ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】 作:George Gregory
お手数ですが、本話を読む前に前話を読み返して下さると幸いです。
ハイ、久し振りにやらかしました。
入れないといけないハズの描写を入れ忘れてしまったことに今更気付きました。
なので、前話のラストを少々加筆修正しています。
本話を読むにあたっての問題はありませんが、目を通しておいてくださると嬉しいです。
IS学園1年1組副担任、山田真耶教諭にとって、その対戦カードは非常に興味深いものであった。
山田真耶。嘗て織斑千冬と共にくつわを並べたこともある代表候補生時代の彼女は、その異名を『
そんな彼女にとって、シャルロット・デュノアという
奇しくも現役時代の自分と同じ"Rafale"のカスタム機。搭載している武器の傾向ばかりか、選ぶ戦術までもが酷似しているのに加えて、あのデュノア社にてテストパイロットをしていただけあって、彼女は非常に器用だ。日々の授業や試験で用いる各種
そんな、あまりにも自分と似た彼女が、これからあの"黒豹"に挑む。
(どうなるんだろう)
決して好戦的ではない、むしろ争いごとは好まない性格である彼女だが、そこはそれ、例え現役を退いたとしても
眼前、真っ向から見合う両者の間で視線を左右させる。
"
対する"
そんなことを考えている内に。
「――――始めッ!!」
隣の織斑先生が鋭く開始を告げた瞬間、"RRCⅡ"が距離を詰めながら腕部の物理シールドに内蔵された"
対して"黒豹"は、それは凄まじい速さで"
大した牽制にもならないと悟るや否や、"黒豹"が片手の"
「なんのッ!!」
シールド越しの攻撃も想定済みだったのだろう、"RRCⅡ"はシールドを跳ね上げるようにしてそれを迎撃。打ち払いながら"
既にショットガンの有効射程圏内。これなら多少雑に撃っても
けれど。
「―――惜しい」
「え」
我が目を疑い、目を凝らした。
理由は2つ。まず1つ目は、"黒豹"の武器が"
その銃は、決して『拳銃』などとは呼べない大口径。側面から下部にかけて巨大なリボルバー機構が実に無骨に露出、というかまったく銃身に収まりきるようなサイズではなく、装填される弾丸がいかに大きいかを物語っている。外観と色、そしてこの
そして、2つ目。何よりもこれに驚いた。換装の速度が、尋常ではないほど速い。恐らくコンマ1秒以下。時すら止めたのではと錯覚するほどの、基礎中の基礎を極限まで磨き上げた『理想』。理解した瞬間、背筋を駆け上がったのは優れた技を見た感嘆ではなく、届かぬ先を見た嫉妬でもなく。
乾いた銃声が2つ鳴る。先に火を噴いたのは"
「な」
何故、先に武器を展開していた自分よりも早く撃てるのか。彼女の顔はありありとそう物語っていながらも、そこは流石に代表候補生。咄嗟に襲い来る炎の蛇の群れへ引き金を絞りながら斜め前方へと低く跳ぶようにして最小限の被害に留める。そのまま"
"黒豹"は重力に任せて緩やかに背後へ倒れるようにして、すれすれでその斬撃を回避。それを見ると好機と判断したのだろう"RRCⅡ"はシールドの先端、"
「う―――」
その穂先を、"黒豹"の足裏のバーニアの推進力が十全に乗った蹴りが寸前でかち上げる。そうして完全に防御の出来ない
「―――わァッ!?」
今度こそ"
「ッ、なに、くそォッ!!」
そんな不安定な体勢のまま、デュノアさんは歯を食いしばって再度"
「…………」
ふいに、今朝のことを思い出す。
まだ日が昇って間もないような頃、耳元でのいきなりの爆音に叩き起こされたかと思えば、いつの間にどうやって入ってきたのかは知らないが、バズーカ状の巨大なクラッカーを担いだカデンソン先生がいたのだ。
「今日の予定を変更していただきたく。理事長には許可貰ってますんで」
なんてことをのたまわれた時はどうなることかと危惧していたが、いざ蓋を開けてみればどうだろう。彼の指導は実に的確かつ具体的で、教員である自分までもが自然と聞き入ってしまうような内容だった。
しかし考えてみれば、
彼が赴任してからというもの、何人もの教員が彼の奔放な、しかし
そして、自分との彼との付き合いはといえば、主な担当科目がISに関する実技や理論というのもあって、決して浅くも短くもない。
一見すると軽々で杜撰な態度をとることから誤解されがちであるが、ことISに関してはどこまでも真摯。知識・経験共に豊富で、話してみれば基本的におちゃらけてはいるけれど、根の部分はとても穏やかな人物であることも解った。
そんな彼を何故、今になって自分は。
「それが正しい反応だ、山田先生」
「織斑、先生?」
「アイツは次元が違う。この経験が生徒たちにとっていい刺激であるのは間違いないだろうが、我々はただただ素直に憧れたり、盲目的に従うのみであってはならない」
「……はい」
IS学園は極めて特殊なケースであるとはいえ、自分たちは教師だ。親元を離れて学園に通う生徒たちの安全を、ご両親に代わって守る義務がある。故に、自分たちは常に『最悪』を想定して動かなければならない。そして、この場合における『最悪』とは、言うまでもなく。
(でも、だったら、何故)
彼がもし
そして、より一層それを掻き立てるのが、ちらりと横目に見上げた先でほんの微かに吊り上がっている、唇の端。
(あなたはどうして、そんなに嬉しそうに笑っているのですか、織斑先生……?)
補足説明
・“マグマショット(Magma Cannon)”(出典『4』)
デュアルヴァイパーと並んで『4』の初期装備であるショットガン系ガラメカ。歴代のショットガン系の中でもかなり使い勝手が良く、チューンナップで大幅に性能を変えることもできる。作中でも説明したが、デカくて無骨なリボルバー機構と、それによる排莢音が最高にイカしている(作者の意見です)
どうも、ようやく1回目のワクチン接種を終えた作者のGeorge Gregoryです。1日経っても接種箇所が腫れたみたいな痛みがあり、微熱みたいな感覚が続いていますが、大きな副反応もなくすんなり無事に仕事にも復帰。来月の2回目は、流石にヤバ気かしら。
短めですがキリが良いので(いつもの) 困るとつい第3者視点に頼りがち。でも主観が入ってないから書きやすいんですよねぇ。戦闘描写は特に。
緊急事態宣言延長の影響か、何故か勝手に有給消化シフト組まれて今月連休多め……ノルマの5日はまだしも、勝手にどんどこヒトの有給使わないでくんないかなぁ。何かあった時に困るじゃんよ。
ともあれそんなわけで、既に次回の内容もほぼ纏まっているし、早ければ今週中に更新します。お待ちくだされ。まぁ、ついつい溜めてしまっていたMCUフェーズ4のドラマ作品やら『ブラックウィドウ』やら『シャン・チー』やらも見ないとなんですガネ~。リバイスもドチャクソ面白いし、困っちゃうな。
では、また近い内にお会い出来ることを願って。
いつも感想ありがとうございます。あなたのその一言が俺の何よりの動力源です。