とある科学の劣化魔導   作:fukayu

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職権乱用

あれから数日。主にデスクワークが基本という初春飾利こと花飾りに合わせて俺もしょっちゅうこの第一七七支部にたむろしていることが多くなった。

そんなに暇なのかとかいう質問はしないでくれ。今は研究とは名ばかりの放し飼い期間でほとんど学外で生活しないといけない上に白井黒子と少し前に知り合った固則とかいう眼鏡で巨乳の風紀委員(以前どっかの路地裏で革ジャンを着ているところを見ている気がする)から単独での行動は厳禁と言われてしまったからだ。

別に破っても構わないのだが、とりあえず今はおとなしくしておく。ビビったんじゃねえからな!

 

「なあ、今回のパトロールはまだ行かないのか?」

 

「ちょっと待ってください。もう少しで終わりますから」

 

カタカタと俺の目には最早追えない速度でキーをたたいていく花飾りを感心しながら、俺は暇つぶしに冷蔵庫に入っているムサシノ牛乳に手を付ける。

 

「それにしても秋瀬さんパトロール大好きですよね」

 

こちらではなく画面を見ながら、初春は少しうれしそうに話す。

 

「まあ、そりゃな」

 

だってジャッチメントと一緒にいるってだけで大抵のスキルアウトは襲ってこなくなるし、襲ってきても後からどうにでもなるしな。そりゃあ、楽しくないわけないべ!

 

「最初に秋瀬さんを見たときは……失礼ですけどなんかへらへらしているのになんでかちょっと怖かったんですよ。あの長点上機の人だし。でも、一緒に過ごしているうちに小さい子供たちとも遊んであげて、スキルアウトの人たちやほかのレベル0の人たちとも分け隔てなく接して、とても優しい人だなって。――――あ!違いますよ!一緒にってそういう意味じゃなくてですね!」

 

そういうと花飾りはあからさまに動揺してキーバードを乱暴にたたき始めた。というか、落とした。床に。

 

?何言ってんだこの花飾りは。前半の言葉はわかるけど、後半はいくら敏感系主人公の俺でも理解できないぞ。

 

「ま、あの学校のやつが怖がられるのもわかるよ。名門校だから下手にプライド意識高くて格下に見栄張りたいような連中ばっかだし。……後、学校の不祥事は徹底的に隠ぺいしようとするし。」ボソッ

 

なんか不満がどんどん出てくるぞ俺。

 

「おかげで俺はあの変な部屋に閉じ込められて強制実験カリキュラムだし。ちょっと能力コントロールできないだけじゃねえかよ」ボソボソッ

 

「あ、あの秋瀬さん!?」

 

おっと。軽く暴走していたようだ。

それはともかく花飾りの作業も終わったみたいなんでそろそろ出かけますか。

俺は追っていたムサシノ牛乳を一気に飲み干し、声をかける。

 

「そろそろ行きますか」

 

「はい!ってそれ固則先輩のですよ!?」

 

元気よく振り返った花飾りは俺が手に持っていたムサシノ牛乳を指さしワラワラ震えていた。

 

「え、マジで!?」

 

やべー怒られる。あの人怖いんだよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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花飾りとのパトロール中

 

「ま、流石にそうそう事件なんか起こらないか」

 

「あ、秋瀬さーん。もうちょっと現実見てください!」

 

いや現実って言ってもスキルアウトに囲まれているだけだし、いつものことだし。

町を練り歩いていたら、4人組のスキルアルトに絡まれた。ただそれだけ。

 

「よーう。また会ったな劣能力者」

 

スキンヘッドの奴が話しかけてくる。

 

「どちらさんだっけ?」

 

正直本当に覚えてない。

でも、俺はニコニコ営業スマイルで答える。

 

「なあ、君たちこの子のつけている腕章見えないの?風紀委員だよ?捕まるよ?」

 

花飾りが腕に付けている腕章を引っ張って見せ付けながら俺は勝ち誇る。

そう、今は俺は風紀委員と一緒だ。

つまり俺は強い!

 

「うるせえ!」

 

ゴン!ドゴ!

 

殴られ、そして吹っ飛ばされた。

痛い。

 

「秋瀬さん!?」

 

「な、なぜだ!?なぜ殴られる…………ッは!?」

 

俺は一つの恐ろしい可能性に突き当たった。

恐る恐るその答えを口に出そうとすると相手のスキンヘッドも何か言いかけていた。

 

「もしや俺が、「おまえが、風紀委員と一緒にいたとしても別に俺が(お前が)風紀委員になったわけじゃねえから殴られても文句は言えない」言えねえだろ」

 

クソ、答えが被った。

 

「いや、言えますよ!?」

 

花飾りがなんか言っているが、そんなもの聞く気力もない。

俺は何て、

 

「つまりお前はとんだ虎の威を借りる狐だったわけだ。つー訳でくたばれ劣能力者!」

 

スキンヘッドが今度は能力を使って拳に炎を灯して殴りかかってきた。

あれは流石に殴られたらやばい、火傷する。

ということで、隣で必死に俺に何かを訴えかけている花飾りの襟首をつかんで猛ダッシュで逃げた。

 

「あ、頭が!いてえー!」

 

後ろで俺が逃げたことによる能力の余波で苦しんでいるスキンヘッドたちがいた。

 

「俺に中途半端な能力で来るから――ん?あいつら、前は能力なんて使っていたっけ?」

 

逃げだしたことであのスキンヘッドたちのことを思い出し、振り返ると彼らの頭から透明な目には見えない――つまりはAIM拡散力場でできた糸が伸びていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「秋瀬さん。何するんですか。ああいう人たちは、普通に捕まえていいんですよ!」

 

スキンヘッドたちを撒いた後俺は、花飾りから説教をくらっていた。

花飾りは少し伸びてしまった自分の襟首を気にしながら、カンカンといった感じで俺を叱っている。

 

「いや、すまんすまん。制服は後で金できたら弁償するから」

 

と言ってもいつになるかわからんけど。

 

「あ、ありがとうございます。ってそういう問題じゃなくって!………アレ電話?佐天さんから?」

 

まだ続くのかと思ったところで、花飾りの携帯が鳴った。どうやら相手は佐天らしい。

佐天というのは花飾りの友人で無能力者の女の子だ。俺が最近支部にたむろしているときに花飾り目当てよくあらわれる子で、花飾りが仕事をしているときやることがない同士でよく話している。

印象としては、無能力者らしく能力へのコンプレックスがありまくりで、俺のこと(正確には俺の制服)を見て高位能力者だと勘違いしている思い込みの激しい子だ。何度も言うが別に長点上機生は全員高位能力者なわけじゃない。

 

というところで佐天からの連絡を受けた花飾りの顔色がみるみる青くなっていった。

 

「し、白井さんがスキルアウトに!?」

 

「どうやら今度は本当に事件みたいじゃないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はいよいよ中ボス戦です。

というかいつになったら魔術と化学は交差するんだよ。
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