ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】   作:George Gregory

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そろそろ理不尽な案件を回してばかりで何も教えてくれやしないのに『お前何考えてんだよ何年目だよ』とばかり激おこな上司や先輩の後頭部へオムレンチを叩き込みたい自分を抑え込むのに限界が近い作者近影でした。



Paradox Hero

 高校の入学式と言えば、これからの新生活への期待に胸を膨らませ、心を躍らせる日、だと俺は思っている。実際、小学校の時も、中学校の時も俺はそうだったし、周囲にも暗い表情だった人はいなかったように記憶している。

 そう、普通なら、大抵の場合は、そのはずだ。

 

(どうして、こんなことになったかなぁ……)

 

 数年前にも、同じような懊悩に頭を抱えた記憶がある。

 あの時は少なからず、原因が自分の幼さと無力さにあったからこそ、矛先を自分に向けることが出来た。そんなことはない、とドイツ(むこう)では謝罪する度に励ましの言葉を返して貰えたが、とてもじゃないが自分ではそうは思えなかった。だからこそ、血反吐を吐くようなトレーニングに自ら志願したわけだし。

 でも、これは、なぁ。

 

「全員、揃ってますね~? それじゃあ、SHR(ショートホームルーム)を始めますよ~?」

 

 真正面、教壇の上から朗らかな微笑みで問いかける女性は、山田真耶先生。どうやらこのクラスの副担任らしい彼女は、どうにも教師というよりは、同年代が背伸びをしているような感覚が強く、大人っぽい衣装にそぐわぬあどけなさを残しており、それを妙に大きく丸い黒縁眼鏡が更に引き立たせている。というか、全体的にサイズが合っていない。袖や裾が随分と余っているのは、身長に合わせてしまうと、あの胸囲の戦闘力(誤字に非ず)を抑え込むことが出来ないからだろう。……何カップなのか、単純に気になる。中国に帰ったアイツがこの場にいたら、天の道を往き総てを司るようなハイキックで後頭部を蹴っ飛ばされそうだけど。

 

 ともあれ、あの時とは違って、全くの心当たりがない――訳でもないのか。根本的な原因ではないだろうが、好奇心に負けて思わず手を出してしまったのは、他ならぬ俺自身であることだし。

 それにしたって、どうして“ここ”にいるんだろう、と現状を嘆くくらいは勘弁してもらいたい。千冬姉には、甘えるな、なんて一刀両断されるだろうけれど。

 

 教室に男は俺1人。理由は単純、ここは女子高だから。正確には女子高って訳じゃあないんだけど、女子しか入学する前提条件を満たせないのだから、実質そういうことになる。

 正直、物凄く居心地が悪い。弾なら『羨ましい』と連呼することだろうが、代われるものなら代わって欲しいくらいだ。そうなればきっと、アイツでも音を上げるに違いない。

 

 教室の最前列、ど真ん中なんて席の配置のせいで、背中に刺さる視線の数が半端じゃない。見世物じゃないんだぞ俺は。物珍しいのは解るけど、勘弁して欲しい。

 どうにかしてくれ、という懇願の意を込めて窓際、最前列の席に座る6年越しに再会した幼馴染へと何度か視線を向けるが、反応は梨の礫。ひょっとしたら俺だって気づいてない可能性もあるかな、なんて考えたけれど、我ながら同姓同名なんてあり得るのかって名前なもんだから、意図的に無視されてるんだろうなぁと思う。理由はさっぱり解らないが。

 

 さて、なんでこんな事になったのか、そろそろ吐き出させて欲しい。というか、せめて愚痴らせろ。これ以上、自分の(はら)に貯め込んでおきたくない。ことの発端は、つい数か月前。中3の冬、高校受験の日まで遡る。

 

 

 

 

 2月中旬。前年度のカンニング事件により当日の2日前に発表された受験会場は我が家からそれなりに遠く、しかも近年稀に見るレベルの大雪に見舞われ、文字通りの“一寸先は闇”状態。随分前に千冬姉がレンタルビデオ屋で借りてきた『剱岳』って映画を、ふと思い出したくらいだった。

 

 届いた葉書に記されていたのは、典型的な公共事業の産物である多目的ホールの住所。地元住民でも正確な名前や位置の把握もしていないだろう場所を選んでくれたのは一体どこの誰なのだろうか。まったくもって受験生に優しくない。しかも、地域密着だかなんだか知らないが、地元出身の前衛芸術(笑)デザイナーによる設計らしく、辛うじて時間ギリギリに到着こそできたものの、館内の案内図を見ても目的地がさっぱり判らないときた。

 

 中学生にもなって迷子というのも恥ずかしい限りだが、背に腹は代えられない。片っ端からそれらしき部屋の扉を開けていくが、空振りの連続。そうしていく内にも刻々と迫る開始時間。そりゃあ焦るに決まってるだろう。しかも、そんな状況で入った部屋に誰かがいて。

 

『君、受験生だよね? 早いところ着替えて準備しちゃってよ。時間も押してるから急いでね。ここ、4時までしか借りられないから』

 

 こんなこと言われればさ、『あぁ、ここで良かったんだ』って思うじゃん。

 いや、冷静に考えてみれば、この時“着替え”って単語にもっと食いつくべきだったんだよなぁ。カンニング対策かも、なんてその時は判断したけど、ただでさえ受験生なんてとんでもない人数なのに、そこまで綿密に調べるわけないよなぁ。まぁ、後悔先に立たず、なんけどさぁ。

 

 そんな感じで促されるままに部屋の奥に進み、カーテンを開けた先に、The Point Of No Return(帰還不能点)が待ち受けていた。

 

「これ、は」

 

 それは、主へ忠誠を誓う騎士のように、静かに跪いていた。そういう風に見えたのは気のせいだったかもしれないけれど、不思議と自然に、そう思った。

 

 Infinite Stratos。宇宙空間での活動を目的として開発されたパワード・スーツ。俺にとっては、結構な“思い出”と“思い入れ”のあるもの。だからこそかな。手を伸ばしてしまったのは。触れてみたいと、思ってしまったのは。

 

 花の香りにつられる蝶、なんて洒落た表現をする積りはないけれど、ついふらふらとした足取りで近づく。女性にしか動かせないという致命的な欠陥故に、男である自分が触れたところで無駄なのだと解っていて尚、ほんの少しでも近くて見てみたいと、そう思った。思いながら、触れてしまった。

 そして。

 

『―――――』

「は?」

 

 “声”が、聞こえた。高いかも、低いかも、男っぽいかも、女っぽいかも、さっぱり判らなかった。はっきりと判ったのは、その声が、“喜び”の感情に満ち溢れていた、ってことくらいだった。

 

 いつの間にか、随分と高くなっている目線。両手足が伸びたような感覚。脳内には洪水のように夥しい情報量が一斉に流れ込んできて、吐き気を催しそうになる。基本動作、操縦方法、機体の性能・特性、搭載している装備、活動可能時間、等々。説明書を直接、頭の中に書き込まれているような気分だった。

 つい先ほどまで知らなかったはずの知識を、何故か知っているという奇妙な感覚。それだけ濃密な現象が起こっているはずなのに、現実ではほんの数秒しか経過していないというのだから、ちょっとしたウラシマ気分である。

 

 そこで、ようやく気が付いた。自分が、ISに乗っている、という事実に。

 

「なん、だ、これ」

「なに、なんの騒、ぎ……え、男が、IS、に……?」

 

 そりゃあもう、大混乱である。

 置かれている状況も、起きている事態も把握し切れず、ただひたすらに注ぎ込まれる大量の情報により、まるで見え方が変わってしまった世界に当惑する俺も。そんな俺に気づいて、どこに何を連絡するべきか慌てふためいている試験官らしき女性も。

 

 そこからはもう、何がなにやら。光陰矢の如しとはこのことで、俺は即座に身柄を拘束され、帰宅や外出どころか、電話で誰かと話すことさえもロクに許されず、何日も何日もホテルに缶詰め状態。俺の受験はどうなるのかと見張りの黒服さんに尋ねてみれば、心配は要らないの一言だけ。余りにも退屈なもので、仕方なく試験直前に見直そうと思っていた問題集やノートを引っ張り出したり、部屋のテレビをボケーっと眺めて過ごしていれば。

 

「お受け取り下さい。今後のあなたに必要なものです」

 

 そう言って渡されたのは、引越しの荷物なのかと訊きたくなるような、重い段ボール箱。開封してみれば、パンパンに詰め込まれていたのは、どれもこれも分厚い書籍ばかり。そして、“必読”と表記された、その題名は。

 

「……ハハッ、マジかよ」

 

 成程、遠回しの“合格通知”という訳か、嬉しくねぇ。……いや、正直に言うなら、ほんのちょっぴりは、嬉しいかな。まさか、行くことが、学ぶことが許されるとは、まるで想像していなかったから。

 

 叶わないと思っていた。魚が大空を飛べないように、鳥が海中を泳げないように、あの日、あの時の背中を追いかける資格は、自分にはないと思っていた。

 それでも、空へと跳び上がる魚がいる。海へと飛び込む鳥がいる。例えそれが、自らを脅かす敵からの逃避や、日々の糧を得るためのものだったとしても、それは確かな“結果”だ。積み重ねた、確かな“成果”だ。せめて、そういう魚や鳥になれたなら、あるいはその“羽”や“ヒレ”にでもなることが出来たらと、その程度にしか、思っていなかったのに。

 

 ずっしりとした重みを感じる。まるで辞書のような分厚さだ。枕にするにも高すぎる。最早、鈍器と言って良いだろう。

 

「あぁ、重いな」

 

 当たり前か。これは、夢の塊だ。軽いわけがない。軽いわけが、ないのだから。

 卓上カレンダーを見やる。既に3月の第1週。受験勉強を始めてから結構な冊数の参考書をこなしてきた積りだが、果たして、眼前のこれらと然程、差はないのではなかろうか。というか、それだけの量を今から短期間で叩き込めと言うのか。いや、直接言われたわけではないけど、これはそういう意味だろう?

 

「1ヶ月もない、か。今から覚えきれっかな」

 

 否、覚えるのだ。出来る出来ないは二の次。ただでさえ、自分のスタートラインは誰よりも後方なのだから。

 やらねばならぬことは山積み。目の前に散らばる教科書は、言わば基礎の基礎。諳んじられる生徒も、きっと少なくないだろう。何せ、世界中から選りすぐられたエリートたちが集う、現在唯一にして最高峰の教育機関だ。

 

「ま、どうせ他にやることもないか」

 

 取り敢えず、数馬から教わった暗記系科目のコツの通りに、重要そうな単語と、その意味のチェックから。腰を据え、筆箱から蛍光ペンを取り出す。持っている単語帳は全部、暗記用に書き出したものばかりだから、新しいものを買ってきてもらおうか。

 

「さて、一丁やりますか」

 

 

 

 

 とまぁ、こんなことがあってから、やはりあっという間に時は流れ、本当に“基礎の基礎の基礎”ならどうにかってレベルにはなれたかな、という程度の自信で、今の自分はここにいる。

 

 当たり前だろう。いざ始めてみれば知らない単語だらけで、片っ端から調べながらじゃあ、そんな順調に勉強が進むわけがない。普通なら何年もかけて少しずつ覚えることを、この数週間でやれっていうんだぞ? むしろ触りだけでもどうにか叩き込んできた自分を誰か褒めてくれと、声を大にして言いたい。

 

「――りむら君? 織斑一夏君ッ?」

「あ、はい」

「大声出しちゃってごめんなさい。凄く濁った眼をしていたけれど、体調でも悪いのかな?」

「あぁ、いや。ちょっと思い出したくないことを、思い出してまして、つい」

 

 苦行に等しい猛勉強の日々に想いを馳せている内にすっかりSHRは進んでいたらしい。机の端にホログラムで表示される“回答者”の三文字に気づき、弾かれるように視線を上げれば、目の前の教卓から心配そうにこちらを覗き込んでいる山田先生の顔があった。

 ……うん、何度見ても同年代にしか見えない。実は飛び級とかしているだけで本当に同い年だったりするんじゃあないだろうか。それなんてラノベ?

 

「そう? それならいいんだけど。本当に大丈夫? 自己紹介、五十音順でキミの番なんだけど」

 

 問われて振り返ってみれば、成程、クラス中の視線がこちらへ向けられている。目は口ほどに云々と諺にあるように、“興味津々です”という彼女たちの心中を如実に物語っている。当たり前か、ここは教師陣どころか、働いている人含めて男性の割合はほぼ0%と言って差し支えないのだから。

 

 背中のむず痒さから逃れるように椅子を引いて立ち上がり、後ろへと向き直る。コホン、と咳払いを1つして。

 

「えぇと。織斑一夏、15歳。9月27日生まれの天秤座でA型。趣味は家事全般とカメラ、後は筋トレかな。得意科目は、どっちかと言えば理系寄り。でもISに関しては勉強を始めたばかりで素人同然だから、色々と教えてくれると助かる。仲良く、してやって欲しい」

 

 宜しく、と〆て深々と頭を下げる。小さい頃から千冬姉に、道場に通っていた頃には柳韻先生からも叩き込まれた礼儀作法の1つ。そういえば、篠ノ之家の皆は今頃、どこで何をしているんだろうか。重要人物保護プログラムだとかで、住所どころか連絡先すら判らなくなってしまったし。

 

「……?」

 

 それにしても、気味が悪いくらい静かだ。沈黙が長すぎる。何か粗相をしてしまっただろうか。至って無難に自己紹介出来たと思うんだけども。

 そんなことを考えていると、パチパチと1つ、拍手の音が聞こえた。視線を持ち上げると、教室の後方、毛先をクルリと巻いた特徴的な金髪に、青玉(サファイア)のような綺麗な蒼の瞳をした女子が、優雅に微笑みながら手を叩いてくれていた。それに釣られて、まばらでこそあれ、少しずつ拍手が増えていく。どうやら、失敗した訳ではなかったらしくて、ホッと胸を撫でおろした時だった。

 

「まったく。もっとシャキッとせんか。そのような態度では、締まるものも締まらんぞ」

「――はい?」

 

 背後から聞こえる、余りに耳に慣れ親しんだ声。ここで聞くなんて思いもしていなかった、余りに予想外な声。

 ガタついたからくり人形のようにゆっくりと首を向けてみれば、教卓の横、いつの間にか山田先生の隣に立っていたのは、俺が先日クリーニング屋から受け取ってきたばかりの黒スーツとタイトスカートに身を包んだ、月に1・2回しか自宅に帰ってこない実の姉の仁王立ちした姿。

 

「なんでここにいるのさ、千冬姉」

「見て解れ、バカ者。それと」

「――ふぐぉ!?」

「織斑先生だ。ここでは敬語を使え。いいな」

 

 瞬間、火花が散り、ぐわんぐわんと釣鐘のように痛みが頭蓋骨の中で反響するのに合わせて、視界が明滅を繰り返す。そうなって初めて“あぁ、殴られたんだ”と自覚する。

 ドイツ軍でそれなりに揉まれて、弾たちと多少の喧嘩なんかも経験して、それなりには実戦慣れしている積りでいたが、相変わらずこの人の拳骨だけはどうにも躱せない。まぁ、元世界王者の拳がそんな簡単に躱せるはずもないのだけれど。

 

「キャーッ!! 千冬様よッ!! 本物の千冬様よぉッ!!」

「ずっと、ずっとファンでしたッ!! 今でも覚えてます、あの表彰台の上での凛々しい笑顔ッ!!」

「私ッ、お姉様に憧れてこの学園に来ましたッ!! 北九州からッ!!」

 

 ISの世界大会である第1回モンド・グロッソにて、その表彰台の頂点に立った経験を持つ、元日本代表操縦者。成程、前に酒の席でボソッと“人にものを教える仕事だ”と言っていたのはこういうことだったのか。確かに、()()にはうってつけの人材であろう。

 

 クラス中が黄色い悲鳴で満たされる。甲高い声が咄嗟に両耳に当てた掌や鼓膜さえも貫き、マイクのハウリングのような高周波が直接頭に流し込まれる。音が“波”だってるのを嫌な形で、これでもかと実感させられる。

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たちには1年で使い物になる操縦者になってもらう。私の言うことはよく聴き、そして理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。返事は“はい”か“Yes”以外認めん。良いな」

 

 おぉう、懐かしい光景。ドイツ軍での教練の時も同じようなことを言ってたような記憶がある。ここ、一応は日本の高校なんだけどなぁ。……そういや、()()()は元気かな。最近、ドタバタし過ぎてた上に携帯も没収されてたから、定期的にやりとりしてた手紙どころか電話も碌すっぽ出来てないんだけど。時差って、こういう時は特に厄介だよなぁ。

 

 高圧的な物言いの我が姉上に、何故か更に黄色い声援を高めるクラスメイトたち。何がそんなに良いのだろうか。混ざった程度で本格的ではないにしろ、実際に扱かれた側の自分からすると、背筋に氷柱を刺し込まれたような心持なんだけども。

 

「―――」

(うへぇ)

 

 ほらぁ、今も俺の考えてることまで読み取ってガン飛ばしてきてるしさぁ。お互いのことを色々知ってるってのは、決していいことばかりでもないんだよなぁ。

 

「ねぇ、やっぱり織斑君って千冬様の弟さんだったりするのかしら?」

「だとしたら、男性なのにISを動かせる理由も、そこにあったり?」

 

 そんな会話が斜め後ろくらいの席から聞こえる。そんなの、俺が教えて欲しいくらいだ。動かせたらなぁ、くらいの妄想は、今時の男子なら珍しくもなんともない。何せ、現代社会では“IS適正がある”ってだけで勝ち組、関連企業に入るだけでも名誉、みたいな風潮さえあるのだ。かく言う俺も、就職先の候補に幾つか入れているくらいだし。

 何より、自在に空を飛べるパワード・スーツって響きにロマンを感じない男なんているものか。

 

「毎年よくもここまでバカ者どもばかりが集まるものだな。最早、作為的なものさえ感じられてくるんだが」

 

 うんざり、という表情で額に手をやり溜息を吐く我が家の美“髪”公。――あぁすみません変なこと考えて謝るから睨まんでください。

 

「まぁいい。各自、教科書の用意を。早速だが1時限目より、基礎理論の授業に入る。座学に半月、その後の実習で半月。これから1ヶ月で最低でも“半人前”にはなってもらうぞ。いいな」

 

 さて、教員免許なんて持っているかどうか判ったものではないが、姉上がどのように教壇に立ち、教鞭を執るのか、お手並み拝見と行こう。……いや、教わる側なのは俺なんだけどさ。

 

 

 

 

「よろしくて、Mr.オリムラ?」

「――ん? 君は、確かさっきの」

 

 付け焼刃の知識量と予習ノートのお陰でどうにか1時限目の授業を乗り切り、このままでは先が思いやられると痛感、専門用語だらけの教科書との睨めっこに勤しんでいると、声をかけられた。忙しなく動かしていたシャーペンを筆箱に放り込み、顔を声の方へ向けると、そこにいたのは自己紹介の時に真っ先に拍手をくれた、金髪碧眼の彼女だった。

 

「自己紹介が途中で有耶無耶になってしまいましたから、改めてご挨拶をと思いまして。私、イギリスより遥々やって参りました、セシリア・オルコットと申しますの。以後、お見知りおきを」

「あぁ、これはご丁寧にどうも。織斑一夏です。こちらこそ宜しく」

 

 嫋やかに微笑み右手を差し出してくる彼女に、直ぐ様立ち上がり、握手を以て応える。周囲の女子たちから“先を越された”的な呟きがちらほら聞こえるが、一体どういう意味なのだろうか。

 

「早速、先ほどの授業の復習ですの?」

「まぁ、な。ただでさえ解らないことだらけだし」

「フフッ、勤勉ですのね。素晴らしい心がけですわ」

 

 コトリと首を傾げ、頬に手を当てて微笑む姿は、まさしくお嬢様のそれだと感じられた。一々の所作から余裕というか、優雅さが滲み出ている。一般人が想像するような、ステレオタイプな上流階級。しかも英国ってことはヤバい、“本物”だ。自分でも何を言っているのか解らなくなってきてるけど。

 

「私で宜しければ、貴方様の一助とさせて下さいませんこと? 本国からも、貴方様とは是非に懇意になりなさいとのお達しもあることですし」

「それって、俺の勉強を見てくれるってこと? ってか今、随分とあけすけに言ったけど、国って?」

「あら。私のこと、ご存知ありませんの? それなりに名は知れている方だと思っていたのですけれど」

「あ、あ~……面目ない。芸能関連は、とんと疎くてさ」

 

 テレビなんて普段は精々がニュース番組、たまに興味の惹かれるバラエティや映画なんかがやっていたら録画しておいて、暇な時に見るくらい。欠かさずチェックしているのなんて、精々が特撮番組くらいじゃあなかろうか。……この歳にもなって、と思わなくもないけれど、好きなものは好きなんだから仕方がない。

 

「構いませんわ。かく言う私も、日本の著名人の名前を挙げろ、と言われれば、ほんの一部が関の山ですもの」

「そう言ってくれると、有り難いな。で、どういうこと? 一助になってくれる、って」

「私、これでもイギリスの代表候補生ですの。と言っても、選ばれてから日は浅いですけれど」

「代表、候補生? ってことは、ひょっとして専用機持ち?」

「あら、その辺りのことはご存知ですのね。えぇ、持っていますよ。これが、私の愛機の待機形態です」

 

 そう言って、左耳につけた青いイヤーカフスを見せてくれた。自然と、その綺麗なブロンドを掻き上げるような仕草をとり、透き通るような首元を見せるような角度になるわけで、思わずドキリとする。表情に出ていないか、少々心配だ。

 

「稼働時間はまだ30前後ですが、それでもお教えできることは多いと思いますわよ?」

「それは、」

 

 有難いな。そう続けようとした、その時だった。

 

「一夏」

 

 横合いからかかる声。6年も経てば流石に声変わりしているようだが、凛とした声色は、全く変わっていないようだ。

 

「話がある。ちょっといいか」

 

 篠ノ之箒。昔、千冬姉と一緒に通っていた剣術道場の子。そして、“あの人”の妹でもある。髪形はあの頃と変わらずポニーテール。最早、彼女のトレードマークと言って良いだろう。いつからだっけか。初対面の時は、こうじゃなかったような記憶が、薄ぼんやりとあるんだけども。

 大して高くもない身長が妙に高く見えるのは、綺麗な姿勢の賜物だろう。それだけで鍛錬を怠っていないのがよく解る。

 

「いや、でも、話の途中」

「私は構いませんわ。一夏さん、と呼ばせて頂いても?」

「あ、あぁ。俺は、構わないけど」

「では、一夏さん。また後ほど。色好いお返事をお待ちしておりますわ」

 

 そう言って踵を返し、自分の席へと戻っていくセシリアさんを見送る。いやはや、あんなに心地の良い人がいるんだなぁと感心する。……そんなことを考えていると、なんか、箒からの視線が妙に冷えていくように感じられたんだが、気のせいだろうか。

 

「箒、廊下でいいか?」

「……早くしろ」

 

 確認した途端、そそくさと教室を出て行ってしまう箒の後を追う。名前で呼ぶと視線の鋭さが一層増したように見えたんだけども、これも気のせい、じゃあ、ないよなぁ。

 まぁ、いいや。さっきから兎に角、この包囲網の居心地の悪さから逃れたかった。セシリアさんみたいに話しかけてくれるならまだしも、ずっと見られっぱなしってのは本当に落ち着かない。

 

 しかし、教室を出た途端、さっきまで以上に集まる視線。針の筵とはこのことだ。彼女たちに悪気はないのだろうけれど、動物園の動物がそのストレスから異常な行動に出たりする気持ちが、今ならよく解る。檻の中をやたらとグルグル回っているライオンとか、見たことないだろうか。アレ、ストレスに起因している行動らしい。俺も初めて知った時はビックリした。

 

 でも、こちらに話しかけてくる気配はない。多分、箒と俺の関係を勘繰っているんだろう。名前と顔こそ世界規模で知られるようになったけれど、俺の過去の人間関係まで把握しているような人は、そう多くないだろうから。実際、こっちに聞き耳を立てているのがバレバレだし。これだと、教室を出た意味、あったかな。居ても立ってもいられなかったって意味では、あのまま教室にいたよりかはマシだけど。

 

「…………」

「…………」

「……6年ぶりだな。元気にしてたか?」

「……それなりに、な」

 

 廊下の片隅、窓を背にもたれ掛かって暫く待ってみたけれど、一向に話しかけてこない。で、俺から話しかけるも、こちらを見ようともせず、ボソッと小さく呟いての返答。あぁ、箒だ。間違いなく箒だ。この無愛想というか、ぶっきらぼう加減が懐かしい。

 

「相変わらず剣道、続けてるんだな。去年の全国大会、優勝おめでとう」

「な、何故知ってるッ!?」

「新聞に載ってたぞ、優勝したって記事」

「な、何故新聞なぞ読んでいるッ!?」

 

 何を狼狽えているのか、より一層を睨みを利かせてこっちを見てくる箒。心なしか、頬がほんのりと赤い。そんなにおかしなことだろうか。今時、新聞くらい珍しくもなんともないと思うが。中学時代の試験に時事問題とかあったじゃないか。……あったよな? ウチの中学だけだったりする?

 

「で、なんだ? 何か話があるんだろ?」

「うぁ、え、えぇと」

 

 改めて問うてみると、しどろもどろになりながら視線をあちらこちらへ迷走させる箒。“相手が言葉を練っている時に下手に話しかけてはいけない”。ドイツで学んだことの1つだ。焦らなくていい、という意味を込めて微笑んでみせたら、何故か更に頬を紅潮させ、目を白黒させ始めた。……あれ、俺、また何か間違えた?

 

「どうした、箒?」

「な、なんでもないッ!!」

 

 一体、何が癇に障ったのだろうか。俺の心配は随分な剣幕によって突き返されてしまう。自分でも予想していた以上の大声に、箒は流石にばつが悪そうに表情を歪め、恥ずかしそうに俯いた。そして。

 

――キーンコーンカーンコーン

 

 呆気なく訪れるタイムリミット。2時限目の開始を告げるチャイムが鳴ると同時、あれだけ教室や廊下を埋め尽くしていた見物人たちは蜘蛛の子を散らすように一瞬にして消え去っていた。流石は将来のIS操縦者、なのか?

 

 結局、自分からは一言も喋ることなく、早足で教室へと戻っていく箒の背中は、どこか憤っているようにも、何故か落ち込んでいるようにも見えた。

 当たり前っちゃあ当たり前だし、既にドイツで嫌というほど思い知っているんだけども、女の子の考えていることってのは本当によく解らない。解らないからって、決してその意味を訊いてはならない場合がある、っていうのが殊更に面倒くさい。この高々数時間で、既に男同士の気兼ねない付き合いが恋しくなっている自分がいる。

 

(やっぱり、放課後は覗きに行こうかなぁ、整備管理棟)

 

 確か、入学式の壇上で紹介されていた職員の中に1人、随分と若々しい男性がいた。学園のIS整備を担当しているらしくて、金色というよりは山吹色に近い鮮やかな髪に、利発さを秘めた琥珀色の瞳が印象的なスーツ姿は、身綺麗に整えてきたベテランの職人のようにも見えた。ひょっとすると見た目に反して、結構な年配の人なのかもしれない。

 

(この学園で働いてるんなら、こういう環境との上手い付き合い方とかも教えてくれそうだし、整備課の人ならISの質問も出来そうだし)

 

 とはいえ、まずは何よりも。

 

「2時限目、どうにか乗り切らなきゃなぁ……」

 

 げんなりと両肩を溜息と同時に落として、若干重い足取りで、自分も教室に戻り始めた。

 

 

 

 

 同刻。IS学園、整備管理棟の管理人室。

 

「せ~んせ♪」

「なんだ。また来てたのか、更識」

「だって、先生のスーツ姿なんて珍しいじゃないですか。拝める時にゆ~っくり拝んでおこうと思って」

 

 入学式後の職員会議を終えて()()()へと戻ってくると、日頃の定位置であるモニター前の椅子の上、股を広げて逆向きに座り、背もたれの上に腕を組んで顎を乗せ、ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべている顔見知りが待ち構えていた。日本人にしては珍しい、空色よりも色素の薄い青白磁のような髪の色は、彼女の家系独特の特徴なのだと、以前聞いた覚えがある。

 

「まぁ、知り合いの普段と違う服装が気になる気持ちは、解らんでもないけどさぁ」

「でしょ~? 今なら丁度、会議から帰ってくる頃かな~と思って」

 

 ネクタイを解き、Yシャツの首元のボタンを数個外す。皺になる前にスーツの上着をハンガーにかけて壁のフックへ。昨夜脱いで簡易ベッド代わりにしているソファに放り投げたままだった作業着のブルゾンを羽織る。

 

「はい、どいたどいた。仕事出来ないでしょ」

「んも~、相変わらずのイケズなんだから~。華の女子高生をこれだけおざなりに扱うとか信じらんない~」

 

 ちょいちょい、と手で退くように指示すると、頬を膨らませながらも立ち上がってくれる。彼女がいつも持ち歩いている扇子を広げると、そこには“不能疑惑”などという4文字が書かれていた。名誉棄損にもほどがある。……まぁ、“相手”がいたことなんて殆どないんだけど。

 

「というか、“先生”じゃなくて“整備員”だって何度言ったら解るのかなぁ、キミは」

「先生こそ、私を“更識”って呼ぶのをそろそろ止めてもらえませんかねぇ?」

 

 じとっとした視線でお互いを見合うが、それも一瞬で終わる。理由は単純、解っているのだ。お互いに訂正する気がない、ということを。何せこのやりとりを一体何度繰り返したか、自分たちでも解らなくなっているほどなのだから。

 

 モニターの電源を入れ、表示するのは”とある生徒”のデータ。今年の2月になって“偶然”発見された、世界で唯一の男性IS操縦者。

 

「織斑一夏くん。やっぱり気になります?」

「そりゃあね。いち技術者として、調べてみたいことばかりさ」

 

 特別な才能も、特異な生体データも見当たらない、ごくごく普通の一般人。となれば、ファクターは恐らくDNA。何せ、親族に“彼女”がいるのだから。

 

 

 

――――と、普通なら考えることだろう。

 

 

 

「ま~た何を企んでるんですか~、せんせ~?」

「さぁね。本当に企んでいたとして、教えると思うかい?」

「え~え~そ~でしょ~ね~。い~ですよ~自分で調べますから~」

「どうぞ、ご自由に。で、そろそろ戻った方がいいんじゃない?」

「ダイジョブです~。生徒会の仕事って名目で公休取ってますから~」

「いや、そっちじゃなくてさ。これ」

 

 長年、あちらこちらに撒いてきた”種”がようやく芽吹いて来たことに、つい表情を隠すのを忘れてしまっていたらしい。ただでさえこの娘は色々と()()のだから、気を付けなくては。

 誤魔化しがてらにモニター内で開いたウィンドウを指し示す。メールの受信フォルダには『バ会長、またそちらに行ってませんか?』というタイトルの1通。差出人は、確かめるまでもなかった。

 

「――ヤッバ」

「レイディは使うなよ?」

「わかってますうううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」

「おぉ、早い早い。流石、生徒会長(がくえんさいきょう)

 

 乱暴に開け放たれた扉の向こう、ドップラー効果で遠のいていく悲鳴に思わず噴き出し、そのまま室内をぐるりと見回す。

 一応、私室は別に与えられているが、仕事柄1日の殆どをこの管理人室で過ごしている内にここで食事や仮眠まで済ませるようになり、今では殆ど向こうには戻っていない。精々が月に1度、掃除くらいはしておかないとなぁと考えてはいるくらいである。

 

「すっかり、腰を据えちゃったなぁ」

 

 何せ、“ここ”は居心地が良い。地球人全てに好印象を持っているわけではないが、それでも寄り添い、導き、守るに値すると、今の自分はそう思っている。

 

「ようこそIS学園へ、織斑一夏君。会えるのを楽しみにしていたよ。――なぁ、相棒」

『エェ。待ちわびたッスね』

「さぁ、まずは前菜(オードブル)から始めようか」

『丁寧に、仕上げるッスよ』

 

 厳重なプロテクトを介した回線を用いてモニターの向こう、ここ暫くは別行動していた相棒と連絡を取り合いながら、ニヤリと笑みを深める。

 キィ、という音を立てながら、ゆっくりと閉じていく鉄扉。その表面には、こう記されていた。

 

『管理人室 代表者:Alister Kadenson(アリスター カデンソン)

 




サブタイトルの元ネタ
“ラチェット&クランク FUTURE2(PS3)”のトロフィー
“過去を変えたヒーロー(Paradox Hero)”
 ゲーム内にて過去を変える”とあるイベント”を終えると獲得する。
 タイム・パラドクス系のイベントを見て毎度思うのは、過去を変化させた場合、その影響が現れるのはどの時間軸が基準なんでしょうねぇ、という疑問です。普通に考えれば、過去を改変した人がやってきた“現在”なんでしょうが……

補足説明

・天の道を往き総てを司る~
 日朝のおばあちゃん大好きっ子なライダーの決め台詞より。
 あの回し蹴りは、飛び蹴りばかりで真似をする子どもたちが危なくないように、という意図もあったそうです。

・ラチェクラ本編における恋愛要素
 実際のところ、日本版ではラチェットに関する恋愛描写は殆どありません。
 『2』にはシリーズ作品唯一の女性ロンバックスである“アンジェラ・クロス”が登場します。作中では、ラスボス戦後のムービーにラチェットたちの家で、同じソファで一緒に寛いでいるぎこちない2人の姿を拝むことが出来ますが、『3』以降にはその姿を一切見せず、『FUTURE2』のラジオニュースにて行方不明になったという情報が聞けます。……実は海外版の設定資料集には”結婚”なんて文字があったりもするんですが、日本版では一切そんな描写、ありませんし。
 代わって『3』には銀河大統領の娘であり、拠点となる戦艦“フェニックス号”の艦長でもある“キャプテン・サーシャ”が登場します。ラチェットも彼女に妙に気があるような態度をとりますし、彼女自身も満更でもない様子。『4』の冒頭でも彼女とのやりとりがありますが、やはり『5』以降にはその後の情報が全く出てきません。
 そして『FUTURE』~『NEXUS』にて、以前の後書きで説明した“タルウィン・アポジー”が登場する訳ですが……私の個人的な解釈なんですけど、どうにも“男女”というよりは、仲の良い“きょうだい”って感じなんですよね。どちらが上とか、下とか、そういう風にも見えず。既にそういう関係を飛び越えてしまっているような感覚を覚えました。
 何か情報をお持ちの方は、是非教えてください。私が知らないだけの可能性もありますので。……尚、前にボソッと話しましたが、クランクは各シリーズ毎にとっかえひっかえ色々な女性にモテまくってます。そりゃあ、あれだけウィットに富んだ大川さんボイスじゃあなぁ。モテるよなぁ。


・“ケイデン(Kaden)”及び“アリスター・アジマス将軍(Alister Azimuth)”(初出『FUTURE2』)
 以前、アフィリオンの説明でほんの少し触れましたが、ケイデンというのがラチェットの父の名前です。ファミリーネームは不明。尚、“ラチェット”という名前も正確には彼の本当の名前ではないようです。それを唯一知る存在も、今はどこにいるのやら。そうなってしまった理由については、またいずれ触れることとします。
 アリスター・アジマス将軍はラチェット以外の“もう1人の生き残り”にして“種族を追放された裏切り者”として『FUTURE2』のシナリオに登場する、ケイデンの親友でもあったロンバックスです。白い毛並みに赤い縞模様が特徴的で、ラチェットの1回り以上は大きい体格をしています。元・正規軍の司令官にして先進技術センターの上級顧問という凄まじい経歴の持ち主であり、特殊な形状をしたレンチ1本と小型爆弾のみという戦闘スタイルを最後まで崩さない渋い一面も。シンプルに強いんですよね、コイツ……ここで説明するにはあまりに足りないので、これ以上は是非、ゲーム本編にて知って頂きたい。


 いよいよIS本編に入ります。この辺はまだ1巻、1話の冒頭なのでそこまでではありませんが、既に随所に変化が見て取れると思います。ここから徐々にオリジナル展開を盛り込んでいくわけですが、さて、上手くいくかどうか……いやぁ、苦しいですけど同じくらい愉しいですねぇ(*´▽`*)

 最近は猛暑のお陰で修理依頼が殺到し、もう帰宅が日付変更してからが珍しくない状態です。帰宅してからは最低限の家事だけこなして爆睡、翌朝6時に起きて朝飯を詰め込んで会社へ、がここ数日の私のライフサイクルです。休日のBGMはまんだらけで即買いしたゾイドのBlu-ray。嗚呼、美しきかな機械生命体。

 では、近い内にまたお会いできることを願って。

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