ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】   作:George Gregory

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あけましておめでとうございます(大遅刻)

本当は去年の内にここまで投稿する予定だったんですけど、年末のドタバタ&過密シフトで全く書く気が沸かずに今日まで実家でガス抜きしてました。
本年も完結目指して頑張っていきますんで、宜しくお願い致します。



The Law Can't Touch Me Ⅳ

 ――ッ。――――ッ。

 

 んなこと言われるまでもなく、俺がイチバンよく解ってるさッ!! けど、()()()()だろッ!! 皆、何年も、何年も前からずっと頑張ってるんだぞッ!! 高々数ヶ月の素人でしかない俺じゃあ敵わないに決まってるッ!!

 

 ――。――――。

 

 ……どういう意味だよ?

 

 ――、――。―――、―― ―― ――。

 

 それは、確かに言ってたけど。でも、俺はちゃんと。

 

 ――。――、―――。

 

 まだ、足りない、って?

 

 ――(肯定)――(依然)――(不足)

 

 そう、か。そう、なのか。

 

 ……――(困惑)――(自身)――(曲解)

 

 いや、間違ってない。何も、間違ってない。俺が悪いんだ。出来てないのも、応えられてないのも、俺なんだから。

 

 ――(説明)――(要求)

 

 …………。

 

 ……N――、――?

 

 いや。なんとなく、キミが誰なのか、解った気がしてさ。

 

 ?

 

 その、俺としては凄く言いづらいことだし、そもそも何て言ったらいいのか、自分でもよく解ってないからさ。こう、上手くまとまった言葉にならないかもしれないんだけど、それでもいいか?

 

 ――i。

 

 ハハッ。解った、話すよ。……怖くなったんだ。

 

 K――? ―z―?

 

 その、嫌味っぽく聞こえるかもしれないんだけど、俺って勉強も運動も、昔から大体のことはそれなりに出来たし、出来ないことでもちょっと真面目に頑張れば出来るようになれたんだ。

 

 ―――? ――、J――。

 

 ……おぅ、ありがとな。で、さ。()()()だから、昔から『教えてくれ』とか『助けてくれ』とか、頼られることも多くてさ。

 

 ――t―u。C――、――。

 

 え。

 

 ――。――e。

 

 お、おぅ……話の腰折ったの、キミなんだけどなぁ。

 

 ?

 

 何でもない。続けるよ。それでさ、教えたり、助けたりして、『ありがとう』とか『助かった』とか言ってもらえると、()()()()()()()()()()って、嬉しかったんだよ。最初は、本当にそれだけだった。

 

 S―yo?

 

 段々、『次』を求められてくようになったんだ。もっと難しいこととか、もっと大変なこととか。それでも、上手くやれてた。俺が今までより少し頑張れば、少し時間をかければ、どうにかできることが殆どだったんだ。部活の助っ人とか、バイトのシフトとか。

 

 ほ―o?

 

 あぁ。何回かは、出来なかったことがあった。手を抜いてたなんてことはなかったし、その時その時の俺にできるベストを尽くしてた、積りだった。

 勿論、なんでも出来るなんて思い上がっちゃあいないし、自分でも無理だと思ったことはちゃんと断ってたんだ。……でも、俺を頼ってくれたヤツが、落胆したり、残念そうにしているのを見る度に、こう、()()()()んだ。

 

 S―った?

 

 あぁ。チクッと程度なんだけどさ、(このへん)に何度も、何度も刺さって、少しずつ息苦しくなっていった。

 

 な―e? ―ち―、――、H――う。―r――、あ――、―――じゃ―i。

 

 あぁ、この感覚がおかしいってのは、自分でも解ってるんだ。向こうにだって、そこまでの意図とか悪気があるワケじゃないってのも。でも、さ。偶にあったんだよ。『ちょっと考えればこれくらい』とか『こんなの常識だろ』とか言われることが。で、そういう時って、決まって後にこう続くんだ。『普通の家じゃないもんな』って。

 

 …………。

 

 初めて言われた時、常識って言葉を辞書で調べたら『健全な一般人が共通に持っている知識や分別』って出てきてさ。で、その後よりにもよって、千冬姉に訊いちゃったんだ。『ウチって普通じゃないの?』って。

 

 …………。

 

 その直後に、()()()()()()って後悔した。千冬姉、黙ったままへたり込んで、泣き始めちゃったんだ。直ぐに縋りついて、何度も何度も謝りながら、その時初めて理解したよ。『あぁ、織斑家(おれたち)は普通じゃないんだ』って。

 

 …………。

 

 だから、二度と誰にもそんなこと言わせない、思わせない、みたいな風になって。それからは、ずっと優等生でいる為にもっともっと頑張って。でも舐められたくないからって、その頑張りは絶対に見せない、みたいな意地もあったりしてさ。ずっと()()()なんだよ、織斑一夏(オレ)って。だから、その。

 

 ?

 

 初めてだったんだ。『自分から』は。言われたからとか、頼まれたからとか、そういう理由じゃなくて、俺が自分から期待に応えたいって、そう思ったのは。でも俺、今回、その……応えられなかった、じゃん?

 

 …………。

 

 だから、結局俺は最期まで自己満足してただけで、あの頃から何も変わってないままだったんじゃないかって。

 

 チガウヨ。

 

 え。

 

 ソレハ『罪悪感(コタエタイ)』ジャナイ。『承認欲求(ミトメラレタイ)』ダヨ。

 

 …………。

 

 ソレニ、マダ終ワッテナイ。キミハマダ死ンデナイカラネ。

 

 え。

 

 改メテ、キミガ()()()()()()ノハ解ッタ。ダカラ、教エテ?

 

 教えろって、何を――――

 

 

 

――――イチカ。キミハ、()()()()()ガ欲シイノ?

 

 

 

 

 

 

 

 ニューヨーク市、セントラルパーク中央に位置する貯水湖。強烈な落雷に焼かれ、未だもうもうと黒煙を昇らせている"ジーグルート"の亡骸を畔まで引き上げると、"黒豹(ラチェット)"は腹部にできている亀裂に指先をかけ、魚でも捌くかのように思い切り開いて内部構造の確認を始めていた。

 

「ナルホド。バイオスキンの中身はニュートン流体にすることで、生物っぽさと耐衝撃性を兼ねてたワケね。で、肝心の中身は、っと」

 

 腕だけを突っ込んで()()()()を探り当て、引っこ抜く。現れたのは直径20cm程度の球体をした金属部品。鼻につくような焼け焦げた匂いのするそれはとても脆くなっていて、大した力を込めずとも簡単に半分に割れてしまった。

 

 匂いからも察せる通り、余すところなく完全に焼け焦げてしまっている内部、その中央には『何か』が嵌め込まれていたような()()()があり、その部分を中心に血管のように夥しい数の回路が縦横無尽に走っている。このことから、ここに嵌め込まれていたものが、この球体の心臓ないし電源の役割を担っていたのだろうことが解る。そのくぼみの内壁を指先で軽く拭い取って月明かりに晒してみると、微かに光を反射している粉末が混じっているのが解った。

 

「…………」

 

 黒豹はそれの解析を静かに始め、反射光ベクトルの波形、共鳴波長、分子構造、それら全てが()()()()()()()()()()()()()()()()ことを確認して、深い溜め息を吐きながら天を仰いだ。

 

「そうか、()()()()()()()()()()

 

 これはいよいよ、次の段階に進むべき時が来たかもしれない。本当ならもう少し時間を稼ぎたかったところだけれど。そんな名残惜しさを覚えながら、解析データを上空で待機しているアフィリオンに戻っているクランクに送る。

 

大停電(コレ)が狙って起こせるんなら、()()()()()じゃあなくても十分に採算(もと)は取れる。広まる前に叩かないと」

「だな。どうするよ、我が愛」

「……いつからいたの?」

「つい今しがたさ。で、いつ出発する? アタシも同行する」

「行かない、ってか行けないよ。まだアテがないんだから。で、捥いだ腕の回収は?」

「おぅ。すんなり終わったぜ。ホレ」

 

 と、そこでいつの間に来ていたのか、イーリスが鈍い音を立てながら自らへし折った"ジーグルート"の両腕の残骸を地面へと放り投げた。ズゥン、と鳴る音だけで結構な重量があるのが判った。

 

「で? ()()、ってことは、アテがあるにはあるんだろ?」

「まぁ、ね。オイラの推測が外れてなけりゃあそろそろ向こうから」

 

 来るはずなんだけど。そう"黒豹(ラチェット)"が続けることはなかった。何故なら。

 

『―――来てあげたわよ、ミスター』

「ッ」

 

 その声でようやく存在に気付いたイーリスが弾かれたような勢いで見上げた先、微かに白んできた東の空を背に中空より見下ろすISが1機。緩やかに降りて来るに連れて、水平線から顔を覗かせ始めた朝日の光を浴びてその装甲を眩く輝かせており、『第2の日輪である』と言わんばかりの真円を象っている背中の機構は、何かしらの発生器(ジェネレーター)の類であろうか。少なくとも相当な高熱を発していることは、機体の周囲の空気が陽炎のように揺らめいていることから推測できた。

 

 そんな、豪奢にも程がある山吹色のドレスを身に纏う妙齢の美女は両腕に搭載された、やはり同様に高熱を発しているだろう鞭と、いかにも器用に動かせそうな巨大な尾を見せびらかすようにしながら、実に愉快だと思っているのが聞くだけで解る、淑やかながらも弾んだ声をかけてきて。

 

()()()()()()の中、わざわざご足労頂きまして痛み入ります、レディ」

「ッ。……フッ、フフッ。あぁ、やっぱりこうして足を運んでみて正解だったわ。アナタと直に、言葉を交わしてみたかった」

「それで、ご用件は? この後のスケジュールがカツカツでね、手短にお願いしたいんだけど」

「あぁ、安心して頂戴。直ぐに済むし、アナタにとっても決して悪くない話だから」

 

 ()()()()()()()()()をチラリと1度見上げてみせた後、大仰なお辞儀をしてみせた"黒豹(ラチェット)"の言葉で気を良くしたのか、黄金の魔女は肩を震わせながら更に声を弾ませ、妙な艶めかしさの籠められた微笑みと共に、このように続けた。

 

 

 

 

「ねぇ。アナタ、私たちと組む気はない?」

 

 

 

 




 どうも、作者のGeorge Gregoryです。

 改めまして、あけましておめでとうございます。前書きにもある通り、本当は昨年中これの更新する予定だったんで年の瀬の挨拶をしてなかったんです……いや、ハイ、過密シフトの合間で年末の掃除したりなんだりしてたら完全に気力が尽きまして、その反動か実家帰ってる間は完全にダラけてしまって。おかしいなぁこんな積りでは(いい加減若いままのメンタルを卒業しろ(友人と酒飲んだり鍋つついたり弟と徹ゲーするだけの気力はまだあった(リュウもテリーもカズヤもコマンド暴発が多すぎて要再練習を痛感した)))

『The Law Can't Touch Me』本更新にて終了。いよいよ『福音』編後半戦。ここから、詰め込みます。これでもかと詰め込みます。心の用意だけしておいてください。リアルの方の事情もあって、ちょっと本腰入れて完結目指します。勿論、クオリティを落とす気はさらさらないので、その辺はご心配なく。

 2022年も、どうぞよろしくお願い致します。……PS5も早く手に入んないかな(´・ω・`)

 ではまた、近い内にお会い出来ることを願って。

 いつも感想ありがとうございます。あなたのその一言が俺の何よりの動力源です。
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