ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】 作:George Gregory
気が向いたので続きです。
元々洋画スキーだった作者、『ラチェクラ』を知って洋ゲー独特の雰囲気がドツボにハマり、『バンジョーとカズーイの大冒険』『クラッシュ・バンディクー』『ジャック×ダクスター』『怪盗スライ・クーパー』等、どんどん手広くハマっていくことに。
GBA・DSが発売して以降は実家から徒歩3分の立地に出来たGEOで中古ソフトを漁る趣味に目覚め、特に『FINAL FANTASY(1~6)』『ファイアーエムブレム(封印・烈火中心)』『サモンナイト(1・2・クラフトソードシリーズ)』を中心にやり込む。
やがて大学に進学して、誘われて始めたPSPの『モンスターハンター』がドストライク。他にも『スターオーシャン』『軌跡』『テイルズ』『ゴッドイ―ター』シリーズを主軸に色々と面白そうなのを漁っている内に、『こみっくパーティー』という特売していたエラく可愛らしいパッケージのソフトを見つけてしまい……
IS学園。来客用駐車場、その一角。コールが1回も鳴り切らない内に、目的の人物は電話に出た。どうやらずっと連絡を待ち受けていたようだ。
『――――黛かッ!! どうだった、カデンソンさんのインタビューはッ!! 良い記事は書けそうかッ!?』
「……編集長」
『お、おぅ、どうした? いつになく真剣な声色だが』
「他の皆さん、戻ってますか?」
『ん? そう、だな。津村と大川がまだだが、多分あと1~2時間くらいで戻って来ると思うぞ』
「今すぐ、超特急で戻ります。皆さんのこの後の予定、全てキャンセルさせて下さい」
『は? 何言ってんだ急に』
「聴いて欲しいものがあるんです。皆さんに」
『……よく解らんが、取り敢えず解った。全員、編集部に残るように言っておくから、くれぐれも安全運転で帰ってこい。いいな?』
「解りました」
そう返事して通話を切ったスマホを車の助手席に放り、運転席の背もたれに身体を預けて、深呼吸を繰り返す。少しでもこの昂ぶった心を落ちつけようと試みる。
うずうずしていた。じっとしていられそうになかった。早く原稿を書きたくて仕方が無い。この熱を、衝動を、一刻も早く原稿に変えて発信したくて堪らなかった。そんな自分を抑え込むのに必死で、このままではついアクセルを深く踏み込んで荒い運転をしてしまいそうだと解っていたから、取材を終えて30分ほど経った今でも駐車場から出られずにいた。
もう何度目かも忘れたが、また仕事カバンの中からボイスレコーダーを取り出す。この仕事を始めて間もない頃、『あれば何かと便利だから』となるだけ安く、なるだけ音質の良いものを、と探し回ってようやく見つけた、当時でも型落ちの安物。けれど、たった今、この
例えどれほどの大金を積まれたとして、他の誰かに譲る気など一片たりともなかった。だって、託されたのだから。
長年使い込んで、すっかりと手にも馴染んだ僅か100gにも満たない
「落ちつけ、私。落ちつけぇ~……」
これで事故って紛失や故障なんてしたら、目も当てられない。いや、メモは十二分に取っているので書くことは出来るのだけれども、これは叶うことなら
「よし」
行こう。いつまでもこうしてはいられない。緩やかにエンジンを回し、そろりそろりと極めて慎重に駐車場を出て、路上でも仮免講習のようなやりすぎってくらいの安全運転で会社へと戻る。車を停めた途端、仕事カバンを両手で抱え込んで全速力で社内へ。エレベーターを待つ時間さえもどかしくて勢いよく階段を駆け上がり、肩を大きく上下させ息をぜぇぜぇとさせながら編集部の戸を開け放つと、言っていた通りに待ち構えていた編集長や同僚たちが『何事か』という視線を一斉に向けて来た。
ほうほうの体で自分のデスクに辿りつくと、私はやはり極めて慎重な手つきでレコーダーを自分のパソコンに接続し、吸い出したデータを最大音量で再生し始めて――――
――――結果から言えば、それから私が自宅に帰ったのは、3日後の昼のことだった。私だけじゃなく、編集部の全員が、寝る間も惜しんでひたすらに没頭し、気がつけば隔週刊誌としては異例の締切5日前脱稿を成し遂げていた。あまりに不測の事態に、他部署の社員たちが心配する中、疲れ果てて食堂やらでぐったりとしていた皆は、泣き笑いのような表情で「次号を読んでくれりゃ解る」とだけ言い残して、電池が切れた様に爆睡し始めたのだという。
IS学園。整備管理棟、管理人室。
「随分と勢いよく帰ってったけど、大丈夫かな」
取材の為に片付けていたスペースを
そうして、概ね取材前の状態と同じになったところで両手を腰にやり、ふぅと一息ついて。
「――――で、更識よぅ。お前さん、いつまでそこでそうやってる積りなのさ?」
「…………」
そう言いながら視線をやった先、普段仮眠用のベッド代わりに使っているソファの上で、冬の日の猫のように今朝からずっと膝を抱えて丸まり横になったまま微動だにしない人影が1つ。一言もものを言わずずぅっとそうしていると、髪色も相まっていよいよ本当に青白磁の陶器のようである。まるで生気が感じられない。
いざって時はまた布仏姉に回収を頼むか、なんて考えながら一先ず起き上がらせようと歩み寄ると、何やらぶつぶつと小さな呟きを漏らしているのが聞こえて来たので、耳を傾けてみる。
「チガウ……チガウノヨ……ソンナツモリジャナカッタノヨ……」
「なんだ。
壊れたラジオのように延々とそればかりを繰り返している彼女の目は、まるで死んだ魚のそれのように濁り切っていた。自分にとってはすっかりと見慣れたものである。
「これで何度目かなァ。いい加減吹っ切んなって」
「でも、でもぉ」
「デモもストライキもないってば。やっちまったことはもうどうしようもないでしょうよ」
IS学園生徒会長にしてロシア国家代表操縦者、そして日本政府直属の対暗部用暗部組織『更識家』当代当主、更識楯無。その肩書きに相応しいだけの実力者でもある彼女がこうも情けなくなってしまう理由は、この世に二つとない。彼女が愛してやまない実の妹、更識簪その人である。
「何度も言ってるだろ。もう一生言われ続けるくらいの覚悟はしとけよって」
「うぅ~……」
「そんな恨みがましくオイラを見られても。
『対暗部用暗部組織』という字面の時点で、彼女の先祖代々の家業が相当に血生臭い歴史を辿ってきたことは想像に難くない。そして、そんな一族の当主である彼女が、弱冠17歳という若い身空でありながら、例え身内相手であっても
であるならば、彼女がどんなに『妹が大好きで大好きで仕方が無い
だが、まぁ、それにしたってだ。
「『あなたは
「うぐぅ」
「あ」
やっべ。思わず口をついて出ちゃった。気付いた時には既に遅し。更識は潰れたたい焼き食い逃げ常習犯のような呻き声を上げ、一層どよんとした仄暗い空気を纏って膝を抱えて縮こまってしまった。
まぁ、要するに
「悪ィ悪ィ。でもさァ、どうせまた勝手に盗み聞きして、勝手にショック受けてるだけなんだろ?」
「う~……」
そしてまた、それだけ冷たく突き放しておいて、その妹の周囲にはストーカー紛いなレベルでアンテナを張り巡らせているのだから、なんというか、つくづく姉バカだよなァと思う。そして、そのアンテナの精度が故に、こうして自ら墓穴に飛び込んで自爆、なんてことも特段珍しくないのだ。大方今回も黙って覗き見だの盗聴だのをして自分に対する愚痴の類を聞いてしまったとか、その辺りなのだろう。大体いつもそうだ。その度に
「で? 今度は何て言われてたのさ?」
「……篠ノ之ちゃんとのメールで、『姉さんは人の心が解らないんだ』って」
「あれま。ホント、すっかり仲良くなったもんだ」
最近、あの2人がよく一緒にいるのを見かけるようになった。食事やお茶を一緒にしていたり、電話やメールでのやりとりも割と頻繁にしているらしい。整備管理棟で篠ノ之さんが拙いながらも"弐式"の開発を手伝っているのを見た時は、素直に驚きつつも感慨深いものがあった。この姉妹との付き合いは、そろそろ短いとは言い難いものにもなってきているからこそ、殊更に。
「……ハァ。それにしても、先生」
「ん?」
「さっきは結構な爆弾発言されてましたけど、大丈夫なんです?」
「なんだ、話はちゃんと聞いてたのか」
「そりゃまぁ、仕事ですから」
差し出したちり紙で盛大に鼻をかみながら微かに充血した涙目で見上げて来る更識に、ちょっぴり驚く。あれだけ盛大に沈んでいたものだから、てっきり自分の殻に閉じこもっていたものだとばかり思っていた。黛記者も入室した直後にビックリしてたもんなァ。『あれは放っておいていいんで』って言っても暫く気にしていたし。
「下手なメディアを使ったら簡単に印象操作されちまうからね。
「……あの雑誌なら、そのまま伝えてくれると?」
「その時はその時さ。見る目が無かったってだけの話。
けれど、出来れば自ら発信するのは避けたかった。
「それに、あの雑誌を気に入ってるのは本当だからね」
「そうですか」
「そうなんです。ホレ、とっとと支度しなさいな。どうせこの後もついてくるんでしょ?」
「当然です。学園外では常に私か織斑先生の監視下に置く、というのが条件ですので」
こないだの模擬戦(なんてレベルではまるでなかったが)の結果として、『
「次はあの程度で済ませませんから。絶対に見返してやりますので」
「はいはい、期待しとくよ。出掛ける前に一本電話入れるから、その間に支度しちゃってチョーダイな」
ぞんざいに返すと、むぅ、と尖らせた唇と膨らませた頬を『不平不満』と書いた扇子で隠しながら傍らの荷物からごそごそと私服を取り出し始めたので、隣の給湯室に避難する。クロエが
「さて、今出られるかな」
片手でスマホを操作して数回のコールの後、通話は始まった。
『もすもすひねもす~? あっくん元気~♪』
「やぁドクター。その様子じゃ、上手くいってる感じ?」
『そりゃもォ万事好調カンウンチョーだってばねッ!! いや~我ながら面白いのが出来たと思うよ~♪ 何よりあっくんたちの思い出話が楽しすぎるのがいけない。あんなの聞いちゃったら、たばちゃんってばもォグッショリですのことよ』
何でどこが、というのは訊いておかない方が無難だろう。楽しくて楽しくて仕方が無い、って声色だ。どうやら心配は無用だったか。
『これから新作発表のステージだよ~♪ 動画サイトでも生配信されてっから、要チェックや』
「確認しとくよ。そっちは引き続きヨロシク」
『おっけぃなんだぜッ!! それじゃ、次に会うのは来げt―――』
『―――しゃ、社長ッ!! やっぱり私には荷が重過ぎますッ!! 他にも若くてキレイな娘が沢山いるのに、こんなおばさんがフリフリのエプロンドレスにウサギ耳なんてッ!!』
『むぁ~だそげんこつ言っちょるんかこん
『あ、アリスターさんッ!? 電話の向こう、アリスターさんですよねッ!? お願いします、社長を止めて下さいッ!!』
「あ~……そうなるとドクターは止まらないから。給料には
『そ、そんn――――』
申し訳ないが、そこで電話を切らせてもらった。未だ鼓膜の奥でキンキンとつんざくような余韻が残っている。
「電話の相手、誰ですか? 随分楽しそうでしたけど」
「ん、いや、仕事の一環。……あ~、それはそうと更識。
「はい? 人と会う約束があるから、としか聞いてませんけど?」
振り返ると、すっかり私服姿に着替えた更識が給湯室を覗き込みながら尋ねてきたので、少々気になったことを問いかける。すると、彼女は『何を言っているんだ?』といった具合で微かに片眉を上げた。あぁ、これは
「何かあるんですか? 特別な用意でも必要だったり?」
「いや、何でも。一応、確認を、ね」
「確認も何も、先生から言ってくれないと解る訳ないでしょう。……うわ~、似合いませんね」
「うるさいな」
連れ立って管理人室を出て、廊下を歩いていく。正体のバレない自信はあるが念の為に、道すがらキャスケット帽を目深にかぶり、サングラスを装備。
「それで? 誰に会う予定なんです?」
「ん~、まぁ何と言うべきか……『腐れ縁の悪友』?」
「へぇ。先生にそんな人がいたんですか」
「キミはオイラをどんな人間だと思ってるのかな」
そんなやりとりをしながら表に出て、学園正面まで呼び出していたタクシーの座席へ並んで座り、そして。
「それじゃ運転手さん、『レゾナンス』の東館エントランスまで。くれぐれも安全運転で、ヨロシク」
タクシーは走り出した。
(こりゃ後で
そんな一抹の不安を乗せて。
――――仄暗い樹海の中で、俺は今、風になっていた。
跨る愛機は
所狭しと生い茂る木々の回廊を潜り抜けた先、一面に広がるのは踏み込んだが最期、延々と呑み込まれてしまうであろう底無しの泥沼。土留色の飛沫を巻き上げながら視界の先に見える渓谷を目指して更にアクセルを踏み込むと、背後から次々と樹海を抜けてきた連中のエンジン音が聞こえ始め、そして。
「うぉッ!?」
直ぐ傍、左の空間をマシンガンの弾丸が通り過ぎて行った。他にも背後から何度も爆発音が聞こえ、運転席の中央、スピードメーターと燃料計に挟まれて設置されているレーダーから幾つもの機影が消えていく。どうやら背後は相当な大混戦であるようだ。
エネルギーの残量が十分にあることを確認し、ロケットブースターのスイッチを入れる。途端、グンッと機体毎前方へ引っ張られ、青白い炎が途轍もない勢いでジェットスラスターから噴出された。巻き込まれまいと考えたのは同様なのだろう、真後ろについていた2台も同様に加速してついてきている。この渓谷を抜けた先は、上下にルートの別れた断崖があったハズだ。十分にエネルギーがなくては、速度不足で断然行程の短い上のルートへ飛び移ることが出来ない。道中のカプセルで補充することも出来たハズだが、流石にまだその配置まで覚えきれてはいなかった。
「一か八か、賭けてみるか」
高低差の激しさに身体を振り回されながら、その時を待つ。渓谷へ突入し、ポツポツと設置されたライトを辿りながら緩やかな上り坂を駆けあがっていく。そして、『発射台』として設置された一際大きな岩が視認できた瞬間にアクセルを全開、エネルギーも全て使い切るような勢いでジェットを噴かし。
「う、お、ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!?!?」
全身を覆う、内臓ごと持ち上げられているような浮遊感。その直後に襲い来る、背筋が芯から冷え切るような落下感。
嗚呼、なんということだろうか。
「す、すげぇええええええええええええええええええッ!!!!」
こんな最高の体験ができるなんて、想像だにしていなかった。
数分後。
「はぁ~……」
俺、
先ほどまで俺は最近推してやまないゲーム会社"
「マジで、すごかった」
完全に語彙力を喪失していた。実際に再現された操縦席で運転するレースゲームは今までにもよくあったタイプだし、俺も何度も遊んだことがあった。加速や攻撃のアイテムを使った戦略性も、今や普遍的なものと言っていいほど普及している。
けれど、今回のこれは、"Desert Rider"は、それらに分類されるゲームでありながら、その次元を遥かに凌駕したゲームだった。
前方ほぼ180度を見回せるU字状の大画面はカメラ操作で背後も映し出すことが出来、操作や地形に従って機体もあらゆる方向に激しく揺れ動く。そればかりか、ステージギミックや攻撃アイテムの効果音も画面からでなく、発生源がある方向から聞こえてくるようなサラウンドスピーカーを搭載している為、臨場感が半端じゃない。あれはもう、まるで『本物』だ。本当に宙に浮くバイクを運転していたんだ、あの時の俺は。
「これ、本当にゲーセンで遊べるようになるってか」
最大8人同時のレースだけでなく、タイムアタックや、コース上に設置されたリングを順に潜り抜けていくトリックアタックなど、競技も豊富。アカウントを作っておくと、累計スコアなどでランキングが作られ、オンラインで近い実力の相手と自動的にマッチングしてくれるのだという。また、今回遊べたステージは樹海と沼地を行き来するような構成だったが、他にも荒野と断崖絶壁の渓谷を飛んで回るようなアクロバティックなものや、開発が途中で頓挫した地下通路が魔改造されたというロマンに溢れたものまで幅広く用意してくれるらしい。これはSF好きとしても堪らないものがある。
「やべぇ。また小遣いが足りなくなる」
ただでさえ最近どんどん面白そうなゲームを出すものだから、やりくりが大変だというのに。バイトのシフトを増やしてもらおうか。いや、けれどその分遊べる時間も減ってしまう訳で。
「悩ましい……あ」
と、呟きながら手元に視線を落とし、腕時計を見た瞬間に気付く。そろそろ"Insomnia"が開発中の新作を発表するステージの時間が迫っていた。慌てて残りのジュースを飲み干し、ゴミ箱に放り込んで勢いよく駆け出す。
2ブロックほどの企業ブースの人混みを抜けた先、開始15分前だというのに、会場は既に大勢の人でごった返していた。もう前の方は期待できそうにないが、せめて少しでもいい位置を確保しようとあっちこっちをうろついている内に、どうやら時間になったようで。
『皆様、大変お待たせ致しました。これより弊社"Insomnia"の新作発表を始めさせて頂きます』
ステージ脇から、随分とふんだんにフリルのあしらわれたエプロンドレスとウサギ耳の女性が出てきた。思春期男子が一度は夢見るような金髪碧眼、プロポーション抜群の年上美女。舞台慣れしてないのだろう、ほんのり頬を赤らめて恥ずかしがっているっぽいのがまた堪らない。会場中から、恍惚の溜め息が聞こえた気がした。
『本日のご案内を務めさせて頂きます
彼女の案内に従い、会場中の視線がその大スクリーンに注がれる。映し出されたのは様々な惑星、その地表。寒風が吹き荒び、眼下には雲海の広がる超高度の摩天楼。独特の宗教観のある鐘楼が立ち並ぶ、毒々しい色をした湿地帯。凍土に覆いつくされている、遥か昔に滅び去った古代文明の遺跡。他にも
そのステージ群を、銃火器を携えた兵士たちが駆け抜けていく。ショットガン、ライフル、グレネードと、パッと見ているだけでもその種類は多岐にわたっているようだ。互いに撃ち合ったり、ギミックを解いて通路を繋げたりしている様子が伺える。
そんな戦場を駆けるのは、どうやら兵士だけではないようで。
「おぉ」
巨大な車輪を回してあらゆる障害物を轢き潰していくバギーは搭載したビームキャノンで兵士たちを薙ぎ払い、そんなバギーに放たれたランチャーの出どころはどうやら画面奥からやってくる多脚型戦車のようで、そんな戦車を上空から爆撃するシップまで現れたじゃないか。
『未だ仮決定の段階ではありますが、タイトルは"Dread Zone"。多人数同時プレイを前提とし、ステージ上に配置された様々な武器・ビークル・ギミックを駆使して互いの陣地を奪い合う拠点防衛アクションです。では、弊社のテストプレイヤーによるデモプレイをご覧ください』
そんな紹介の下、ステージ脇から更にもう1人が登壇した。その『少女』は随分と身長が低く、赤いフレームの眼鏡をしていて、髪は随分と色素が薄く、歴史の教科書で見た青白磁の器のような色合いをしていた。ひょっとすると同年代だろうか。そんな彼女が、MCの女性と同じようなエプロンドレスとウサギ耳を装着して、油を差し忘れた機械を無理やり動かしているようなぎこちなさでゆっくりとステージ中央に設置された筐体の前へと向かっていく。見れば解るガチガチに緊張していた。目も回っているような気がする。
そんな彼女がようやくステージの中央にたどり着き、たどたどしくマイクを取り出して。
『よ、よろしく、おねがいします……恨みますよ、先生』
最後の呟きはあまりに小さくて上手く聞き取れなかったが、若干涙ぐんでいたような気がした。
どうも、最近『腹八分目』という概念を覚えた作者のGeorge Gregoryです。満腹にするとな、一気に気だるくなってしまうんじゃ……今までは寝る直前にしていた長風呂も、最近は筋トレ→長風呂→メシ→布団の流れに。大学時代なら、多分2回目入ってた。いや、我が家風呂無しのシャワーオンリーだったけど(近所に銭湯はあった)。
なかなか臨海学校始まらねぇ~(笑) でもここでフラグ管理怠ると泣きを見るのは俺自身なので、ホント、お付き合いくだせぇマジで。何せこのSS、初めて間もない頃に一度『盛り込む予定だったフラグをすっかり忘れて更新 → 後から前話の最後にブッ込む』という荒業をやっちゃてるんでね……(遠い目)
大分勢い任せで書き終えたので、少々解りづらいところがあるかもしれません。申し訳ない。なんかメンタルがまた変な方向に傾き始めたので……後、筋トレしすぎて筋肉痛もやべぇ。現実逃避に身体動かすのもすっかり当たり前になってきました。お陰でベルトの穴1つ縮んだぜ。多分また後から補足説明追加します。ご了承くだせぇ。
では、また近い内にお会いできることを願って。
いつも感想ありがとうございます。あなたのその一言が俺の何よりの原動力です。