりか、私には思いもよらない方法で、誰1人として死なせることなく救ってみせたッ!! 今朝のイギリスのメディアが君たちを何て呼んでたか知ってるッ!? “黄金銃を持つ黒い紳士”だってさッ!! まんますぎるよね、思いっきり笑っちゃったよッ!! 久し振りにマスコミがいい仕事したって感じッ!!」

 

 高い高いをするようにクランクを持ち上げ、幼子のようにはしゃぐ姿には、嘘やブラフが微塵も感じられない。

 それがダメ押し。オーバーキル。泣きっ面に蜂、って慣用句(イディオム)とは、少し違うか。日本語ってヤツは特に難しい。

 

「もういい、クランク。もう十分解った」

「ふぉおおおおおおおおッ!?」

 

 溜息と共に、バトルスーツのヘルメット部を解除する。同時に、ホログラマーによる変装も。スーツの圧迫から解放された耳と尻尾を解すように動かし、琥珀色の瞳を彼女に向ける。

 

「リ、リアル獣人キタ――――――――ッ!! え、本物ッ!? その毛皮、本物ッ!? うわ、うわ、耳も尻尾もちゃんと動いてるッ!!」

 

 火に油を注いでしまったかな。だが、既に自分たちが“地球の外から来た”ということは解っているだろうし、何より“この姿”の方が彼女には“届く”だろうと、そう思った。

 

「これでもさ、結構楽しみにしてたんだよね。若くして惑星の技術水準を遥かに上回る代物を作り上げた天才科学者に会える、ってんだからさ」

「にゃ、にゃはは~、そう正面切って言われると照れるぜ~」

 

 頬を赤く染め、アラビア数字の“3”を右に90度回転させたような、ネコ科を思わせる口で微笑む彼女に。

 

「――色々台無しだってんだよ、このバカチンッ!!」

「ふぎゃッ!?」

 

 まずは、盛大にゲンコツをくれてやることにした。

 

 

 

――まぁ、舞い上がってたよね。それも盛大にさ。

 

 だってさぁ、考えてもみてよ。花も恥じらう10代のピーチガールがさ、画面の向こうにしかいないんだろうな~、って思ってた憧れの存在に出会えたんだよ? そりゃあ理性の1つや2つ、フライアウェイしちゃっても仕方ないと思わない? ……反応うっすいねぇ。ノリが悪いとモテないゾ?

 

 痛かったよねぇ~アレは。本当にああいう時って“星”が見えるんだな~って思ったくらい。黒豹のアーマーってさ、“ラリタニウム”っていう、彼らの銀河でもトップクラスの硬度を誇る金属をふんだんに使ってるんだよ? そんなんで思い切りグーだよ、グー。

 

『どうしてあんなに大勢を巻き込んだんだッ!?』って、物凄く正統派に叱られたよ。

久し振りで、凄く新鮮だったっけなぁ。私に真剣に叱ってくれる人なんてちーちゃんくらいだったし、そのちーちゃんでも“()だから”って半分諦めてた部分も多かったからさ。

 うん、解らなかったんだ、本当に。なんでゲンコツされたのかも、彼がどうして怒っているのかも。……あ、やっぱり引く? 引くよねぇ、そりゃあ。

 

 ぶっちゃけさ、軽く絶望してたんだよね。地球、っていうか人類そのものに、さ。元々、キョーミのない大多数の赤の他人とかどーでも良かったし、箒ちゃんとちーちゃんといっくんだけいてくれればそれでいいかな~、って本気でそう思ってた。

 多分、あのままだったらいつか滅ぼしてたんじゃないかな、人類。あの時点で、やろうと思えば本当にやれたしね。いや~、今でも思うよ、よく堪忍袋の紐がプッツン逝かなかったな~って。

 

―――ISはさ、私の小さい頃からの“夢”の結晶だったんだ。

 

 血とか汗とか涙とか、後は、色んな“汁”とか? を絞り出しながら、必死こいて、必死こいて、やっとの思いで完成させた、言うなれば私の子どもみたいなものさ。それを、ろくすっぽ確かめもしないで“ありえない”なんて一言で片づけられればさ、腹の1つぐらい立つってもんでしょ。

 その癖、“なら作れればいいんだな?”って現物を作って見せればさ、どいつもこいつも今度はキレーに掌ひっくり返して“アレ作れ”“コレ寄越せ”ってさぁ。少なくとも私の知る限りではさ、『自力で超えるものを』って気概を見せてくれそうなヤツは、唯の1人もいなかったよ。

 

 そりゃあね、当時の私が披露するのに選んだ場所も方法もぶっ飛んでたとは思うよ? それにしたってさ、あんまりってもんじゃない?……え、何に驚いてんの? もしかして“自覚があった”ってとこ? そうなの? ねぇ、怒らないからオネーサンに話してみ?

 

 そういう意味でも、放っておけかなったんだろうね。後で知ったんだけどさ、彼らは“そういう思想”が行き着く先を知っていたし、何よりさ、“見てる”んだよ。惑星が、文明が“滅びた”ところを。何度も、何度も。だからこそ、私には相当な“荒療治”が必要だってことも見抜かれちゃってたんだろうな~って。

 

――だってさぁ、それだけ真剣に叱られてるってのに、当時の私、こんなこと言ってたんだよ?

 

 

 

 

「――何だって?」

「だから別にいーじゃんさぁッ!! 誰も死んでないんだからぁッ!!」

 

 あぁ、まだ頭の芯がズキズキ痛むし、視界もクラクラ明滅している。直撃を食らうなんていつ振りだろうか。バリバリのインドア生活とはいえ、身体的なスペックでもそんじょそこらの凡人どもには負けない自信があったのだけれど。

 

 それにしても、本当に地球人じゃないんだなぁ、と実感する。黄金色をしたフサフサの毛皮と、ツンと尖った大きな耳を彩るのは、深いブラウンの縞模様。そして、なんとも立派な太くて黒い眉毛。身長は180以上だろうか、結構見上げないと顔が見られない。顔つきからして青年期、だろうか。尤も、地球の人類と同じく老いる種族とは限らないけれど。

 

「どうしてこう、オイラの出会う“博士(ドクター)は”こんなん”ばっかりなのかなぁ」

「貧乏くじは、いつものことッス。それに、彼女は価値観が狂っているという訳でもなさそうッス。ただ、“幼い”だけッスよ」

「……まぁ、それもそうか。歳相応って範疇かは、微妙なとこだけど。少なくとも、話はまともに出来そうだ」

 

 その呟きは、本当に心の底から漏れ出たような、真に迫ったうんざりさ、という感じがした。天を仰ぐように溜息を吐いて肩を落とし、傍らの椅子に力なく腰を落とす彼と、その肩を叩くロボットくんの姿は、場末の居酒屋で安酒と肴を前に項垂れるサラリーマンと、それを慰めるその同期、なんて光景を彷彿とさせた。……っていうか、さっきから私、何気に相当ディスられてない?

 

「むぅ、なんか失礼じゃない? 幾らヒーローさんたちでも怒るよ? っていうか、さっきから呼び合ってるそれが君たちの名前?」

「エェ。私はクランク。彼はラチェット。"Polaris Galaxy(ポララ銀河)"の惑星イグリアクから、とある調査を行う為に、この惑星を訪れたッスよ」

Polaris(北極星)ッ!? 430光年も先じゃないッ!! ホントにッ!? ホントにあんな遠くからッ!?」

 

 信じられない。背中の気が総毛立つのが判る。遥か昔から人々が(しるべ)としてきた星から、彼らはやってきたというのだ。突如、余りに聞き慣れた単語の登場に、彼らの存在が一気に生々しさを帯びる。見上げる先には、やはり自分が夢見た世界があるのだと、心が躍る。

 

「君のいう北極星ってのがどの星かは知らないけど、本当だよ。こんな嘘を吐いてどうするのさ。7日以上かけて、こないだやっと着いたばっかりだよ」

「7日ッ!? 430光年を、たった7日ッ!?」

 

 そして、その遥か先を行く技術にもまた、好奇心で欣喜雀躍するのを堪えられない。

 単純計算で、1日に60光年以上。時速65億㎞と言えば、その異常さが少しは伝わるだろうか。尤も、余りに異常な数値が故に、却って想像しづらいかもしれないが。そして、それだけの長距離航空を可能にする、SF作品お馴染みの技術。先日、彼らも使って見せた”アレ”。

 

「って、ことは、やっぱり、使えるの? その、ワープ、とか?」

「ワープ、ねぇ。それって――」

 

 “辟易”を絵に描いたような表情で彼、ラチェットがベルトに手を伸ばしたかと思うと。

 

「――これのことかい?」

「ッ!? 」

 

 直後、その姿が青白い光と共に掻き消え、同時に背後からの声に振り向けば、彼がさっきまで立っていた筈の場所に、見せつけるように両手を広げて立っていた。

 動悸が激しい。歓喜で鳥肌がスタンディングオベーション、心中で拍手喝采が鳴りやまない。

 

「知りたい?」

「うんッ、うんッ!!」

 

 キツツキも顔負けな速度だった自負がある。完全に、目の前に人参をぶら下げられた馬、だったことだろう。いや、ウサギなんだけど。

 

「それには、ワレワレの調査に協力してもらいたいッス。悪用しないと約束して下さるなら、ある程度の知識や技術の提供も、吝かではないッスよ」

「いいよ、私にできることなら何でも――」

 

 即答しようとして、ラチェットが自分の発言を遮るように手を伸ばしているのを見て、その余りに真剣な表情に気圧されて、口を噤む。

 

「安請け合いしない方がいい。聞いてから“やっぱりダメ”ってのも無しだ。よく考えてから、答えて欲しい」

 

 だって。そこで、彼は1度、傍らに立つロボット、クランクと目を合わせたかと思うと。

 

「最悪の場合、オイラたちは現存する”IS(君の夢)”の全てを破壊しなければならなくなるかもしれないから」

 

 それは、すっかり昇り切っていた私の熱を一気に冷ますには十分な威力を持っていて。

背中に太い氷柱を差し込まれたような錯覚を、私は感じていた。

 

 

 

 

 流石に、面食らったよね。ちょっと、いや、かなり予想外の発言だったからさ。全然、想像してなかったんだ。それこそ、物語の中にいるような気分だった。

 

 不思議の国のアリス。あのお話、読んだことある? トランプの国でさ、明らかに無実の被告を冤罪に仕立て上げようとしている裁判を観ていた彼女は、そのあまりの馬鹿々しさに我慢できなくなって、こう叫んじゃうの。

『あんたたちなんか、ただのトランプのくせにッ!!』

 正論でしょ? トランプの国なんだから、そう叫んだって何もおかしくないじゃない?

 

――でもさ、周りが皆、イカれていたら、どうする?

 

 現れては消えてを繰り返す、ニヤニヤ笑うチェシャ猫。

 滅茶苦茶なお茶会を開く、狂った帽子屋と三月のウサギ。

 間違えて植えた白い薔薇を、ペンキで赤く塗るトランプの兵士。

 些細な苛立ちで首を撥ねる、癇癪持ちなハートの女王。

 

 死刑を宣告されたアリスは、逃げて、逃げて、逃げ続けて、ようやく気が付くの。これは、自分が見ている“夢”だったんだ、って。

 

 私にとってはさ、世界って、”そういうもの”だったんだ。

 

 ここでは誰も、私のことを解らなかった。

 ここでは私は、誰のことも解らなかった。

 応えてくれるのは、答えのあるものだけだった。

 どうすればいいかは、とっくの昔に教えられてたのに、すぐに好奇心に負けて、忘れたり、どうでもよくなっちゃって、トラブルばかり。

 悪い癖だって解っているのに、治せない。治さない。その気にならない。なれない。いつだって何も考えずに、終わってから後悔だけはする。必ずバチがあたる。

 

 ずっと、ずっとね、“夢”の中で、夢を見てた。この“夢”が覚める夢。この“夢”が、夢になる夢。

 そんなだったからさ、行きたいと思うじゃない。知りたいと思うじゃない。この星の外(ここではないどこか)へ。

 なのにさ、それをまた”夢”にしてしまうかもしれない、って言われればさ、そりゃあ怖くもなるよ。

 

 今にして思えばさ、もうあの時点で、心は決まってたんだと思う。でもさ、信じ切れなかったんだ。

 考えてもみなよ。必死こいてイカダ作って無人島から脱出しようとしてるのに、“それじゃ無理だから壊すね”って言われて、“ハイ、そうですか”って納得できる? 出会ったばかりの相手に“自分の全てを委ねよう”って思える?

 そりゃあね、彼らは私がず~っと夢見ていた存在“だった”よ? でもさ、その時はまだ、“そうかもしれない”だったんだ。彼らも結局は”夢”だったんじゃないかって、そういう疑念を振り払えなかった。

 

そういうところもさ、全部、見通されてたんだよね。“負けない”と思ったことは何度もあったけど、“勝てない”と思ったのは、あの時が初めてだったっけなぁ。

うん、早い話さ、すごく、心地よかったんだ。

 

――篠ノ之束(わたし)よりも篠ノ之束(わたし)が解る人なんて、絶対に現れないだろうなぁって、そう思ってたからさ。

 

 

 

 

「――じゃあ、本当に、本当、なの?」

「エェ。このままだと地球を含め、この銀河系そのものが、文字通り、跡形もなく消えるッス」

 

 淡々とした口調が、余計に真実味を纏わせている。説明は、本当に単純明快だった。

 

「ISが、その、時空連続体ってやつを擦り減らす、原因になっている」

「原因かどうかは、まだ判らないけど。事前に検知された467って数字。君が惑星中に配布したコアの数と、一致しているんだろ?」

「偶然かもしれないッスけど、その“時空の裂け目”の発生直前、同じ数の時空間異常が確認されているッス。全くの無関係とは、思えないッスよ」

 

 あぁ、うん、実に“よくあるパターン”ってヤツだ。幾度となく見てきた展開だ。ただし、書籍や画面の中で、に限るけれど。

 

「だからこそ、開発者であるアナタの協力が、必要不可欠ッス。力を、貸して欲しいッスよ」

「直ぐには信じられないと思う。考える時間が欲しいなら、余程じゃない限り、好きなだけ考えてくれていい」

 

 ヒーローたちはいつだって、なんてことのないように立ち向かっていく。打ち破っていく。でもそれは、あくまで物語だ。結末を決めるのは作者であり、どのような形であれ、大抵はその先に勝利が約束されている。そこには、“答え”がある。

 でも、これは違う。これには、“答え”はない。

 

 あぁ、久し振りに思い出した。思い出せた。“知らない”っていう興奮と、“わからない”っていう不安。そうだ。この2つは、こんなにも胸を躍らせて、そして同時に、こんなにも心を震え上がらせるんだ。

 

 でも、この2人は立ち向かうんだ。きっと、これまでもずっと、これからもずっと、そうしてきたし、そうしていくんだ。

 なんだ、最初に感じた通りだったんじゃあないか。紛れもない“本物”だ。これこそが、“本物”だ。

 だって、そうでなきゃ。

 

 

 

「こんなの見せられて、信じられない訳、ないじゃん」

 

 

 

 眼下に広がる、一面の蒼。この頭脳をもってして、それでも尚、可能性に満ちていると感じさせる星。

 困惑に固まる手を引かれ、エスコートされるがままに連れ出され、あれほど無限に思えた深海層(うみ)も、成層圏(そら)すらも、いとも容易く突き抜けて。

 

 見たことはある。知っている。現在(いま)となっては、写真や映像データなど、山ほどあるのだから。

 観たことはなかった。識らなかった。唯今(いま)となっては、写真や映像データなど、塵ほどの価値もない。

 

 こんな日が来ることを、ずっと願っていた。こんな日が来るなんて、思いもよらなかった。

 

「……あぁ、もう、綺麗だなぁ」

 

 星の海に浮かぶ、蒼くて青い無限の天体は、瞼より零れ漂う雫に彩られて、煌めいている。

 これはダメだ。こんなの卑怯だ。もう“夢”だなんて思えないじゃあないか。こんな素敵すぎる前払いをされたら、踏み倒すなんて恐れ多くて出来やしない。そもそも価値なんて付けられるものか。

 

「――いいよ」

「ドクター、シノノノ?」

「してあげるよ、協力。私に出来る限りで良ければ、だけどね」

「むしろ、君じゃあないと困る」

 

 膝の上で微笑みながらどこからともなくハンカチを差し出してくれる、チタニウム製の冷たくて暖かい身体を抱きしめる。

 隣の座席で操縦桿を握りながら、ため息交じりに笑う翡翠色の瞳に涙混じりの微笑みを返す。

 

 ああ、“夢”が、やっと、夢になった。

 

 

 

 

――はいッ!! お終いッ!!

 

 ここまでッ!! ここまでったらここまでッ!! もうこれ以上、この件に関しては喋りませんッ!!

 

 なんでって、う~、言わなくても解るでしょ~? これ、ちょっとした拷問なんだよ~。……勝手に喋り出したのはそっちだって? うるさいなもう。

 

 ウォッホン。と・に・か・く、この辺からは結構長い間、一緒に行動してたんだ。

 彼らも元々“そういう人たち”だからね~、不正な研究施設とか教えなくても自発的に調べて突きとめて片っ端から潰して回ってたし。

 

 ネットとかじゃ大人気だったよね。考察スレとか眺めてるだけでいい肴になったっけな~。ちょっとずつ露出が増えていったのもさ、実はワザと、だったりするんだよね。あれだよ、新選組がひたすら京都を練り歩いていたのと同じようなもん。“なまはげ”だよ、“なまはげ”。

 

 当時は驚きっ放しだったっけな~。見せてくれるもの、教えてくれること、何から何まで新鮮でさ。教わる立場に回るってこと自体、殆どなかったし。

 知ってる? 彼、もう10歳くらいの頃には自力で宇宙船作ってたんだよ? しかも普通にそこらにあるようなガラクタを拾い集めて、一部の部材はガムテープで留めてたっていうんだよ? 信じられる?

 楽しかったなぁ。本当に楽しかった。笑って、笑って、たまに泣いたり、怒ったりしてさ、そんな毎日を送れるようにしてくれた彼らには、返しても返しても返しきれないくらい、色んなものを貰ったよ。

 

 さってと、次はどこから話そうか。ここからは暫く“世直し珍道中”って感じだしな~。スケさんもカクさんもいないけど。

 

 そうだね、そしたらば~……―――――




補足説明

・“バカチン”
 何故かラチェクラワールドで多用される単語。『1』のラスボスに始まり、ラチェットも作中で何度か使うシーンがちらほらと。

・ラリタニウム(初出:『R&C1』)
 作中で軽く触れた通り、銀河で最高の硬度を誇る架空の鉱石で、時にはガラメカ・宇宙船の強化アイテムになったり、時にはラチェットや敵ロボットの装甲に使用されたりと、シリーズ作品には切っても切り離せない存在。登場作品によって微妙に違ったりはするものの、基本的には桃~紫色の針状・柱状結晶に近い晶癖をしている。

・ラチェクラ界の“ドクター”
『3』のラスボスである“Dr.ネファリウス”は以前にも軽く説明したが、重度のロボット主義者で有機生命体は“生ゴミ”呼ばわりするレベル。
 また『A4O』に登場する“Dr.クロイド”は元々は素晴らしい思想の持主だったものの、作中のとある事件により精神的なショックを受けすぎたのに加え、老化によるボケが盛大に進み、シナリオで出会う頃にはただのポンコツに……
 頭の良いヤツほどバカなのはSF作品の鉄板。

・Polaris Galaxy(ポララ銀河)(初出『FUTURE』)
 以前にもちょっぴり説明したが、『FUTURE』以降の作品の舞台となる銀河。直訳すると正に「北極星銀河」なのだが、『1』を始めとする『FUTURE』より前の作品の舞台となるズガガ銀河は「Solana Galaxy」、『2』の舞台となるガガガ銀河は「Bogon Galaxy」と特に意味のない単語で名前が付けられているので、ポララ銀河が実際の北極星を含む銀河系であるかどうかの保証はなく、このSS内でも深く言及するつもりはありません。あくまで、束の頭の中では”そういうことになってるんだ”ということで。


 最初から“このサブタイトルにしよう”と決めていました。本話に限っては、説明は不要ですね。賛否両論あると思われます。目次のタグの意味をご理解頂けたかと。
 こういう文章を書くゴリラです。肌に合わない方もいらっしゃるでしょうから、改めて目次欄を熟読の上、用法用量を守って正しくお使いください(遅)

 今後もこれくらいの更新ペースを保てたら、と思ってはおります。如何せん、修理業なもので、休日も不定期なのですよ。よって執筆時間を確保できる日もまちまちでして。今後とも気長に、生暖かい目でお付き合い下さいませ。

 では、近い内にまたお会いできることを願って。

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