白兎、悪鬼と呼ばれし竜を身に纏う 作:餅が食べたい
僕の名前はベル・クラネル、【ヘスティア・ファミリア】という探索系ファミリアに所属をしている唯一の団員です。
そんな僕は今日も
自分自身が強い何か、それは僕がその剣に興味を持つのには十分過ぎる理由だった。
「なんだろう、この剣?」
僕がその剣を握った瞬間、いつの間にはダンジョンとは別の場所に立っていた。
「えっ、ここ何処!?」
いきなりの事に動揺を隠せない僕。
すると、そんな僕の後ろから声が聞こえてきた。
『お前がコイツの新たな所有者か。』
僕はその声が聞こえてきた後ろに振り向くと、そこには
「俺の名前はブラート、この帝具・悪鬼纏身インクルシオの前任者だ。」
「ぼ、僕は【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネルと言います。」
ブラートさんはそう言うと、金属の櫛で髪の毛を整える。
僕は頭を下げながら挨拶をしてから問いかける。
「帝具って何なんですか?」
僕がそう問いかけるとブラートさんはこう言って来る。
「帝具ってのは1000年前、帝国を築いた始皇帝の命により造られた48の超兵器。インクルシオもその一つだ。
帝具は体力、精神力を著しく消耗するがその性能は強大で、帝具所有者同士が戦えば必ずどちらかが死ぬと言われている。
帝国を築いた初代始皇帝の「ずっとこの国を守っていきたい」という願いのもとに開発されたが、開発から500年後の内乱により半数近くが行方不明となっちまっている。
そして、帝具を使用するには帝具への第一印象が重要になってくるんだ。」
それを聞いた僕は疑問に思った事を問いかける。
「あの、その帝国ってどこにあるんですか?」
それに対してブラートさんはこう言って来る。
「少なくとも、この世界には存在していない。現に、ベルは帝具って言葉を初めて聞いただろ?」
その言葉に僕は首を縦に振って頷くが、ブラートさんの言葉を聞いてこう答える。
「ブラートさん、この世界ではってどういう事なんですか?まるで帝具やブラートさんが別の世界からやって来たみたいな感じですけど・・・。」
そう言うと、ブラートさんはこう言って来る。
「おっ、察しが良いな。その通り、
「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!???」
僕はブラートさんの言葉を聞いて驚きを隠せないでいた。
だってそうだ、いきなり
すると、ブラートさんがこう言って来る。
「ベル、この事に関しては俺も同意見だ。何故、異世界であるここに俺やインクルシオがやって来たのかは分かっていない。それに・・・。」
言葉を詰まらせるブラートさんを見て、僕はこう言った。
「ブラートさん、どうしたんですか?」
僕の言葉にブラートさんはこう言って来る。
「ベルは俺がもう死んでいると言ったらどうする?」
「へ?」
いきなりブラートさんの自分は死んでいる発言に僕は息を呑んだ。
すると、ブラートさんが語り始める。
「元々俺は帝国の軍人だったんだが、腐敗しきった帝国が嫌になって革命軍の暗殺部隊に入ったんだ。そして、その報いで死んだ。後悔は無いが、ある一つの悔いが残っちまってた。」
「それは何ですか?」
僕はそう聞くと、ブラートさんはこう言って来る。
「あぁ、その部隊に俺が眼をつけた男がいるんだが鍛えていけば俺を超える存在になっている奴なんだが、そいつの成長を最後まで見届けられなかった事がな・・・。」
僕はそう言うブラートさんの表情は暗いものを感じた。
僕にはブラートさんにかける言葉が無い。
僕もおじいちゃんを亡くしてしまった日、受け入られなかったからだ。
すると、ブラートさんはこう言って来る。
「まぁでも、死ぬ前にあいつの成長の一片を見れたからな。」
そう言って笑みを浮かべるブラートさんの表情はさっきとは打って変わって晴れやかなものだった。
「そうですか、それだけブラートさんが想ってくれているならその人も嬉しく思っていますよ。」
僕がそう言うと、ブラートさんは笑みを浮かべながらこう言って来る。
「嬉しい事言ってくれるじゃねぇか、ベル。そうだな、お前の言う通りだな!!」
それを聞いて僕も笑顔になると、ブラートさんがこう言って来る。
「おっといけねぇ、話が脱線しちまってたな。つまり、ベルはこの帝具悪鬼纏身インクルシオの所有者になっちまったって訳なんだが・・・。」
それに対して僕はブラートさんにこう言った。
「いいですよ。」
僕の言葉を聞いたブラートさんはこう言って来る。
「本当に良いのか、お前の人生を狂わせる事になったとしても?」
「はい、ここでブラートさんに出会ったのは偶然かもしれません。ですが、インクルシオに選ばれたと言うことは何か意味があるんだと、僕は思うんです。・・・だから!!」
そう言いきった僕に対してブラートさんはこう言って来る。
「・・・分かった。ベル、お前にインクルシオを託すぜ!!」
「はい、ありがとうございます!!」
ブラートさんにそう言って貰い、僕はお礼を言う。
「それじゃあ、そろそろ現実世界に戻った方が良さそうだな。」
「え?」
いきなりそう言ってくるブラートさんに疑問を抱く僕。
「この空間は精神世界でお前の心の中で会話をしているんだ。だから、今のお前は剣を握ったまま棒立ち状態だ。」
「そうだったんですか!?それなら早くも戻らないと!!」
僕がそう言うと、ブラートさんがこう言ってくる。
「安心しろ、今いる場所はインクルシオの素材になっているタイラントっていう竜型危険種の気配に怖気づいてモンスター共はやってこねぇ。」
その言葉を聞いて僕は安心をする。
そして、ブラートさんがこう言ってくる。
「ベル、このインクルシオは危険な代物だ。だから、自分の力と勘違いするなよ。」
そう言ってくるブラートさんの眼に僕はこう答える。
「はい、ブラートさん!!」
僕がそう言った瞬間、現実の世界にへと戻っていった。
楽しんでいただけたら幸いです。
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