ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】   作:George Gregory

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短いけどキリがいいので(いつもの)

……なるだけ早く次の更新しま~す(´;ω;`)


Be A My Child Ⅳ

 事の発端は、1ヶ月程前に遡る。

 

「それを書き終わったんなら、今日はもういいよ。そこら辺にでも置いておいて。オイラはこのデータを、ゆっくり見せてもらうからさ」

「わかりました。それじゃあ、失礼します」

 

 ISの管理委託の書類を書き終え、部屋を出ていくデュノアさんを他所に、コンソールに目一杯表示される基本スペックのデータを確認していた。

 

『Rafale Revive CustumⅡ』

《和名:疾風》

《型式:RR-08/s2》

《世代:第2世代》

《分類:全距離対応万能型》

《装甲:衝撃吸収性サード・グリッド装甲(特殊軽量化仕様)》

《仕様:大容量バススロット(ハイスピード・コール仕様)、マルチウェポンラック》

 

「装備、"Galm(アサルトカノン)"、"Rain of Saturday(連装ショットガン)"、"Bread Slicer(近接ブレード)"、"Desert Fox(重機関銃)"……うわぁ、この物理シールド、"灰色の鱗殻(Gray Scale)"仕込んでるのか。しかも69口径。えっぐ」

 

 別名"盾殺し(Shield Pierce)"。『パイルバンカー』という武器の性質上、極めて至近距離でなければ使えないという難点こそあれ、第2世代ではトップクラスの威力を誇るロマン武器だ。しかもリボルバー機構の追加により、炸薬交換による連続打撃すら可能なカスタマイズが為されている。

 

 基本装備(Preset)を外して後付装備(Equalizer)用の拡張領域を原型機の2倍にまで追加。これにより豊富に搭載された武装が『距離を選ばない戦闘』を可能にする。加えてその全てを火薬式実弾で統一しているため抜群のエネルギー効率を誇り、各部に追加されている高出力マルチウイングスラスターによって敏捷性も底上げされている。

 

「こりゃあ、相手する側からしたら堪らないな」

 

 搭乗者のスタイルに合わせつつも、“飛翔する武器庫”の別名に恥じぬ()()()()を限界まで特化させている。今までに多くの機体やそのカスタマイズを見てきたが、ここまで『戦いたくない』と思わせたのはこれが初めてだ。少なくとも『実戦』を想定したコンセプトでなければ、こうはならない。口では何と言おうが、どの国も()()()()()()()()()()()()()()()開発している筈のISで、だ。

 

「一体、何を考えてこんな機体を……ん?」

 

 と、微かに違和感を覚えたのは各種装備の詳細を記す為のウインドウ。片端から目を通していると、ほんの一部、よく似ているが()()()()()()()()()()()()を見つけた。システムの互換性やエンコーディング変換によるものかと思ったが、それにしては他の箇所には同じようなミスは全く見つからない。

 

「―――もしかして」

 

 閲覧を一度止め、ファイルのソースコードを呼び出す。そして誤表示を起こしている箇所のプログラムを確認すると。

 

「URL?」

 

 表示する文章の中に、()()()()()()()()()()()()()()があった。それも、見るからにホームページ・アドレスの構造をしている。それもドメインの国を示す表記は『fr(フランス)』。それを判断するや否や、直ぐに真横のコンソールをオンラインに接続。検索欄に入力すると、開かれたのは簡素なチャットルーム。在室メンバーはたった1人。ログオンを示す緑のランプが点灯していた。表示されている名前はたった1文字。

 

「“A”、ね」

 

 入力しようとすると、パスワードを要求された。真下のヒントには。

 

「“思い出の味”?」

 

 暫し考える。“A”が自分の想像する通りの人物だとして、そいつが言う“思い出の味”。……1つだけ、心当たりがあった。

 

 

PASSWARD『●●●●●●●●●』[OK]

 

 

 入力してエンターキーを押す。予想通り、正解だったようだ。そして、認証された途端、メッセージが飛んできたので、チャットを開始する。

 

『流石、だな。キミなら気付いてくれると思ったよ』

『また珍しく凝った真似をしたね。気付かなかったらどうする積りだったんだい?』

『すまない。だが、今の私はこうでもしなければ、誰に何をどう見張られているか判ったものではなくてね』

『随分とヤバげだね。で? こんな回りくどい真似をしてまで連絡を取ってきた理由は?』

『キミの力を借りたいことがある』

『いいよ』

『――――即答か? 何も聞かずに?』

『アンタにはデカい借りがあるんだ。オイラに出来ることなら、幾らでも協力するさ』

『借り? まさか、6年前のアレのことか? たったあれだけのことで?』

『貸した方にはどうでもよくたって、借りた方は忘れられなかったりするもんだよ』

『そうか』

『そうなんだ。で、何をすればいい?』

『まずは、そのメモリの中に入っているデータを見て欲しい』

『メモリの中? あの子の機体のデータしか入っていなかったけど?』

『違う。そっちの“中”じゃない』

 

「そっちの“中”、じゃない?」

 

 片眉を上げながら、コンソールに挿しているメモリをポートから抜き出し、じっくりと観察する。傾けたりしながら凝視していると、真ん中の部分に微かにだが『切れ目』があるのを見つけた。細いマイナスドライバーを挿し込んでこじ開けると、メモリの中から更に一回り小さいメモリが出てきたではないか。

 

『見つけたか?』

『あぁ』

『必ず、完全独立(スタンドアローン)のデバイスで開いてくれ。間違ってもネットに繋がった状態で見ないように』

『わかった』

 

 ネットとも学園のシステムとも繋がっていない、随分前に買ってそのままだったタブレットを引っ張り出してくる。メモリを接続すると、出てきたのは幾つかの書類をスキャンしたPDFデータとテキストファイル。PDFデータに目を通していくに連れて、“A”がここまで入念に隠し通した理由を、理解した。

 

『これ、本当かい?』

『本当だ。信じられないか?』

『いや、むしろ納得した。“例の件”をずっと公表してないのも、これと関係が?』

『そういうことだ』

 

 そこで、色々なことに合点がいった。

 PDFデータは、デュノア社の金の動きを纏めたもの。"Rafale Revive"を世に送り出した直後に第3世代機の開発が世界的に始まり、欧州でも"統合防衛計画(Ignition Plan)"が発足したとはいえ、シェア率は世界第3位、7ヶ国でライセンス生産され、12ヶ国で正式採用されていることからも、そのスペックの高さが認められているのは間違いない。にも関わらず、近年のデュノア社の業績が振るわない理由。それが、ここには記されていた。

 

「使途不明金、ね」

 

 開発部の金の出入り、その一部に()()()()()()()()()がある。具体的には『こんなパーツや設備、本当に要るのか?』とツッコみたくなるような()()()()とか。しかもその回数も金額も、『必要に駆られて』ってレベルじゃない。にも関わらず、今までこれが表沙汰にならなかった理由。

 

「誰か揉み消してやがるな」

 

 相応の立場がなければできない真似だ。そりゃあ『誰も信用できない』訳である。そして。

 

「おまけに、これ、か」

 

 テキストファイルには、社内の現状を彼なりに纏めたもの。“反デュノア派”、なんて派閥が社内で生まれつつあるらしい。その業績不振を社長の手腕の結果に見せかけ、その風潮を高めようと働きかけている社員がいるのだという。その癖、その社員のことは『誰も知らない』んだそうだ。所属部署はおろか、顔も、名前も、誰一人として。

 

『で、何をして欲しいんだい?』

『もう気付いているだろうが、あの子は私の実の子だ』

『性別を偽ってる理由は?』

『……解っているなら話は早いな。重要人物保護プログラムを使って、あの子の母親を保護する為だ』

『よく政府に認めさせたね』

『これでも、国内では大企業の社長なのでね。それなりに()()()使()()()よ』

『母親は今どこに?』

『私が手配した病院にいる』

『病院?』

『心臓が悪くてね。あまり猶予がない』

 

 そこまで聞いて、半ば確信を覚えたことが1つ 。

 

『なぁ、“A”』

『なんだね?』

()()()()()()()()?』

()()()()()()。最近はずっと()()()()()だがね』

『そうか』

 

 そうか。成程。それならば。

 

『頼みたいことってのは()()()かい? それとも()()()?』

()()だ。私が失敗した時、2人を守って欲しい』

 

 それを見て、ふぅ、と一息吐いて、冷蔵庫から缶のエナジードリンクを取り出す。プルタブを開け、一気に飲み干した。

 

「『ちょっと待ってろ』と書き込んで……さて」

 

 携帯取り出しポパピプペ。

 

「デートしてくれますか?」

『いきなりなんスか、相棒』

「いやぁ、ちょっとね。クランク、オイラの()()()に付き合ってくれないかい?」

 

 そこから短時間でみっちりと計画を練る。出来ること、出来ないこと、起こり得る最悪の事態まで想定して、その回避案を数パターンまで用意する。そして。

 

『わかった』

『そうか。ありがとう』

『ただし、条件がある』

『何だ? 私に出来ることであればいくらでも聞こう』

『いやね、この計画さ、まだ詰めが甘いところがあるから―――――

 

 

 

 

 

―――――ちょっと、弄らせてもらっていいかな?』

 

 

 

 

 




 どうも、作者のGeorge Gregoryです。

 作者がIS主要メンバーの"中の人"をどこで本格的に覚えたか思い出してみました。

 織斑一夏(内山昂輝さん):ソウル=イーター(SOUL EATER)
 篠ノ之箒(日笠陽子さん):天草シノ(生徒会役員共)
 セシリア・オルコット(ゆかなさん):CC(コードギアスシリーズ)
 凰鈴音(下田麻美さん):双海亜美・真美(アイドルマスターシリーズ)
 シャルロット・デュノア(花澤香菜さん):杏本詩歌(ムシウタ)
 ラウラ・ボーデヴィッヒ(井上麻里奈さん):ヨーコ・リットナー(天元突破グレンラガン)
 更識簪(三森すずこさん):シャーロック・シェリンフォード(探偵オペラミルキィホームズ)
 更識楯無(斎藤千和さん):ラヴィ・ヘッド(LAST EXILE)
 織斑千冬(豊口めぐみさん):ミランダ・ロットー(D Gray-man)
 篠ノ之束(田村ゆかりさん):由詑かなみ(スクライド)

 ……世代と趣味ががバレるなこりゃ(特に隠してない)。

 では、また近い内にお会い出来ることを願って。

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