パチュリーさんは現代の家で居候しています。   作:閏 冬月

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15話 パチュリーさんはパソコンの扱い方を覚えました。

「まずですね……」

 

俺はパチュリーさんにパソコンの使い方を教えようと考え、ノートパソコンを開いたのだが。

パチュリーさんは息が聞こえるほどの近さにいる。

正直なところ、心臓がバクバクと鳴って落ち着こうにも落ち着けない。

 

「電源の入れ方分かります?」

 

「それぐらい判るわよ」

 

少し頬を膨らませながら、不機嫌に答えるパチュリーさん。ただただ可愛いの一言に尽きる。贔屓目無しに見ても、今、この状態のパチュリーさんを可愛いと思わない男はいないだろう。出来ることならば今すぐ写真を撮って永久保存にしておきたい。

 

「早く」

 

未知の物と俺とでは、ランクとしては未知の方が上のようで。哀しい。

役に立たねば。

 

「パスワードを入力します」

 

「今日、ここまで行ったのだけれどもパスワードが分からなかったのよね。何処かに書いてある紙とかあると思って探したのだけれど無くて」

 

どうやら、予想どおり俺が学校に行っている間に触ろうとしていたらしい。

パスワードの紙を鞄に忍ばせておいて正解だった。

と思いつつも、俺自身が学校にその紙を忘れているという事実はある。絡みのウザい友人に見つからないことを願うばかりである。

 

「パスワードは……」

 

maripachesikouと打ち込み、パスワードを解除する。

 

「パスワードはmaripachesikou……と」

 

どうやら一回見ただけで覚えたらしい。

さすがの記憶力です、パチュリーさん。

 

勘がいい方はお気づきになられただろう。このパスワードは日本語に戻すと『まりぱちぇしこう』。つまりは魔理パチェ至高という意味だ。

特段、深い意味はない。

魔理パチェのカップリングは最高だ。ただそれだけのこと。

 

「そしてデスクトップという画面になると、ここから自由にネットを使ったり、文字を打ち込んだりできます」

 

「成る程……。煉、何か私に見せて」

 

「仰せのままに」

 

パチュリーさんから冷ややかな視線を感じるが気にしない。

我々の業界、少なくとも私にとってはご褒美です。

 

「マゾなのかしら?」

 

「そんなことはないです」

 

とりあえずインターネットブラウザを起動し、G○○gle大先生を開く。

Yah○○先輩でもいいのだが、何故だろう。

信頼感が違うのだ。

 

「検索……。ク○クパッドでも教えようかな」

 

クックパ○ドを検索。

ウ○ルスバスターがちゃんと作動していることを確認しながら、パチュリーさんに手渡す。

クックパッ○はすでに入っている。

 

「ここから……どうするの?」

 

「このカーソルをここの空白に入れて、形が変わりますから、左のボタンを押します。それから……」

 

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パソコンの使い方をパチュリーさんに教えたら、すぐに覚えた。

ウイルスが入ってしまわないか。いや、入るだけなら問題ない。入ってしまった上で、パチュリーさんが混乱しないか。混乱して、パソコンを壊さないか。

それだけが1番の不安要素だ。

 

そして現在、朝のリベンジとしてクック○ッドから取ったレシピを見ながら、パチュリーさんは夕飯を作っている。

献立としてはハンバーグだそうだ。

とりあえずパチュリーさんが見えていない今がチャンスだ。拝んでおこう。

 

「ありがたや、ありがたや……」

 

「煉、サラダ油ってどこ……何をやってるのかしら」

 

「後ろめたいことなど一切しておりませぬ。ただただパチュリーさんのことを拝んでいただけでございまする。あ、サラダ油は冷蔵庫の隣にある棚の1番下に入ってます」

 

「そういうのがなければ、良い人だとは思うのだけれど……」

 

こういう風に呆れられることも、俺がパチュリーさんのことが大好きであるからこそ、気持ちの良いものとして受け止められる。

 

「出来たわよ」

 

「それでは、食べましょうか」

 

パチュリーさんが来てから、何かが劇的に変わるわけではない。

俺の中の優先順位が入れ替わるだけだ。

だから、この平凡な日常を。

 

「パチュリーさん、サラダには塩は必要ないですよ」

 

「え?振った記憶はないのだけれど……。あ…、あの時に塩の入っている容器を倒してしまった時に……」

 

「塩分の摂り過ぎには注意してくださいねー」

 

ひっそりと噛み締めておこう。

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