GOD EATER~神々の黄昏~ 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
◇ 西暦2071年 極東支部
この日……大きなアラガミ装甲壁に囲まれた東の最端に位置する元日本…現在のフェンリル極東支部の中心建つ建物……通称アナグラは別の慌ただしさに包まれていた
「おい、〝彼奴ら〟が帰ってきたってほんとかよ!?」
「ええ!本当みたいよ!」
「早く、見に行こうぜ!」
男女問わず、アナグラ内を走り、この極東支部に戻ってきた〝彼ら〟を出迎えに動いていた
「どうしたの?みんな、こんなに慌てて……」
そんな中、黒短髪の女性と茶色い服を着た男性、紺色のフードを被り、紺色のコートを着た男性がエレベーター降りてきた
「リンドウさん、ソーマさん、サクヤさん、ミッションお疲れさまです」
その三人に受付の赤い髪の女性が声をかけた
「……ヒバリ、何があったんだ?」
紺色のコートを着た男性……ソーマさんと呼ばれた男性が受付の女性……ヒバリと呼ばれた女性に現在のこの、見幕について聞いてきた
「あ、はい。数分前のことです、
「「「!!!???」」」
ヒバリの言葉に三人は驚愕してしまう……三人とも……いや、この極東支部の一部を除き皆、ヤマトとナナの存在は大きかった
「五月蠅いぞ!一体何の騒ぎだ!」
別のエレベーターからどなり声とともに黒髪で白い服を着た女性が降りてきた
「あ、ツバキさん!実はですね、ヤマトさんとナナさんが戻ってきたんですよ!」
「……そうか…アイツ等がな………ヒバリ、皆に伝えておけ〝
「了解しました」
ヒバリにツバキさんと呼ばれた女性は少し笑みをこぼすとエレベーターに乗り、どこかに行ってしまった
◇
対アラガミ装甲壁を超えて内部居住区を車で進むヤマト達…
「お兄ちゃん!私たち、戻ってきたんだね!」
「……ナナ……そうだな!俺達は帰ってこれたんだよ」
助手席に座るナナの喜びの声に複雑な顔をするヤマト……だが、ナナの笑顔には勝てず、この一時だけは目的を忘れ楽しもうとした
「…おーちゃん、初めての極東はとうかな?」
極東支部に入ってから運転を変わり、後ろの席に座るオレーシャに運転しながらヤマトが聞いた
「ロシアとあんまり、変わらないかな……でも……ここが最前線だってわかる……数ヶ月でも私は【GOD EATER】だったんだから…」
オレーシャはどこか悲しそうに…そして、どこか懐かしむように外を見ていた………でも、外部居住区に住む住人を見ると微笑んでいた
だが………この一時の平和は爆発音と共に消え去った
「老朽化してたはずの第八外壁が破壊されたのか……おーちゃん、ナナ……どうする?」
「もちろん、私は行くよ……この極東支部には初めてくるから……私には関係ないと言えば……そう、かもしれない…でも、私は戦うよ…そのためにここまで来たんだから」
「私も戦うよ、お兄ちゃん…そして、守るよ。戦えない人たちを…」
「……フフッ…そうだな」
ヤマトは微笑んでから車を発進させた
時は少しだけ遡り、第八外壁 近郊
「…みんな酷いよ……エリックがいなくなったって……」
顔を俯かせながら第八外壁近郊の狭い路地を一人、黒い服を着た少女がとぼとぼ、と歩いていた
「エリック……私のこと…嫌いになったのかな……」
少女に優しく、何時もいろんな物を買ってくれていたエリック……エリック・デア=フォーゲルヴァイデ…彼はここ極東支部の【GOD EATER】だった……だったとはつい先日、彼は任務中に戦死……この世から去ってしまっていた……その事は少女にも伝えられていたが……少女は彼の死を受け入れることができていなかった……
「……ナナちゃんもヤマトお兄ちゃんとどこかに行っちゃっていないし……独りぼっちは…やだよ……」
少女の目から大粒の涙が一滴、零れ落ちる……と、同時に直ぐそばで爆発音と共に何かが崩れ落ちる音が聞こえた
「キャアア!」
少女は爆発音と何かが崩れ落ちる音に驚き、尻餅をついてしまう
「いったいなに………アラガミが壁を破壊したの?」
少女の頭に過ぎったのはアラガミによってアラガミ装甲壁が破壊して外部居住区に侵入している、というもの……
「早く…逃げなきゃ……あれ……足が動かない」
少女はこの場から逃げようとするが尻餅をついた影響か、足が動かなかった…
[ガアァァァッ!]
「ひぃ!」
アラガミの雄叫びを聞いた少女から悲鳴がもれ、少女は必死に立とうとするがピクリとも足が動かない……すると、少女の耳に足音らしき音が聞こえて少女の顔は恐怖に包まれていく…
[グルルルルッ]
「ひぃ!」
建物の影から出てきた足音の正体は二本足で頭が白い物に覆われた化け物……二匹のオウガテイル…アラガミの中で最も数が多いアラガミだった
「いやだ…来ないで……来ないでよ……」
二匹のオウガテイルは少女にゆっくりと近づいていく……少女は泣きながら必死に立とうとするが変わらず立ち上がることはできなかった……
「誰か……助けて……助けてよ……エリック……」
少女は亡きエリックに助けを求めるが……エリックは助けに来ない………二匹のオウガテイルが少女を補食できる距離に後、一歩の所で建物が崩れ落ち一台の車が二匹のオウガテイルを当て飛ばした
「ナナとおーちゃんは少女を安全な場所に!それから、リッカに持ってきたコアを!こいつらは俺がやる!」
「わかったよ、ヤト!」
「わかったよ、ヤマトお兄ちゃん!」
ナナとオレーシャは二匹のオウガテイルをヤマトに任せて少女の方に向かう
「君、だいじょ……て、エリナちゃん!?」
「ナナちゃん……?ナナちゃん……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
少女……エリナは助けられたのと目の前の親友ナナにあえて溜まっていたのが一気に押し寄せてナナの胸で泣きじゃくる
「よしよし、怖かったね…もう大丈夫だよ……後は安全な場所に向かうだけだからさ」
そう言うとナナはエリナを抱きかかえて車に入り、オレーシャも運転席に座り、車を発進させて中心部に向かった
「さて……俺の妹分を泣かせた罪は重いぞ?…」
車を見送ったヤマトは一人、オウガテイル二匹に静かだが激しい殺気と冷たく凍り付きそうな鋭い目を向けた……
「……絶望のこの世を果てさせろ…
ヤマトが唱えるように叫ぶと青白い光と共に右手に封印されるように大きな鞘に収まってる刀が現れ、握られていた
「……果てろ!」
[グガアァァァァァァァ!!]
ヤマトはオウガテイルが捕らえきれない程、早く動きオウガテイル一匹に鞘に収まった状態で【世果】を上段から振るうとオウガテイルの頭をかち割り叩き潰してしまった……そこで、漸くもう一匹のオウガテイルがヤマトを捉え、補食しようと口を開き襲いかかってくるが……
「……らぁ!」
ヤマトはオウガテイルが届く前に下段からクリティカルヒットさせた………ヒットしたオウガテイルは装甲壁にぶつかり、地面に落下する……体は潰れ絶命していた……
「こいつらは本職に任せるとして………」
ヤマトは絶命したオウガテイル二匹に背を向け、歩いていった
続く