その場の俺以外の全員の俺に対して向けられる目がジト目になった後(木山だけはなんか違ったようだが)何とか俺と御坂美琴の険悪な雰囲気を察して白井黒子が話をまとめた事で何とか俺たちは話し合いをひとまず終え木山春生と別れ、後の話は彼女の支部の方で……ということになった。
別れ際、弱者ゆえに他人の視線に敏感な俺は木山春生のこちらを見る視線を感じながらそそくさと退散した。
「いや~困るな~ああいうのはあまり好みじゃないんだけど」
「アンタまた何言ってんのよ」
相変わらず俺に対してキツく当たってくる御坂美琴に睨み返しながら俺はその言葉に返すように続ける。
「敏感系主人公たる俺は他人の俺に対する評価に敏感なんだよ。モテるって怖いねえ………いろんな意味で」
「アンタのどこが敏感系主人公だ!」
電撃が飛ぶ、反撃にノイズを飛ばす。
俺の答えが気に入らなかった様な彼女とは終始険悪なムードだった。
「お姉さまこんな往来で能力は控えてください!秋瀬さんも普通の人には見えないからって勝ち誇った顔して能力を使わないでくださいまし!」
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そんなこんなでここは第七学区にある風紀委員第一七七支部。
そこで俺は世にも奇妙なものを目撃していた。
「というわけで初春。
「もう、白井さん厄介事ばかり私に回さないで下さいよ」
まるで飴玉を転がすように甘ったるい声で、サラリと俺と白井黒子に対して毒舌を吐く少女。
白井の言い方から彼女が割と低レベルの能力者だということがわかるためこの毒舌は聞き流す。AIMノイズは低レベル能力者には直接的には効果があまりないがそれでも無意識のうちに効果が出て、原因不明の不快感から俺に対してキツく当たってしまうのはよくあることだ。
最も笑顔でしかも白井に対しても毒を吐いていることからこの初春と呼ばれた少女は元々毒舌なのかもしれないが。
しかしそれよりも俺には重大なことがある。
先ほどここに来る途中能力を使いすぎた影響かは定かではないが俺の視覚情報には大きな障害が起こっていた。
「か、花瓶が喋っている!!!!!!!!」
正確には制服を着た花の化け物が俺の目の前にいる。
「な、なんだこいつは!新手のバイオテクノロジーか!?」
「ちょ!!初春さんになんて失礼なこと言うのよ!?」
「秋瀬さん皆さん最初はそういう反応をしますけど、あなたほどの反応は致しませんわよ!?」
そばにいる二人が慌てて初春とかいう少女のフォローにまわるが当の本人は全く心当たりがないといった風に首をかしげるだけだ。
まさかこいつ心当たりがないのか?
「まさかこんな人間がいたなんて!?こんな人間と組まされるなんて!」
と、冗談はさておき。知っての通り俺の能力は自分にも効果がある。というより最近は寝不足も祟って自分が一番の被害者だったりする。
まあそれでも、視界の20%位がノイズで見えずらくなっていたり(昔の接触の悪いテレビみたいに)、たまに耳が変な声を拾ったりするくらいだ。
それは人間や建物を見る時も同様で酷い時は顔にモザイクがかかっているように見えたり、声が合成音声だったりするが今はそれほどでもない。
しかしこの少女(?)は違う。この少女の周りはなぜか全身ノイズが花の形になっており、俺から見たら前述の通りにしか見えないのだ。先ほどの”笑いながら”というのも声のトーンがそんな感じだからそう判断しただけで表情など読めもしない。
こんなことはとある高校に行ったときに自分のことを教師だといった女性の姿がどう見ても幼女にしか見えなかった時以来だ。あの時は自分の願望が生み出した
「あ、なんかそう思ったら大したことじゃない気がしてきた。別にあの時ほどじゃないもんな。よろしくな花飾りちゃん」
「え、はいよろしくお願いします?」
何とか落ち着いた俺は花飾り(と呼ぶことにした。落ち着いたことでうっすらと概要がつかめるようになってきたし)に右手を差し出し、相手も両手で答えてくれた。
因みにあとの二人は一体いつどうなったのか理解できてないようでしばらくどぎまぎしていた。
そうして俺たち――