ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】 作:George Gregory
自分でも重々承知していることなのに、それを他人に指摘されるとあぁも腹が立つのは何故なんでしょうね。「そんなことも解っていないようなヤツ」と軽んじられているように感じるから、でしょうか。いや、まぁ、単純にまだまだ精神的に未熟だから、と言われればそれまでなんですが。
エース・ハードライト。後に彼が『落ちぶれた元ヒーロー』だと聞いた時、あぁやっぱりか、とすんなり腑に落ちました。あの目は、あの笑みは、諦めてしまったか、受け入れてしまったか、あるいは
今でこそそんなでもないですが、当時の私はこう、『お前らもいつかはこうなるんだよ』と見せつけられているように感じた、と言うべきでしょうか。それだけの強さがあれば
そんなこと、言われなくても解っていた積りでした。なのに、えぇ、なまじ彼に嘗ての父の在り様が重なって見えてしまったからでしょうかね、当時の私は、彼がまともに私の相手をしないことに憤りを感じていたんです。どうです? 生意気でしょう?
けど、一度点いてしまった火はなかなか消えなくて、そこにどんどん油が注がれるものだからどんどん燃え上がっていって、すっかりと私は頭に血が上ってしまって、何もかもを忘れさせられてました。任されていた役目も、
けれど、
私の人生には、いつだって劣等感というものが影のようについて回った。
成績は良くて中の上。可もなく不可もなく。学力では逆立ちしたって姉さんには敵わないし、剣では千冬さんがいる。比較対象がおかしいのは自分でも解っているけれど、物心ついた時から2人とも傍にいたから他に比べるものがなく、限りなく狭い私の世界ではなかなかそれが更新させることもなくて、気が付いた頃には「どんなに頑張ったって一番にはなれない」という考えががっちりと凝り固まり、常に思考のどこかに癒着してしまって離れなくなっていた。
だから、皆との出会いは1つ残らず衝撃的だったのだ。
『
そして、誰よりも。
「この星の一等賞になる」
それがどれほどの困難か知らないハズはないだろうに、超えてみせる、自分にならそれが出来ると信じて疑わない、凰鈴音。
井戸の底の暗さや冷たさと、果てしない空の高さや青さしか知らなかった
多分、面と向かって伝える
そしてそれはきっと、皆が『努力を努力と思わないほどの努力家』であるからだ。
日々の勉強や鍛錬を、皆は『やらなければならない』ではなく、『やりたくてやっている当然のこと』であったり、『この程度では努力と呼ぶのも烏滸がましいレベル』であったり、『日々こなさないと落ち着かない生活の一部』のように認識している。私は、強いて言うならば『努力と呼ぶのも烏滸がましい』と『生活の一部』が半々くらいであるが、それでもまだまだ『やらなければならない』という感覚の方がずっと強い。それはきっと、形や感覚こそそれぞれ違えど、ISに自ら進んで関わった皆と、
けれど、それが何も
「オーケーオーケー、昨日よりずっと上手くなったじゃない」
「その調子ですわ箒さん。イイ感じ、です」
「いいぞ新兵。そのままもう1セット追加だ。今の貴様なら出来る。気張ってみせろ」
「頑張れ箒~ッ!! これに勝てば鈴との対戦成績通算10勝目だよ~ッ!!」
そんな、本当に些細な労いや励ましの言葉がじわりじわりと積み重なって、ある日突然、その
「解る。解るよ。どれだけ足掻いたって敵わない人が近くにいるとさ、真面目にコツコツ、ってのが途端に馬鹿々々しくなっていく感覚。でもさ、それですっぱり諦められるんなら、こんなに苦しくなってないよね」
そんな、傷の舐め合いのようではあれど、確かな理解者を見つけられたことを喜んだって、いいじゃあないか。
初めて、心から離れ難いと思える友だちが出来たんだ。一緒にいると楽しくて、こんな私に親身になってくれる、大事な大事な友だちなんだ。そんな皆に『負けたくない』だけじゃなくて、『喜ばせたい』と、『力になりたい』と、『報われて欲しい』と思うことの、何が悪い。
「努力が必ず報われるとは限らない、ってよ?」
あぁ、そうだ。その通りだ。そんなこと、言われなくたってよく知っている。
きっと、彼は
「
鈴も。セシリアも。シャルロットも。ラウラも。簪も。
「シャルロット。下がっていてくれ」
「ほう、き?」
"空割"と"雨月"を握り直し、緩やかに立ち上がる。今の精神状態ならきっと
「大丈夫だ。少し休めたし、それに」
それに、今はこうも思うのだ。
「コイツは、私の手で倒したい」
――――One-off Ability《
どうも、作者のGeorge Gregoryです。
ゼンカイジャー完走の勢いでドンブラザーズ最新話まで一気見したらOP・EDが延々と脳内リピートされるようになりました助けて下さい。桃井タロウを幸せにし隊。俺のショートケーキのイチゴやるよ……
本エピソード、本当はもう少し速く畳む積りだったのにどんどこ伸びて来てるのはここたけの話。今回短めですけど次の更新分ほぼほぼ出来上がってて近日中に放り込むんで許してちょーよ。
いつも感想ありがとうございます。あなたのその一言が俺の何よりの動力源です。