Fate/muscle body   作:人外牧場

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見よ!この鍛え抜かれた鋼鉄の肉体を!!

 彼が学校にたどり着くまでの間に9つの塀をぶち抜き、4棟の建物に穴を開け、2人弾き飛ばした。問題を起こす度、私が全力で修復し、途中からは監督役の綺礼も駆けつけ一緒に修復活動に励んだ。普段は嫌みたらしい奴だが、今回ほど頼もしい事は無いだろう。私が学校につく頃には、校庭のど真ん中で大声でサーヴァントを探す奴がいた。

 

「あんたねぇ!!私がどれだけ苦労したと思ってんのよ!この脳筋野朗!」

 

「この俺が相手になってやる!出てこいや、おらぁ!」

 

「そんなんで出てくる訳ないいでしょ!」

 

「まったく騒がしい野朗だな。言われなくても出て行ってやるよ」

 

「!?」

 

 まさか、本当にこいつの誘いに乗るなんて。馬鹿なんじゃないの。目の前に現れた全身蒼タイツに槍を担いだ謎のサーヴァントを前に心の中で馬鹿にする。

 

「むさい野郎の隣にはまだ子供だが美女。古今東西、美女と野獣ってのは絵になるもんだね」

 

「しゃべってないでさっさとかかってこい!このビッグボディ様の強力で粉砕してくれる」

 

「まあ、そう焦んなよ。夜は長いんだ、余裕を持とうぜ」

 

「怖気づいたか蒼タイツ」

 

「待った!少し私と話をしてもらってもいいかしら」

 

 蒼タイツの男は顎に手を当て。首を縦に振る。

 

「あなたランサーのサーヴァントね。あなたも知ってると思うけど、学校に仕掛けられてる術式はあなたが仕掛けた物かしら」

 

「俺はあんな悪趣味な術式は仕掛けねえよ。そもそも俺はただ闘いたいだけなんだよ」

 

「そう、それを聞いて安心したわ。バーサーカー、やっちゃっていいわよ」

 

「応!」

 

 先に仕掛けたのはランサー。最速のサーヴァントと言われる通りに凄まじい速度で間合いを詰め、槍の刺突を放つ。それに彼は反応できていない、知力を捨て、攻撃一本に全てをかけるバーサーカーに反応しろと言うのも無理な相談だ。やはりハズレを引いてしまったのか。少女の頭にそんな不安がよぎる。ランサーの槍が、彼の厚い胸板に突き刺さる。覚悟していた、この戦争で誰かが死ぬのを、しかしまだ17歳の彼女には誰かの死に様はあまりに強烈過ぎる。彼女は咄嗟に目をつぶる。何かが突き刺さる音と何かが滴り落ちる音がする。令呪を使ってでもこの場は逃げるべきだった。今さらどうしようもない後悔と共に、少女は目を開ける。

 

「嘘だろ、オイ。槍が刺さらねえなんてどんな体してんだよ!」

 

「軟弱な槍だ。これならペンチマンの攻撃の方が、攻撃らしい」

 

 浅く刺さった槍を掴みランサーを睨む。自慢の槍を塞がれたランサーは状況を不利とみて一旦後退する。その時、近くの体育館から物音がする。少女が、体育館を見るそこに見覚えがある背中が走り去っているのを目撃した。

 

「やばッ」

 

 言葉を発するよりも先にランサーが目撃者を追跡する。原則として、闘いを見た者は口封じされる。記憶を操作されるか、命を消されるかどちらかだが。

 

「バーサーカー、ランサーを追って!」

 

 バーサーカーは命令に従い巨体を揺らしてランサーの後ろをついていく。そして、少女も後を追って校舎の中へと入っていく。

 

 

「・・・遅かった」

 

 少女の目の前には廊下を血で染めた少年が横たわっていた。隣のバーサーカーが小さく俯いている。

 

「俺が着いた時にはもう」

 

 そう言いバーサーカーは少年の前で片膝をついてポケットから葉っぱを一つ取り出し少年の胸に置く。

 

「このメイプルリーフが、天国の道しるべになるだろう」

 

「・・・まだよ」

 

「?」

 

「まだ、死なせやしないわ」

 

 そして、私は胸のポケットからとっておきを取り出す。そして、ありったけの魔力を込めて少年の治療に当てる。その甲斐あって少年の傷は塞がりもう一度命を吹きかえした。もう使い物にならなくなってしまったとっておきをその場に放置し二人は学校を後にする。

 

 

 少年との再会はそのすぐ後になった。少女の頭をよぎった予感、それが見事に当たり少年は再度ランサーに襲撃される。少年の家の前に駆けつけた時は既に戦闘ははじまっていた。急いで援護に入ろうと門を潜ろうとした時、すぐ先を行っていたバーサーカーが金髪の美少女に襲われる。ランサーの槍を防いだ彼の肉体に横一線の傷がつく。そして、バーサーカーにもう一撃を加えようとした少女をあの少年が止める。

 

「衛宮くん」

 

「と、遠坂!なんでここに」

 

「マスター、彼女もマスターの一人です。ここで決着をつけるべきです」

 

「駄目だ。遠坂は俺の友人だ、そんなことは出来ない」

 

「・・・・・・分かりました」

 

 こうして二人は衛宮士郎の家に上がる事となった。和風の居間に真っ赤な服をきた少女と、ヘルメットを着た大男が鎮座し目の前に金髪の鎧を着た少女が座る。和風という言葉がこれほど崩壊した居間も無いだろう。三人の前に用意したお茶を置き、自分にもお茶を置き家主である衛宮士郎は3人の前に座る。

 

「それで?遠坂。俺の身に何が起こってるんだ。さっぱり分からない」

 

「衛宮くん。あなた魔術師じゃないの?」

 

「いや、俺は魔術師じゃないよ。それに魔術も未熟な半人前だ」

 

「呆れた、それでサーヴァントを呼べるなんてね。聖杯戦争も可笑しなことになったわね」

 

「聖杯戦争?なんだそれ」

 

 まさか聖杯戦争について2度目の説明をしなくてはならないとは彼女にとって予想外だった。

 

「と、いうわけよ。分かった?」

 

「なるほど、そんな事が。で、この紋章がマスターの証なんだな」

 

 そう言って衛宮士郎は右手の甲を遠坂に見せる。たしかにそこには令呪が確かに存在した。

 

「それが令呪よ。あなたが呼び出したのは最良と言われるセイバーよ」

 

 チラとセイバーを見る。彼女は大人しくお茶を啜りマスターの命を待っている。かなり強力なサーヴァントの様だがマスターが未熟の為かパラメーターが大きく抑えられている。

 

「それじゃあ、私達はもういくわ」

 

「どうしてだ?」

 

「いい。私とあなたは敵同士なのよ。本当なら今ここで殺しあいを始めてもいいの、それをしないのはあなたが未熟なのと右も左も分からないド素人だからよ」

 

「確かにそうだけど。女の子を危険な事に晒したくない」

 

 私をまっすぐ見つめる彼の眼差しに一瞬たじろぐ。私が勝手に生き返した命だ。私が最後まで面倒を見るのも道理だろう。詰めが甘いのは先祖代々からだ。

 

「仕方ないわ。私が突っ込んだ問題だもの、最後まで面倒みるわよ。ただし、私達が協力するからには絶対に勝つわよ」

 

「ああ」

 

 私は衛宮士郎をアマちゃんだと評価したけど、アマちゃんなのは私の方だったようだ。

 

 

「はあ」

 

 自室に着くなり大きなため息を吐く。ベッドの隣に立っているバーサーカーを横目で見つめ、大事な事をしていない事を思い出す。

 

「そういえば、自己紹介してなかったわね。名前はなんていうの」

 

「俺はビッグボディ。好きなように呼べばいい」

 

「そうじゃあビッグでいいわね。私は遠坂凛よ。脳筋でも主の名前ぐらい憶えておきなさい・・・よ・・・・」

 

 小さく寝息をたててすやすやと眠る凛に布団をかけるビッグ。その顔はどこか嬉しそうだ。

 

「さてと」

 

 ビッグはおもむろに鎧を脱ぎ棄てその場で筋トレを始めた。その後、凛が汗の臭いで目が覚めた事は言うまでも無いだろう




バーサーカー(ビッグボディ)
筋力:A++
耐久力:A
敏捷:D
魔力:E
幸運:E
宝具:A+

対物理防御:EX

スキル
強力の神の加護 あらゆる状況下において筋力、耐久力がAを下回る事が無い。
何が知性だ! 陣地作成及び道具作成スキルを持つサーヴァントに対しての戦闘のみ耐久、敏捷、幸運がAに固定される。
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