ラチェット&クランク:インフィニット・ストラトス 【Ratchet & Clank:Infinity Sphere】 作:George Gregory
割と雑食な活字中毒でして、暇さえあれば携帯に入れてある小説や、こういうサイトのランキングなんかをチェックしているんです。
5/14 さて、何か面白そうなSSは――ランキング44位?(;・∀・)
5/15 21位になってる、だと……?(; ・`д・´)
5/16 評価バーが真っ赤にッ!?(;゚Д゚)
こりゃあ下手なもん書けないなぁ、頑張らなきゃなぁ、と思いました。
――初対面の時?
モチ、覚えてるよ。多分、人生でイチバン緊張した瞬間じゃあないかな。
あ、失礼なこと考えてない? 私だって緊張くらいします~。……まぁ、言いたいことは解るよ。解るけどさ、それにしたって酷くない? ねぇ、酷くない? 話すの止めても良いんだよ? まったくもう。
今でも覚えてるんだよね、あの時は。それだけ“彼ら”は私にとって衝撃だったし、同時に初めての存在だったんだ。きっとね、“彼ら”に出会わなかったら、それこそ一生涯、私は“あのまんま”だったと思うんだよ。うん。
どうやって会ったかって? 私の方から呼んだんだよ。そう、“
そもそも誰かをウチに招待するっていうのが初めてでね~。ちーちゃん達はウチっていうより、ウチでやってた道場に来てた、ていう感覚の方がしっくりくるし。
だから、まぁ、変なテンションになっちゃってさ。当時から“1日35時間”と割と地で行ってたんだけど、いつにも増して眠れなかったんだよね。もうね、ギンッギンだったの。小学校の遠足とか、修学旅行とか、普通ならそういう時になるんだろうなぁ、ってのをまざまざと体感してたわけさ。
どれくらいだったか、っていうと、ね――
「クランク。データ通りなら、この辺りだよな?」
「エェ。地図データも最新のものをスキャニングして取り込んだッスから、間違いないッス」
暴走列車の事故を解決した、その翌日。2人はアフィリオンを操縦しながら洋上を彷徨っていた。
あの事故の直後、届いていたビデオメッセージには、機械仕掛けのウサギの耳がついたカチューシャを頭につけ、フリルをふんだんにあしらったエプロンドレスに身を包んだ、随分とハイテンションな女性の自己紹介文と共に、地球上の”とある地点”を指し示す座標番号が添付されていた。
『是非ともッ、君たちと直に会って話がしたいんだッ!! という訳で、これは招待状ッ!! 待ってるよ~ッ!!』
そのデータに則ってやってきてみたものの、視界に入るのは見渡す限りの真っ青な水平線。島影どころか、船の1隻も見当たらないと来た。
「と、なると」
「考えられるのは1つ、ッスね」
『りょ~かいッ!! レッツ、お着換えタァ~イムッ!!』
コンソールを操作すると、アフィリオンが明るい返事と共に主翼を収納し、左右に搭載されたパルスキャノンの後方よりハイドロタービンを露出させる。水中も飛べるようになったら完璧じゃね? というラチェットの単純明快な思い付きの下、何故か航空艇であるにも関わらず追加された潜航形態である。
「いやぁ、気まぐれでも追加しておくもんだね。お披露目の機会がこんなに早く来るとは思わなかったよ」
『アタシも嬉しい~ッ!! どうどうッ!? イカしてないッ!?』
「フム、弾丸も
念のために“O2マスク”の機能をオンに切り替えながら、尚も潜航深度を伸ばしていく。すると。
「――成程ね。こりゃあ普通に探してても見つからないわ」
深度200m以下の海域は俗に”深海”と呼ばれ、そこまで行くとと植物プランクトンが太陽光による光合成を行えなくなる。海自や米軍が用いるような実戦型潜水艦の常用最高深度は500m、戦略核搭載型であれば1000mまでは実用に耐え得る装甲を持ち、嘗ては有人潜水艇でありながら深度10000mまで潜ることが可能な艇もあったという。
それにも関わらず現在、有人潜水艇の潜航深度は6000mで頭打ちになっているのは、何故か。
「隠れる場所にはうってつけ、ッスね。そりゃあ、今まで見つからなかったワケッスよ」
6000mも潜ることが出来れば、地球上の深海の約98%が探査可能だからだ。では、残る2%はどうするのか。有人ではなく、無人機に任せれば良いのである。
スイスの物理学者が設計した“バチスカーフ”という種類に分類される潜水艇”トリエステ号”は、1960年に地球上で最も深いと言われている太平洋チャレンジャー海淵の海底まで潜り、実に10916mという潜水記録を樹立している。
「普通なら、気軽にこんなところまで来れないもんな。なのに呼び出すってことは、こっちに“それだけの技術がある”ってアタリはつけられてると思っておいて良いかもね」
「ッスね。そもそもこんな場所に拠点を築ける辺り、流石に惑星全域で”ドクター”と呼ばれるだけあるッス」
地球上では『地上にあるもう1つの宇宙』とも呼ばれているのだったか。誰より夢見た場所から遠ざかってしまったが故に、夢見た場所に最も近い場所を選んだのか。それとも、選ばざるを得なかったのか。どちらにせよ、余りに皮肉というものじゃあないか。
「さて、会いに行こうか」
「レディの誘いに乗らないなんて選択肢は、紳士として有り得ねぇッス」
深い深い
「う~、ど~しよ~、変じゃないよねぇ~……?」
何度見直したかもう判らないが、それでも姿見の前で服装に乱れがないか確認を繰り返す。
そもそも、この姿見そのものを、いつ振りに引っ張り出してきただろうか。普段まったく見てくれを気にしない生活を送っているものだから、同じ一張羅しか持っていないとはいえ、ほんの少しのシワやシミまでもが気にかかってしまう。かといって、アイロンがけなどという高等技術は身に着けておらず、洗濯・乾燥・皺伸ばしを一気に行ってくれる手製の洗濯機に全て任せているものだから、大して差はないはずなのだけれど。
『明日、そちらにお伺いさせて頂きます』
まさか本当に返事が来るとは思わなかった。そもそも、彼らの拠点と思わしき通信回線に割り込めたこと自体が奇跡に近いのだ。なんだろうか、あの厳重にもほどがあるスクリプトは。
(プロテクトは13重。プロトコル変化の単位時間はコンマ秒。というか、そもそもあんな形状の電波なんて生まれて初めて見たよ。生き物みたいにヌルヌル動くんだもんなぁ)
お陰で、圧縮に圧縮を重ね、どうにか20秒にも満たない録画映像と、この座標軸を記録したデータを強引にねじ込むだけで精一杯だった。まるで山のように積み上げられた、全て真っ白なピースでジグソーパズルを組み上げてるような、そんな気分だった。高々ビデオメール1本送信するだけで、とんだ”頭の体操”である。私に宇宙飛行士にでもなれというのだろうか。
久し振りだった。幼少期に関連書籍を読み漁って、初めて手探りでプログラム構築を試みた時の、自分が今、巨大な山の麓に立っているかのような高揚感。遥か彼方に見える山頂を目指して、その登山道へと一歩を踏み出したかのような、自分が“挑戦する側”であるという立ち位置。誰かを“見上げる”なんて、本当にいつ以来だろうか。誰かを“心待ちにする”なんて、初めてなんじゃあなかろうか。
―――ガコォン
「うひゃいッ!? も、もう来ちゃったのッ!?」
遠くからドッグのハッチが開いた大きな音がする。来訪予定など他にないし、そもそも他の誰も出迎える積りもない。
来た。ついに来たんだ。“彼ら”が。
「やっぱり、やっぱり来れた、来れるんだ、
動悸が激しさを増す。口から飛び出そうな心臓をどうにか呑み込んで、私室を出る。半ば自棄になりつつもあった。どうにか理性を保てていたのは、これから会う彼らに取り乱した姿を見せたくないがために、でしかない。もっとも、既にお見せできる状態である自信は欠片もないのだけれど。
歩いているはずが、自然と脚が早まる。既に軽いジョギングだ。せっつく心が身体に“早く”“早く”と鞭を打つ。そして。
「うぁ――」
居た。目の前に、手を伸ばせば簡単に届いてしまう場所に、待ちわびていた彼らが。
口元に手を当てながら、物珍しそうにコンソールとHDDの方を眺めている、小さな小さなロボットくん。その後ろをついて来ながら、室内をゆっくりと見まわしている、真っ黒な
「お招きにあずかりまして、誠に光栄ッス。お初にお目にかかるッスよ、ドクター・シノノノ」
それはそれは丁寧な言葉と共に、堂に入ったお辞儀を見せてくれて。そこでもう、完全に我慢の限界が来てしまって――
「うっきゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
「んなぁッ!?」
一体、彼女の中で何があったのか。妙なスイッチでも切り替わったのだろうか。
突然、奇声を発したかと思った次の瞬間、ドクター・シノノノは10m近く離れていたはずの距離をあっという間に詰め、いきなり自分を抱き上げて頬擦りし始めたのである。
「なんなのッ!! なんなのもうッ!! この身体の金属って何ッ!? 搭載してるOSはッ!? どんだけメモリがあればそんな流暢な会話が出来るのさッ!? ぬぁああああああああああああああああ調べたいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!?」
「あ、あの、目が、血走ってるッスよ? もしや、眠れていないのでは?」
「大丈夫ッ!! ほら、1日って35時間だからッ!!」
「そんなバカな。確か、調べた限りではこの惑星の自転周期は24時間だったハズ――」
失言だと気づき、両手を口に当てるものの、もう遅かった。後ろを見てみれば、あちゃあ、と言わんばかりに片手を額に当て、俯いているラチェットが見えた。
一縷の望みをかけ、ゆっくりと視線を前に戻してみれば。
「――今、“この惑星の”って言った?」
あぁ、これはもうダメだ。完全に言質を取られている。そして、その意味も理解されてしまっている。
「やっぱり、“そう”なの?」
「あぁ、その、えぇと」
「君たち、やっぱり“そう”なんだねッ!?」
瞳が爛々と光っている。獲物を前にした狩人か、あるいは。
「聞きたいことが、山ほどあるんだッ!! 何処から、何のために来たのかッ!! 君たちのその技術についても、どんな文明で生きてきたのかもッ!!」
新しい玩具を手に入れた、幼い子どものそれか。あぁ、こちらの方がしっくりと来る。“思っていた通り”だったか。であれば、まずは問わねばならない。
「それに答えるには、まずこちらの質問に答えて頂きたいッス」
「いいよッ!! 私に答えられるならなんでもッ!!」
「コホン。では、お伺いしたいんスけど」
なんとも無邪気な笑顔だ。だからこそ、こちらも“思っていた通り”であって欲しくないと、そう思う。それは、自分たち2人の間での共通の意見だった。
そして。
「昨日の列車の暴走事故、犯人は、アナタッスか?」
「――うん、そうだよッ!!」
おやまぁ、否定すらせず、表情1つ曇らせないとは。
さて、どうしたものかな、これは。
サブタイトルの元ネタ
『ラチェット&クランク5(PSP)』のスキルポイント
"ショック・ショック(Take Them Down A Shock)"
惑星チャラックスにおいてダメージを負わずにショック・トルーパーという敵を23体倒すと入手出来る。
ノーダメージ系スキルポイントはバリア系ガラメカ使用が安定ですね。後は長距離武器でボコるとか。
・アフィリオン水中形態
なんとなくお察しかと思いますが、このSSでのオリジナルです。ラチェットならこれくらいやりかねない(真顔)
ラチェクラシリーズには様々なビーグルが登場しますが、何気に水中で行動できるようなビーグルは未だに登場していません。精々、クランクがハイドロブースターという、水中移動をスムーズにするガラメカを搭載しているくらいです。
『3』の惑星アクエイトスに出てくる海底施設を探索する際には水中を移動するビーグルが出て来たりしますが、あくまで移動手段としてムービー中に登場するのみで、実際に操作することは出来ません。しかも他のステージに出てくる、宇宙空間を移動するビーグルにクリソツ。
尚、『C&R』に登場する、クランクが使う艇は陸・海・空の全てを制覇する超高性能機だったりもする。
・O2マスク(初出『R&C1』)
読んで字の如く、酸素マスクです。これを入手する前のブラックウォーターの下水道マップは、トラウマになっているプレイヤーも多いのでは?
水中でも呼吸ができるようになる他、有毒ガスが充満した環境や、宇宙空間でも行動できるようになったりします。『1』の頃は完全にヘルメット型でしたが、最新作『THE GAME』では口元に当てるだけで良いように小型化されていたりもしました。
……段々バトルスーツが高性能化していきますなぁ(;'∀')
いよいよ、邂逅シーン。イチバン難しくも、イチバン書きたかったシーンです。難産になりそうですが、同時に楽しみでもあります。
「これを読んで遊びたくなりました」という声を沢山いただきました。ゲームを知らない方からも「興味がわきました」だとか「買ってみます」という声もちらほらと。
本当に嬉しい限りです。もっと広がれ、ラチェクラワールド。
では、近い内にまたお会いできることを願って。
Twitterとリンクさせて更新報告/予告した方がいいですか?
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