「明日、学校に行ってきますね」
なんとか本題に戻すことが出来た。
菫子さんの話を出すんじゃなかったという後悔もあるが、ある1つの可能性に気付くことが出来たこともあり、後悔しているか?と聞かれれば、分からないと返答する他ない。
「分かったわ。だいたいどのくらいで帰って来るのかしら?」
「だいたい8時間前後ですね」
残念ながらに俺は部活には入っていない。
入ろうと考えたことも、ついこの1週間前にあったが、この状態で入りたいと思う人はいないだろう。
好きな人が居候している。そう考えれば、絶対に1分、1秒でも長く一緒にいたいだろう。
「その8時間って何時から……?」
少し伸びをしようと、立ち上がった俺の服の裾を掴みながら聞いてきた。
その顔は寂しそうに主人を見つめる猫のようだった。
言ったら絶対に包丁とか取り出して殺しにかかるだろうから、絶対に言うことが出来ない。
あれ、その風景を側から見ればヤンデレのアレなのでは。
「8時には家を出るので……帰ってくるのは5時過ぎぐらいになります」
高校が家から近いって素晴らしい。
自転車で20分あれば余裕で着くことが出来る。
一応、一人暮らしという形にはなっているが、月1、多い時で週1ぐらいのペースで両親が様子を見に来る。
理由はこの良物件を見つけてくれたうえで、一人暮らしを認めてくれたのは両親だからだ。
そして、現在の俺の心配はその親に対して、パチュリーさんを説明するかだ。
もし、明日の学校に行っている時に親が様子を見にくれば?パチュリーさんはなんと自分を説明するだろうか。
「なにか不安そうな表情ね。どうしたのかしら?」
「あのですね……。親が来る可能性があるのです……。あと、パチュリーさんがちゃんとご飯をとってくれるかも心配です」
パチュリーさんは絶食する系女子のような気がするのは俺だけだろうか。
用意されたものしか食べないと思う。
今日はまだ、買い物に行ったからこそ、パチュリーさんの食べたいものを用意出来たが、俺が家にいなかったらどうなるのだろうか。心配である。
「大丈夫よ。両親が来るのだったら、あのクローゼット。押入れというのに入るから」
どこぞの青いたぬきロボットですか?
「それに、いんすたんと麺を食べるわ」「それ、食べて大丈夫じゃなかったやつですよね」
パチュリーさんがボケ属性だとは思わなかった榊原 煉。改行の入らないツッコミを入れてしまう。
「ふふ、冗談よ」
冗談には聞こえなかったです、パチュリー殿。
とりあえず、作り置きをしておいた方が良いだろう。
パチュリーさんの体調のことも考えないといけないため、あまり身体に悪いと思うものは入れてはいけない。
塩はかなり少なく、なるべく調味料も使わないようなもの。
ダメだサラダしか思いつかない。
「お米だけあれば充分よ。お茶漬け、この前にレミィが紅白の巫女から教えてもらった簡単な料理を食べてみたいから」
「本当にそれだけでいいんですか?」
お茶漬けならば、身体に悪いものは一切入っていない。
「それが食べたいのよ。聞きたいのだけれど、お茶漬けのお茶って緑茶じゃないといけないのかしら?」
「いや、どんなお茶でもいいですよ」
「紅茶でも?」
「それは僕の思考の範囲外です」
このパチュリーさんは本気で言ってると思ってます。