GOD EATER~神々の黄昏~   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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蒼穹の月

 

 

 

 

 ◇贖罪の街 上空

 

「あれは、プリティヴィ・マータだな?」

「うん、マータだね」

 

 鎮魂の廃寺から消えた3人は贖罪の街上空にいた

ツバキから聞いていた〝新種のヴァジュラ〟とは、ユーラシア大陸で確認されていたとされる、ヴァジュラ神属の接触禁忌種のプリティヴィ・マータ。ヤマトは独自の情報網でフェンリル本部からの情報を入手し、ロシア支部と極東支部の往復で何度か討伐していた

 

「おーちゃん!」

「任せて!クラリッサ!!」

 

 ヤマトの声にオレーシャ……アナスターシャは頷くと3本の杖がアナスターシャの回りを浮遊するように現れた

 

「ロックオン!手加減なんてしないよ!クラリッサ、イル・フォイエ!」

 

 イル・フォイエ、アナスターシャが使う火属性最大技。クラリッサにより隕石を炎で作り出し、ターゲットに向けて落下するこの技はたとえ接触禁忌種であろうと火属性が効かない限り一発で絶命させてしまう

 

「ナナ!」

「OK!お兄ちゃん!」

 

 勢い良く着地した3人は平然とプリティヴィ・マータの死体の間を走り抜け、アリサが誤射した瓦礫で塞がれた入り口にたどり着くと、ヤマトはナナに声を掛ける

ナナは兄でもあるヤマトの考えを即座に理解し、ラビュリスに力を込める

 

「うおオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 叫ぶナナに呼応してラビュリスが光り出し、ナナはそのまま振り下ろした

振り下ろされたラビュリスは瓦礫を破壊して入り口が開かれる

 

「うおぉ!?ヤマト達か!?」

「ツバキさんからの指示で救出しに来ましたよ、リンドウさん」

 

 教会の中では複数のプリティヴィ・マータを相手取るリンドウが瓦礫が吹き飛んだことに驚いて声を上げていた

 

「おーちゃん、ナナはマータを頼む。俺はあの親玉を狩る」

「うん、了解」

「は~い!」

 

 教会内にはプリティヴィ・マータだけでは無く、教会の高い位置の外に通じる穴にボスの風格を持つ〝黒いヴァジュラ神属〟が高みの見物をしていた

 

「情報でも見たこと無いアラガミだな………いや、どこかで聞いたことがあるか? 誰の話だったか? 話、トラウマ……ヴァジュラのトラウマ……そうか、思い出した」

 

 ヤマトは目の前の〝黒いヴァジュラ〟をどこかで聞いたことがあると記憶を思い出していく、そして、思い出すと怒りをあらわにした

 

「お前()()()()()()()()()()()()()()()()だな?!」

「ッ!!」

 

 怒りをあらわにしたヤマトが叫んだことにプリティヴィ・マータを殲滅していた、アナスターシャが驚きの表情をする

 

「漸く見つけたぞ!」

 

 ヤマトは世果を構えて走り出した

 

[GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!]

 

 黒いヴァジュラは吼え、ヤマトに向きって雷球を複数放つ

 

「ヤマト!」

「おらぁ!!」

 

 後ろのリンドウがヤマトに叫ぶが、世果・封にサーフボードのように乗り、そのまま雷球を封殺して黒いヴァジュラに突貫した

ライドスラッシャー……ヤマトが突貫するときによく使う技で武器をサーフボードの変わりにして突撃する技だが、もちろんのこと、武器をサーフボードにするため自分より高い位置の相手には無防備を晒すことになる

 

「随分硬いな、その鱗」

 

 世果・封を黒いヴァジュラに叩きつけるが、あまりダメージを受けていなかった

 

「あぁ、わかってるよ。お前も骨のある奴を相手にしたかったよな、世果。お前の封印解いてやる!存分に力を振るえ!」

 

 武器と喋るヤマトにリンドウは困惑していたが、ヤマトが鞘を外すと光り輝く刀身があらわになる

 

「いくぞ!」

 

 ヤマトはそのまま黒いヴァジュラに向けて走り出した

 

「おい、ヤマト!」

「大丈夫だよ、リンドウさん」

 

 ヤマトを制止しようとするリンドウはアナスターシャに止められた

 

「ヤトが世果の封印を解いた時、それはヤトの本気なの」

「ヤマトの本気?」

「はい、ヤトのお父さんはある剣の流派を継いだ人でした。ヤトも幼い頃からその流派を教わり、師範代にまで上り詰めてました」

 

[GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!]

 

 話の途中、黒いヴァジュラの咆哮が聞こえ、アナスターシャがふり向くとヤマトが高くジャンプしていた

 

飛天御剣流 (ひてんみつるぎりゅう)………龍槌閃(りゅうついせん)!!!!」

 

 高くジャンプしたヤマトはそのまま重力に逆らわず落下する

落下地点では黒いヴァジュラが口を開け今にも跳びかかろうとしていたが、ヤマトは構わずに落下したまま剣を振り下ろした

振り下ろされた剣は落下速度も合わさり重い斬撃になっていた

 

「飛天御剣流、何人も教わりましたが技まで継承しているのはヤト1人だけです」

 

 ヤマトが着地と同時に黒いヴァジュラも崩れ落ちたが、誰一人警戒を緩めていなかった

 

「仕留め切れなかったか」

 

 ゆっくりと起き上がる黒いヴァジュラ……ヤマトの一撃で左目と幾つかの牙が結合崩壊して地面に落ちているだけだった

 

「逃げた?」

 

 黒いヴァジュラは立ち上がると高みの見物をしていた穴から外にでていった

 

「ヤト、追いかける?」

「いや、深追いは辞めよう。一先ず、リンドウさんの救出には成功したからな。帰投しよう。ヒバリさん、ヘリの手配をお願いします」

『は、はい!至急手配します!』

 

 通信機越しに慌てるヒバリの声にヤマトは微笑んでいた

 

 

 

続く

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