ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】   作:George Gregory

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明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします(大遅刻)。

えぇと、言い訳させてもらえれば。
資格試験は手ごたえが悪かったということもなく、11月半ばに無事に終わりました。合格発表は来月なのでそれ待ちですが。
その後、まぁ、ありきたりな理由ですが、仕事が大忙しになりまして。
というのも私、北海道のエアコンや水道の修理業者のサービスマンなんですね。えぇ、はい、”この時期”です。お察しください。
今後もマイペースですが、少しずつ完結へ向けて更新し続けますので、お付き合い下さい。


……まぁ、偶にアローラ地方やハイカラスクエアにも入り浸ってましたけどね(;^ω^)



Range Of Samurai Ⅲ

―――そうですね。はっきり言ってしまえば、嫌いでした。

 

 当時の私は価値観の凝り固まった頭でっかちで、思い返せば未だに膝を抱えて蹲りたくなるくらいでして。真剣に“馬に蹴られろ”と思ってましたから……あの、解ってますから、自分でも黒歴史だと思ってますから、そのジト目は止めて下さい。お願いします。

 

 ……コホン。そんな当時の私に対しても決して匙を投げずに最後まで面倒を見て下さって、本当に、頭が上がりません。“あの日の一件”が、私があの人に受けた最初の“授業”だったんだと、今ではそう思っています。

 

 女尊男卑に染まり切っていた当時の風潮にありながら、学園に勤めて僅か2年弱で自分の立ち位置を確立していた世渡りの上手さもそうですが、『能ある鷹は爪を隠す』を地で行く方でした。事実、当時のこの星で、あのお二人の全てを知っていた人なんて、精々がウチの姉と姪くらいでしたでしょうし。

 

 『誰もが自分の視野の限界を世界の視野の限界だと思っている』。ドイツの哲学者、ショーペンハウアーの言葉、だそうです。後に倫理の授業で習っただけなんですが、今でも妙に頭に残って忘れられない言葉の一つです。将来の役に立つことはほぼ皆無な教科だと言われていますが、私には学ぶことが沢山、本当に沢山、あったように思えます。言い訳染みて聞こえるかもしれませんけど、ね。

 

 ……私の話はここまでにしましょう。こうなると、その、ダメな方向に延々と堕ちて行ってしまうので。どこまでお話ししましたっけ。あぁ、そうだ。剣道場に連れていかれたところまで、でしたね。

 

 えぇと、あの後は、ですね―――

 

 

 

 

 IS学園の剣道場は畳張りの木造建築である。

 そこらの私立高を遥かに凌ぐ充実した設備をして尚、持て余すほどに広大な敷地面積からの予測を裏切らず、むしろいい意味で裏切ってくれるであろう衝撃は、この数週間でそれなりに通い慣れてきた今でも完全に拭い切れてはいない。

 広く大きく設けられた高窓は紅に染まり始めた西日を余すところなく室内へと招き入れ、仄かに立ち昇るのは藺草(いぐさ)の香り。板張りの床にはない利点だ。とはいえ、幼い頃は嫌で嫌で仕方がなかった、あの足裏を刺すような冷たさも、今となっては嫌いではないのだけれど。

 

「一夏君の相手になってやってくれるかい? 思い切り、本気で、ね」

 

 剣道場に到着するや否や、カデンソン主任はそう言って、剣道部の主将に道場の一画を借りられないか、と交渉しに行った。流石に突発的すぎて断られるのではないか、という私の懸念は「いいですよ。カデンソンさんにはいつもメンテナンスでお世話になってますし、噂の男の子にも興味ありますしね」という主将の快諾によって呆気なく霧散した。

 

 確たる理由がある訳ではないが、彼を“気に食わない”と思ってしまっている自分がいる。一夏との逢瀬を邪魔された(と彼女は思っている)のも間違いなく一因なのだが、どうにもそれだけではないようで。

 違和感がどうしても消えない癖に、彼の何に対して違和感を覚えているのかが解らない。騙し絵を見ているような心地だ。あれはそう、なんと言ったか―――あぁ、あれだ、ロールシャッハテスト。あの奇妙な形をしているだけの影を、いつだかの私は悪魔の微笑みと認識してしまい、それほどでこそないものの、忌避感を覚えたのを思い出す。

 ピントが合っておらず、輪郭がぼやけている、とでも言えば良いのか。少なくとも、好ましい感覚ではない。そしてそれは“あの日”以来、私が多くの大人たちに覚えてきたものと酷似しているように思える。

 ……まぁ、今はそれは良い。今は、それよりも。

 

 バチリ、と竹刀のぶつかり合う澄んだ音が、幾度となく耳朶を打つ。視界を遮る面防具の向こう、相対する剣士は弾かれるように距離を取り、正眼に竹刀を構え、微動だにさせない。これで、一体何度目だろうか。

 

「す、凄い。こんなハイレベルな攻防、全国でもそうそう見られないわ……」

「確か、篠ノ之さんって去年の全中の覇者なんでしょう?」

「ゴクッ。ま、瞬きするのも勿体ないよ」

 

 固唾を飲み行く末を見守らんとしているギャラリーはどこから聞きつけて来たのか、いつの間にやら剣道部員だけに留まらず、壁伝いどころか、道場の玄関に詰め寄るだけでなく高窓からどうにか覗き込もうとしている者までいるようだ。全く、見世物ではないというのに。

 それにしても。

 

(攻め切れない)

 

 一夏との仕合は織斑姉弟揃っての篠ノ之道場門下生時代以来になる。どれだけ腕を上げたのか確認する好い機会だと判断し、この仕合を引き受けた(決して“カデンソン主任の言葉”に乗せられた訳ではない)が、実に嬉しい誤算だった。

 面を狙えば足捌きで左右へ避けられ、小手を狙えば切っ先を弾かれ、胴を狙えば軌道を逸らされる。ならば、と突きを狙い距離を詰めれば。

 

「フッ!!」

 

 再びバチリと下からすくい上げるように竹刀を持ち上げ、勢いを落とされた後、鍔迫り合いに持ち込まれる。私とて鍛錬を怠ってきた積りなどないが、そこは男女の体格差もあるのだろう、押し勝てそうにはない。それでも強引に押し切ろうと試みるものの、まともに力を加える前に一夏に後ろへ退かれ、仕切り直される。

 

 記憶の中にある一夏は、千冬さん(見てきたもの)の影響もあってか、押せ押せで一気呵成に攻め込む速攻を好む傾向が強かった。粗削りな幼少期で技術を身に着ける前だったことを鑑みても明らかな、そして相当な修練の賜物であることは容易に伺い知れる。

 

「どうしたッ!? 守ってばかりでは勝てんぞッ!!」

 

 当時の勝敗は一進一退で、私の方が僅かに白星が多かった。それが昨夜はどうだ。事も無げに私を無力化してみせた、あの時の身のこなし。ただ我武者羅に打ち合っていただけのあの頃とは違う、自分が攻めあぐねるほどの技術を磨き上げた一夏が今、目の前に立っている。これほど心躍ることがあるだろうか。ようやく、ほんのちょっぴりだけれど、IS学園(ここ)に来られたことに感謝の念を抱きつつ、『もっと見せろ』と、『もっと来い』と檄を飛ばす。

 だが。

 

「…………」

 

 一夏は反応を示さない。意に介さず、微塵も剣先を揺らすことなく、じっとこちらを見ている。“この目”は、知っている。よく知っている。これは“洞察”だ。一挙手一投足すら見逃すまいと、瞬き一つせず、呼吸すら止めているのでは、と思ってしまうほどの集中力。外野のざわめきなど、全く聞こえていないのだろう。これだけでも見事なものだが。

 

(一体、何を狙っている……?)

 

 剣道の仕合が長引くことは殆どない。原則として1本5分の3本勝負。勝敗が決しない場合は延長戦を執り行い、それでも決着がつかない場合は審判員による判定を行うのがオーソドックスな公式試合である。それ故に、下手に守勢に出るだけでは不利になるばかりで、一種の賭けでしかない。まぁ、これは練習試合なので、時間無制限ではあるのだけれど。

 意図が読めない。一体、一夏は私の何を見ようとしているのか。そう思い眉をひそめたその時。

 

「――フゥ~」

 

 細く長く息を吐く音。ピンと張りつめていた緊張の糸が解けていく音。見れば、一夏の両肩が緩やかに脱力していくのが解った。

 そして。

 

「カデンソンさん」

 

 不意に視線を右へと逸らす。そこには黙して壁にもたれ掛かり、腕を組みながらずっと仕合を見守っていたカデンソンがいて。

 

「“解ってきた”かい?」

「はい。なんとなく、ですけど」

「よし。じゃあ、第二段階だ」

「……はいッ!!」

 

 なんだ。一体、何の話をしている。

 不敵に微笑むカデンソン主任がそう告げると、一夏の目つきがギンと鋭くなった。短く答えると同時、竹刀を握る手を強めたかと思った、その次の瞬間―――

 

 

 

 

 ―――その瞬間でした、最初の“授業”が始まったのは。

 

 今でこそ“どうしてあんな安直な手に”と思いますが、当時の私には文字通り“いい勉強”でした。

 

 先ほどもお話ししましたが、当時の私は本当に頭でっかちで、価値観もカッチカチに凝り固まっていたんです。それこそ、生半な治療なんて“暖簾に腕押し”“糠に釘”だったろうなぁって、自分でもそう思うくらいで。

 

 その瞬間、何が起こったかを理解していませんでした。それくらい一瞬の出来事で、“それ”を予想だにしていなかった。言われてみれば当たり前なのに、その場にいた誰もがその選択肢を無意識の内に除外していたんです。

 

 それが、私の第一歩でした。一夏との、そして、あの人との“距離”を思い知る、第一歩。

 

 話を戻します。あの時、一夏は―――

 

 

 

 

 

「――箒、大丈夫、か?」

 

 満員御礼のギャラリーたちが騒めく中、呼吸を整えながら防具の面を外し、心配そうに声をかけてくる一夏を見上げる。

 そう、()()()()。私、篠ノ之箒は、今、力なく尻もちをついたような体勢で、織斑一夏を見上げている。

 

「その、すまん。箒なら対応できるだろうって思ったんだけど、あんなにびっくりするとは、思わなくて」

 

 申し訳なさそうに右手を差し出してくる。本人に()()()はないのだろう。そういう性格ではないことは、他の誰より私がよく知っている。

 だからこそ、聞きたい。聞かなければならない。

 

「何、だ、今のは」

「何、って?」

「何故、途中で竹刀を手放したッ!?」

 

 そう。あろうことか一夏は突きを放つように竹刀を放り出したと同時に接近、私の手を捻り上げ、足を払って転ばせてきたのである。呆気に取られた私は思わず硬直、されるがままにバランスを崩し、受け身もままならず転倒してしまい、今に至る。

 

「自ら剣を擲つなど、剣士として言語道断だッ!! 一体何を考えている、一夏ッ!!」

 

 実際の剣道の試合において“竹刀落とし”は反則行為に該当し、同じ試合中に2度繰り返すと判定負けとされる。大半の場合は相手の巻き技によって狙われるか、振り抜いた際にすっぽ抜けるか、であり、少なくとも普通は自ら手放すような真似はしない。だからこそ、周囲の剣道部員たちは唖然としているし、他のギャラリーも“期待していたもの”ではないこの展開に戸惑いを隠しきれず、“これはありなのか?”と眉根を顰めながら互いを見合っていた。

 

「ん、ん~……だってなぁ」

 

 問われ、困ったように頭を掻きながら、一夏は擲った竹刀を拾い上げ。

 

「これ、“実戦の訓練”なんだろ?」

「―――は?」

 

 それは余りに端的な一言で。

 

「だったら、相手の虚を突いてナンボ、じゃないか」

「な、な、にを」

 

 余りにあっけらかんと言い放つその顔は、”何かおかしなことをしただろうか”と呆けているようで、未だ呑み込めずにいる私はまともに言葉を紡げずにいて。

 

「フムフム、やっぱり一夏君は近接戦闘向きみたいだね」

 

 そこで初めて、組んでいた腕を解いて、カデンソンがこちらへと歩みよりながら、そう言ってきた。

 

「昔取った杵柄、ってこの国では言うんだっけ? 流石にやっていただけあるね」

「段々思い出してきました、間合いの取り方。でも、本当にこれで大丈夫なんですか?」

「大丈夫大丈夫、お兄さんを信じなさいな」

 

 私を他所に親し気な2人を見ている内に、段々と落ち着いて来た半面、苛立ちが脳裏を一気に埋め尽くしていく。

 

「どういう事だ、一夏ッ!? 何の話をしているッ!?」

「どういう事って言われてもなぁ……えぇと、どっから説明したもんか」

 

 跳ね上がるように立ち上がり問い詰めると、一夏は説明するための言葉を選んでいるのか、暫く考え込むように視線を虚空に彷徨わせてから、順繰りに話し始めた。

 

「今朝、来週の代表決定戦に向けて出来る事はないかと思って、山田先生にISの訓練機を借りられないのか聞きに行ったら『半年先まで予約でいっぱいだから無理』って言われちゃったんだよ。で、その時に一緒に『俺の専用機を担当するカデンソンさんに聞いてみたら?』って奨められたんで、放課後になって聞きに行ったら『まずは何がどこまで出来るかが見たい』って話になったんだ。ですよね?」

「あぁ。で、試しにVRルームで射撃訓練をさせてみたら、これは月曜までには間に合いそうにないと思ったんで、これなら近接武器の方を突き詰めた方がまだ形になるなと判断したんだ。幸い、一夏君の専用機は“近接向きの仕様”だし」

「それで、VRルームで近接戦闘の訓練は出来ないのかな、って話になった時に、偶々お前が来てくれたんだ。箒なら同門だし、俺も気心知れてる相手の方がありがたいしさ」

 

 要するに、近接戦闘の訓練相手に丁度いいタイミングだったという訳か。まぁ、それはいい。正確には良くないが、今は置いておこう。今聞きたいのは、そこじゃあない。

 

「それでは、さっきのふざけた行為(竹刀投げ)の説明にはならんッ!! 剣士の誇りを自ら投げ捨てるなど、舐めているのか貴様ッ!!」

「舐めてるのはどっちかなぁ、篠ノ之の御嬢さん?」

「何、だと?」

 

 そうやって私が憤りを露にすると、未だ“理解できない”と言わんばかりに面食らった表情でいる一夏の後ろに回り、肩に手を回しながらカデンソンが挑発的な物言いで返してきた。

 

「最初に言わなかったっけ? 思い切り、本気で、って」

「何を言うッ!! だから本気でやっていただろうッ!!」

「そうだね。“剣道の仕合”を、ね」

「……何?」

 

 それが、初めてだった。アリスター・カデンソンという男と、初めて正面から相対した、初めての瞬間だったと記憶している。

 

「話を聞いていたんなら、君も解っていた筈だろう。この仕合の目的が“近接戦闘の実戦訓練”だ、って事は」

「それはっ」

「ISの試合は、剣道のそれと同じかい? 相手から一撃でも有効打を奪えれば、それで終わりかい? 違うだろう」

「それ、は」

 

 言い淀む私を尻目に、カデンソンは尋ねてくる。

 

「君が知らないのも無理はないが、一夏君は短期間とはいえ、正規のドイツ軍でみっちりと軍格闘技(マーシャルアーツ)を仕込まれている」

「なん、だと?」

「そして、彼には仕合を始める前に予め言い含めておいたんだ。『まずは刀の間合いに慣れるまでひたすら“負けない”ことに専念しろ』『見切れるようになってきたら、君なりに勝ってみせてくれ』ってね」

 

 信じられない言葉に一夏へと視線を向けると、『本当だ』と言わんばかりに首肯した。突然のカミングアウトに、周囲の女生徒たちのざわめきが一層増す。

 

「礼節を重んじる剣道を悪いとは言わないし、君が剣道にどんな思い入れがあるのかも知らない。けど、今の一夏君に必要なのは下剋上(ジャイアント・キリング)を狙えるような、細い勝ち筋を手繰り寄せて確実に掴み取るための訓練だ。実際、さっきの仕合が“実戦なら”君の負けだったろう?」

 

 悔しいが、何も言い返せなかった。確かに、あの一撃で私は無力化され、我が身を無防備に晒していたのは、紛れもない事実なのだから。

 

(私一人だけが、勝手に舞い上がってだけじゃあないか……)

 

 先程までの私は、一体何を考えていた? 久し振りにまともな手合わせが出来て嬉しい? どれほど腕を上げたか見てやる? 何様の積りだ? そんな間にも、一夏は真剣に勝利の為に出来得ることを成そうとしていたというのに。

 

「さて、一夏君。今後も引き続き、彼女に訓練相手を依頼する、ってことで良いかな?」

「はい。むしろ、俺からお願いしたいくらいです」

「――え?」

「部長さんも良いだろう? 道場の隅っこでいいからさ、暫く2人に貸してやってくれよ」

「まぁ、いいですよ。噂の男の子が来るなら、皆も一層張り切って練習してくれるでしょうし。ね、皆?」

「「「文句な~しッ!!」」」

「ちょ」

 

 私を他所に話が進んでいく。待て、何故、そう言いたいのに、咄嗟の事態で口が言葉を紡がない。

 とんとん拍子で話を進めるカデンソンは、呆気に取られている私の顔を覗き込むように顔を近づけて来る。

 

「篠ノ之さんも、構わないよね?」

「……何故だ?」

「何故って?」

「何故、私なんだ?」

 

 この男は、解っている筈だ。私が浮ついた心のまま仕合に臨んでいたことも、一夏の事情を他所に自分のことしか考えていなかったことも。だのに、何故、未だに私を推す理由は、何だというのか。

 そんな私の悔し紛れの問いに、カデンソンは即答した。

 

「一夏君を、勝たせてやりたいからさ」

「……何?」

「彼の知る剣術に最も精通し、彼の人となりを最も知り、彼に最も時間を割ける人物。これらの条件を満たせる人物が、君以外にいるのかい?」

「むっ」

「何せ、彼には時間がない。代表候補生相手にこの短期間で、最低でも喉元に届き得る一手を磨かなければならない。その為に最も可能性のある選択肢は……解るだろう?」

「なぁ、頼むよ箒。来週の月曜まででいいからさ、俺の特訓に付き合ってくれ」

 

 なっ、なっ、と両手を合わせて拝むように頼み込んでくる一夏。複雑な心持ではあるが、そうまで言われてしまっては、断るのも忍びない訳で。

 

「……解った。但し、先ほどのような突飛な真似をするなら、前もって私に言ってからにしろ」

「え、いや、奇襲ってのは相手が予期していないからこそ奇襲な訳で」

「い・い・か・ら・言・え。少なくとも今後、私の前で無断で竹刀を放るな」

「あ、はい、解りましたです、はい」

「さぁ、そうと決まれば早速再戦するぞ。時間が勿体ないからなッ!!」

 

 先ほどはどうにか咄嗟に躱すことが出来たが、単純に危険だ。ISには絶対防御があるが、こちらは防具有りとはいえ生身なのだ。下手をすれば大怪我をしかねない。それくらいはこちらを慮ってもらいたいものだ、と軽く頬を膨らませながら、しかし来週月曜日までは2人の時間が確保されたことに少なからず昂揚感を覚え、口角が上がりそうになるのを誤魔化すように面防具を被り、竹刀を握り直した。

 

 

 

 

――――やれやれ、こりゃあ“重症”だねぇ……博士、この“貸し”は高くつくぜ?

 

 

 

 




 どうも、お久しぶりです。Geroge Gregoryです。

 改めまして、大変お待たせいたしました。大幅な更新遅延の理由は概ね前書きの通りです。

 久し振りの執筆で若干文章に乱れが生じているかもしれません。多少は見逃しの対象ってことで、許されてね☆(某八奈見ボイス)

 さて、『Range Of Samurai』は今回の更新で終了し、次回はいよいよクラス代表決定戦です。1巻も間もなく折り返し地点……頭の中のイメージをきっちりアウトプット出来るか不安ではありますが、今後もこの駄文にお付き合い下さいませ。

 話は変わりますが、クランク役の声優、大川透さんが昨年12月9日より病気療養のため、活動休止期間に入られております。1日でも早い快復を祈っております。

 それでは、また近い内にお会いできることを願って。

2018.1.25 追記

 毎度ご感想、有難う御座います。特に誤字報告は大変助かっております。
 一応、執筆時と投稿前に推敲しているのですが、どうしてもヒューマンエラーは出るものでして……今回はその誤字報告に関してなのですが、お知らせと言いますか、私からの報告をば。

 今後のエピソードを私が更新していくにあたり、『誤字報告したのに反映されてないぞ?』的なことが多々出てくると思われます(現時点でも数件ある)が、これは主に“私が調べ直した上で誤字ではないと判断した場合”と“海外ROMと日本ROM両方のゲーム本編から会話を引用している為、翻訳した文章に若干の齟齬がある場合”の2パターンになります。

 というのも、後者はラチェクラに限った話ではなく、海外の作品を日本語訳にして発売している作品には決して珍しいことではないのです。なので、本作品中でゲーム本編から引用している文章などが出てきた場合、その翻訳は“厳密には正確ではない場合がある”ということをここに明記しておきます。イントネーション重視、ノリ重視で“へぇ~こんな表現になるんだぁ~”くらいの感覚で楽しんで下さると幸いです。

 ほいでは次回、クラス代表決定戦回でお会いしませう。お目汚し、失礼致しました。

 George Gregory

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