凛は大きくため息をついて衛宮家のリビングにあるちゃぶ台に突っ伏す。頃合いを見計らって凛に茶を出す士郎に凛は突っ伏したまま話しかける。
「ごめんなさいね衛宮君。突然お邪魔して、迷惑じゃない?」
士郎ははにかみながら茶を出した盆を手に持って答える。
「迷惑なんかじゃないさ。一応俺と遠坂は同盟関係なんだから気にすること無いさ。でも、一体どうしたんだよ」
「・・・・・あの馬鹿どもよ」
「っていうとアーチャーと戦った時に現れたあの二人組か?」
「そうよ。アイツら滅茶苦茶強いわ。私、拳法やってるのよ、嗜む程度だけど。それに魔力で拳の硬化と筋力強化を重ね掛けした渾身の中段突き喰らってピンピンしてるなんて、ショックよ」
「でも、アイツらもサーヴァントみたいなもんだろ気にするだけ無駄だって」
「それには同感だけど、あのステカセにおちょくられたのは妙に腹に来るわ」
ズズズとお茶をすすりこの所ストレスで荒れていた胃に優しい感覚が通り過ぎる。普段は紅茶ばかりだがたまには緑茶もいいかもしれない。それに入れ手の腕前もあるだろう、私がこの味を出すにはかなりの経験が必要だろう。しかし、たまにはこうやって休むのもいい。今頃、あの馬鹿達は遠坂邸の地下室を改造したリングで摩訶不思議なプロレスをしていることだろう。あと2時間、あと2時間だけ休んだら戻ろう。そう決心した所で衛宮家の扉を開ける音がする。藤村先生が帰って来たのだろうか?などと思っていたがこの重量感たっぷりの足音は
「凛!いるか」
ビッグボディだ。
「なによ。私は今大切な休養してるのよ」
「それどころではない。今すぐ魔術でもなんでもして家を見てくれ!」
「なによ、もう」
そう言われて屋敷のまわりに配置してある使い魔の視覚をつないで屋敷の様子を見る。
「ななななんじゃこりゃー!!」
あらん限りの大声で絶叫する。士郎があわてて駆け寄る。しかし今はそれよりも大変な事が起こっていた。横から見ればいつもと変わらない屋敷だが、上から見ればその異変はすぐに分かる。○が出来ていた。屋敷に。大きな穴が出来ていた。
「なにしてんのよ!!この大馬鹿野郎が!!どうしたらこうなんのよ!」
「スパーリングに力が入り過ぎてつい」
「令呪にて命ずる!!自害せよ!バーサー
「止めろ!遠坂!!」
「だってぇだってぇ、アイツ私の遠坂の由緒正しい屋敷を・・うわぁ~ん」
それから大泣きする遠坂をなんとかなだめて優秀な大工に立て直しを依頼し、晴れて遠坂は家なき子になってしまった。しかたなく、ここは士郎が男気を見せ、セイバーや保護者代わりの藤村先生に反対されながらも凛と3バカを家に招くことに成功した。
そして、3人のスパーリングは夜中の人の居ない公園で行うことになった。