ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】 作:George Gregory
種火の入手手段が非常に限られているとのことで、ボックスガチャイベントがもっと頻繁に開催されないかなぁ、と思う今日この頃。
SN・EXTRA推しの私の元に最初に来てくれたのがカルナさんだったときは、それはそれははしゃいだものです。
……あ、今回、短めです。悪しからず。誰だ。作業用BGMに『Carnival Phantasm』なんて選んだのは。
憧れた"背中"がある。
覚えている。焼き付いていて、ひと時たりとも離れたことがない。
あの時の仄暗さを。黴臭さを。潮騒を。血の味を。
あの時の苦味を。悔恨を。屈辱を。忸怩を。
それら全てを呑み込んでしまいそうな、あの黒鉄の甲冑を。
それら全てを跳ね除けてしまいそうな、あの白銀の微笑みを。
空が青いように、雲が白いように、それが当たり前なのだとばかりに差し伸べてくれた、あの冷たくも暖かな2つの手を。
あれが始まりだ。あれに憧れないヤツなんているもんか。
そりゃあ英雄譚なんてものは世の中にごまんと溢れているし、なんなら毎週日曜日の朝は今でも欠かさずチェックしているとも。弾たちも最初は「この歳にもなって」だとか言って呆れていたけれど、俺に付き合っている内にいつの間にやら一緒になって夢中になっているのだから、男ならば誰でも、いつまで経っても心の中には"少年"がいるのだ、間違いない。
だからこそ、今回の特訓を始めるにあたって、つい1つだけ、カデンソンさんには我がままを言っていた。と言っても"だったらいいなぁ"程度にポロっとこぼしただけだっただし、俺の専用機は"近接戦闘型"と聞いていたから、本当に叶うとは思っていなかったし、増してや当日になって「もっと我がままになっていい」なんて言ってくれるとは思っていなかった。
「まずは自分の機体をよく知ることからだ」というカデンソンさんのアドバイスに従い、改めて目覚めたばかりの俺の専用機のデータに目を通す。
《和名:白式》
《型式:XX-01》
《世代:第三世代》
《所属国家:日本》
《分類:近接格闘型》
《装甲:多重ナノ構造ハイブリット・ハニカム装甲》
機体詳細に始まり、基本スペックや活動可能時間などの機体特性へと視線を移していく。見れば見るほど思うのは『似ている』という感想だ。
《装備:近接特化ブレード『雪片弐型』》
《仕様:バリアー無効化攻撃『零落白夜』》
思い返すのはつい数時間前。真銘を示すや否や、陽光にも劣らんばかりの煌めきを解き放った刀身。
『雪片』。それは嘗て千冬姉が世界の頂点に君臨していた頃の専用機『暮桜』の愛刀であり、『零落白夜』はその
故に、尊敬する姉と同じ武器、という面映ゆい喜びを覚えながらも、思い浮かぶ疑問が1つ、ある。3日程前、IS基礎理論の授業にて、山田先生が言っていたのだ。
「
だとすれば、これは俺が千冬姉の血縁だからなのだろうか。あるいは……いや、
視線を移すは装備欄の
《装備:複銃身式拳銃『吹雪』》
連なる2つの銃身で実弾と光線という異なる弾丸を射出することが出来るらしい。今回は結局、たった1発の実弾だけで終わってしまったが。
「……これからはもっと、射撃訓練の頻度も増やしたいな」
「おりむ~、どうしたの~?」
「うぉ、のほほんさんッ!?」
のしっ、と背中に感じる柔らかな感覚に、沈み込んでいた思考の渦から引き戻される。肩越しに振り返ってみれば、ほにゃっと緩んだいつもの笑顔。
「あれ~、これって~」
「あ、あぁ。俺の機体、"白式"のスペックデータ―――あぁ、そっか。のほほんさん、整備科志望なんだっけ?」
「そうだよ~。……わっ、機動力特化だとは思ってたけど、やっぱり凄いね~コレ」
「そう、なのか?」
「うん。多分、"
「……マジ?」
「マジ」
心なしかキリッと瞼を細め、凛々しい目つきでそう返してくるのほほんさんの様子には、冗談や誇張の類は一切見受けられない。それはつまり、
「いきなりこんなスペックの機体とあの武装だけで、よくあそこまで戦えたね~。おりむ~凄いよ~」
「いや、うん、あり、がとう」
一転、いつものようにほにゃっとした笑顔に緩むのほほんさん。少々どもりながらそう返して、左手の真白な籠手へと視線を落とす。"白式"の待機形態だ。通常、ISの待機形態はアクセサリーが多いらしいのだが、何故か"白式"はこの形に落ち着いたらしい。完全に防具である。何故だろうか。
「それより、ほら。学食のおばちゃん、新しいメニュー、持ってきてくれたみたいだぞ?」
「むむっ、この香りはもしやおしるこ……行かねばッ!!」
彼女が甘味に目がないのは最早クラスメイト全員の常識であり、休み時間になるとどこからともなくお菓子を取り出しては、リスのようになるまで幸せそうに頬張っているのをちょくちょく見かける。目敏く、いや、この場合は鼻敏く、かな、餡子の香りを嗅ぎつけ、駆けて行った。
遅まきながら説明する。ここは学食。時刻は夕飯時。真ん中、いくつもくっつけられているテーブルの上には手掴みで食べられるような軽食がズラリと並び、クラスメイトたちが思い思いに話に花を咲かせ、舌鼓を打っている。1年1組、そのクラス代表決定の祝賀会、だそうだ。何がどうめでたいのか、と言い出しっぺに聞いてみたいものだが。
――――結論から言うと、クラス代表決定戦に、俺は
機動力特化である専用機の性能を頼りに、近接武器と"零落白夜"をちらつかせることで『"白式"に遠距離武装はない』という先入観を与え、最後の最後で間合いの外から"吹雪"で撃ち抜く。それが俺の"プランB"だった。
本当であれば初撃、
故に、だからこそ、あの戦闘中、
あの瞬間、聞こえた気がしたのだ。『
「結局、驚かせるだけで終わっちゃったけどなぁ」
ギリギリまで"雪片弐型"以外の攻撃手段を隠すのと、単純に射撃への自信の無さから、タイミングを見誤ってしまった。何より、セシリアさんが自分と同じように"
だのに、食堂の中央、でかでかと掲げられている垂れ幕には『
理由を問う前に彼女は颯爽とBピットへと戻って行ってしまい、試合が終わってからは観客たちから、祝賀会が始まってからはクラスメイトたちやら新聞部やらに包囲網を食らってしまい、あれからまともに話すことすら出来ていない。随分目まぐるしく捲し立てられたものだから、どんな受け答えをしたか微妙に覚えてない部分すらある。ヘンな記事を書かれていなければいいけれど。
兎に角、ようやく聖徳太子の真似事も落ち着いてきた頃、ちょっぴり輪を離れて資料片手に一息ついていた訳だ。始まってからそれなりに時間が経ったはずだが、1組の面々の活気は未だ衰える様子がない。女三人寄れば姦しい、とはよく言うが、実際に目の当たりにすると、こう、何というか。
「俺の周りに
千冬姉は無論のこと、箒も基本的には寡黙なタイプ。蘭ちゃんも活発ではあるけれど、他の女の子といるところを見たことがない、というか、女友達の話題は頑なに避けている節すらあった気がする。束さんは、賑やかではあるけれど、賑やかの方向性がクラスメイトたちとは違うと思うし、いちばん近いのは多分、ドイツ軍の皆と。
「元気にしてんのかなぁ、あの
「ふふっ、ずいぶんと愉快なあだ名のご友人がいらっしゃいますのね」
「……へっ?」
思わず間抜けな声と共に振り向く。そこにはやはり、優雅な微笑みで佇むセシリアさんがいた。ほんのりと薔薇のいい香りが漂ってくる。香水だろうか、あるいはシャンプーだろうか。
「お話、宜しいですか?」
「あぁ、うん、どうぞ」
促すとテーブルを挟んで向かいの席に腰を下ろす。所作が余りに自然すぎるからだろうか、当事者が2人揃ったこの状況に、しかし未だ誰もこっちに気付いていないようだ。本当に礼儀作法を身に着けたなら、意識せずとも身体が覚え、勝手に動いているもの、とは何かで聞いたことがあるが、こういうことなのかもしれない。
そんなことを考えていると。
「――ありがとうございます、織斑一夏さん」
朗らか、という言葉がある。辞書を引けば『心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま』という記述があるが、正にこんな感じなんだろうなぁ、なんてことを思った。
「期待以上でしたわ。まさかISに携わって僅か2ヶ月の貴方に、ここまで追い詰められるとは思っていませんでした」
「ど、ういたし、まして?」
なんで俺はお礼を言われているのだろう。咄嗟に返答こそしたものの、意味が解らなくて首を傾げる。その反応が面白かったのか、セシリアさんは口元を隠しながらフフッと笑い声をこぼした後、こう続けて。
「お礼と言ってはなんですが、
そこで一気に、我に返る。そうだ。言っていた。『私の期待を上回るような”何か”を見せて下さい』と。
そして、聞いてみたいことが確かにある。クラス代表を辞退した理由もそうだが、何よりも聞いてみたいことが、1つ。
先週の食堂。残していった、あの言葉。『6年前の5月。<ruby><rb>Great Western Railway</rb><rp>(</rp><rt>グレート ウェスタン レールウェイ</rt><rp>)</rp></ruby>、
「―――セシリアさん」
「はい」
「同年7月、ロッキー山脈、岩盤崩落事故現場」
試すように返す。俺の推測が正しいなら、恐らく、いや、間違いなく。そして。
「~~~~~ッ!!」
そこに、輝くような笑顔があった。正に1週間前の教室とは正反対、今度こそ新しい玩具を前にした子どものような、周囲に咲き誇る花畑すら幻視しそうなほどの、眩しい笑顔。それが、何よりの
「10月、サハラ砂漠、局所豪雨地帯」
「ッ!!」
「12月、エルブルス山、飛行機墜落事故現場」
「ッ!! ッ!!」
「翌年3月、チリ中部沖地震の大津波被災地」
「~~~~~~~~~~ッ!!」
ダメ押しと言わんばかりに、思い当たるものを続ける。そしてその度に輝きを増す笑顔に、赤べこ宜しく、嬉しそうに何度も繰り返す首肯に、俺の方まで笑顔が深まってしまう。『
徐に携帯を取り出し、待ち受け画面を表示して差し出す。同時に、彼女も同じように携帯を取り出し、画面をこちらへ向けてきた。そこに映っていたのは、やはり。
「やはり貴方も」
「やっぱりセシリアさんも」
―――――『"黒猫"ファンだったんですのねッ/だなッ!!』
2丁拳銃をかる漆黒の機体。どこからともなく忽然と現れては誰かの為に戦い、名も告げずに去ってゆく所属不明のIS。世間を賑わす謎の義賊。
そこには、俺の、俺たちのヒーローの姿が、あった。
サブタイトルの元ネタ
『ラチェット&クランク2(PS2)』のスキルポイント
“インソムニア(Try To Sleep)”
惑星トダーノ内をうろついているテストリスという敵を、メルモシープというガラメカを使って16体ヒツジに変えると獲得できるという、割と簡単なスキルポイント。
メルモシリーズは使っている間、ジャンプが出来ないという短所こそありますが、当ててしまえばあらゆる敵だろうが無力化してしまうという末恐ろしいガラメカです。RTA動画なんかではクッソ時間のかかるボス(超巨大ロボ))をノーリスクでマトンに変えてしまうのが定番だったりします。『2』を遊んだことがあるけれどそう言う動画は見たことがない、という人は必見ですよ。
お久し振りです。作者のGeorge Gregoryです。
FGOが楽しすぎる。元々神話スキーの本読みなので、この手の作品にとても弱いんです。
要するにこの手のゲームって「俺はこのキャラはこうだと思うんだけど、皆はどうよ?」ってことだと思っとるんですよ。「それいいな」って盛り上がる人もいれば、中には解釈違いで「有り得ない」と断じる人もいる。雑食極まりない私は"原作へのリスペクト"があれば何でもござれ、というタイプなので、もう、Fateは大好物な訳です。……実際、初の二次創作はFateでした。オリ鯖なんて何人作ったことか。日本史大好きなんで和の英霊ばっかりでした。剣豪特異点なんて悶え死ぬかと思った。のぶのぶと明治復刻まだか(真顔)
さて、関係ない話はこの辺で。
クランクの声優、大川透さんが復帰されました。いやホント良かった。インソムニア社のスパイディのゲームの出来上がりも素晴らしかったですね。俄然、ラチェクラ続編への期待も高まるというもの。是非とも1~3の三部作リブートは見届けたいものです……
先日、ふっとプレイ時間を見返してみると、PS3 HD.verの1~3が500時間を突破していました……累計すると普通に1600時間は超えてますねぇ。俺、どんだけの時間をこのゲームに費やしてるんだべか。4以降の作品のプレイ時間も、今度調べてみようかな。
それでは、また近い内にお会いできることを願って。
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