ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】 作:George Gregory
外付けHDDに割と最近までのがちゃんと残ってて九死に一生でした……でも思いついた傍からメモ帳にアウトプット→存在を忘れる前にテキスト化して残してた小ネタとかよさげな台詞集とかは完全に消えてて複雑な気分で書いております。
心は熱く、頭は冷静に。言葉にするのは簡単だけれど、いざ実行に移すとなるとなかなかそうはいかない。『
元々、はっきり喜怒哀楽の感情を発露させないと気が済まない
それに、何よりも、それの積み重ねが、父さんと母さんを。
だから、そうすることで良いことなんてきっと一つもなくて、それを当たり前のように受け入れてしまっている連中が何よりも嫌いだったし、そんなアタシに「面白いヤツだな。気に入った」と目をかけてくれた
そして、学園に来て間もない頃、まだ"黒豹"の正体だと知る前のカデンソンさんに対しても、同じような気持ちでいたことは、否定できない。
自分で言うのもアレだけども、初対面の時、生意気とも挑発的とも捉えられかねないアタシの態度を見て、本国の大多数の連中みたいに嫌悪感を示すでもなく、管理官のように興味を示すでもなく、ただただ『あぁ、キミはそういうヤツなのね。了解』って風に、
それに、自分の得意なこと・好きなことの最前線で仕事していて、それも
だから、うん、こっちが勝手に自分の理想を重ねて見ていたってだけで、それを『裏切られた』だの『嘘をつかれた』だのと感じるのは
……そういえばカデンソンさん、アタシの『"
強いのは知っている。敵わないのも解っている。何せアタシはISに乗り始めてまだ2年目。何もかもが急造の詰め込み。"甲龍"のメンテナンスも、解らなくなったり間違えたっぽかったら、その都度マニュアル読むくらいの『
だから、ISの技術についての先生ってことならカデンソンさんが初めてだし、それなりの理論に基づいてちゃんと順序立てて何かを教わったっていうのも、父さんの料理以来のことだった。
「酢豚の肉は余熱で火入れすんだ。この油の温度で、この秒数。音の変化と感覚を忘れるな」
「野菜の下拵えは絶対に怠るな。そのひと手間で見栄えも食感も段違いに変わるし、結果として時短にも繋がる」
普段は『不機嫌なのか?』って思うくらいむすっとした顔で黙りこくってるクセに、料理のことになると饒舌に語り出す父さんの教えは、感覚派のアタシにもびっくりするくらい解り易くて、大抵のレシピは2~3回も作ればそれなりのクオリティを出せるようになったし、母さんからも何度も『美味しい』って言ってもらえた。どうしてこの手順なのか。どうしてこの食材で、この調味料で、この調理法を使うのか。一つ一つにちゃんと意味があることが面白くて、あっという間に夢中になった。
「いいか。料理は魔法なんかじゃねぇ。料理は化学よ。美味いメシは、美味くなる手順を踏んでいるからこそ、美味いんだ」
だからこそ、省いていいものはどんどん省け。逆に、怠ってはならないものは決して怠るな。それが、父さんの口癖だった。
そして、何故だか、そんな父さんの面影や名残、みたいなものを、カデンソンさんの教えにも感じたことが、何度かあった。
格闘訓練は身体能力の見極め。銃火器に関する講義は"
決して、本人が『これが目的』と言ったワケじゃあない。どれも続けていく内にアタシが気が付いたり、気になるようになったことでしかない。けれど、また別の日。一夏たちに教えている時、あの人はこうも言っていた。
「楽しくなけりゃ、何事も続かない。そして楽しむには、正しい知識と達成感が必要だ」
そうして目まぐるしい日々を送っていく内に集まっていた歯車が
だからきっと、
『オイオイおチビちゃん、まだ解らないのかい?』
まったく通じないというこの現実を
『何度やっても同じことよ。格闘戦は肉体で行う物理実験。数字は決して嘘を吐かず、感情で数式は覆らない』
「が、ぐ」
この
ただ四肢を振るうだけで、大型トラックに轢き潰されるような
『いつか伸びる』と信じて、どんなに小さな可能性にも縋った。食事・鍛錬・習慣・睡眠時間。1度だけ、お年玉貯金を崩して評判のいいサプリメントも試したことがあるけれど、何の効果もなかった。なのに、どれだけ渇望してもアタシの身長は伸びないのに、何もしていない周りの連中はタケノコかってくらいどんどん大きくなっていく。アタシが普通の倍以上の労力を費やしてもひょっとすると出来ないようなことを、そういう連中が『身長がある』という理由だけで軽々とこなしてしまう。
きっと、遅かれ早かれ
いつからか、心のどこかで覚悟はしていた。こんな
「……フ、フフ」
『ム? とうとう気でも触れたか?』
「そう、ね。アンタの言う通り」
「
口いっぱいに鉄の味。全身に内側から燃えているような熱。疲労困憊の満身創痍。これが
さぁ、どうする
「―――
『オ?』
瞬間、輪郭はおぼろげながらも自分を衝き動かす閃きに従う。疲れも痛みも凄いけれど、そのお陰か、普段無意識レベルで籠めているようなほんの僅かな力みまでが完全に抜けて、まるで全身が透き通っているような感覚がある。
滑るように上体を屈め、敵の寸前に突き刺した脚を軸に全身を回転。自分の身体が半分程度水の入ったペットボトルになったようなイメージをして、その水を一か所に集め、そしてその水に全身を。
「
『オォ』
戯れに食らって思い切り吹き飛ばされたこともある、楊管理官の見様見真似『
『残念、まだ足りない』
どれほど強力な技でも、打ってくる場所も、タイミングも、何もかもが解っていれば、いくらでも対処の仕様がある。事実、"
けれど、だからといって。
(
強い技は、強くなる手順を踏んでいるからこそ、強い。ただでさえ
なら、どうするか。
頭をフル回転させながら、捕まる前に脱出。仕切り直す。
肉体の隅々まで、指先、爪先、毛先の1本に至るまで、意識の糸を張り巡らせろ。寸分の狂いも許すな。呆れるほど、気が遠くなるほど繰り返してきたことを、今ここでもう一度、120点満点で。
滑るだけじゃまだ遅い。落ちろ。落とせ。
『チッ』
よし。より早く、鋭く、そして静かな踏み込み。虚を突けた。今度はまだ待ち構えられていない。まだ門が閉じられていない。
しっかりと軸足を突き立てる。踏みしめた地面から澱みなく、滞りなく伝えた水を、1点に集中させる。
「凰候補生。完全な
「いいかい凰さん。アメフトのタックルは基本的に『下から面で』だ。正面なら両手で。側面なら肩・肘・拳の3点で」
打撃の瞬間に、肩・肘・拳の3点で平面を作り、固める。
「恐れている、と言われてしまえばそれまでだがな」
最後の仕上げ。スラスターと同時に"龍咆"と"崩拳"、全4門最大出力での"
そうして
『――――ガ、ハァッ!?』
頭の中でガチリと、力強く噛み合った音。背骨を通して全身に迸る電撃。
重苦しく響く地鳴りと共に、『原子炉』の名を冠する鋼鉄の巨体が初めて、苦悶の表情を浮かべながら宙を舞ったのを、遠ざかっていく意識の中で見上げていた。
こんな時に不謹慎だと思いつつも、楽しくて、愉しくて、仕方がなかった。
どうも、作者のGeorge Gregoryです。
これ書いてるとしょっちゅう、『俺ってば何の題材の作品書いてたっけ?』ってなります。後、『あれ、主人公誰だっけ?』とも。
ここ最近、かなりのハイペースで更新できてるので、この勢いのまま行きたいところ。
ではまた、近い内にお会い出来ることを願って。
いつも感想ありがとうございます。あなたのその一言が俺の何よりの動力源です。